北朝鮮を巡る動きが停滞している。6者協議の内容が確認されないまま宙に浮いているようである。寧辺の核施設に対して、不可逆的処理が不十分だと、 ヒル国務次官が難色を示している。
北朝鮮は、十分やったから「テロ国家」の指名から外すように、譲らない。この間にも、日本以外の中国、韓国、ロシア、アメリカの4国が重油を5万トンずつ供与している。北朝鮮は20万トン受け取ったことになる。
使用済みのプルトニウムが30キロというのも、少なすぎると言われている。ウラン濃縮への疑義が消えないままである。しかし、これはアメリカ の言い分である。
ブッシュは、イラク、イラン、北朝鮮を名指しで「悪の枢軸」といった。イラクにもイランにも核兵器がないことが解った今、北朝鮮は核兵器の存在が唯一確認されたことになる。ここでアメリカが、北朝鮮に「まだあるだろう」理論を展開したところで、信憑性があるか疑問である。
年頭の一般教書は、政策誇示のアメリカ大統領の最大の舞台であると言われている。今年は、ここでブッシュは北朝鮮について全く触れることがなかった。
韓国の次期大統領の、李明博は北に対して厳しい姿勢を示しているように見えるが、経済交流が主体になれば意外と淡白につき合うことになるだろう。
相対的な、アメリカの地位が低くになって「アメリカなしでの交渉」が、世界各国で行われるようになってきている。アメリカ抜きの世界が目前に迫っている。
寧辺の各施設のダラダラした核施設廃棄作業も、テロ国家指定を外すのが先だとか、重油を先に横せなどと言う交渉に見られるように、金正日は、単なる時間稼ぎ得おやっているのではない。ブッシュの次を待っているのである。
北朝鮮は、政権交代がない。核兵器は思う存分利用できた。次は国際社会への復帰である。日本が固執する、拉致事件など何処にも存在しない。