今総選挙をすれば、自民党は敗北する。政権維持になりふり構わない自民党は、そのにおいを感じているのか、解散はやらない。もっと支持率の高い人物を首相に据えたいようだが、それもままならない。福田康夫が不人気では打つ手がない。
参議院は、民主党が過半数を持っている。自民党の切り崩しを受けて、新会派を作る動きもあったようだが、情勢判断能力のない女性議員のドタキャンで、それも腰抜け状態となっている。
要するに、選挙があれば民主党の党首が、首相に納まる現状にある。その民主党の党首選挙は、数人の立候補の動きも消えてしまった。小沢一郎が無投票で党首に選ばれる運びとなっている。
つまり、次期総理大臣はなんと“小沢一郎”で事実上決まっている。それでは、小沢一郎とはどんな人物なのか、この国を納めるに十分な資質と経歴がこの男にはあるのだろうか。
小沢一郎は、1990年の湾岸戦争の時には自民党の幹事長であった。自衛隊派遣を模索したが、結局かなわず後に左右から問題視される、3兆円と言われる大金を出すことで決着を図った。
自民党離党後は、新生党、新進党、自由党とめまぐるしく政党の再編を繰り返し、その度に規模を縮小させてきた。不満分子を切り、袂を別つことで自らの主張を貫いてきた。「剛腕」あるいは「壊し屋」呼ばれる所以である。
政策通あるいは明確な主義主張があるというよりも、常時政局を作ることで存在意義を示してきた。彼の政局は、烏合集散の繰り返しであって、決して鮮度を高めるものではない。
なぜか国連を通じれば、自衛隊は国際貢献できると繰り返している。ISAF(国連治安支援部隊)がアフガニスタンでどのような状況にあるかを見れば、この男の国連依存が意味を持たないことははっきりしている。数日前にも数人殺害されている。
鳩山に請われて自由党を解散して民主党と合流したが、小沢一郎は主義主張に鮮明さがなく、あらゆる状況を政局化することで周囲を翻弄してきた男である。自民党との大連合を模索し、党内状況を無視した行動を批判され辞任会見やった後思い直したのも、記憶に新しい。
「剛腕」「壊し屋」小沢一郎は、頂点に立つ政治家としては責任感に乏しく危険な人物である。小沢一郎が総理に納まる日が日が近づいている。無策の福田の後は無責任の小沢になる。日本はこれで良いのか。