そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

小沢一郎でいいのか

2008-08-31 | 政治と金

今総選挙をすれば、自民党は敗北する。政権維持になりふり構わない自民党は、そのにおいを感じているのか、解散はやらない。もっと支持率の高い人物を首相に据えたいようだが、それもままならない。01福田康夫が不人気では打つ手がない。

参議院は、民主党が過半数を持っている。自民党の切り崩しを受けて、新会派を作る動きもあったようだが、情勢判断能力のない女性議員のドタキャンで、それも腰抜け状態となっている。

要するに、選挙があれば民主党の党首が、首相に納まる現状にある。その民主党の党首選挙は、数人の立候補の動きも消えてしまった。小沢一郎が無投票で党首に選ばれる運びとなっている。

つまり、次期総理大臣はなんと小沢一郎で事実上決まっている。それでは、小沢一郎とはどんな人物なのか、この国を納めるに十分な資質と経歴がこの男にはあるのだろうか。

小沢一郎は、1990年の湾岸戦争の時には自民党の幹事長であった。自衛隊派遣を模索したが、結局かなわず後に左右から問題視される、3兆円と言われる大金を出すことで決着を図った。

自民党離党後は、新生党、新進党、自由党とめまぐるしく政党の再編を繰り返し、その度に規模を縮小させてきた。不満分子を切り、袂を別つことで自らの主張を貫いてきた。「剛腕」あるいは「壊し屋」呼ばれる所以である。

政策通あるいは明確な主義主張があるというよりも、常時政局を作ることで存在意義を示してきた。彼の政局は、烏合集散の繰り返しであって、決して鮮度を高めるものではない。

なぜか国連を通じれば、自衛隊は国際貢献できると繰り返している。ISAF(国連治安支援部隊)がアフガニスタンでどのような状況にあるかを見れば、この男の国連依存が意味を持たないことははっきりしている。数日前にも数人殺害されている。

鳩山に請われて自由党を解散して民主党と合流したが、小沢一郎は主義主張に鮮明さがなく、あらゆる状況を政局化することで周囲を翻弄してきた男である。自民党との大連合を模索し、党内状況を無視した行動を批判され辞任会見やった後思い直したのも、記憶に新しい。

「剛腕」「壊し屋」小沢一郎は、頂点に立つ政治家としては責任感に乏しく危険な人物である。小沢一郎が総理に納まる日が日が近づいている。無策の福田の後は無責任の小沢になる。日本はこれで良いのか。

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グルジア紛争が世界史の転機になるかもしれない

2008-08-29 | 政治と金

上海協力機構(SCO)がタジキスタンで開催された。2001年にロシア、中国にタジキスタンなど中央アジアの国計6か国で始まった会議であるが、今ではインド、イラン、パキスタンなどが加わっている。要するに中央アジアの陸続きの国々が、安全保障の歯止めのようにして始まったのである。

しかしSCOはいまや、世界を席巻する機構に変貌した。ロシアはエネルギーの国家管理が順Triplesuperpower_world 調な上に、驚異的な値上がりである。中国は世界最大の経済成長で国力を伸ばし、これに次ぐインドが加わり、怖ろしいものがないような状態である。

SCOはグルジア問題で、しぶしぶながらロシアの支持に回った。この背景には、同床異夢の中国が歯止めとなったと思われる。しかしながら、これによって世界史は大きく塗り替えられることになる。

冷戦以後の、アメリカ一人勝ちの構図はいまや存在しなくなった。エネルギーの国有化と、巨大な人口を抱えながらの経済発展国は、アメリカには恐れる態度を持っていない。

これに加えて、歴史的経験を生かしながら温暖化や環境問題提言の主導権を握りつつあるEUが、ロシアなどと対峙しるようになってきた。とりわけ、グルジア問題では、これまでの主張の経緯とは関係なく、自国に好意的かどうかで判断を下すようになっている。

ロシアがオセアチアなどの独立を支持するなら、チェチェンにも同様の態度を持つべきである。グルジアが、ソビエトからいち早く離脱した精神を生かすなら、オセアチアを拘束してはならない。EUに加わりたい国だからという理由だけで、EUがグルジアを支持するのも身勝手である。

