そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

牛乳が値上げを考える

2009-02-28 | 政治と金

又牛乳が値上げになります。今度は店頭価格、1㍑20円近く値上げになると思われます。理由の一つに挙げられていた、飼料用トウモロコシの輸入価格は、一月ほど前からかなり下がってきています。あまり大きな理由にならないかもしれませんが、農家はこうした時のために価格安定基金を積んでいます。

Photo一般の酪農家は穀物の値上げにも値下げにも、基金の供出と補てんのためそれほど大きな実感はないのです。3年前の倍近くなっているので値上げの理由にはなるのですが、最も大きな理由は担い手不足ではないかと思われます。

生乳生産は、昨年度798万トンに落ち込みました。20年振りに800万トンを切ったのです。20年前と大きく異なるのは、生乳生産の半分を北海道が生産するようになったことです。飲用乳になる府県の牛乳が極端に減ったのです。値上げの最大理由はここにあるのでないかと思っています。

スーパーなどでの格安商品、お一人何本、何箱までと銘打って売られるのが、牛乳と玉子と相場が決まっていました。玉子は牛乳以上に、工業生産化されて40年もの間価格を抑え込まれてきました。酪農家も養鶏農家も頑張ったですが、何と言っても被害になったのは鶏であり乳牛自身であったと言えます。

効率優先の畜産物の生産とは、アメリカの安価なトウモロコシの給与に頼ることでした。高生産と多頭化、大量給与が定着することでより一層輸入穀物の依存が高まってきたのです。多くの消費者が、トウモロコシの値上がりが牛乳に及ぶことは考えていなかったのではないだろうか。

製造業者も、格安の牛乳を市場に提供してきました。そのため、日本の牛乳のほとんどが高温殺菌牛乳となってしまいました。欧米では、こんな不味い牛乳はほとんどありません。僅かにLL(ロングライフ)牛乳、と呼ばれ保存用や輸出向けに生産されている程度です。

玉子や牛乳の価格を抑えることで、畜産農家は効率を優先させ不健康な家畜から、玉子や牛乳を生産するようになったのです。製造業者は、効率生産のために高温殺菌牛乳を生産する結果になったのです。

畜産製品を本来の形での飼養管理による生産を消費者が希望するなら、概ね現在の価格の倍にはなるものと思われます。本当の食品とはなにか、その上で価格を考えてほしいものともいます。

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小沢発言を考える

2009-02-27 | 政治と金

090227 民主党党首の小沢一郎が「日本いる米軍は、第七艦隊程度で良い」と発言した。米軍を3分の1に減らそうということだろうが、いつものように党内調整をやらずの発言であるが、これに自民党の面々がかみついた。

細田幹事長は現状を知らない発言であるというし、町村前官房長官は自衛隊を大きくするのかという内容だった。

小沢一郎は、加えて対等の同盟関係にするべきであり、アメリカの負担軽減を言及している。それならば、治外法権といえる地位協定や思いやり予算、それに各地で起きているアメリカ軍基地にまつわる事件などを取り上げるべきであった。

自民党が、イラクとアメリカの地位協定以下の治外法権である日米関係を守ろうとするのは、致し方ない。彼らのやってきたことである。自民党発言は気にすることはない。

小沢一郎が、単にアメリカの負担だけを考えてのことならそれで良い。あるいは、日本の異常と思える米軍の数を減らすための発言ならそれも良い。2,083億円にも及ぶ、泥棒に追い銭の思いやり予算を減らすことを考えているならそれも良い。対等の関係にもっていこうとするならそれも良い。

小沢一郎の思惑が自衛隊の増強にあるのなら、米軍を減らすという側面だけの評価で歓迎するべきではない。

世界最強の軍隊と、自国の防衛に限定された軍隊とでは対等関係になるはずがない。従属関係を脱するには、小沢発言のような部分的な問題を投げかけることも必要なことではある。今後の民主党の動きを注目したい。

