そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

何も知らない酪農専門誌記者の取材が農業基盤を崩す

2014-05-31 | 農業と食

農家で取材中の酪農雑誌の記者と出くわした。その農家は、自家産のチーズを生産しているのであるが、その取材であった。チーズの作り方や売り先の取材らしい。
酪農家としての経営のスタンスや牛のことなど、我関せずの取材である。奥さんが、家族経営の中で取り組んでいることや、牛の健康状態や飼養管理など、記者は全く興味がない。ちょっと変わったことをやっている酪農家、と言った感じの取材のようである。
一般紙ならそれでもいいが、酪農専門誌の取材である。酪農に限らず農家のことや食糧一般へ興味もなければ造詣・知識が全くない。駆け出しかと思いきや、2年もやっているとのことである。これでは一般雑誌と同レベルの、興味本位のものでしかない。
横で聞いていて、あまりにもひどい取材なので、「あなた、今年はFAOが決めた国際家族農業年だということ言っていますか?」と切り出してみた。何も知らない。
せっかくだから、家族農業は世界の食料生産を安定にし、飢餓を救い環境を守り、地域紛争を抑える働きがある・・・程度のことを言っておいた。

日本中の高校の農業科が定員不足である。ご多分に漏れず、当町も同様である。定員割れというばかりではなく、普通科に入る学力のない子供たちが集まってきているのである。
農家の若い子たちは、TPPなど大人のやり取りや世情を敏感に受け取って、農業から距離を置くようになっている。
専門誌の取材ですら、上記のレベルである。農業の重要性を説こうといないのである。食料の必要性など関係ないのである。
農業は人の命と健康を守る仕事であること、農業は自然環境を利用し守る仕事であること、先人が築き上げた知識と風土によって生産される、人類が生存するために欠かせない仕事であることを説くことがない、こうして低レベルの専門誌は、農業衰退の一端を担っているのであろう。強くそれを感じ残念でならなかった。

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拉致問題の進展は歓迎されるべきである・・・が

2014-05-30 | 朝鮮半島

ストックホルムで行われていた、日朝の局長級会談の成果を発表した。拉致問題に北朝鮮が取り組み、日本は独自の制裁Photoを解除するというものである。日朝双方ほぼ同時に発表された。特に北朝鮮は一般国民向けのテレビで、ほぼ同じ内容を発表した。
経済的な行き詰まりと、核実験などで中国からも干され外交的に四面楚歌になり、金正恩が決断したのではないか。
何度も外交で、世界各国を騙し討ちしてきた北朝鮮ではあるが、今回は少々異なることがいくつかある。北朝鮮が権限強化した特別調Photo_3査委員会を立ち上げるというのである。これまでは、拉致問題は赤十字社が取り組んできたいたが、今回は国家安全保衛部という、拉致にも取り組んだとみられる部署が取り組むようなのである。
この委員会を立ち上げた時点で、日本は人道的交流の一部解除することになる。かなり積極的である。さらに、存在が確認された日本人は、日本に返すというのである。
更に、今回は一般行方不明の日本人で拉致が疑われる人物の調査も取り組む、と北朝鮮が約束したのである。かなり異例と言える。
両国の声明の中に、「在日朝鮮人の法的地位の保障をする」という文言がある。これは、日本の朝鮮総聯合の本部問題を指している。と、北朝鮮は理解しているであろう。北の思惑は、Photo_2 政府が買い取ることを期待している。
これは日本にとっては大きなカードである。最後まで放置しながらも、北朝鮮が真摯に拉致問題を取り組むまで、切るべきではない。拉致問題の解決が見えるまで、残しておくべきである。
少なくとも今回の北朝鮮の取り組みは、これまでと異なり強大な権力が調査に取り組むことから見て、真剣であるとみるべきである。

それにしても心配なのが、拉致問題の進展で安倍首相の支持率が上がることである。小泉首相が高支持率であったのも、拉致問題を一部解決したからである。
拉致問題の解決は望ましいことではあるが、積極的交戦主義者の首相が長期政権として居座ることが案じられる。