アメリカは、イギリスの次に大量の兵士を、イラクに送りこんでくれたグルジアに謝意を示したい。イスラエルとも友好関係にある。当然のように、サーカシビリを支持している。

世界は、アメリカとEUそれに不定形の様相はあるが、上海協力機構ととりあえずは3極化の構造を持ちながらも、確実に多極化している。しかもここには、中東諸国やアフリカは含まれてはいないのである。

世界中の国々は、小国であっても自らの主張を臆目もなくするようになったのである。日本は、アメリカの影に隠れて、従属するばかりである。その典型が、インド洋上のアメリカ艦船の給油である。こんな子供だましの「世界貢献」の虚構が、いつまで通用すると思っているのだろう。

食糧の自給もままならない、主体性のない国家をかじ取る人物がいない。世界史は、グルジア問題で大きな転機に立っているように思える。

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伊藤和也さんを悼む

2008-08-28 | 政治と金

パキスタンなどで灌漑事業などを行っている中村哲医師を代表にする、ペシャワール会の現地ワーカーが殺害された。私欲や国益それに政治的目的のない活動を続けていた、伊藤和也さんの死を心から残念に思う。

彼の死に対して、様々な憶測が飛び交ってはいる。が、彼の遺体を運ぶ現地の080827多数の村人の姿や、1000人もの捜索隊が結成されたことを聞くにつけ、彼の活動の評価を見ることができる。

社会的情勢の判断ができずにいる、社会活動からはみ出された連中が、彼を拉致してタリバンなどに身代金要求人物とした疑いが濃い。捕捉者はほとんど無防備であったことから、そうしたことが窺える。

アフガニスタンの現状を作り出したのはブッシュである。日本人現地ワーカーがターゲットになったのは、ブッシュを無条件に支援し続けた日本政府(小泉政権)である。タリバンは制圧されたと、言い続けなければならない情勢は明らかに目論みを誤ったのである。

テロの側に付くかアメリカに付くかと、ブッシュはすごんで見せた。実は、アメリカもテロであることがはっきりしてきている。アメリカも気がつき始めている。気がつかないのは、日本政府である。海上給油をすると、テロは増えてきた。パキスタンもアフガニスタンも、政情は悪化するばかりである。

自国のイスラム兵で侵略した陸続きの大国ソビエトでさえ、アフガニスタンを制圧できなかった080828 。その時、タリバンを支援したアメリカは何の教訓も生かされていない。

海上給油の数百分の一で活動し、現地で実績を積み続けるペシャワール会の平和活動が停滞してはならない。伊藤さんたちの活動こそが、真に平和憲法を抱く日本の活動であるからである。

それにしても、日本政府のNGOへの不信は容認できない。ペシャワール会が遺体を確認してもなお、大使館職員の確認を待っていた。政府のNGOへの不信を垣間見た。

中村代表の言葉に、「現場を離れると抽象的になる」というのがある。伊藤和也さんは、具体的な活動と成果と信頼を得ていた。会報にも、彼の情熱が伝わるような文章を載せていた。これ以上の現地を離れた発言は慎みたい。

これからのペシャワール会の活動を注目し、伊藤和也さんのご冥福を祈りたい。

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国連軍縮会議、もっと評価を

2008-08-27 | 政治と金

国連軍縮会議が、27、28日にさいたま市で開催される。今回で20回目であるが、これまで初回の京都以来全て日本で開かれているが、あまり報道の対象にはなっていない。平和憲法を抱く、被爆国日本のなすべき課題は少なくないはずである。なぜ、この国連軍縮会議の評価が低いのであろうか。

冷戦時代は、相互に軍事拡大が経済的にも負担になってくる過程で、それぞれが軍縮を提案しあって、良くも悪くも軍事縮小の効果・歯止め作用はしてくれた。

アメリカ一極体制になってからは、大国のご都合だけで軍事の拡大と縮小がされてきた。日本政府はこれに乗っているだけである。核兵器は、既存所有の5か国が「拡散防止」を唱えるのを追従するようでは、日本の存在意義がない。

現実には、核を所有することによる見返りの方が大きいのである。その典型が北朝鮮とイスラエルである。核所有による政治的な効果を、たっぷりと味わっている。既存の所有国の既得権と、拡散防止条約(NTP)の存在かかえって「核」の政治的意義を浮く立たせている。