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企業のリストラに学ぶ

2009-02-26 | 農業と食

トヨタが発表してから、多くの企業が惜しげもなく赤字決算見込みを発表している。リストラばかりでなく生産量も大幅に減らす。車は前年同期の46%に落ち込んでいる。

農業はそんなことはできない。食料はなくすことは勿論のこと、半分に減らすことすらできない。また倍にすることもできない。食料は必要不可欠なものであり、人の命を支えるものである。

農産物は、車などの工業製品のように簡単に量産できるものではない。通常の作物で基盤があっても、1年かかる。休耕田でも3年はかかる。酪農は増産に、施設があって技術力などが揃っていて最短で3年かかる。

WTOなどでは、テーブルに出してこない、さまざまな農業保護を世界各国がやっている。先日、鈴木宣弘東大教授の講演を聞いた。教授によると、アメリカの酪農は「牛乳は国家の基本食料、酪農は公益事業である」ととらえている。乳価の下限は設定されているし、余剰乳は国で買い取るシステムが出来上がっているとのことである。欧米の乳製品は98%自給している。飲用乳はほとんどが、低温殺菌牛乳である。

日本では、農協ひいては生産者が価格交渉をやって、余剰乳が出ると生産調整を農家が請け負うことになる。酪農家はいっぱいバターを買うことになる。往診に行くとただでくれる。不足すると、懸命に穀物量を増やして牛の病気を多発させながら増乳する。

国家的な取り組みは各国でいくつも抱えていて、日本のように馬鹿正直にWTOのテーブルになんでもかんでも上げてこないと、鈴木教授は言うのである。事実、こうした騙し合いの結果昨年夏のWTOが分裂した。

インドがアメリカの国内保護政策を告発したのである。インドは自国の農民と食料を守るためには、平気で会議をぶち壊すのである。私は長年日本のこうした交渉を見てきたが、日本の農民を守るために、体を張って交渉した大臣も官僚も見たことも聞いたこともない。

食料に対する基本姿勢がこの国にはない。工業製品の売り込みで経済発展を遂げてきた日本は、農民をリストラし続けてきた結果である。食料生産(農業)と車生産(工業)とは全く異なるものである。40年かけてきた農民のリストラを復活させるには、その倍かかるであろう。WTOが経済効率ばかりで交渉される。いい加減に見直す時期ではないだろうか

フォトアルバムに「庭に来た鳥たち」をアップしました。

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オバマはアメリカを再生できるか

2009-02-25 | アメリカ

オバマ大統領の初めての施政方針演説が行われた。全体として、国民への危機的状態の訴えと国民への鼓舞であったと言える。4870億ドルの緊急経済対策予算が通ったことが、オバObama_pledges_us_will_rebuild090225マを後押ししてるもの思われる。

オバマ大統領は、不要な教育体制や大型農業企業の問題を提起し、車産業の再生を訴えている。しかし、環境を考慮した車の開発は、日本や韓国に主要な技術は後れをとっていると訴えている。雇用を海外に求めないように制度の手直しもすると発言している。

従来のアメリカの強力な軍事力に支えられた、世界への進出への諫めともとれる。オバマ大統領は、核兵器の根絶も訴えていたし、不要層を優遇する社会システムの見直しも公言していた。世界に向けて対話重視の姿勢を強調していた。

これらのことが言葉通りに実行されるなら、アメリカは大きく変わることになる。中東職との対話にしても、イランとは核開発やミサイル問題、イスラエルとの関係につても、対話で解決できるか大いに疑問である。中国とは民族問題や民主化問題、人権問題については、封印しなければ対話できないことがクリントン長官の訪中で証明された。従来の民主党の主張と異なる。

グリーンデーると言われる、新エネルギーの開発は歓迎されなければならないだろうが、アメリカは明らかにヨーロッパや日韓に遅れている。こうした新産業の開発は、遅きに失した感がある。アメリカがどこまで景気を刺激する程度まで、産業を育成できるか未知である。