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個別的自衛権を整理してからの論議だろ

2014-05-29 | 政治と金

安倍首相が執念のように取り組む”集団的自衛権容認”であるが、どう見ても唐突感が拭えない。国会答弁で15例の不自然さを突かれて、「あらゆる事態を考えなければ、安全保障は担保出来ない」と答えていた。
この空論と思えるたった15例の机上論の前に、やっておかなければならないことがあったはずである。個別的自衛権の論議である。ただ単に、本来どの国家も所有する権利であるとの説明以外に、ほとんど行われていない。
ましてや事例を挙げて、個別的自衛権の行使についての検討すら聞いたことがない。公明党が、自民党の挙げた事例の多くは、個別的自衛権か警察権で十分対応できると主張しているの、ももっともな話である。
国連では、「個別的自衛権とは、他国からの武力
攻撃に対し、実力をもってこれを阻止・排除する権利である」と規定している。もっともらしい自衛権であるが、世界各国の好戦的指導者が、頻繁に乱用している。
我が国は攻撃されているという、恐怖か思い込みが軍事力行使へとなる。たとえば北朝鮮であるが、アメリカから敵視され韓国から攻撃されるため、核兵器を開発し瀬戸際外交を繰り返す。この国が自衛のために開発する核兵器も、韓国への挑発行為も自衛権の範囲と言えるのだろうか?
あるいは、アメリカの行ったアフガニスタン攻撃やイラク侵攻すら、9.11の反撃=自衛なのだろうか?アメリカは自衛の理由がなければ、ねつ造する。旧日本軍も事件をでっち上げている。
アル・カイダやボコ・ハラムですら、ヨーロッパ文明からの自衛だと主張する。

すなわち、個別的自衛権ですら単なる戦争理由で、どの国もが国連で謳われていると主張する。個別的自衛権ですら、このような好戦的な意味を持つ。ましてや複数国家が絡み合う集団的となれば、推して知るべしである。

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武力が国民を守り豊かにするか

2014-05-28 | 政治と金

安倍首相が、集団的自衛権容認に意欲を燃やす。事例を15列挙し、国会で論議に入っている。この事例を見て、安倍の信者でも納得はしないだろう。こんな図式化した形の事例しか起きないと考えるのは、机上論でいかにも外交音痴である。
盛んに首相の言う、国民を守るという説明であるが、武力しか守ることができないという前提と、同盟国が必ず正しくて相手国が絶対悪である前提に立っている。
武力が国家を守るのであれば、世界最大の軍事力を抱えるアメリカが最も安全で、平和な国家であることになる。現実には、世界で最も戦争を繰り返す国家で、周辺国、特に中南米にとっては恐怖国家となっている。
中国も同じである。国力を上げて軍事予算を大量につぎ込むことで、中国は一層国民を安全にしたか?国民は守られるようになってきたか?全く逆のことが起きていることが判る。
中国国民、とりわけ少数民族は、より一層抑圧される結果になっている。周辺国も同様である。強大になった軍事力は、国民から自由な発言と、国政への参画を排除することになる。
要するに、武力は巨大化すると自分で歩きはじめるのである。戦前の日本がその典型である。憲法で明文されている、文民統制はその歯止めの一法である。
軍事力は巨大化することで、相手国の疑心を引き出して、さらなる周Photo辺国などの軍備増強を促す結果になる。現在の中国が良い例である。安倍政権はそれを待ちきれず、靖国参拝などで刺激して、集団的自衛権の理由を巧みに引き出している。
こうした愚かなことを連綿と続けてきたのが、近代国家である。唯一これに気が付いて、戦争放棄をうたったのが日本憲法である。安倍政権は、せっかく築きあげた日本の平和主義を根底から崩そうとしているのである。

