そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

国内の反戦政府運動を抑えてまでウクライナに固執するプーチン

2015-02-28 | ロシア
現ウクライナ政権を創り上げたのは、アメリカである。ヤヌコービッチ政権を、失業若者を大量に雇用し街頭デモをさせ、打倒させたのはアメリカである。ヤヌコービッチが国民にとって良いか悪いかは別問題である。ウクライナ国民が選択した政権であるが、アメリカとEUがこの政権が気に食わないからと打倒した。非合法的に失脚させ、昨年五月に選挙させ、東部の人たちが投票しないのは解かっているから出来レースの選挙結果で、現ポロシェンコ政権が誕生した。
ロシアを慕う東部の工業地帯に、欧米は言い分を与え続けている。欧米はこの一年で、プーチンに経済制裁をやり続けることも同じである。ロシアの経済的困窮はむしろ、プーチンを支持する結果になっている。この構図は決して褒められるべきではない。
クリミヤの併合にしても、ウクライナの新ロシア派への武力協力にしても、ロシアナショナリストにとっては痛快なのである。欧米の経済制裁は、自らも返り血を浴びつつある。

KGB出身のプーチンにとって、支持されることは余程気持ちがいいと思われるが、その反面反対者については、問答無用の姿勢で臨む。今回も傷ましい事件が起きた。
ロシアでは、ウクライナ現政権の支持ではなく、ウクライナへの武力介入を反対する反戦運動も根強くある。ところが、プーチンは彼らの運動を容認しない。全国各地で反戦デモを禁止しているが、唯一許されモスクワの指導者が殺害された。プーチン政権を批判するボリス・ネムツォフ元第1副首相が2月27日深夜、モスクワの中心地で射殺された。関係者は、ロシア特殊部隊の犯行であるとコメントを出している。
2006年にプーチンを批判していた、アンナ・ポリトクフカヤが自宅の前で銃殺された事件を思いここさせる事件である。彼女は、チェチェンなどを巡り、プーチン政権批判の急先鋒で厄介な存在であった。路上で夜銃弾を数発撃ちこまれたことなど、共通点が多い。

ウクライナをテコに、ロシア全体が翼賛化しつつある。目の前の政権の浮き沈みに固執する余り、アメリカとEUは意図とは異なる方向へプーチンを追い込むことになってしまった。
プーチンは強権的になり、言論弾圧など旧ソビエトの復活劇を見るようである。経済制裁はUE諸国に跳ね返り、ロシアを中国接近に後押しすることになる。
欧米は、ロシア国内の反政府戦力への協力や、ウクライナの親ロシア派を取り込むべきなのであるが、そんな余裕は感じられない。
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テロを考える