更に、こうした経済対策は、恒常的なアメリカ財政の赤字をさらに膨らませることは、目に見えている。1.5兆ドルになるものと思われる財政赤字の対策は、景気回復では埋まることはない。より一層の赤字を少なくすることにしかならないものと思われる。

オバマ大統領の施政方針は総花的であるが、実効を上げることになるならば、個人的にはアメリカの転換点になり大いに歓迎すべきものである。その可能性は、それほど高くないと思われる。

左のフォトアルバムに、「庭に来た鳥たち」をアップしました。ご覧ください。

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本当の支援の在り方を見る

2009-02-24 | イスラエル

23日のNHK特集は「菜の花畑の笑顔と銃弾、アフガンに捧げた涙と感動の記録」という題で、医師中村哲氏が率いるNGO「ペシャワール会」の職員の伊藤和也さんの記録であった。農業短期大学を卒業し、アフガニスタンの農業指導に出かけ、拉致され殺害された伊藤さんの活動を通じて、何が本当の支援かを知ることができた。

日本の報道では、アフガニスタンの農村には武器をもったタリバンが居座っているような感がなくもない。伊藤さんが接していた現地の人たちは、誰もが温厚で戦闘態勢にある人たちとは思えなかった。

貧困と飢餓が彼らに武器を持たせ、ケシの栽培をさせるのである。伊藤さんはサツマイモの栽培を、3年間も失敗を繰り返しながらも、昨年はようやく収穫ができたのである。彼と現地の人たちの歓びようは隠しきれない。

これこそ本当の支援である。日本の国会が、ペルシャ湾でアメリカ艦隊に給油の後方支援をやっていることが、国会のねじれから衆議院に戻され、一時中断したこととで、誰もが知ることとなった。それまで、日本の中古車両につけてあった日の丸の印を削除したのである。アメリカに協力することは、日本人誰もがテロの対象になりうるからである。

本当の支援は武力ではない。武力で、どちらか一方の支援をし屈服させたところで、民衆の反感をかうだけである。アフガニスタンは、イギリス、ソビエトなどの大国と闘ってきた歴史がある。勝利した国はない。

ここに、オバマ大統領は軍事支援をやることを決めた。アフガニスタンは海に面していない。東には、すでに親米色をなくしたパキスタンがあり、西には核開発やパレスチナ問題などで敵対するイランがある。北のロシアが支援してくれていた、キルギス共和国のナマス軍事基地は、先頃閉鎖された。アメリカは空輸しか道が残っていない。

EUの軍隊も苦戦を強いられている。アメリカがここにいくら大量の兵力を投じても、民衆の支持は得られることはない。一時の服従は可能でも、民衆の心までは変えることができない。

ペシャワール会のような支援だと、儲ける企業や団体がいない。テロはアメリカの銃口の先にあるのではなく、アメリカ国内にあるのである。真の援助とはないかを、伊藤さんの活動と現地の人たちの笑顔と、殺害を悲しみ表情から見ることができる。こうした貢献は、憲法9条をもっている日本にはうってつけなのだるが、政府はアメリカ艦船の給油にこだわるばかりである。

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生産者が食い物の社会構造

2009-02-23 | 政治と金

人は社会を構成して、職業を分担しながら営んでいる。人の営みには物がなくてはならない。職業の分担は、生産された物(商品)をどのように処理するか、あるいは商品をどのように生産するかを支えるかで成り立っていると言える。

それぞれの販売業者は、商品の有利性を誇張し売りさばく。流通は高度になり密度がますにつれて、商品は遠くまで鮮度や外観を損ねることなく運ぶことになる。

生産者あるいは製造業者は、商品の価値に誇りを持つ。販売業者は、商品価値を誇張して販売する。多くの生産者は消費者に渡った価格を見て驚くことが多い。

昨年12月10日に飲用乳の生産者者価格を1㍑あたり3円値上げすると、乳業3者が発表した。実に30年ぶりの値上げである。消費者は、単純に牛乳も値上げするのかという程度の感覚でないかと思われる。