080826国連軍縮会議は、核軍縮、核不拡散、核の平和利用をうたっている。サロン的な、論議中心の会議ではあるが、もっと強い提案をやるべきではないか。日本で開かれる意義と、日本の存在を発揮するべき会議と思われる。

今年も、広島・長崎の高校生たちが署名の提出を行っている。オバマ民主党の大統領候補が唐突と思える、核兵器の将来的な廃棄を目指す発言をしている。少々パフォーマンスもあるかもしれないが、これも評価したいと思う。

地上には、28000発の核兵器が存在し、威力は広島型原爆の40万倍であるという。国連軍縮会議は前面に理念を出し、多少の批評は覚悟してでももう少し存在意義をアピールすべきではないだろうか。

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GDPとは何か

2008-08-26 | 政治と金

昨日の、当ブログのコメントに酪農家と思われる方から、コメントが寄せられています。全く今の酪農家は、乳搾りなどの生産量を増やすことばかりを、周辺から持ち上げられて突き進んでいます。どうしてこのようなことになったのでしょう。

昨日の記事の数字をもう一度ご覧になっていただきたいと思います。農業所得が4771万の平均的な農家の所得が919万円なのに対して、自給飼料を中心にやっておられる方は、農業所得が2671万円しかないのに、所得が1101万円もあります。

あくせく働いて、農場を大きくして所得(総収入)をいくら増やしても、自分のものにならない。自らが、稼いだ金額の80%も周辺産業に持って行かれています。農協や肥料会社や穀物販売業者や建設会社や診療代、それに消耗する牛のためにと、せっかく稼いだ大半を持って行かれます。

しかしながら、近代経済学では一般農家の場合の経済効果は、4771万円のあるのに、自55 給飼料型酪農家は2671万円しかない、と判断されます。地域の経済活動(GDP)は、自給飼料型農家は地域に貢献していないということになります。経済学者は、もっと生産高を上げるようにと主張します。

私たち獣医師の立場から見ると、自給飼料型酪農家では乳牛は病気になってくれません。これに比べて、一般酪農家の乳牛は病気が絶えません。自給飼料型酪農家が増えて、健康な牛ばかりになると獣医師の仕事がなくなるのです。

穀物の輸入販売業者の場合は、もっとはっきりしています。餌を買ってくれないなら商売になりません。牛をたくさん飼ってもらいたくさんの牛乳を生産してもらうために、さまざまな技術を紹介します。牛舎構造や飼料設計や機械の導入などの、「新しい」技術と設備の紹介に余念がありません。

周辺産業を潤す営農形態の方が、GDPひいてはGNPが高くなるのです。その一方では、牛は病気を抱え糞尿は過剰になり環境を汚染して、海外の穀物相場や社会情勢に左右されることになります。

はたして、GDPは国民の健全な経済状況を知るため、計るための指標になるのだろうか。資源が有限であることがはっきりした現在、もっと違う人間生活に立脚した指標が必要ではないだろうか。

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自給率を深刻に考えよ

2008-08-25 | 農業と食

先日、獣医学科の学生などにレクチャーする機会が何度かあった。酪農などの現状を、診療する獣医師の立場から話してみた。その中で、「この数年で、もっとも高騰している穀物何か」という質問をした。

獣医学科の学生の多くは、小動物・ペット診療志向である。70%を超える現実にある。都合、40人ほどに行った質問であるが、正解者は一人もいなかった。正解はコメである。

Ai465e01なぜ米が、2.8倍にもなっているのに誰も気づかないのか、騒がないのかと聞くと、それなりの意見が出てきた。様々な問題を抱えてはいるが、日本ではおコメは自給しているからである。農業・食料問題に弱い彼らの意識を、切り崩すいいきっかけになった。

世間では、畜産農家が穀物の高騰によって経営が行き詰まっていると、大騒ぎである。政府の援助などを求めている。酪農を知らない政治家でさえも、先頃の集会で「もっと自給飼料の 活用を」と言っていたそうである。

ところが、自給飼料依存の高い酪農家にとっては、この3年ほどの穀物高騰による経営ダメージはそれほどでもない。以下は、この5年の変化を、マイペース酪農の事務局がまとめた数字である。9戸の自給飼料型と、A農協の平均の比較である。