2015-02-25 | テロ
2月6日に国会は、まるで翼賛会を髣髴させるように、「対テロ非難」決議を行った。唯一参議院の山本太郎が退場して決議に加わらなかっただけである。共産党すら与党案に賛成をした。
”テロ”という言葉だけで、悪であり疑う余地のないものというだけでは、そこですべて論理がが完結してしまう。たとえば、後藤さんとの人質の交換として出された、リシャウィ死刑囚であるが、夫と共にシリアの結婚式会場で自爆で60人以上殺害している。本人は爆発できず生き延びた。決して許すことのできない、極めて残忍なテロの首謀者である。
しかし、彼女は夫と兄弟3人をイラク戦争でアメリカの空爆によって殺害されている。彼女に報復感情を持たせたのは、アメリカの無意味な戦争である。
9.11同時多発テロを受けて、ブッシュは報復の戦争を仕掛けた。ブッシュの報復感情と、リシャウィ死刑囚の報復感情を比較すれば、彼女の報復感情の方が純粋で数段高い。政治的な判断と、国家のメンツで抱いたブッシュの見下すような報復感情は、彼女の報復感情より数段低くドロドロしたものである。
更には、安倍晋三の邦人二名の殺害について発言した、報復発言はこれよりも数段程度が低いばかりか、法的根拠も欠落した感情でしかない稚拙なものである。
殺人行為のテロに賛意をすものではないが、テロする側には根拠がありその原因は多くは武力によるものである以上、暴力による解決は困難である。さらなるテロの根拠を産むことになるからである。
ブッシュはアメリカ軍がバクダッドを陥落した時に、「ゲームは終わった、世界はテロの脅威から遠のいた」、と凄んで見せた。オバマも、これこそ典型的なテロ行為と思われる手段で、オサマビン・ラディンを殺害した時にも、同様にテロがなくなったと発言したが、現実は倍増したばかりか、より悪質になりより広がりを見せている。
国会決議は、テロの土壌もその意味も検討することのないものである。テロを暴力で抑え込もうとする暗黙の了解すら感じられる。
テロは攻撃者にとって都合が良いことだらけである。戦争なら兵士はジュネーブ協約に沿った扱いを受けるが、テロであれば自国の法律でいくらでも自由に裁けるからである。残虐で非人道的な行為も行われるのも当然あるだろう。
テロを結果的な暴力行為だけから判断するのは間違っている。多くの国民から支持されれば、時の権力や支配国に立ち向かえば、時にはレジスタンスとも呼ばれるし、独立戦争とも言われたりするものでもある。
テロの温床を産んだ殺戮こそ批難され、相互で検証されるべきでものある。
<フィリッピンのパマン島の眠られぬ暑い夜に記す>
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”べーすろーどでんげん”って何だ?

2015-02-18 | 原発と再生可能エネルギー
安倍首相が国会で原発の再稼働を平然と述べた。原発は、世界で最も厳しい日本の審査を受けタラ、再稼働するというのである。あろうことか、ベースロード電源とまで言ったのである。
世界一厳しいのは、耐震性についてであって他のことは、ボロボロに近い。特に立地でない周辺自治体は蚊帳の外で、相談や話し合いの場もなく報告の義務もなく避難訓練もない。事故後の対応は、チェルノブウイリに比較すると怖ろしいものがある。

そもそも、国民の八割以上が再稼働の反対しているか懸念を抱いている。それを経済的な恩恵も、行政的な庇護や補助金などをたんまり受けている、立地自治体の判断で再稼働するのは、何とも歪は構図である。
そもそも、必ず排泄される高レベル放射性廃棄物の処分場が全く決まっていない。手をこまねいているわけではない。どんな甘い餌を見せつけても、何処も手を上げないのである。
世界中どこでも同じである。わずかに北欧が、20万年まえの花崗岩があり地中深く処分場を造ると言った程度である。放射性廃棄物は、理論的に地上では処分できるわけがない。
原発再稼働の判断は、この国が正常な民主国家でないことを立証しているに過ぎない。ましてや、電力の中枢をなすと意味であろうが、ベースロード電源などと持ち上げてまで、再稼働するのは、安倍政権が国民の側ではなく、電力会社側に立って判断しているからである。安定供給なら火力発電に敵わない。稼働も停止も原発ほど不自由で厄介なものはない。安定供給には程遠い発電システムである。
原発は隠れた核抑止力であると、自民党幹部が言うような存在であるがため、安倍政権は離したくないのであろう。

明日からフィリッピンに行きます。ちょっとの間留守します。
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南京大虐殺の事実を見つめるべきである