実際に消費者価格となると、10円程度の値上げになることは間違いない。消費者は、酪農家の手取りが増えたと思って、牛乳を購入することになるだろう。生産者の値上げは3円であるが、ここに業者の取り分のおおよそ7円程度が、便乗的に値上されるのである。公表されたのは生産者価格(取引価格)だけである。業者の取り分は公表されることはほとんどない。

商業資本主義社会の時代は、消費者の望む優れた商品を生産する者が儲けた。産業資本主義社会になって、うまく販売する方法を見つけたものが儲かるようになった。現在の金融資本主義社会は、お金をもっているものが生産者や販売業者たちに資本を与えたり、資本を巨大化することで儲ける仕組みとなってしまった。

日本は豊芦原瑞穂の国であり、農耕が勤勉で実直で何よりも、水管理などを通じて共に支え合う共同社会を維持することで栄えてきた民族である。高度な生産技術も、会社への奉仕精神も気配りある商品開発も、こうした民族性と無関係ではない。

今社会が高度な資本主義者気に突入することによって、生産することへの誇りや自信が急速に失われつつある。手を汚すことなくお金儲けをしたい若者が増えている。日本民族の先人たちが培ってきたことが否定されつつあるように思えてならない。

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鷹山に学ぶ

2009-02-21 | 政治と金

経済については門外漢である。金子勝の「閉塞経済」を読んだ。読んだのは前半とその後のつまみ読みである。経済が一般の人にとって理解できなくなったのは「金融」が表舞台に出てきたからである。

金子氏によると、資本主義は「商業資本主義」から「産業資本主義」の時代を経て、「金融資本主義」の時代になっているそうである。金融危機が起きて、実体経済への波及が憂慮された。今の資本主義は実体が無視された体制なのである。

私たちは実体経済の中でしか生きていない。モノ作りを効率的に行い商品を市場に提供して55 いいた時代から、産業革命経て資本が大きくなるところまでしか一般の人間はついてゆけない。金融資本は、実体のないお金廻しの論理でしかない。一般の人たちを幸福にはしない。収奪の対象としかしないからである。

今起きている危機は3つある。一つは経済危機であり一つは行政の財政危機である。もう一つは、環境の危機である。これらを同時に解決するには、一旦商業資本主義の時代までさかのぼって考えなければならない。でなければ、実態が把握できないからである。そんな方法があるのかと思われるが、あります。

江戸時代の藩政改革にそれを学ぶことができる。米沢藩の上杉鷹山の改革である。為政者である藩主自ら身をただし、一汁一菜に徹し倹約に心がけることで範を示した。武士たちには収入に見合った生活をさせ、仕事を与え、産業を興したのである。

実体経済の最たるものが、農業などの地域産業である。鷹山は養蚕を勧め絹織産業を振興させ、養鯉や和紙製造など50以上の商品開発まで行った。

金融危機に対する視点に埋没すると、金のバラ撒きも納得する側面がなくもない。しかしそれでは、残りの危機を解決できない。財政はひっ迫し地球温暖化は進行するばかりである。

鷹山の教訓を今に生かすためには、地域に根ざした実体経済の主軸となる産業振興を行うべきである。その主体は農業である。日本は農業を捨ててきたからこそ、世界第2位の経済大国になったと言える。だからこそ、農業を立て直し自国の食料を国民に供給することが、現在の危機を救うことになるのである。

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歴史への不認識である

2009-02-19 | ロシア

許してください。もう二度とあんな低レベルの、麻生太郎のことは書くまいと思ったのですが、この男の歴史不認識が容認できませんでした。

北方領土を「独創的で型にはまらないアプローチ」で解決する、と公言した。この文言がロシアの言い分をそのまま受け入れたものである。北方領土を、なにかの行き違いでロシアのものとなっているよな表現である。