自給飼料型の農業収入は2653万円から2671万円になったが、所得は1263万円から1101万円に落ちた。A農協の農家平均の農業収入は4617万円から4771万円になった01_2が、所得は1407万円から919万円になった。

自給飼料型酪農家の減収は161万円であるが、一般酪農家の平均減収は485万円にもなる。所得率は、自給飼料型は47.6%が41.2%になっているが、一般酪農家は30.5%が19.3%にまで落ち込んでいる。

乳牛の食糧(飼料)自給率が高いことが経営にとっていかに大切なことか、外部に依存する ことがいかに危ういことかが読み取れる。

政府や関係団体は、懸命に政府からの援助を引き出そうとしている。それでは、また輸入穀物依存型の酪農家を擁護することになる。これまでの政府の方針である、大型化や高泌乳化の方針がこうした状況を生んだことへの反省が何もない。

農家戸々の経済的な意味だけではなく、食料問題や環境問題や国際紛争やエネルギー問題など、今世紀に人間に突きつけられた問題のほとんどを考える時に、食料の自給あるいは、地域内での自給は大前提になる。

食糧の自給をもっと真剣に考えるべきである。食べる物の贅沢を謳歌し、肥満におびえダイエットし、輸入した食料でありながら廃棄する、これが健全な国家であるとは思えない。

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人は戦争が好きで愛国心が好きで・・・

2008-08-22 | アメリカ

サーカシビリの南オセアチア侵攻は、どうやら北京オリンピックを狙ったようである。彼の目論見とは裏腹に、休暇中のメドベージェフに代わりプーチンは即座に北京からロシア軍の出兵を指示したようである。

サーカシビリが計算違いだったのは、アメリカが口先ではロシアを非難しておきながら、具体的080811 な動きをやらなかったことと、イスラエルの後押しがなかったことである。

それに比べて、ロシア軍を長々と居座らせたメドベージェフは国民の支持を受けている。国民の支持が極端に高くなったのである。当初はもたついていたメドベージェフではあるが、愛国心を鼓舞してロシア軍を駐留させた。

報道は怠りなく国家管理された情報しか流していない。国民は、引き下がらない強いロシア見たいのである。世論調査によると、メドベージェフは70%にもなる支持率をもらっている。

この構図はどこかで見たことがある。ブッシュが、9.11の同時多発テロを受けてアフガン侵攻を行った時には、国内の支持率は90%近くにも跳ね上がっていた。このときの構図と酷似して080822 いる。

どうやら人間は、愛国心が好きなようである。戦争も心ときめく政治ショウにもなるようである。国威の発揚には、愛国心を鼓舞する戦争は最も相応しい。

ブッシュのアフガンとイラク侵攻がその後どのような状況に落ちいっているかは話すまでもないが、政権末期ということもあって世論調査はあまりやられていないようではあるが、支持率は20%そこそこである。人は国威の発揚には敏感である。

ところでロシア軍は、平和維持軍と称した軍隊を残し、グルジアの軍事施設を破壊し、国境には緩衝地帯を設ける既成事実を行っている。停戦とはどのようなもだろうか。

今回の紛争は、米ロの冷戦構造を再燃する向きもあるが、もはやアメリカにはその力はない。イラク戦争の後始末は深刻な不況をアメリカ経済の及ぼすことになるだろうし、多極化の進行は意外と速く進んでいるからである。

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情けない男ども

2008-08-21 | 政治と金

北京オリンピックも終盤にさしかかってきた。いい加減な開会式をしたりお天気爆弾を100発も打ち上げたりしたが、オリンピック以後の中国に注目したいところである。

080821どうしても気になるのが、日本の男子のふがいなさである。野球は実力的には勝っていると思われながらも、決勝進出のチームすべてに惨敗する体たらくである。サッカーに至っては、一つも勝つことができなかった。

これに比べ、女子のソフトボールは感動ものである。一日に2度も延長戦を戦い決勝に進出する。女子サッカーのなでしこジャパンも、体力的にかなり劣るチームに善戦している。結果はどう なるかわからないが、奇しくも今夜同時刻に決勝と準決勝戦を戦う。