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大勢の人に見てもらった「標的の村」

2014-05-27 | 政治と金

5月24日にドキュメンタリー映画「標的の村」上映会を行いました。別海では、昨年アメリカ海兵隊の誤射事故がありました。どうしてもこの地Photoで、この映画を上映したいと思って取り組みました。
赤字を覚悟の上映会でしたが、観客数が95名(無料の方が4名)となって、驚いています。こんな田舎町での上映は、せいぜい50名程度と思ていましたが、上映委員会の方々がチケットを献身的に販売していただいて、90名を越える予想外の参加者があり、たいへん感謝しています。
日本最大の自衛隊演習地を抱える、別海町での上映に取り組んだのは、昨年のアメリカ海兵隊の誤射事故があります。この誤射事故は、周辺自治体も抗議の姿勢を示しましたが、アメリカは全く説明すらなく、事故は無関係に予定通りの演習をして帰りました。
日本には地位協定という、治外法権がアメリカに対してあるのです。上映3日前には、厚木基地の騒音問題の判決がありました。自衛隊機に対して司法は、訴えを認め差し止めを命じました。
これは日本の自衛隊だけへの判決です。基地を95%利用するアメリカ海兵隊に対して、司法は判断を下す法律を持ち合わせていないと、説明されていました。
地位協定が最も激しい形で露わになっているのが、このドキュメンタリーの舞台となっている高江地区です。アメリカ海兵隊に標的にされているのではないかと思われる、沖縄の小さな高江地区の住民の抗議を聞く法律は、この国にはないのです。
同じウチナンチュウ(沖縄の人)同士で、どうして睨み合っていなければならないのと、警官に訴える人。この声に下を向く01警官たちの姿は、この地の警護の人たちなどと同じだと、演習場周辺の人たちの声もあった。
日本の警察が、日本国民をアメリカのために引きずり出す姿は、どう見ても異常であった。アメリカ軍が異常に保護される姿は、多くの国民の目に触れることはない。思いやり予算など、目に見えない支援も大きいものがある。
TPPにしても、特定秘密保護法にしても、国家安全保障局(SNC)にしても、集団的自衛権にしても、結局はアメリカのご機嫌伺いの範疇にあると言える。
とても憤りがこみ上げる映画であった。上映終了後の、アンケートにもその声が多く見られる。

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スターリンに酷似してきたプーチン

2014-05-26 | プーチン

ロシアのプーチン大統領が敵なしである。今回のウクライナの政変でさらに、国内の維持基盤を固めたと言える。
プーチンの政敵や批判的なジャーナリストたちが次々と不振の死を遂げたり、財閥とのつながりが取りざたされるが、「強いロシア」を掲げるプーチンは、ソビエトの崩壊で行き場のなくなったロシア国民の心をしっかりPhoto と掴んだと言える。
プーチンの強権的、独裁的な手法は次第にスターリンに似てきた。スターリンは、1922年から1952年の30年少々政権の頂点に就いていた。この長さを支えたのは、強権的、独裁的な政治手法のが支えた。
プーチンは、2000年に大統領に就任し2期を務めた後、1期メドベージェフに大統領を任せ本人は首相であったが、実権はプーチンにあった。その間に大統領の任期を6年に延ばした。
こうしてプーチンは、多分最大期間として2000年から2024年まで権力の座にいることになるであろう。24年になる。

スターリンは、1945年2月に自国のクリミアのヤルタで、終戦処理の会4524談を開いている。アメリカのルーズベルト、イギリスのチャーチル、そして蒋介石の代理と名目だけの中国である。
この半年後の7月には、敗戦したドイツのベルリン郊外で、ポツダム会談を開催している。これを仕切ったにもスターリンである。この間にルーズベルトは死去している。チャーチルは、選挙で負けて政権の座を追われている。中国は実質不参加である。ヤルタからつないでいるのは、スターリンだけである。
この時はまだ、ソ連と日本は不可侵条約を破棄してはいない。スターリンが仕切りながらも、ポツダム宣言にソ連の名はない。

Photo_2 ウクライナの政変は、悪政の評判高かったクチマの後継の支援を行ったのが、就任間もないプーチンである。プーチンが推したヤヌコービッチが当選はしたが、オレンジ革命という街頭デモで失脚した。その後14年にわたり、ウクライナのEU化をプーチンは阻止続けている。
この間に、欧米はもちろん世界の権力者は次々交代している。プーチンは財政的にクリミアを縛り、東部の工業地帯の経済支援を行い取り込んできた。プーチンはスターリンを倣ったのではないかもしれないが、この国を治めるには同じ手法になった。

クリミアが自主投票でロシアに編入したというなら、チェチェンや南オセチアでも同じことをやればいい。プーチンは全く逆のことをやっている。ダブルスタンダードであるが、いずれもロシアという国家のためである。しかしこれでは、ロシアという国家を強くするばかりで、国民の自由もなければ、周辺国に隷属を強要するばかりとなる。

