IOCはドーピング違反に対する処分については、結論が出ていないとしてフィギュアスケート団体のメダル授与式は問題が解決するまでは行わないとしている。15日から行われる女子シングルでもワリエワ選手が上位3位に入った場合、メダルの授与式は行われないということである。
IOCはドーピング違反に対する処分については、結論が出ていないとしてフィギュアスケート団体のメダル授与式は問題が解決するまでは行わないとしている。15日から行われる女子シングルでもワリエワ選手が上位3位に入った場合、メダルの授与式は行われないということである。
アメリカ乳牛の60%は、ホルモンを投与され牛乳を生産している。これでもかなり減ったのである。投与されているのは成長ホルモン「rGBH」(科学名BST;牛成長ホルモン、商品名ポジラック)である。開発したモンサント社は、遺伝子組み換え大腸菌で生産したもので、自然界と同じものであって改めて表記する必要がないという主張である。生産の実態は解っていない。
成長ホルモン(rGBH投与)で牛乳生産量は、15~25%伸びる。酪農家にとってありがたいのであるが、月に数度注射をすることになる。人のドーピングと同じであり、シャブ(覚せい剤)のようなものである。
その結果、無投与の牛乳に比べてIGF-1(インシュリン成長因子)という物質が、2~6倍多く牛乳に含まれていることが判っている。この聞き慣れない物質は、人の乳腺細胞の急激な増殖を促すことも解っている。女性の乳房が大きくなったり、乳がんのリスクを高める原因になると言われている。アメリカでは何の規制もない。消費者に知らせる必要もない。
日本やEUは、このホルモンの投与を禁止している。
今日世界ドーピング機構(WADA)は、ロシアの陸上競技界で組織的のドーピングが行われていると指摘した。ロシア陸連の資格を停止し、国際大会出場禁止を勧告した。ロシアのオリンピック出場も危ぶまれるようである。
人の場合にも、乳牛同様にホルモンの投与がされるのであるが、選手は将来心臓病になったりガンにかかることが多く、一時の瞬発力が上がるだけである。ロシアでは国を挙げて行っていたとの噂が絶えない。一時の栄誉と金のために、自らの肉体を犠牲にするのである。
ドーピングを行えば、競技の公正性もなくなり、クリーンであるはずのスポーツ競技が一転して、国家を背負った汚濁に満ちたものになる。
ホルモン処理による牛乳の生産は、健康食品・完全食品であるはずの生産物が一転して、不健康な家畜からの不健全な畜産物の生産になるのである。
TPPによって関税も規制も取り払われて、アメリカは当然日本が規制することに注文を付けることになろう。安倍政権の経済政策で、大型化や効率化が現場でドンドン進行している。農業に効率を求めることとはこのような、不健全な生産を促すことなのである。
自由貿易が大原則のように、巷間言われている。自由貿易こそが世界を発展させるのだと。消費者には安価なものが提供され、利益を受けるのが自由貿易だというのである。消費者が政治を動かす主体なる事はない。消費者は王様だともてはやされたりもするが、結局は生産構造を握るものが社会体制の主体になり法を作り制度や規制を設けるのである。
自由貿易についても同じである。生産者の利益の模索に過ぎない。自国の産業の強化が前提である以上、どのような国家も自国の産業の発展のための自由貿易である。その自由貿易も建て前であることが多く、実際には国内で良いだけ保護して、輸出産業に仕立てているのである。
日本の自動車産業が輸出奨励の多額の免税処置を受けているのもその一例である。アメリカの農業などは、常に政府へのロビー活動を絶やすことがない。外見上はFTAであってもEPAであってもあるいはTPPにしても、自国産業については基本的に保護主義を貫いている。自由貿易の究極の形と思われる、多国間でTPPが行われるようになるとこうしたことが必ず矛盾として吹き出してくる。自国産業への保護主義が台頭するからである。
そのことに気が付いているのが、EUであり中国である。世界各国為政者は、ぜい弱な政権基盤をもてあまし、内政ばかりに取り組まなければならない状況である。内外無差別は、制度まで及ぶのは時間の問題である。自由貿易は強者が市場を制するのではなく、弱者が収奪されるのである。その結果、強者に資本が集中することになる。
近代国家あるいは政治体制は、人権の擁護と富の分配が大原則である。自由貿易は、こうしたものを一方的に破壊してしまう。あるいは、経済力のない地域もしくは国家を疲弊させることになる。格差が増大するためである。