これを単に男女の違いと見る向きもあると思うが、職業選手として高額の収入を得ている連中と、仕事は別に持ち懸命に競技をしている人たちの違いでないかと見たい。

野球もサッカーも、男子チームは人もうらやむ高額の選手ばかりである。彼れらには保障された場所と報酬がある。女子サッカ-もソフトボールの選手にはそのどちらもない。彼女たちは、黙々と働き練習をする。

何かと問題続きの相撲も、かつては貧しい田舎の次三男が這いつくばって関取になったものである。今も同じなのは、外国人が上位を占めているとことでもわかる。北海道から横綱どころか関取もいなくなった。

お金があることはいいことかもしれない。それを求めて、私たちは社会活動をやっているのかもしれないが、生き抜く力や努力を、何処かに置き去りにするのが常である。

中国は台湾問題を根拠に長年オリンピックをボイコットしてきた国であ。貧困から脱しつつあるが、それは国民全体ではない。断トツのメダル獲得数ではあるが、オリンピック以後の中国は民族問題と環境問題それに格差問題、何よりも情報公開がこれ以上進んだ時に、共産党独裁体制は維持されるのだろうか。

おりしも、毛沢東以後の4人組を追放し、自らも鄧小平との権力抗争に敗れ追放された華国峰元主席が昨日死去した。彼が、貧富の差がどんどん広がる「社会主義体制」の中国をどのように思っていただろう。中国社会に忘れ物をしていないかと、問いたい

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身勝手なモンサント社

2008-08-20 | 政治と金

オーストラリア政府が、モンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシ、MON863の輸入を禁止する処置を行った。MON863は、病害虫に強い品種であるが、すでに欧州委員会からは問題視されている商品である。

今回、モンサント社による臨床報告が改ざんされているのが判明し、これを受けてオーストラリアが輸入の禁止を行ったのである。MON863の欧州委員会の臨床試験では、マウスに重大な肝臓障害が生じるとこが証明されている。モンサント社の、臨床試験の改ざんは今に始まったわけではない。当ブログでも指摘した。

http://okaiken.blog.ocn.ne.jp/060607/cat7180427/index.html

モンサント社は乳牛の泌乳量を上げるための薬として、牛成長ホルモン(商品名:ポジラック)を販売している。アメリカはこの試験管内で製造されるホルモンの使用に、何の規制も加えていない。EU諸国や日本では認められていない。一般の人に分かりやすく説明すると、乳牛のドーピングである。

15最近になってこの、成長ホルモン投与による牛乳の売れ行きが芳しくないのである。そこで、モンサント社はこの成長ホルモンの製造販売権を売却することにした。誠に身勝手な、多国籍企業である。

ところで、環境団体が日本政府に対して、国内で流通している遺伝子組換えトウモロコシの流通実態の公表を申し入れたが応じていない。実態が分からないまま輸入されているのではないかと思われる。

多分家畜に給与されているトウモロコシのほとんどが、MON835ではないかと推察される。生産性の高さと、抗病性が高いことは農家にとっては福音であるが、自然界になかった生物を生みだすことの危険性は、いまだ解明されていない。

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福岡正信さん死去

2008-08-18 | 政治と金

01 自然農法を提唱されていた、福岡正信さんが亡くなられた。福岡さんを知ったのは、1970年前後だったと思う。多感な時代に、彼のタイプライターで打った何の色気もない、薄いレジ締めの本を友人に紹介され取り寄せた。あれから40年も経つが、彼の思想は終生変わるこなく発展し続けた。

福岡正信さんを紹介する時に、多くの人は彼の農法を紹介する。それはそれで良いのだが、福岡さんはきっと忸怩たる思いだったに違いない。NHKに古くから共鳴する方がいて、遠隔地にいる者にとって福岡さんの主張が映像で見られるありがたさを十分感じていた。数本のビデオが残されている。

福岡さんの主張の根幹は、科学に対する人類の愚かさを訴えることであり、その手段として農業を用いていたのである。その農業が、農薬や化学肥料に漬けられ、土地が死んでゆく姿に対比した形で、福岡さんは「自然農業実践家」として紹介されることが多かった。