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東電の職場放棄の隠ぺい工作、秘密保護法の適用範囲か

2014-05-25 | 原発と再生可能エネルギー

東京電力福祉AM第一原発所長だった吉田昌郎氏が、政府事故調査・検証委員会の調べに答えた「聴取結果書」(吉田調書)を朝日新聞が発表した。調書によると、2011年3月15日に第一原発にいた職員の9割の650人が、吉田所長の待機命令に違反して、10キロ南の第二原発に撤退していたこと、朝日新聞の取材で判った。
Photo 最後の命綱である非常用復水器について、熟知している人も発電所内でいなかったという。この時点で適切な対応もできなかったのである。
その後急速に放射線量は高くなった。東電は職員の命令に背いた現場放棄の事実を、3年以上伏せてきた。東電は、事故後に亡くなった本人の希望という説明である。
東電のやりそうなこと言ってしまえばそれまでであるが、あまりにも無責任な事故対応である。訓練などの事故対策、事故の想定をしてこなかった事故前の問題と、事故の隠ぺい工作は、厳しく問われなければならない。責任の所在を不鮮明にする働きを持つが、吉田氏の意向であったとしても、東電は公開するべきだったし、少なくとも政府は国民への責任として公開に踏み切るべきであった。
この隠ぺい工作は、美味しんぼ記事同様に、政府の再稼働を見据えたものであると言わざるを得ない。

初期対応の杜撰さを隠ぺいしておきながら、美味しんぼを風評被害を盾に非難する資格が、東電にも政府にもない。政府は今後も調書を公開しないとしている。
国民へ不信感を植え付ける、東電と政府の一連の言動である。再稼働と原発の輸出が、政財界にとって原発の安全よりも国民の不安よりも重要なのであろう。
政権に都合の悪いことを、隠ぺいするのは、早くも特定秘密保護法の適用をやっているのでないか。

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与党協議という名の非議会制・反民主主義

2014-05-23 | 政治と金

集団的自衛権の使用を巡って、自民党と公明党が与党協議という、議会制とも憲政とも民主義とも無縁の、打ち合わせに入っている。ここで合意すれば、それがこの国の最高法規の憲法を実質変えることになるのだから、たまったものではない。
戦後65年間、時の政権の圧力などで様々な逡巡をしながらも、憲法をPhoto 守るという国民として最低限の倫理の元、国会や国民それに憲法学者たちが論議を重ねてきた。
それはこの国が、立憲国家であることを改憲派も護憲派も認めてきたからである。こうしたことを守ってきた当然の経過すら、今ここで高く称賛せねばならないほど、安倍政権はいわば無法内閣に堕落してしまっているのである。

与党協議の法的な根拠は存在しない。報道は、公明党の慎重な姿勢を垂れ流す。
その公明党の山口代表は、「海外で武力を使わないことは、国民にも国際社会にも定着している。これを変えようというなら、なぜ変えるのか、どのように変えるのか、変えた結果、国民や同盟国や近隣諸国にどのような影響が及ぶのか慎重に論しなければならない」と述べている。
安倍晋三とその取り巻きに比べるとよっぽど質が高い。更には、いまだに集団的自衛権を巡って、内部統一がされていない民主党の体たらくよりも、余程優れていると言える。この民主党以下の野党はここでは、影すら見えない。

その協議であるが、他国が攻撃してきた場合や、威嚇を行った場合の実例集を列挙して、集団的自衛権を論議しいるようであるが、全く意味がない。必ず関係国は、自国の正当性を主張するからである。相手が攻めてきた、いや攻める準備をしていた、そういう情報をキャッチした・・・、というようなことになる。
情報が一方的で、評価や現状認識が自国の都合の良いように処理される。双方でそれが生じる。それが戦争である。自民党が実例を挙げて論議しようとするのは、戦闘を前提にしているからに他ならないからである。安倍晋三は、積極的軍国主義と言わざるを得ない。

交戦権を放棄する以外に平和は保つことができない。紛争解決はその次の作業である。日本はそうしたことができる世界で唯一の国家であったはずである。どこで間違えて、こんな低俗な論議をするような国家になったのか。

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大飯原発は黙ってこのまま停止させよ

2014-05-22 | 政治と金

福井県民たちが、大飯原発3、4号基の稼働は危険であると運転差し止Photo_2めを求めた訴訟で、福井地裁は「生命を守り生活を維持するという人格権の根幹を具体的に侵害する恐れがある」として、関西電力に運転差し止めを命じた。

これは極めて画期的な判決である。原発の危険性を認めたうえで、人格権を侵害する恐れがあるので、稼働停止を命じたからである。危険性があれば停止するのが当然という判決は、胸にストンとくるものがある。科学的な証明とは無関係に、いわば文学的に判断したのである。小賢しい論議など不要である。
これで十分である。国や電力側も、危険は百も承知である。だから厳しい規制を設けるというのである。厳しくなくてもいい。なければいいのである。こんな単純な図式を、政府はまだ認めようとはしない。

