そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

正文には存在しないが、日本では堂々と報じられるTAGの摩訶不思議

2018-10-09 | TPP

9月26日に日米首脳会談が行われ、日米共同声明が出された。その中には、これまで全く耳にすることなかった、TAGという言葉が大手を振って記載されている。
TAGとは、Trade Agreement goodsの約であるという事で、日本語では物品貿易協定と訳されている。TPPに代わるという事のようである。ところが、英文にはこの文言は存在しない。あたかも個別の物品の貿易交渉のような印象を与えている。問題の一つは、成文には存在しないばかりかかなり遅れて正文が示されたのである。元官僚の古賀成明氏は、猫だましと断じる。日本文ではTAGと「他の重要な分野」は別々に扱わrているが、正文では区別されていない。
TPP交渉を回避してTAGで合意したかのように見せかけている。交渉の実態を隠蔽する言葉遊びである。兵器を防衛整備品と言い換えるのは、兵器を隠そうとする言葉で同じものであることが、誰の目にも明らかである。今回の場合、TPP交渉をTAGと言い換え、別物のように表現するのは姑息なやり方である。
総裁選挙直後で、組閣直前のごたごた騒ぎの中での汚いやり方である。トランプはTPPを離脱したことを受けての、FTA交渉である。日本のマスコミは、一斉に、「FTAを回避しTAG交渉で合意」と報じた。あたかも安倍晋三が外交交渉で成果があったかのような表現である。
新任の吉川農水大臣は、新任の記者会見でとつとつと官僚文を読み上げ、目を上げたとたんにTAGについて問われると「外務省に聞け」と切って捨てた。良く解ってないのである。
共産党機関誌の赤旗は、TAGという言葉はねつ造されたものであると断じている。日経新聞でさえ、これはFTAそのものであると述べている。
裏ワザというにはあまりにも姑息な言葉遊びである。トランプの言い分だけに踊らされているだけの、日米貿易交渉である。
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TPPの”大筋”合意という建前の政治決着

2015-10-06 | TPP
アトランタで開催されていた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の閣僚会合は5日、交渉参加12カ国は貿易・投資ルールについて大筋合意した。
残念ながら、多岐に及ぶ交渉のためだけではなく、参加各国が国内で抱える問題が余りにも大きいため、公表できないのが実態であろう。”大筋”という言葉を付けなければならない交渉結果は、今後各国で大きな波紋を呼ぶことになると思われる。とりわけ農業部門では、ほとんどの内容が公表されていない。報道はリークされたことについてだけ、推測を交えて述べているに過ぎない。

そもそも、自民党は先の参議院選挙ではTPPには参加しないと公約していた。どうも都会などでは主要5品目に限って、合意しないと言っていたようでもあるが、少なくとも農村地区では「参加しない」と声高に叫んでいた。野党の票をごっそり持って行った感じすらある。交渉参加は明らかな公約違反である。
早速安倍晋三は、主要5品目は守った。「美しい田園を守る」と協調したが、何の裏付けもない。農業各団体は、内容がまるっきい知らされていないため、怒りの声明を出している。今後は国内対策が求められるというものであるが、金を出すだけの話である。農業・食料を価格だけで評価するのは極めて危険である。食料としての質と量こそが、求められなければならないのである。
それでは国会決議が守られてるかの説明は何もない。すでに、安倍政権の宣伝部隊のNHKは、関税撤廃で安くなる品目を羅列する報道をしている。
TPPという無関税システムは、地域間格差や企業間格差を加速することになり、地域・地方の崩壊につながり、食糧自給自給向上という目標に大きく矛盾することになる。

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TPPが漂流する可能性

2015-08-20 | TPP
「大筋合意」「今夜が山場となる」などを何度もマスコミにたれ流し、未だに合意に至っていない無関税制推進制度のTPPである。特に7月のハワイでのTPP閣僚会議での結末は悲惨であった。何処かの国を犯人仕立て上げ、今回はニュージーランドであったが、決裂して閉幕した。
そのニュージーランド(NZ)であるが、TPPの始まりとなっているP4のうちの一つである。ホノルルの会議では、乳製品の扱いで日本やカナダと決裂したと報道はされている。しかし実際には、NZ国内では雇用などを巡ってTPP参入反対の大々的なデモが起きている。
15日には全国で2万5千人規模のデモが行われている。マスコミに乗らない海外記事に詳しいので参考にしていただきたいが、ハワイの決裂もNZ政府の国内向けのパフォーマンスとも受け取れる。次期アメリカ大統領候補の最右翼にいる、クリントン女史も早々とTPP離脱を述べている。そういえば、安倍晋三も総選挙では参加しないと言ってはいた。TPP参加しない、ウソつかないと嘘もついていた。
要するにTPPは国内に向けては、どの国も不参加をまず自国の国民向けには発表するのである。不平等条約の典型と言われている米韓FTAであるが、韓国の裁判官144名が国内法に抵触する条約であると、韓国の大法院に提訴し受理されている。北米自由協定のNAFTAは、一方的にアメリカを利する結果になり、カナダの中小企業の破壊とメキシコ農民200万戸の離農を生む結果になっている。カナダがTPPに消極的なのそうした背景があるからである。