2015-02-17 | 戦争
次のサイトは、高校教師の小野賢二さんが、語ろうとしなかった兵士たちが書きとめた、軍人手帳を集めてつなぎ合わせた労作のドキュメントである。
南京大虐殺 兵士たちの記録 陣中日記2008
http://www.dailymotion.com/video/xnu8oo_%E5%8D%97%E4%BA%AC%E5%A4%A7%E8%99%90%E6%AE%BA-%E5%85%B5%E5%A3%AB%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E8%A8%98%E9%8C%B2-%E9%99%A3%E4%B8%AD%E6%97%A5%E8%A8%98-2008_news
昨日のブログで触れた、小野さんのドキュメントを見つけましたので、ぜひご覧いただきたい。46分であるが内容が子良いのですぐ終わります。
国家は不都合なことを隠ぺいしたいものである。事実関係の多少の齟齬があっても、加害者の日本はこの現実を直視しなければならない。30万人は殺していないということを理由に、虐殺はなかったとする産経は報道者としての資格を放棄した。
同類のことが従軍慰安婦についても起きている。あるいは沖縄で集団自決がなかったとする発言も同じである。
加害者は、被害者の声を真摯に受けなければならない。産経の居直りは、戦争にまた向かう日本の象徴的事件ではないだろうか。
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産経が南京虐殺の隠ぺいを公然とする

2015-02-16 | 戦争
(クリックすると大きくなります)
安倍政権のご用達新聞である産経新聞が、南京大虐殺はなかったなどとキャンペーンをはり始めた。いったいこの時期に何の目的で、新聞という公器を使い、被害者感情を逆なでする行為を産経はやろうとしているのであろうか?
昨年、映画「ジョン・ラーベ」を上映しましたが、こんな僻地ですが日本で初めての映画会だったそうです。上映前に、ジョン・ラーベの日記も目を通しましたし、JNNの小野さんという高校教師が、当時の軍人の日記を探し集め、聞き取りをやっているドキュメントも見ています。
日本軍が、当時の首都南京を陥落し日本中が提灯行列をやって祝っている。そんな中で、自らに不利な虐殺の証拠の多くがは隠ぺいされたのは当然である。
その前に、日本軍が戦っていたのは蒋介石軍である。彼らの後ろには八路軍(中国共産党軍)が構え、政府軍が疲弊するのを待っていた。蒋介石軍は後退する場所を失い、南京市内で軍服を脱ぎ一般庶民に成り済ましたので、日本軍はところ構わず一般市民と区別がつかないことをいいことに、大量の虐殺をやったのです。この事実は産経と言えども認めるべきです。
問題は、30万人という虐殺された人の数です。これは、レイプオブナンキンを書いた、中国系の女性ジャーナリストの数字に依拠している。このジャーナリストは、この本を書くと間もなく原因不明の死を遂げています。彼女は専門でもなかった中国の事件を詳細に描いたこの本は、写真など明らかに事実関係にかなりの間違いがあります。
兵器を持たない一般市民を大量に殺した事実は、生き残りの証言者の言葉を借りるまでもなく、事実である。当時の逃げ惑う南京市民を、南京城内に閉じ込めたとしても、30万の虐殺は到底無理と思わる。大量虐殺も上記の兵士の記録も、ほとんど場外で行われています。したがって、仮に10万人あるいは5万人が犠牲になったとしても、加害者側は被害者が示す数字を訂正するべきではない。ましてやそれを根拠に、事件がなかったように振る舞うことは許されるべきではない。
私の個人的な意見として、日本軍が侵略者というなら共産党(八路軍)も、政府軍と力を合わせて戦うべきだったのである。八路軍(共産党軍)はその逆の行動をした。政府軍が疲弊するのを待っていたのである。戦術として理解はできるが、南京虐殺を大きくした一端を、共産党も負っている事実を認めるべきである。
現在の中国共産党が、日本軍を一方的に非難するのはおかしい。77年前の事件の政治的利用にであると言える。産経などの右翼に口実を与えるだけである。
しかし、それらを差し引いたとしても、産経新聞のように加害者が平然と、嫌中国の風潮に乗ずる形で事実を隠ぺいする姿勢は、決して許されるべきものではない。
産経は、徒に日中間の緊張を高め、軍事国家を目指す安倍政権のサポートをやろうとしてとしか思えないのである。
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報道の自由度世界61位が示す日本の行方