日本は北方領土は、日本の領土であるとするのが政府の基本方針である。それには、終戦時のどさくさに、ソビエトは国際信義に背く行為を行って占有した事実の基ずいた結論である。

アホー首相はこの国家の原理原則を捨ててしまった。ちょっとでもいいから返してもらえるような話になればいいと思っているようである。国家の基本方針を転換したのである。あるいは、歴史的な事実関係を知らなったので、口にしたのであろう。

根室に時折、近代史の研究者が来る。彼らのどの論文を読んでみても、日本が全面降伏した後のソビエト占拠に、論理的、法的な根拠があるとは思えない。交渉の経過過程で、2島になったり面積半分なら解らなくもない。独創的アプローチは、日本の基本姿勢を否定することを意味する。

樺太(サハリン)の北緯50度以南は、1905年のポーツマス条約で日本の領土となったとこ1952ろである。日本がここを放棄したのは、1946年に占領軍によって行政権の停止が通告されたことによる、いわば行政処置である。その後の領有権の確定根拠となる、1952年のサン フランシスコ講和条約には、ソビエトは参加していない。こうしたことを根拠に、ここには日本の行政の長は土を踏むことをためらってきた経緯がある。

今回のロシア政府による日本の首相を招き入れには、こうした意見に対して最後の楔をさすことをも意味しているのである。

サハリン2は。多少の曲折があったものの、日本の技術と資金で開発されたプロジェクトである。液化ガスを恒常的に日本に供給することの確約の方が、余程重要なことである。ロシアに対する姿勢がおボッチャマ的で、長期的視点が欠けている。もっと胸を張って堂々とするべきでなかったか。

それにアホー首相は、プーチン大統領が5月に来ると得意気に発表していた。大統領はメドベージェフでプーチンは首相である。アホか!

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酩酊会見に騙されるな

2009-02-18 | 政治と金

中川昭一財務大臣が、ローマで酩酊のヘロヘロ記者会見をやった。笑っちゃうほどの、情けな090213 い醜態会見である。この男はしばらく前から、アルコール依存症の傾向が顕著であった。国会で、官僚の書いた文章を20数か所も読み間違えていた。

この醜態会見は、世界各国に皮肉たっぷりのコメントともに、発信されている。本人は薬の飲みすぎや風邪だっととか言い訳しているが、今回のような強行スケジュールで、アルコール依存症の人間がやる行為はたった一つである。飲酒であることは間違いない。

国内では、支持率が10%を切ってただでさえ危ないアホー政権がどうなるかで、持ちきりである。次はどうするかや予算だけはなんとかなど、完全に混乱状態である。

ところで、中川が出かけて行ったローマのG7の内容について何を言ってきたのか、すっかりかすんでしまっている。本当はこちらの方が重要なことなのである。

090214中川大臣は、IMFへの融資を行ってきたのである。何と1000億ドルの金額である。外貨準備を活用すると言っているが、1000億ドルは約9兆円強である。外貨準備金の多くは、アメリカ国際である。一体どう活用するつもりであるのか不明のままである。

ヘロヘロ会見の直前に、ローマ市内でストローンIMF専務理事と、融資の調印をしている。国家予算の15%近い金額を、ポンとIMFに融資したのである。その後飲んだのだろう。

中川はヘロヘロ会見で、融資の原資を突っ込まれるのを回避したのではないだろうか? と、思いたくなるほど、メディアはこのことには触れようとしない。何のためのG7だったのか、何しに行ったのか。次年度の予算はどうなるのかは、おかげで尋ねられることもない。

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ヒラリー・クリントンの笑顔

2009-02-17 | アメリカ

090217001ヒラリー・クリントンアメリカ国長官が来日した。オバマ政権初めての首脳の外遊である。初の外遊に日本を選んだことと、初の政権担当者との会談にもオバマは日本を選んだ。ヒラリー長官は、分 刻みの日程を笑顔で乗り切った。