NHKで福岡さんに共鳴される方々は、かなり正確に取り上げてくれていた。福岡さんの放送が、宗教の時間だったり心の時代の中で放映されていたことでもわかる。

自然の循環の中で、私たち人間は生かされている。その姿を捉え、認識、自覚することなくして、私たち人類はいたずらの目先の効率だけを追い求めている。福岡さんは、その実践する姿として無耕起・無肥料・無農薬・無除草を行っているだけである。

福岡さんは、その手法として様々なアイディアを提唱された。米作りの除草にはクローバーを用いたり、多種の作物を組み合わせることで無農薬などを実践しているだけである。

アイディアの真骨頂は、粘土団子である。土を丸めて種子をその中に入れて、乾燥地帯でた だばら撒くだけで農地を広げていった。こうした働きは、1988年にアジアノーベル賞と言われるマグサイサイ賞を受賞されている。

福岡さんの思想は、まったく関係ないような分野の地球の歴史や、環境問題や地質学や平和論などをPhoto読んでいる時にも想起される。あらゆる分野に福岡さんの思想が伸びている。そうした意味でも福岡さんは偉大な人物であったといえる。

福岡さんの書物はたくさんの国々の言葉に訳されている。日本ではあまり評価されないのは、農業が軽視されているから他ならない。世界各国では、彼の業績や思想は高く評価されている。福岡さんは、自分のことはほとんど語ることはなかったが、そうした日本の現状を最も憂えていたように思える。

享年95歳だったそうですが、感謝の意をこめて福岡正信さんのご冥福をお祈りいたします。

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貧乏くじを引いたロシア、メドベージェフ

2008-08-16 | 政治と金

グルジアによる南オセアチアの軍事制圧で、どうやらロシアは貧乏くじを引いたようである。そもそも、グルジア(英語読みではジョージア)は、アメリカに寄り添うことで、旧ソビエトからいち早く独立した国家である。アメリカに頼るということは、この地域の特殊性からの地政学的には、同時にイスラエルと緊密になることでもある。

グルジアの国防大臣と国家統合大臣は、イスラエルの国籍をも持つ人物である。アメリカが、感情的な反応をするのもパフォーマンスだけではない。EU各国も、アメリカに同調し一斉にロシアを非難し、素早く仲介に入った。

おかげでポーランドは、ロシアが大反対していたミサイル防衛計画(MD)に乗せられて、アメリカの言いなりにミサイル配備をすることになるようである。

CIS(旧ソビエトに所属した国々で構成する、独立国家共同体)諸国も、ロシアに対して厳しい姿勢を見せている。ウクライナは黒海でのロシア軍の活動を制限するようだし、各国もウクライナの動きに追従するようである。

こともあろうにブッシュは、「民主的に選ばれた国家を侵攻してはならない」と、発言している。何の根拠もなくイラクやアフガニスタンに侵攻したブッシュ、にそんな資格があるとは思えないが、この文言だけを見ると正しい。

サーカシビリ大統領は、ブッシュにそそのかされて南オセアチアを制圧に乗り出したかどうかはわからないが、少なくとのブッシュはその後でも支持してくれると読んでいたと思われる。サーカシビリはぐずりながらも、ライス長官の説得を受け入れ、停戦合意に署名した。一方のロシア軍は、今未だに駐留を解いてはいない。

こうしてみるとロシアは、どうやら一方的に貧乏くじを引いたようである。地政学的にも、エネルギー確保の意味からも重要な地域の主導権を失ったし、欧米を団結させイスラエルの存在を大きくさせた。

ロシアが、クラスター爆弾を使用していたことも暴露され、ロシアへの風当たりは高まるばかりである。就任間もない、メドジェーエフがまんまと乗せられ若さを露呈した格好である。

それより、グルジア領内の「南オセアチア」と「アブハジア」の自治権や住民たちはどうなるのだろう。戦はいつの世も国益を優先させ、人々は置いてきぼりである。

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今日は終戦記念日

2008-08-15 | 政治と金

今日は終戦記念日である。あえて敗戦記念日と呼ぶ向きもあるが、どうも次の戦は勝つぞという思惑があるように思えてならない。そこで素直に、63回目の「終戦記念日」を受け入れたい。