世界で最も厳しい規制基準に適合した場合の再稼働の方針は、変わらない、と菅官房長官はぬけぬけとコメントしている。
あるいは電気代や産業活動に欠かせないという論議も、危険性があれば停止するのが当然である。核事故は一般の事故などとは異なる、不可逆性の事故である。
関電は控訴の手続きを取ったが、愚かなもがきである。
福島原発事故から、政府は何を学んだのであろうか?居直って、言葉の言い訳を重ねる巧みさを学んだに過ぎない。
安倍首相は美味しんぼのような記事が、一般の目に晒されるようになるのを恐れているのである。放射能の影響はない方がいいだろうという、住民心理に乗った発言は事実を隠ぺいするだけである。なくせばそのようなそのような論議も不要である。
原発は必要であろうが発電の一手段に過ぎず、人格権の下にある。」まさにそのその通りである。

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同床異夢の中露と都合の良い歴史認識

2014-05-21 | ロシア

かつての2大社会主義国の中国とロシアが、急接近するお芝居を演じている。(もっとも中国は今でも社会主義体制と言っているが・・)内容はともあれ、習近平とプーチンの二人は、最も安定した政権運営をやっている。とりあえず、オバマのような内政で、国民にへつらう必要がないのである。
中国は突如の海洋進出で、日本やフィリッピンそれに友好国Photoであったはずの、ベトナムとも不穏な関係になっている。アメリカには、一方的 に中国が悪いとまで指摘されている。
ロシアはウクライナ進出で、クリミアの併合までやってのけて、EUとアメリカから経済制裁を受けている。この制裁はあまり意味がなく、天に唾するようなものである。

全く異なることであるが、周辺国を介しながらもアメリカから強い指摘を受けている点だけ共通している。内容的には相当異なっているし、ことと次第によっては、中国はロシアを、ロシアは中国を非難してもおかしくはない内容である。お互いの傷を舐めあっているだけである。
アメリカへの反発以外の共通点はないが、急接近を演じている。両国は、ドイツを破ったり日本を降伏に追いやった、戦勝記念を来年合同でやろうとまでしている。毛沢東もスターリンも、日本やドイツに勝ったのではない。日本は連合国と蒋介石に、ドイツは連合国に負けたのである。
歴史認識を、習近平が声高に主張するのであれば、天安門事件を正面から見つめるべきである。
ロシアは、多くの国民や収容者や犯罪者への弾圧など、ソビエトの崩Photo壊を検証すべきである。ソビエトの行ってきたことを、連邦の崩壊と共になかったことにするのは、歴史を正面から見ていないからである。プーチンは、ソビエトの都合の良い所だけ継承している。
特に中国は軍事力を高めることによって、その威力、威光を誇示する。都合の良い歴史観を持ち出して、戦闘性を高める。軍事力の持つ普遍的な作用である。

平和のために世界に進出できる軍隊を持つと、日本の安倍首相がもっともらしく主張し、これが積極的平和主義という。まるで中国の進出を待つかのように都合よく、集団的自衛権容認に向けて走り出す。この男も歴史認識を都合に合わせて、こうしたことに利用しようとしているのである。

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風評被害を考える

2014-05-19 | 安倍晋三

美味しんぼを巡って、風評が懸念されると各方面から、この記事(漫画)に対して異論が出ている。確かに風評被害は困ったものである。
その典型は、某町で国内初のBSE(狂牛病:牛海綿状脳症)が生まれた町という理由で、ホタテなど海産物もイモなど農作物も、町内産というだけで売れなくなってしまったことがある。これが風評被害である。あってはならないことである。
ところが、ともすれば風評被害の可能性を盾にして、加害者の犯罪性を隠ぺいする、そうした動きがみられる。更には、被害の実態を直視しないことにつながり、将来に禍根を残すことになる。