彼女の初仕事としては、充分すぎる活動であったにも拘らず、報道はアルコール依存症の男の辞任劇をトップ記事にしてしまった。おかげで、彼女の張り切りはかすんでしまった。ちょっと気の毒ではあるが、しっかりとアメリカの姿勢は見せることはできたようである。

090217002 ブッシュ政権のような、一方的で強圧な姿勢は影をひそめ、対話重視の姿勢は見ることができた。紛争に明け暮れたブッシュ政権はアジアから離反していたが、その修正の意味もあったのであろう。東大生との対話や皇后との会談、拉致被害者とのひざを交えた話し合いにも応じて、明治神宮にも出かけた。

オバマは日本を取り込むつもりでいるのは、何よりも次期政権担当者の小沢一郎民主党党首と話し合ったことからみてとれる。オバマ政権にとって最大の課題になるであろう、アフガニスタン派兵の地ならしととれる。

クリントン長官は、笑顔を振りまきながらもしっかりと、グァム移転の予算は取り付けた。大体が、090217003 移転にどうして日本が金を出さなければならないのかも詰めないままであるが、調印はしっかりとした。移転費用106億ドル円のうち62億ドルも日本が負担するのである。その内容は、移転以外の雑費用も含まれるアメリカご希望の内容になっている。

アメリカは恒常的な赤字財政であるが、国債を日本と中国に買ってもらっている。今回の金融危機の対策で、2兆ドルに迫る費用がかかるようである。そのためには、日本は何でも聞いてくれる政権であって欲しいのである。オバマの本当の目的は、国債の購入にあるのかもしれない。

クリントンの笑顔外交に騙されてはならない。オバマは日本での支持率が75%もあることを知っているようである。日本へ何を負担させようとしているのか、これからの動きを見極めなければならない。

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村上春樹を褒める

2009-02-16 | 政治と金

090216 作家の村上春樹氏が、イスラエルの「エルサレム賞」を受賞した。受賞発表は、イスラエルのガザ攻撃の最中であったこともあり、拒否すべきだとの声も少なくなかった。村上氏は結局、受賞しそこで発言することを選択した。受賞の場所、イスラエルの首都エルサレムで彼は発言した。

やや遠まわしではあるが、ちゃんとイスラエルの軍事行動を批判している。文学者らしく、卵と壁という比喩を用いて、人間の弱さと制度の強固さの矛盾を引き合いに出して発言している。何よりも、「ガザ攻撃では多くの非武装市民を含む1000人以上の人が命を落としました」と、はっきり表現している。スピーチが終わると、万雷の拍手がったのは世界各国の報道陣がいたからか。

エルサレム賞とは、1963年設けられた、「社会における個人の自由」を巡る、優れた執筆活動した個人に贈られる賞である。ノーベル賞と合わせて受賞されている人もいるくらい、格式の高い賞である。

当地では、イスラエルに賞をもらっておきながら批判することに対する、不快感もあったようである。その受賞場所イスラエルの地で村上氏は、はっきりとで主張したのである。滅多に公の場所で発言しない村上氏の行動を讃えたい。

その一方で、同じ日に酔っぱらったままの日本の財務大臣が、メロメロの醜態をさらけ出している。このブログでも、何度かコメントをいただいたりしているが、この男は現在、「アルコール依存症」である。最近は、原稿もろくに読めなくなってきている。こんな男が国の最高決定機関に居座っている。なんとかならないのだろうか。皮肉な日になった。

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沖縄戦を聞きいる

2009-02-15 | 平和憲法

当地に沖縄戦を戦い抜いた元日本兵がいる。沖縄には、終戦近くになって満州から大量の兵士が送られた。沖縄で亡くなられたのは、ほとんどが沖縄の方であるが、次に多いのが北海道出身者であることはあまり知られていない。この方に沖縄戦の聞き取りを今やっている。

Photoまとめて本に出来ればと思っている。この方は、もう85歳になられて記憶も曖昧である。お話を一回に2時間ほどにして、数回に別け伺っている。1000人ほどに1名生き残った沖縄戦の生 き残りである。戦場での数々の偶然が、この方を救った。