21世紀は自由経済などと言う、乱暴なグローバルな経済体制を作り上げることではなく、地域ごとの自主性、自立を推進する社会の仕組みを作っていかなければならない。環境問題にしても食料問題にしても福祉活動にしても、自らの手の届く範囲の中で、生産し規制し支え合うことが必要である。
大量生産される農産物もエネルギーも必ず矛盾が生じることを、人類は20世紀で学んだはずである。同じく大国は必ず軍事力を誇示し、資源国家や地域に対して紛争を起こすことを、20世紀で学んだはずである。そして、軍事力が紛争を解決しないことを、イラクやアフガニスタンから、アメリカも学んだはずである。21世紀は地域の活動から世界を作り上げる社会にしなければ、未来は展開しないと思われる。
韓国では、11日にソウル市で全国民主労働組合総連盟(民主労総)と韓国進歩連帯などが呼び掛けた、「韓米自由貿易協定(FTA)阻止・非正社員撤廃・反戦平和に向けた汎国民行動の組織委員会」の国民行動総決起集会を開いた。
全国100万人行動を、銘うっていたがソウルで警察報道では2万人ほどの参加の、大きなデモであった。1昔前、否3昔前なら日本で良く見られた光景であるが、今の日本にそんな活力などありはしない。
警察が、集会禁止の通告をやっていたようで、かなりの衝突が行われてたようである。デモの横断幕には、韓米FTA反対、非正社員の撤廃、イラク派兵の撤退、露天弾圧の 中断、国家保安法廃止、青年失業者の解消など様々であった。
日本では、例えばFTA締結反対運動は、農協主導でどこかで政府と結びついているような気がしてならない。表面的には反対運動のようであっても、結局は締結することになりその見返りに、涙金を一時的に農家にばらまく構図が、これまで何度も繰り返され来た。
現場の農民や労働者の生のこうしたデモや行動を、日本に見なくなって久しい。この国にはそうした活力がなくなってしまった。農民運動はお金貰いに終始し、労働運動はベースアップを餌に沈黙させられてきた。
それらの餌がなくなってしまい、農民も労働者も票で政治家にお返しができない状況になって、気がついたころには産業そのものの衰退が進んでしまっている。
長いものに巻かれて、やがて主要産業は本質的な活動能力が削がれ、国全体の活力がなくなって来たのでないか。農業は衰退し労働者は非正規雇用を中心に極端に賃金が抑えられて、史上最長の好景気の中にある。おかしいことに、声を上げられなくなった農民運動や労働運動にはどんな未来がるのだろうか。
日本と豪州(オーストラリア)とのFTA/EPA交渉が大詰めに近づいている。その言い分が、自由経済あるいは規制緩和、市場経済が大前提になっている。
この犠牲になるのが、合いも変わらず農業であり、恩恵を受けるのが推進する経済団体である。日本は豪州からの輸入総額が2兆1千億ほどであるが、鉱物資源(石炭、鉄鉱石、液化天然ガスなど)が1兆3千億程度で、62%を占めている。
この全てが、非関税である。関税がかかっていないのである。つまり今回のFTA交渉の対象にはならないのである。こうした鉱物資源の非関税の恩恵を最も受けているのが、日本の工業界である。
日本が今まで以上に多くの自動車や電化製品を売り込むためには、自国の主産業である農産物を日本に輸出しなければならない。そのための、FTA交渉である。
豪州からの輸入総額は、日本の輸入額の半額に近い小額の1兆3千億ほどであり、そのほぼ半額が自動車である。その自動車の関税が現在の10%から5年先には5%になることが決まっている。
これは、よく言われる「土下座外交」ではないだろうか。その犠牲者は、農業である。
日本の食糧自給率が40%(カロリーベース)程度とされている。日本は、99年に制定した新しい食料基本法に基づき、2010年までに45%にする、いわば国家目標を設定した。こんなことをやっているようでは、とてもかなうものではない。逆に減少の傾向になるが、むしろ加速させることになると思われる。
それより、自給率の向上そのものが忘れ去られてしまっている感がある。規制緩和とは、食料自給率を下げてまで、日本の工業界を救うことであるのか。
現在、アメリカの最大の同盟国はオーストラリアであるといえる。イギリスがイラク派兵を減らす中、それを埋めているのがオーストラリアである。もうすぐ退任する、ブレアに代わって存在感を示そうとしているのが、イギリスの連邦国オーストラリアののハワード首相である。