2015-02-14 | 国際・政治
国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(Reporters Without Borders)」は12日、2015年版の報道の自由度ランキングを公表した。1位はフィンランド、2位はノルウェー、3位はデンマーク、日本は前年から2ランク順位を下げて61位だった。(上の表は昨年のものである)
安倍政権になってからの落ち込みがひどい。先進国では最下位であり、極東では日本の下には中国と北朝鮮がいるだけである。
特に気になるのは、特定秘密保護法が施行されてからの報道の姿勢である。
NHKの籾井会長などは、就任早々政府の意向に沿わない報道はやらないと公言し、叩かれていた。が、最近風がおさまったと見たのか、戦後70年の年に従軍慰安婦問題の報道は、政府の見解が出てからにしたいと言っている。
同類の公共放送と言えるイギリスの、BBCは政治の介入を防ぐための多重の保護を行っている。
イスラム国の邦人二名の報道については、安倍政権は肝心のことを隠し通そうとしている。つじつまが合わないことだらけであるが、報道各社は政府見解に切り込むことはない。野党も同じである。
原発についてもおかしなことがたくさんある。福島県発事故の経過については、いまだ不明のことが余りにも多すぎる。その後の放射能の分布や、処理に関わることや人身事故などについての報道も各社の腰は重い。再稼働についても政府寄りの報道が圧倒的である。
日本は伝統的に、報道各社が政府の報道を皆で待っているシステム(記者クラブ)がある。だしぬけを防ぐためである。そのため評論は別にして、事実関係は報道各社が同じ内容の記事を書くことになる。
とりわけ最近の官房長官の記者会見は、穏やかな質問しかなく、官房長官を怒らしてまで質問する危害のある記者がいない。その上、特定秘密保護法の存在は、もうすでに報道各社の腰を折る働きをやっているのである。61位はその結果と言える。
6年連続一位のフィンランドには、情報公開法という1766年に制定された法律があり、情報の入手が自由であり表現の自由も保障されている。
日本は安倍政権になってから、国家を前面に示し個人はその中にあるという、自民党憲法草案の内容そのままに、国民から知る権利も自由も奪おうとする姿勢が貫かれている。
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”切れ目がない”とは、”際限ない”ということである

2015-02-13 | 戦争
安倍政権は、集団的自衛権行使容認に向けて、安全保障の法整備のために与党協議を始めた。座長を務める自民党の高村副総裁は、「国民の命と暮らしを守るための法制を、現行憲法の範囲内で、あらゆる事態に”切れ目なく”対応できるものを作るために、建設的な議論をしていきたい。できれば3月中のそれほど遅くない時期にまとめたい」と述べた。
もう一つの与党の公明党は、支持母体の創価学会の意向に逆らう形で、昨年安倍首相の集団的自衛権行使容認を認めた。武力行使の三要件を設けたが、「密接な関係にある他国が・・」の他国はアメリカを意味していると公明党に含ませていた。
処がすでに、オーストラリアも密接な関係あいある国と言えるなどと高村に発言され、座長代理の北川公明党副代表はもみ消しに躍起になっている。
こんなこと初めからはっきりしている。騙された公明党が悪いのである。政権与党に留まりたいために、安倍政権の出す危険な方向をズブズブと認めてきたことを反省すればいいのである。
切れ目ない対応とは、結局際限なく広がることである。どこにでも派兵できるし、どの国とも密接なな関係になるし、どんな微細なことでも、武力で関わることになるのである。
そもそも、戦争や紛争は戦闘相手の弱いところを攻めるのが常道である。机上で戦闘を予測したり際限なく事例を列挙しても、何の意味もない。戦闘とは、予測を超えることで勝利することになるため、日本が規制を加えて参戦するなら必ず標的にされることになる。
戦争や紛争は、参戦するかしないかのどちらかしかないのである。ちょっとだけ参戦するとか、後方支援とか武器の供与とか、ましてやグレーゾーンなどと言う現実は存在することはない。仮にあったとしてもそんなものは、瞬時に変わるものである。戦闘相手は、ちょっとだけ参戦する日本を攻撃する方が攻めやすい。
切れ目なくとはどんな状況でも戦闘に加わるということで、際限なく戦闘に加わるということである。そうして意味で安倍首相の言うことは正しい。戦闘に加わるなら中途半端はダメと言っているのであるから。ところが言葉では、戦闘に加わることはないだの平和国家日本は変わらにだのと発言しているが、これは嘘である。そんなことはできるはずがない。