日本は、沖縄の地上戦に備えて、一般人の台湾などへの移住を考えたが、日本が負けることがないと、誰もが思っていた。思わされていたのであるが、沖縄の人たちは兵士と一体になって米軍と戦ったのである。

集団自決も強制はなかったと、バカなことを主張する右翼の人たちがいるが、その論調は、「日本を悪く言うべきでない」というのである。確かに、良心的な兵士もいたことも事実ではあると思われる。しかし、戦陣訓をはじめとして、日本人全体が戦時教育に染まっていたのである。日本軍の悪意ではなかったであろうが、集団自決は当然のこととPhoto_3 誰もが思っていた。強制の有無は問うべきでない。個人のレベルに戻されるからである。

沖縄の大本営であった牛島中将ですら、命令を軍全体に下せる状況ではなかった。一本にまとまって、集団自決を強制するなり逃亡するなりは、現地での個別の対応であったのである。

教科書から「集団自決はなかった」、強制されんばかったと歴史を美化する右翼の連中は、根底に日本を武装国家に仕上げたいのである。

元兵士の方の話を聞いていると、戦争が何と悲惨な行為であるかがわかる。戦場は地獄である。この方は、日本軍が追い詰められた摩文仁の絶壁で、撃たれて12日間も意識がなく倒れていた。

そして、10月10日まで戦っていたのである。日本のためお国のために、天皇のために、終戦の詔勅から2ヶ月も生き延び戦った。日本に、天皇に見捨てられながらも元兵士は戦ったのである。

沖縄戦の死者は18万8千人であるが、沖縄住民の死者は9万4千人と半数を占める。日本からの援軍が来ると信じて戦ったのである。

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右傾化するイスラエル

2009-02-14 | 政治と金

090200_5_2アメリカが中東 唯一の民主主義国家と呼ぶイスラエルの総選挙が終わった。140万のパレスチナ人の選挙権を著しく制限しておきながら、民主主義国家とはお笑いであるが、今回の選挙結果は予想以上に右傾化となるものであった。

中道政党のカディマは僅かに、第1党の地位を保ったが、右派のリクードが議席を倍増し、カディマに1議席差に迫った。特筆すべきは、極右翼の我が家イスラエルが第3党に進出したことである。

暗殺されたラビンを出した和平を模索する労働党の衰退が著しい。結果として、右派政党が120議席の過半数の、65議席を占めることになった。和平への道はより一層厳しいものとなった。

いずれにしても連立政権になるのであるが、ペレス大統領が誰を任命することになるのかが注目される。極右翼の我が家イスラエルの存在は大きく、新政権は中東の新たな火090200_8 種になるものと思われる。

イスラエルが、大きく右にかじを切ったのは、ハマスとイランへの脅威が根底にある。世界中から非難をされながらも、今後ともガザへの武力攻撃は続くことになるものと思われる。

イランは、イスラム革命30周年の年であるが、記念祝賀会でアフマドネジャド大統領は、アメリカ非難を抑えた。オバマの対話路線の目を潰したくなかったのであろう。

アメリカにとって、イランの最大の脅威は核開発である。イランが核開発を放棄することはまずない。イスラエルは、核施設への攻撃も辞さない。

こうして見ると、オバマ大統領の対話路線がどのように発揮されるか注目したいところである。ブッシュの負の遺産は容易に払拭されるとは思えない。イランの撤退も大きな影となるだろう。

イスラエルの右傾化は、中東和平を一層遠ざけたことになりそうである。

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どんどん増えてく公共事業

2009-02-13 | 政治と金

新潟県の泉田裕彦知事が、国にかみついた。北陸新幹線の経費増額に伴う負担に反旗を上げたのである。増額について、国が十分な説明をしなかったというのである。これに大阪の橋下徹知事が賛同のエールを送った。