日本国内に残る戦争の傷跡は、特別なことを除いて、ほとんどが昭和20年(1945年)に起きたことである。この戦争の本質はここにある。

この戦争は、17年6月のミッドウェー海戦の敗北で、戦局は決定的であった。それ以降の戦いは、玉砕を命じ散華するだけの戦いだったことははっきりしている。真珠湾攻撃からわずか半年後のことである。

私の父も、栄養不良で動けなくなり、南方で自害した。内地に若い妻と幼子3人を残して、愛妻家だった父は「戦陣訓」を守って死をえらんだ。父は戦陣訓に殺されたといえる。父の死は、戦いの中で死亡した戦死ではない。この戦いで死んだ兵士の多くは、餓死したものと言55 われている。

この戦争の死者は、350万人とされている。半数以上の艦船をなくしたミッドウェー海戦で終戦していれば、100万人程度で終わったはずである。

さらに悲惨なことは、沖縄に始まる本土攻撃が、主体は無数の空襲によるものであるが、2発の原爆が落とされて後にも、日本は空襲を受けていた事実である。もっとも悲惨なのは、8月14日の大阪空襲である。

北海道でも79か所に空襲があったが、それは20年7月14、15日の2日間だけである。室蘭の艦砲射撃以外は、すべてグラマンによる空襲である。2000人が死亡しているが、戦局には全く意味を持たない空襲である。

日本帝国は、汝臣民のことなど考えてはいなかった。国体の護持(天皇体制)を模索するばかりであった。そのおかげで、250万人以上の国民が殺されたのである。

広島、長崎、東京や大阪などの空襲による死者、さらには神風特攻隊や回天などの若者たちの散華は何の意味があったのか。戦況に対する認識の欠如と、国体護持にあったのである。

国内では、沖縄戦の惨たらしさや空襲や原爆の悲惨さが記憶から消されようとしている。終戦記念日は、そうしたことを思い出す日として永久に留めたいものである。

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現代を語る言葉

2008-08-14 | 戦争

昨年、論座に「戦争は希望」という小論文が掲載され話題になった。戦争は希望と捕える、行き場がなく寄り掛るところもない、若者たちの心情をこのフレーズに見ることができる。

社会的位置や職業に目的を見出せない若者たちは、目的が鮮明で、やることがはっきりしている戦争なら、身の置き場があると思ったに違いない。戦争は見事に、手段は問わず目的を鮮明ににしてくれる。それは、戦場での一方的な思いこみでしかないが、今彼らの目の前に差し出されると「希望」に満ちた内容となるのである。

戦争の有無や可否を問いかけているのではない。閉塞した現状に対峙するあり方として、戦争を捉えているのである。

「戦争が希望」、このフレーズを聞いた途端に、思い出したことが2つある。一つは、ニュ55_3ース23で、若者が司会者の筑紫哲也に「人を殺して何が悪いのですか」と発言したことである 。司会者は、何も答えることができなかった。言葉に詰まっていた。

もうひとつが、マネーゲームでお金儲けをしていた村上何某であるが記者会見で「お金儲けって悪いことですか?」と、記者連中を見まわして発言したことである。その時は、誰も反論するものがいなかった。

後ほど時間が経つにつれて、筑紫哲也は反省をしながら、この少年に即答できなかった自らを悔いる発言を繰り返していた。もうすでに、10代の半ばにもなれば、人殺しの犯罪性、罪悪感は身についているはずである。私たちはそうした前提で、話を進めてきているのである。何かが現代に足りないのである。

お金儲けは、それは手段の中かその過程で生じるものとすることに、日本的美学があったはずである。「おかげさまで」とか「世話になっています」とすることで、結果的に儲けるのが前提としてあったはずである。金儲けが目的としては存在しなかった。そういう連中はあこぎな代官や商人として、勧善懲悪の対象になっている。

お金儲けが、手段ではなく目的だけになっている典型が、株などの投機である。村上何某は、社会的活動はなにも問うことがなく、投機だけで勝ち組になっている。投機の対象の会社が、何をしていようが関係ないのである。

戦争に希望を見出そうとする額に汗する若者たちは、質的に異なるものの矢張り社会的活動は問うことなく、仕事を欲しがっているのである。マネーゲームで巨万の富を蓄える連中と、同じ土壌で全く正反対の位置に置かされる。その結果、彼らの希望は戦争となるのである。