戦争は参戦するかしないか、どちらかしかないのである。現行日本国憲法下の日本が、この70年それを証明してきたいるではないか。安倍晋三は本気で参戦できる国づくりをやろうとしていることに、日本国民が早く気が付いて欲しいのである。
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施政方針で憲法の改定に歩みだした安倍首相

2015-02-12 | 平和憲法

安倍首相が極めて巧妙な、戦後最大の改革と銘打つ施政方針演説を行った。改革の断行や女性の社会進出や子育て支援や地方創生それに財政再建もやると、なんでもありの幕の内弁当のような披瀝をやって、アベノミクスは順調であると自画自賛である。
彼の本心である、集団的自衛権行使に関することには一言も口にすることなく、最も大きな社会的不平等の現実・格差については全く触れもしなかった。戦後70年の節目に、積極的平和主義を高く掲げるというが、実態は真逆である。
日米ガイドラインをより強固にすると、国内法や独立国家として危うくなる安保法制の整備をするというのである。
沖縄の知事には逢いもしない、補助金は減らす、投票結果はに示された沖縄県民の民意には、目もくれない。安倍首相は議論が嫌いである。議論を求める相手には反論してきたと断じてしまう。こうした態度が、今後も政権に不都合なことには貫かれることになるであろう。
その一方で、安倍政権は憲法改定に向けて、国民投票法の既定とまずは安全保障とはかけ離れた条文から取り組む準備に余念がない。公明党の顔色を伺うのであろう。次期参議院選挙で議席を伸ばせばすぐにでも取り組むつもりである。
中国や韓国が最も神経を尖らせるのが、日本が平和憲法を破棄することである。安倍首相の眼は地球を俯瞰する中に、極東は入っていないのである。それでいて友好の扉は開いているとは、大きな自己矛盾である。
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ODAまで危うくする安倍政権

2015-02-11 | 安倍晋三
安倍政権はまたもや大きく、戦後日本が営々と築き上げてきた平和国家の原点の一つを切り崩した。ODA(政府開発援助)の基本的な考え方、大綱を見直す閣議決定を行ったのである。「国益に貢献する」ことであれば、軍用の壁を超えるのである。
従来のODA大綱は「軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避する」として軍事転用を回避してきた。平和国家日本の基本的姿勢は、冷戦時代を超えて多くの途上国に受け入れられてきた。日本への信頼と安心感は、民生分野に限定されたもので、高い技術と勤勉な指導は高い評価を受けている。多くの友人もかかわってきた。私も数回にわたって講習を受けたが、経験者の話も大変参考になった。できれば参加したいと思って願書を出したが叶わなかった。
安倍政権の”積極的平和主義”は、これまで営々と築き上げてきた平和国家日本の姿勢を危うくするものである。現地で懸命に汗を流し指導して信用を得てきた技術者や家族それに、政府関係者や企業を失望させることになる。
岸田外相は、セネガルで軍事病院の改修に関わることが出来なったことを引き合いにしているが、そうした一線を日本が引いていることが、現地の働く日本人を守ってくれているのである。敵国からの攻撃理由をなくすことになる。こうした援助は一線を引くことで、日本の平和貢献・援助の姿勢を世界に示してきたのである。
彼らは「国益」などとは無関係に、奉仕の精神を受け入れられているのである。その一方で、安倍政権は武器輸出の緩和も行うようになり、ODAはさらなる攻撃対象にもなる。そのために、自衛隊を邦人保護の理由で派兵するなどとは本末転倒も甚だしいものである。
冷静にみると、段々と軍事国家への広がりを増しているとしか思えない、安倍内閣である。
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農協改革は農業切り捨てへの足掛かりになる