更には佐賀県の古川康知事も、同じく新幹線の増額に伴う負担増について21年度予算に計上しないと表明したのである。3知事に「アッパレ!」を贈りたい。55

国の事業は、いったん計画さえ通せば後はどうにでもなると思っているようである。特に、道路 については橋とトンネルはいくらでも増額できるとのことである。これは、関係者から直接聞いた話なのである。安全面や突発事件や予測外のことを平気で作り上げるのである。

一旦計画さえ承認されれば、後はやりたい放題である。通常10億円の事業なら、黙って20億円くらいにはなる。10年計画なら、15年くらいは平気で伸ばすのである。国の事業には、背景に無謬性がある。要するに横柄なのである。決めたことは絶対に曲げないし、縮小はしない。

公共事業そのものが、インフラの整備という概念が弱く、土建屋が自分たちの事業のだと思ってやっている感覚がある。増額を喜ぶのは土建屋である。地域振興の意味合いが大きいのも事実である。これまでは自治体も、増額には比較的寛容な姿勢を見せていた。

そのため計画の段階で、承認されやすいように押さえられた金額になっている節もある。ところが、昨今の地方財政のひっ迫はそうもいかないと、若手の知事たちが反旗を翻したのである。

地方がこれほど苦しんで、財政を削っているのに、国は丸投げしてくる。高級官僚たちは、「造ってやっている」という姿勢が見え見えである。国は相変わらず「お上」である続けたいのであろう。一斉に各自治体で反旗を上げてほしいものである。

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木材の自給から見えてくるもの

2009-02-12 | 政治と金

02 日本は森林国家である。国土のおよそ70%が森林である。ヨーロッパに比べ、緯度も比較的低く日光量も多く、降雨量も多い。日本は植物にとって、極めて環境の優れたところである。つまり食料と木材は最も効率よく生産される地域なのである。(左図参照:クリックると大きくなる)

この国が、食料自給率が40%とは、人の営みのなせる我が侭によるものである。更に森林大国日本の木材の自給率は低く、僅か20%に留まっている。これは高度成長経済によって、経済大国になった日本が強くなった円で、外材を輸入するようになったからである。

高度成長経済を支えたのは、地方から都会へ移動した労働者である。その原動力になったPhotoのが、賃金格差である。賃金格差とは、農産物の価格低迷と輸入品への依存である。

この構図はそっくり木材に当てはまる。木材は、農産物が数年かかるところを、その10倍の時 間をかけて生産される。農業政策の視点ですら、毎年のように変わる猫の目行政と言われている。木材についてはその10倍の長期的な視点が必要なのである。

輸出工業製品の見返りとして、安価な外材を購入することで、国内の木材は放置されてしまった。右の表を見ていただければ解るように、この40年で放棄された植林(人工林)は5倍以上になっている。植林はほとんど放棄され、花粉を散布しているのである。

熱帯雨林の外材を輸入することで、熱帯雨林を破壊する。そして同時に日本の山林を荒廃させる。高度経済成長とはこうして、農業・林業の一次産業を衰退させてきたのである。

Photo_2フードマイレージ(移動距離に重量を乗じたもの)と同じように、ウッドマイレージという考え方がある。輸入木材は重量もあり、二酸化炭素を大量に消費するのである。京都では、ウッドマイレージの評価(認証制度)を住宅に与えている。京都の木材だけを使うと、輸入材に比べて42倍も二酸化炭素の消費量が少なくて済むとのことである。

ヨーロッパの木材だけで作ったログハウスになると、地元の木材だけで建築した場合の約1000倍のもなるそうである。エコ住宅と宣伝されるが、ウッドマイレージの評価基準にしているとこ ろがほとんどない。

ところで、昨今の世界的な環境破壊の進行で、輸入材がとみに高くなった。さて国内の、広大な森林から木材と供給しましょうと言っても、100年の計もない日本の政策は、すっかり森林を疲弊させ、老化させている。今手をつけても50年先にならなければ、供給できないのである。儲かればいいという社会を突き進んできた日本の現実が田舎にある。

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