北朝鮮兵1万5千人が、ウクライナに隣接し最もウクライナの攻撃をアメリカの受けている、クルスク州に派兵されている。ここは一時ウクライナが占拠した地域である。
こうした中アメリカは、「ATACMS」(長距離ミサイル)の使用を、アメリカバイデン大統領は許可した。当面使用はクルスク州に限定するとしている。北朝鮮の派兵参戦への警告であると述べている。北朝鮮は最大で10万人の派兵をする予定であるとされている。
ロシアが主導する旧ソビエト連邦諸国を核とする、軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)が、一国としてロシアに兵を送っていない中の、こうした北朝鮮の派兵は異様である。自国の兵士を前線に送られ、死をかけて闘わす権利を金正恩は持っているとは思えない。
若い北朝鮮の指導者を、同盟国内でも手を出さない戦争に協力させるよう、核開発や食料などの補給をチラつかせて、手玉にとっているのである。
ウクライナがATACMS使用した時のプーチンの反応が注目させる。金正恩の取った派兵行為は世界各国に大きな波紋を及ぼしているが、彼はここまで見込んでいたとも思えない。軽薄な行為であるといえる。
ATACMSの使用は戦争の拡大になると、配置したバイデン自身が述べていた。次期大統領のトランプはATACMSの使用許可は、火に油を注ぐ効果になると批判している。
ウクライナ戦争の停止を公約までしていたトランプは、ウクライナとロシアにどの様な条件でするかを背景に、各国は戦々恐々として見ている。プーチン寄りの東部四州を分割させる案を出す可能性すらあるが、ATACMS使用とその後のプーチンの反応がその行方を示唆してくれるだろう。