2015-02-10 | 農協 食料自給率
今回自民党と全中(全国農業協同組合中央会)がよく解らない妥協をした。全中を法人化し、農協監査を一般計理士でもできるようにするというのであるが、現状が大きく変わるものはないと思われる。
農協は現状を守ったというし、自民党は農協改革を行ったという、よく解らないがよくある玉虫色の決着である。

農業協同組合(JA)の最大の問題は、私たちの地域のように良くも悪くも農家の経済とともにある農協と、既に農業が衰退し農家のほとんどいなくなった農協が同じ制度のもとで運営されていることである。
農協が金融業務で生き延びている指摘は外れていない。都会化された地域の農協は、貯蓄と共済(保険)で息を繋いでいる。そうした地域でも少なくなった農家は営々と生き延びている。農協はこうした地域の農家には欠かすことが出来ない存在である。
しかし、農協がほとんど府県別単位で合併をして巨大化することになり、既に小さな農家は切り捨てられつつある。農協が生き延びていくためには、金融事業に依存するのは、現行制度では当然の結果と言える。効率だけなら金融だけを考えるだけなら大きくするのも当然である。
その指摘が顧客を取り合う側からなら問題であろう。農協改革ではなく、銀行などから市場を拓けと言っていることになる。
農村地域の農協が、肥料や飼料や農機具を高く販売しているという指摘もある。これも一面正しいが、農協が価格を設定すれば、業者は僅かにその下を狙った価格を示してくる。しかも業者は個別販売のことが多く、価格設定も農家ごとでまちまちである。
農協は公的存在であるため、そのようなことが出来るわけもない。競争が起きないという指摘はあるが、農協が価格指標になっている現実もある。競争する側は、農協の存在は都合の良い存在である。

現状でも家族農業あるいは小農は、日本では非効率と名指しされている。昨年は国連は『家族農業年』と世界に運動を促した。家族農業は食料を安定供給させ環境を保護し飢餓をなくし、地域紛争を減らすと訴えていた。アベノミクスに走る日本は、真逆の方向に舵を切っている。
農協改革もその中の流れと見ることが出来る。徒に巨大化し本来の農協のあるべき姿を失くしてきていることこそ問題である。玉虫色とはいえ、今回の改革がさらなる農協の農業離れに拍車をかけることになるなら、食料自給率など全く考えていないことの証になる。
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シリアの混迷を救うことこそ第一義的問題である

2015-02-08 | テロ
日本の国会はテロ反対とかで、たった一人山本太郎が退席しただけで、あらゆる政党が与党の提案に賛成した。共産党まで賛成した。共産党は国際問題には極めて疎いのが最大の問題である。
シリアの混迷こそ、シリアの人々の救済こそが最大の問題なのである。
とても人間とも思えないような残虐性ばかりが先立ち、イスラム国(ISIS)のことばかりが取り上げられる。そしてその本質は、テロとして論議される。矛先はイスラム国ばかりである。
ほんの2年ほど前まで、アサド政権を崩壊に導くため、欧米のメディアはアサドの悪行を並び立て、反政府勢力を国連で容認するまで動いていた。アラブの春がシリアにも来て、今にもアサド政権が崩壊するようにすら見えていた。あるいは、そのような意図的な報道があふれていたのである。
反政府勢力にアメリカなどは武器の供与を行っていたが、業を煮やして空爆に踏み切る寸前で、プーチンに止められた。アサド政権は中国とロシアが支援する形で生き延びただけではない。主にイラクでアメリカに拘束されたり拷問を受けたり、マリキ政権に追われた旧バース党などが中心とした旧アルカイダの集団が、イスラム国を作ってシリアにまで勢力を伸ばしてきたことで、アサド政権は救われた形になっている。
イスラム国の出現で、反政府勢力はほとんど存在感が失くしてしまったが、アサド政権は結果的に救われることになって今日に至っている。3勢力は暴力のスパイラルに陥っている。敵の敵は味方という図式すら存在しない。トルコはアサドを利するため、イスラム国を攻撃しない。

