そもそも、大阪府知事市長のダブル選挙で、橋下徹は政界を引退すると宣言している。政界を引退すると言っていたこの男の我儘が、ことの発端である。この男はもうすでに維新の党を離党している。党に対しては何の資格もないこの男が、東京の国会議員たちを、汚い言葉でなじりはじめた。
国会議員たちは大阪から届く解党届を受理しないように総務省にお願いする羽目になっている。大阪が党の通帳を持っていて、解党によって残金は国庫に返納するということである。政治の世界の内紛はいつも醜いものである。今回も例外ではないが、全く意味不明の、除名と解党と立党である。
橋下の大阪が東京に後れをとっているという思い込みがすべての出発点である。大阪都構想も今回の疑似東西対抗劇も同じである。大阪都構想は瓦解したはずであったが、また持ち出している。いずれ政界引退宣言をした橋下であるが、復活してくることであろう。出なければこんなくだらない内紛劇をやるわけがない。
いずれにしても、野党のぐらつきは与党を利するだけである。せっかく共産党が綱領を横に置いてまで、安保関連法(戦争法)の廃棄を訴えているのであるが、野党の一部のごたごたが水を差すことになっている。
それが、橋下の狙いともいえる。安倍晋三・菅善と橋下徹・松下一郎の蜜月関係は知られているところである。いずれ橋下たちは、公明党に代わる与党の席を狙っているのである。
それにしてもなんと下品な橋下とその一派であろうか。政治家に品格を求めるのが無理な時代なのかも知れないが、実に下らん維新の党の内紛劇である。こんな喧嘩大好き男とその集団が国政を担うことなどあってはならない。実に下らん。
向井亜紀さんの「代理母」が認められない。最高裁が彼ら夫婦の親子関係を日本の法律は認めないと、判決を下した。感情的な問題は多少はあるものの、法律的には正しい判断と言うより、これしかなかったのだと思われる。
ところで、一般的には人医師は獣医師より技術的にも、設備的にも社会的にも進んでいるように思わ れる。が、繁殖に関してだけは、人医学より獣医学のほうが進んでいるところがある。
今回の代理母(この呼び名もいかにも社会的な呼称である)問題が典型である。家畜、とりわけ乳牛の分野では、日常的に受精卵の移植(代理母:家畜ではETと呼ばれている)は行なわれている。
乳牛はお産しなければ泌乳しない。乳牛はほぼ13~15ヶ月で分娩を繰り返す。それこそ生む機械である。生まれた子牛がオスの場合、ホルスタインなら肉牛の素牛として売られるのであるが、二束三文である。ところが、これが和牛なら10万円以上で販売される。
そのために、初産や子どもが欲しくない母牛に受精卵移植は日常的に行なわれているのである。2週間ほどで資格の取れる人工授精師が、移植師の資格を取って行なっているのが通常である。因みに、乳牛の98%程度は人工授精で妊娠している。
その他、能力が高く改良された乳牛の卵子を対外受精させて、移植することも珍しくない。これらの親子判定は、日常的に簡単に行なわれている。人と家畜を単純に比較するべきではないが、必要とするような人たちが現れるようだと、医学は対応するべきではないだろうか。
300日を経なければ離婚後に分娩した子どもは、前夫の子となる法律がぬくぬくと生きている。今回の代理母同様に、技術の発展に法律が追いついていないのである。犯罪捜査などでは存分に生かされる技術も、立法府では関心がない。彼らは改憲しか頭にないのだろうか。