美味しんぼ問題に安倍首相は、「根拠のない風評として国として全力を挙げて対応する」と発言した。権力者の発言であるが、取りようによっては言論弾圧にもつながることである。
この男はつい最近も逆からの発言をしている。水銀汚染に関する水俣条約会議に向けたビデオで、「水俣病を克服した日本だからこそ・・・」と発言したことである。水俣病は現在進行形で、同条約批准の2か月後には新たな訴訟も起こされている。
この発言は、被害者の神経を逆なでする、感情的なものに留まらない。水銀の定量方法も古いままだったり、被害認定も未だに係争中だったり、何よりも住民調査は一度もやられていない。とてもじゃないが、克服などしていると思えない。
この発言は風評被害をなくそうという、意図があるとみられても仕方がない。住民のためではなく、加害者を保護するためである。
Photo_2風評被害を盾にすることで、事実を隠ぺいし加害者を赦免することにつながる。事実、福島の放射能汚染問題では、いくつもの隠された事実があったり、意図的に調査されなかったことが数多くある。ばれると後から出してくる。何度見たことか。
住民に無意識に容認する意思が働くのは、風評被害への恐れである。
政権側は都合の良い場面で、風評被害を恫喝に使っている。重要なことは事実の確認作業であり、その情報の公開である。

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集団的自衛権はどう活用されてきたか

2014-05-17 | 政治と金

集団的自衛権という言葉は、国連憲章51条に初めて登場したのが第二次世界大戦直後である。この条文も、個別的自衛権は国家が当然所有しているものと規定した条文に、付属物のようにして登場した。
事実この言葉を頻繁に使用するのは、日本の政権と与党ぐらいである。ただ現状としてはこれを利用した、同盟関係の設立や紛争や戦争は枚挙にいとまがない。
第一次世界大戦が、同盟国を巻き込んだが
、これ以降極めて複雑な多国間に戦闘が及ぶことを教訓にしたといえる。第二次大戦後に始まった、東西冷戦が強く働いて、北大西洋条約機構やワルシャワ条約機構が設立された。お互いに牽制しあったいたと言って良い。
こうしたことを背景にして、朝鮮戦争が勃発したり、プラハの春を壊したりする戦争や紛争が起きている。それぞれが、相手に責任があるとする、集団的に自衛したものである。

1979年には、ソビエトが作らせた傀儡政権からの要請で、アフガニスタンに軍事介入していった。10年後に撤退するが、典型的なソビエトの集団的自衛権の行使である。
ベトナム戦争も同様である。親米政権の要請を背景に、アメリカはベトナムに深く深く軍事介入した。社会主義国家の広がりを恐れた、ダレスのドミノ理論が背景にある。
現在でもウクライナのクリミアでは、多数を占めるロシア系住民に投票させて、ロシアは自国に編入させた。ロシア人の保護のためにプーチンはロシア軍を派遣している。集団的な自衛である。
特定Photo の国家に強く政治介入し傀儡政権を作らせる。その政権の要請によって、武力介入をする。ソビエトという国家は消滅したが、アメリカは厳然と存在して、いまだにこのクラッシクな手法を用いて、世界各国や地域で集団的自衛権の行使を行っている。
日本という国家の存在もこの範疇に入っている。紛争に巻き込まれなかったのは、憲法があったからである。
安倍晋三はそれを今まさに放棄しようとしているのである。

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敵は「必要最小限」にとどめた国家を狙い撃ちする

2014-05-15 | 政治と金

ウクライナのクリミヤ州で、ロシア編入投票を行った。ソ連時代に先住民を追い出す形で、大量にロシア人を時間をかけて移住させている。圧倒的にロシア人が多い地域で、ロシア編入を住民に諮れば、結果ははっきりしている。圧倒的賛成でロシア編入になった。

今日(15日)の沖縄本土復帰に記念日に、安倍首相の私的機関の安保法制懇の柳井俊二座長から、安倍首相は集Photo団的自衛権の検討結果の報告書を受けた。集団的自衛権容認の結果となった。当たり前である。首相の私的機関であるから、意向を受けてやりたい放題の結果になる。
こんな検討など持って回った時間稼ぎの、猿芝居である。
私的機関であるから、何をやってみてもいいというようなものではあるまい。日本が長年世界に示してきた、基本方針をこんなちんけな私的機関に検討させて、あるいは検討させる振りをさせて、憲法を実質否定するのである。
記者会見の一部始終を見た。立憲主義の否定でないかという質問には、全く答えなかった。
「国は他国と助け合うことでより安定する」と説明した。その通りである。但し利害が対立しない場合に限る。紛争は対立の極限状況である。助け合うことで、戦禍は多国間に及ぶ。それが、今年100年目になる、第1次世界大戦の教訓である。抑止力は多国に及ぶ場合には意味がない。弱い国家が犠牲になるだけである。
「必要最小限にとどめ」ていては、戦争に勝てるわけがない。敵国は最小限にとどめたところが、弱点になるから攻撃するに決まっている。
机上の論理を重ね、多様な事例を検討したところで、戦争に加担してゆけば必ず検討外の事例に遭遇する。交戦権の放棄は、自国はもちろんのこと、他国に対しても行うのが日本の立場でなければならない。交戦権の放棄こそが、抑止力になる。