TPPそのものがいかに不法で、大国と多国籍大企業の強制力が強い制度であるかが、これらのことから推測することができる。国家にはそれぞれの歴史があり、民族性や風土も異なって存在している。それぞれの国は試行錯誤しながら法制度を整備してきているのである。TPPはそれらを一気に破壊する制度でもあるのである。
一時の熱い論議は次第に冷えてきて、国内への影響を各国が深刻に捉え始めているのである。アメリカの属国となった日本は、宗主国のアメリカがやがて混乱するであろう時にどのよう判断を持つことになるのだろうか?TPPは、だれかを今回のようにもの犯人に仕立て上げ、やがて漂流することになると判断する。

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TPPは弱小国家、弱小産業、弱小地域を破壊するシステムである

2015-08-01 | TPP
国家や地域は均等に成長しないし、同一の気候風土や歴史を持っているわけではない。民族性も宗教的な縛りや習慣も異なる。
早くから近代化して生産能力が高い国家もあれば、西欧などに支配されていたりして、生産効率も悪く技術も低く、人件費も安く経済力も低い小さな国家もある。それらの国々が育ってきた背景がある。歴史と呼ばれたり風土と呼ばれたり、時には地政学的評価によってその国は評価されなければならない。ところが近代化は、それとは無関係に世界を巡ることになった。何もしなければ、生産性が高く経済力があり、強大な武力を背景にした国家(ほとんどの場合これらは同一である)が、弱い国家(途上国と慇懃な呼び方がある)が富や資源を収奪されることになる。
そのための世界各国は、自国の産業や歴史や宗教性を守るために『関税』を設けている。輸入製品に税金を掛けるのである。
商品を輸出し購入する場合、国家なり地域を育んできた背景が、商品価格に反映されることになるが、価格差が生じることになる。当然のことである。このことは国家や地域の存続にとって極めて重要なのである。北国で生産されたパイナップルは高価であるのは当然である。安価な南国のパイナップルがそのまま輸入されると、北国のパイナップル生産業は潰れてしまう。それでも良い、パイナップルは南国から輸入すれば良い。我々はリンゴを売ろう、ということで世界貿易は成り立つことになる。
その場合であっも、国家を支えてきた産業の存続は、単に経済的な背景ばかりで評価されるべきではない。環境や風土や民族性など無数の背景があるからである。
TPPは、国家や民族や地域や風土が育んできた産業を、たった一つの評価「価格」によって行う、無関税システムである。強大な資本や国家は、当然勝ち戦になるこのシステムを、「グローバル化」という修飾語で飾り実行したいのである。
当然負け戦になる弱い国家や産業は、反対することになるが、国の権力者は彼らを擁護しない。どの国も大企業が権力者側に付くものである。
何度も何度も最終合意なる会議を重ねているが、多国間協議は複雑な利害関係が絡み合い、即座には解けることはない。私たちがそれぞれの国で育んできた、産業や文化をTPPなる無関税システムは破壊することになるだろう。後年人類に理性が残っていれば、TPPは愚かな行為だったと強く反省するに違いない。
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そりゃ認めないさ

2007-10-29 | TPP

官僚の無謬性とはこんなものである。今日の証人守屋元防衛省政務次官の喚問中継を見たが、防衛省の高級官僚Photo は、自らが罰せられることがないのを知った上での、証人喚問である。東京地検は、これだけ騒がれたのであるから動くことになろうが、実刑判決がおりるとは思えない。

ここには、官僚は間違うことがないとする「無謬性」が前提にある。お役人は間違うことがないとするのである。

この役人の、無謬性には何度も悩まされた経験がある。ある開発計画があり、役所に聞きに行くと「計画に段階なので公表できない」と言われ、しばらく待ってから聞きに行くと「計画は決まったことなので、理解いただきたい」との返事しか戻ってこない。

行政は間違うことがないのである。官僚の無謬性は大前提なので、あきれるほどゴルフをやっていても、供与などが実証されなければ、罰せられることはない。彼らが罰せられる法律がないのである。僅かに「倫理規定」に抵触する程度である。

今日の証人喚問でも、辞職してもう問われることにない倫理規定に触れる部分は認めたが、立件されそうなことは何一つ認めていなし。多分すでにそのようなことが、客観的に証明されるような愚かなことは行っていないであろう。

インド洋上でアメリカ艦船に給油すると、テロリストが減る理屈は良く解からないが、80万ガロンを20万ガロンと報告したことは明らかに隠蔽工作である。が、これまた状況証拠しかないことを熟知してか、忘れてましたのオトボケである。

多くの国民が立証されないことは別に、疑惑を抱いたはずである。

それにしても、国会の喚問はなんと手ぬるく歯がゆいことであろうか。ま、国会とはこんなところかもしれない。

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羅臼港

春誓い羅臼港