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なぜ食料は自給しなければならないか

2008-08-13 | 政治と金

このブログにもしばしば、食料を国内で賄うことに対する私の主張に対する疑問や、問題点が寄せられ る。その中には、誤解していることもあるし、現実的な対応が難しいなどとする意見もたくさんある。

しかし、食料を自給しない国家は独立国家としての要因を放棄することになる。食べることに不安を与えないのは、自国民を守る基本的な要因である。

食料は、一般の商品とは全く異なるものである認識が、質問者にはないことが多い。商工業製品のように、数倍も売れることもないし、半数になることもできない。わずか5%減少しただけで社会生活に問題が起き、それでいて誰にでも必要で欠かすことのできないものである。

1950年代に、アメリカは自国の余剰農産物を、戦略物資と位置付けた。それにまんまと乗ったのが日本である。高度成長期には、世界分業論などというものが登場する。日本は得意の分野で金を稼ぎ、食料は購入すればいいという考えである。基本的に、小泉・竹中001新自由主義者たちはこうした考えに基づく。

その結果、主食を生産しなければお金を出すとする、古今東西世界になかったような農業政策を行う。この減反政策が、これがどれほど日本の農民と農村を疲弊させたのか計り知れない。

その一方で、世界には8億人の飢餓人口がいる。しかし、世界最大の他国への食料依存率の高い日本が、肥満に悩む人々と1、200万トンにもなる食糧を廃棄している。日本など先進国の家畜は、生産を強要されて大量の穀物を給与され、過肥と肝臓病などの代謝器病に発病寸前の状態で、畜産物を生産している。安価な畜産製品を求める消費者のニーズがそこにある。

図らずも、今回の石油高騰で食糧の世界的な構造の一部をようやく一般消費者が知ることになった。もう少し、食料の大切さと世界的な視点を持つことで、日本の農業を見つめなおす必要がある。

耕作放棄地を有効に利用し、日本人本来の食体系を取り戻すことで、食料自給率を上げることができる。それと、今回1%ではあるが自給率が上がったのは、中国製品などに対する輸入品の不安と、小麦などの価格上昇にあると思われる。

世界的にもっとも高騰している穀物は米である。日本では誰も騒がない。自給しているからである。食料は多少高くついても自国で賄うためにはやむを得ないものである。安全も同様である。農民に十分な対価を払うべきである。

その一方で中国の富裕層をターゲットにした、政府ご推奨の高級品の「コシヒカリ」は全く売れず在庫を抱えている現実がある。本来の農業製品の在り方を無視したような、投機的な思考方法では食料の自給率は上がることはない。

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グルジアもロシアも同じ

2008-08-12 | 政治と金

グルジアが南オセアチアの自立を認めない。ところが、この小国はロシアにすり寄ることで、生き延びようとしている。ロシアはこれを支援する。この構図はどうもおかしい。

これは、グルジアもロシアも今までやっていうることとかなり異なる。ロシアは、少数民族や国家を認めようとしていない。チェチェンなどは、国民の半数が殺されるか国外追放の状況にある。

グルジアも、自分たちが旧ソビエト連邦からいち早く独立した精神や経緯を考えると、南オセアチアの自立に対して、もっと寛容になるべきである。ところが現実は、彼らの自立を認めようとはしていない。かなり強引に自国に取り込もうとしている。その結果の反発である。

グルジアは、初代大統領のシュワルナゼ以来アメリカと太いつながりがある。ブッシュは、オリンピック開催中の北京からいち早く、ロシアの非難を行っている。

どうしてこんなにも、民族紛争が世界中にあるのか。絶えることがないのか。様々な紛争形態があるのではあるが、現在起きているその多くは、大国が利権を得たいから起きることが多い。

石油やレアー金属などの天然資源が必ずそこにある。チェチェンにしてもウイグル地区もチベットもコーカサス地方も同じである。大国がより肥大化するために、より多くの利潤を得るために、軍事的にも経済的にもより強くなるための手段にすぎない。

一般人の存在など考慮しないのである。グルジアもロシアも同じである。そこで犠牲になるのはいつも底辺の人たちである。

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羅臼港

春誓い羅臼港