今日に至る混迷で、シリアでは20万人の人が亡くなり100万人が負傷し、670万人の人が住むところを追われ、380万人の人が国外に脱出し、1300万人が人道的支援が必要な状態である。これこそ最も大きな問題なのである。(Gulfnews)
暴力を暴力で理解し解決することは、最も忌み嫌われているイスラム国と同じである。このままではシリアの人々は救われることがない。世界各国は、自らの立ち位置ばかりで中東に向き合おうとする。それこそ問題なのである。
暴力では解決できない。最も困難な道ほど正しい典型的な例である。
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こりゃ驚いた一年前と同じ

2015-02-07 | 安倍晋三
ちょうど一年前の今日(2月7日)の、本ブログの書き込みを見て驚いた。「トヨタ大儲け、アベノミクス様さまSama」は、まるで同じことが輪をかけて一年後に起きている。
今年度も3月決算見込みを昨年同様、17.8%上方修正し2兆7000億円の営業見込となるそうである。驚きである。売上高は27兆円と、いまEUの厄介者になっているギリシャのGDPとほぼ同額である。
この一年で円安はさらに進行し、アベノミクス様々様々と言ったところであろうか。黒田日銀総裁は、「円安は全体として日本に利益をもたらす」と言っているが、現状を見れば誰にでもわかる。利益は輸出産業にしか恩恵がない。関連企業の一部に降り注ぐだけである。
多くの国民は、経済成長どころか消費税増税に伴う物価高で追い込まれている。早い話が物価が上がりインフレ状態になってはいるが、給与に反映されていないので、実質的なインフレにはなっていない。最早デフレ状態と言って過言ではない。
安倍政権は、トヨタのような大儲けしている企業を引き合いに出して、自らの経済政策・アベノミクスで経済が好転していると判断するに違いない。これだけ景気が回復しても、企業成績の上がらない企業は企業体質に問題があるということになるのであろうか。
アベノミクスは、第一の矢の金融緩和だけが円安株高を産んだに他ならない。その後の第二、第三の矢は全く結果を伴わないどころか、円安の影響が消えうせることまで持つことはないと思われるのである。
来年の同時期、トヨタはさらなる業績に上方修正をしていらっるだろうか?
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外務省が朝日テレビに恥ずかしげもなく抗議

2015-02-06 | 安倍晋三
外務省は、『平成27年2月2日放送の「報道ステーション」において,シリアにおける邦人人質殺害事件につき報じる中で,総理の中東訪問に関し,「そもそも外務省関係者によれば,パリのテロ事件もあり,外務省は総理官邸に対し中東訪問自体を見直すよう進言していた」旨報じ,また,エジプトで行われた総理の政策スピーチに関し,「外務省幹部によると,この内容についても総理官邸が主導して作成されたという」と報じるなど,あたかも外務省の意に反して,中東訪問が行われ,スピーチの当該部分が作成されたかのような報道がありました。』がこれが事実に反しているので訂正願いたいと、朝日テレビに申し入れた。
これは二重の意味でおかしい。
先ず、外務省の主張が正しいのであれば、余程低レベルの国際感覚しか持ち合わせていない官僚で、この省庁は覆われていることになる。二名の邦人の拘束が、ほぼイスラム国がやっていたことは把握していた。自らが述べているが、次に何が起きるか、これまでやってきたことを考えれば、容易に想像がつく。余程判断能力の欠如した官僚ばかりであることを、自ら報告しているようなものである。
次に、そんなことを知りながら中東歴訪すること自体の、無神経さを問われるべきである。ましてやイスラエルでは、すべての中東イスラム諸国が疑問を抱くような発言と行動をとっている。安倍首相はそうしたことを総合的に考慮して、中東歴訪に踏み切ったという発言を繰り返している。余程判断能力のない連中を身近に侍らしているのだろうか。それとも、やはり安倍はイスラム国の挑発をして、危機感を国民に植え付けたかったのであろうか。
いずれにしても、外務省がおバカなのか、安倍の中東歴訪で意図的な挑発をしたかのどちらかである。
それにしても安倍首相は、メディアを攻撃するのがお好きなようである。
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エジプト、シシ政権が700人死刑