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美味しんぼの姿勢を評価する

2014-05-14 | 政治と金

雁屋哲氏の人気漫画「美味しんぼ」の、110巻「福島の真実」が問題になっている。原発以降に前双葉町長が鼻血が止まらないなどとして、福島にはすまない方がいいと発言させている。
実社会でも、本人は同じことを言っている。大阪に搬入された、放射性がれきの処理の周辺で、不健康な人物が続出している、などと言うものである。
復興に懸命に取り組んでいるのだから、それに水差すようなことは言ってもらいたくない、地元の感覚には理解できるものがある。
しかしこうした事実があるのは、まぎれもない事実である。建前ばかりで、あたかもなかったように取り繕言うことの方が、将来禍根を残す。この国首相のように、事実を曲げてまで公式の場で発言しオリンピックを招致することの方が、よっぽどおかしい。
医学的な証明を待っていては、水俣やカネミ油症のようになる。医学的な因果関係の立証には、相当に深刻な事態と何よりも犠牲者の発生を看過することになる時間が求められる。
こうしたことの犠牲になるのは、一般国民や被害者たちである。とりわけ放射性物質の被爆による被害は、多岐にわたり長期に及ぶ。放射性物質の斑的広がりも、解析を困難にさせている。

こうした場合には、雁屋氏のように地道で長期に取材の発言は尊重されるべきである。官僚的な発想や線引きで対応してはならない。
福島地域での、小児甲状腺がんの発生もかなり高濃度に発症しているが、被爆7年以上で発症するという線引きの前に、問題が大きく扱われていない。
汚染基準を下げて、瓦礫を各地に搬出したり自宅へ戻させたりと、これで良いのかと思われる行政の都合による線引きがされたが、住民の将来に大きな重荷になることが懸念される。
過去この国はそういうことを繰り返しやってきた歴史がある。血友病の血清薬やハンセン病など枚挙にいとまがない。
そうした意味でも、美味しんぼの姿勢を評価したいものである。関係機関や住民は真摯に受け止めるべきである。

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日刊紙の89%が解釈改憲反対

2014-05-13 | 安倍晋三

数人の識者が”護憲・軍縮・共生”を掲げ、自由に述べるブログ「リベラル21」というサイトがある。5月13日に、岩垂弘氏が憲法記念日の日刊新聞各社の論調を調べた結果を載せている。
岩垂氏は、国立国会図書館で閲覧できる53紙を調査した。その結果、「集団的自衛権の行使」と「解釈改憲」について、ほとんどの新聞が、反対か慎重な意見を持っていることが判ったとしている。
賛成は、読売新聞・日本経済新聞、産経新聞、富山新聞、北国新聞の5紙だけであり、実に89%が集団的自衛権の行使に反対である。
日本の日刊新聞は、国民に近いところで活動・取材している、多くの国民や住民の肌感覚を持っているといって良い。
圧倒的に多くの国民は、戦争に巻き込まれる危険をはらんでいる集団的自衛権の行使には、賛意を持っていないといえる。

さらに多くの新聞では、解釈改憲という憲法の存在を危うくする行為であると指摘している。日本が立憲国家であることを否定する、安倍首相の行為は何度も確認されている。
憲法は、権力者が暴走することを戒め、国民への奉仕を義務付けている。自民党憲法草案は、この逆である。国民が国家への忠誠と義務をPhoto 果たすように規定している。
立憲国家として、日本は存在している。国家の最高法規の憲法を軽んじてはならない。長年自民党政権が、「集団的自衛権を持つが使用しない」という、法制局の見解からはみ出さなかったのも、立憲国家としての自覚があったからである。
安倍政権は、その法制局の長をお友達にすげ替えた。自らの私的機関の安保法制懇に、容認の検討をさせる三文芝居をさせて、集団的自衛権の行使容認の答申をさせる。
そして、世界で最も好戦的な国家、アメリカの戦争に巻き込まれようとするのである。
9割の国民が疑義を持っていても、国民に検討させない。原発再稼働も同じである。80%以上が反対でも再稼働させる。これが民主国家なのであろうか?

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