日本の自衛隊を警備していたオランダが撤退する時に、これに変わった のもオーストラリアである。現在少数ながらも、東チモール、アフガニスタン、イ ラク、スーダンへと派兵している。まるでインド洋を取り囲むようである。
オーストラリアの首相として2番目の長期政権になった、ジョン・ハワードという男ははしたたかである。6者協議の結果を受けて、凍結していた北朝鮮との外交再開を即座に打ち出して、存在感をアピールしている。送金停止や北朝鮮船の入国禁止などの解除も行なった。
オーストラリアの経済制裁は、北朝鮮には有効に働いたようである。これで、日本の経済制裁は画餅に終わったといえる。
その一方で、中国との親密な関係維持は維持し、アメリカの「中国脅威論」に一線を画し ている。オーストラリアは、北朝鮮や中国を巡る場所では、アメリカと論を異にすることで、独自の存在感を示している。
今、場当たり的な外交、あるいはアメリカを追従する外交姿勢しか持たない日本は、このしたたかな外交を展開する国とEPA交渉を行なおうとしている。。
オーストラリアは、農産物の関税の完全撤廃を主張している。日本農業、食料に対して明確なビジョンを持たない日本が、押し切られるのが目に見えている。どんな条件を飲み込まされるのであろうか。
日豪EPA交渉が始まる。日本の農業は大きなダメージを受ける。とりわけ、製品が重複す る北海道農業は、1兆3千億円の損賠をこうむり壊滅的状態になるとまで言われている。
農業関係者は、必死になってこれを食い止めようとあらゆる手段を講じている。
オーストラリアは南半球にあるため、北半球で半年前に不作だった農業製品を、選択的に栽培できる強みがある。そもそもが、オーストラリア農業は輸出産業として存在する。農業と言うよりも商業なのである。
今年のオーストラリアは旱魃のために、コメの生産量は10万6000トン、綿花は25万トン、ソルガムは99万6000トンである。前年比、コメは90%減、綿花は42%減、ソルガムは51%の減少となっている。生産者は大変である。
このような国に、日本の食卓を任せていいものだろうか。車などを買ってほしい連 中の思惑ははっきりしている。が、豊作時の生産量と価格を基準にされたのでは、日本はたまったものではない。
昨年度の北海道の生乳生産量は生産調整のために、おおむね3%ほど減らされたが、おかげで手術をする牛の胃の病気「第四胃変位(通称ヨンペン)」が激減した。穀物の給与量を減らしたためである。おかげで、牛は健康になって獣医さんは暇になり周辺産業は物が売れず、酪農家の収入もかなり落ち込んだ現実にある。
日本の農業の本質はここにある。経費をかけて周辺産業を潤す、つまりコストをかけて生産量を伸ばしてきた日本農業の体質、政策に問題がある。労働単位あたりの生産量が農産物価格を決定する。農業としての生産性を上げても農家はやってゆけない。
政府は、日本の農業を守るとは言っているが、高生産量の大型農業を視野に入れた発言である。オーストラリアと同じ思考では日本の農業、食料は守ることができない。
牛が健康になると、周辺産業の実入りが減って酪農家の収入も減るようなシステムこそおかしいのである。健全な農業としてのあり方こそ問われるべきである。
「あなたたちは車を売りたいのでしょう。私たちもあなたたちに売りたいものがあります。相互に利益が得る方向で交渉しましょう」とは、オーストラリアの、EPA担当者の発言である。
全ての品目をテーブルに上げるとも発言している。農産物、食料も例外ではないのである。食料を市場経済に委ねると、食料の持つ本質が価格の陰に隠れて見えなくなってしまう。
更に、国際化となると先進国が、機械化をして産業革命した後に、新大陸の広大な土地を先住民を追い払い、大規模化したところにかなうわけがない。オーストラリアはその典型である。日本でも、国内的には北海道が有利なのは、それに類したところ があるからである。
そもそも、食料の自給率を上げると、政府は大見得を切っていながら、本質的な対策はまるでやられてはいない。大型化を奨励し、企業の参入を容易にしたことで「国際競争力」が身に着くと、政府の要人たちは思い込んでいるようである。
価格競争を食料の本質にすると、安価にはなる見返りに、人の健康や環境全般や家畜を犠牲にすることになる。競争力がつくとはそういうことを意味するのである。今また、オーストラリアとのEPA交渉で、健全な農家を減らそうとこの国はしているかに見える。
日本の農業は一時的に活力を取り戻すことがあったとしても、田畑は荒れて家畜たちは使い捨てのように扱われ、環境は一層悪化することになる。