2015-02-05 | 国際・政治
エジプトが、「アラブの春」でムバラクを追放した。アラブの春を主導した多くの若者は、民主化への道が開けたと思ったに違いない。総選挙では、イスラム色のついムスリブ同胞団が政権を取った。政権打倒に、街頭デモを行った若者たちの多くは失望した。
しかし、それも序の口の出来事に過ぎなかった。選挙で選ばれたモルシ政権は、軍隊によって追放されることになった。
現、シシ政権は昨年4月に、アラブの春に関わった人たち528名に死刑の判決を下した。そして今月、183名の死刑判決を下したのである。更に、デモ参加者として、230名に終身刑を下したのである。
その一方で、アラブの春で政権を追われ、私財の没収判決を下されていた元大統領のムバラクをも、復権させた。
アラブの春はなんだったのだろう。イスラム国に、こうした不満を抱く若者たちが大勢集まっているようである。マスコミ、特に欧米の支持者たちの報道は、民主化を歓迎する報道を繰り返していた。
シリアではこうした前例を倣いながら、アサド政権が巧みに徹底抗戦した結果と言える。簡単には崩れなかった。アラブの春は外的要因が大きく、自らの国の制度・体制を変えるまでには至らなかったのである。アラブの春は、多くの国で混迷だけを生んだだけだったかもしれない。
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人質事件を安保法制に利用する

2015-02-04 | テロ
安倍首相はエジプトやイスラエルで、得意満面で反イスラム国を支援すると宣言した。極めてタイミングが悪く彼らを挑発したのではないかという予算員会での質問に、全くそんなことなないと回答している。
どう見てもこれは、安倍晋三の確信犯行為である。邦人の拘束事実は把握していたようである。彼らが安倍首相の挑発に乗ることを十分計算した上での発言ではないかと思われる。加えて、金銭についてはびた一文も出さないと回答したに違いない。「テロにはくっしない」を繰り返す、裏にはこうしたことがあってのことである。案の定彼らは残虐処刑をした。
今国会は、安保法制国会とも言われている。集団的自衛権容認に向けての、法整備を行うのであるが、対テロ法案と区別がつかない発言を繰り返す安倍首相である。テロの危機感はうってつけである。ついでに勢い余って憲法九条の改正まで発言してしまっている。
人質を奪還するためには自衛隊の権限を強くするなどとは、余程セントウ好きの国でも踏み込めない作戦であるろう。維新の党からの、憲法九条があるから何もできないという質問の回答であるが、野党が安保関連については対立軸さえも表すことができないでいる。特に、民主党は言質や手続き論の、極めて低レベルの質問しかできない。
イスラム国のパイロット焼死処刑の直後、ヨルダンは報復として死刑囚を処刑している。武力による報復は新たな武力を生む。安倍首相の、「テロリストに罪を償わせるとい」という、幼児性の強い報復発言も同類である。
集団的自衛権の行使とは、日本が攻撃もされていないのに戦闘に参入をすることである。後方支援は、戦闘ではなく武力行使はしないという発言を安倍首相はしている。今回、後方支援どころか人道支援であると発言した程度でも、敵国とイスラム国は認識したではないか。世界中の日本人をテロの対象にすると宣言した。
集団的自衛権行使は、敵国にとっては格好の攻撃材料になる。ましてや後方支援しかできない弱い国家ならなおさらのことである。
コメント (2)
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羅臼港

春誓い羅臼港