そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

FIFAをどの国の誰がどんな法律で裁くの?

2015-06-04 | FIFA
これまで何度となく不正行為がとり沙汰されてきた、FIFA(国際サッカー連盟)であるがついにというか、いよいよ御用になった。強気だった再選されたばかりのブラッターも辞任することになった。(上の絵はクリックすると大きくなります)
めでたしめでたし。
ということで良いのか? この逮捕劇はどう考えてもおかしなことだらけである。5月27日にアメリカ合衆国の司法省が14人を組織的不正の罪で起訴、その内の7人をスイス当局が逮捕したのである。
起訴対象となったのは、ワールドカップの地区予選、南米選手権に加え、南米クラブ選手権などの9つの大会を巡っての放送権の受注・南アフリカで2010年に行われたワールドカップの招致活動を巡っての資金工作・2011年に行われたFIFA会長選を巡っての資金工作などとされている。アメリカの司法当局によれば、起訴事実は47件にものぼるとのことである。アメリカの司法省の起訴理由は、金銭の受け渡しの際に、アメリカの金融システムが利用されていたことであるというのである。
アメリカの検察当局は、賄賂授受や資金洗浄などを禁じたアメリカの法律に抵触するというのである。
ヨクワカラン
要するに、不正金がアメリカの金融機関を通ったというので、逮捕したのである。こんなことで数十億円の利権がうごめく容疑者を逮捕できるのか?
FIFAは民間団体であり、汚職の対象にならない。放映権や大会誘致やコマーシャルなど、利権が渦巻く団体である。しかも相当大きな金が動く。
協会の金を動かしたり、立場を利用しての理事会の発言をしたり、特定の団体や地域に肩入れするのは、不正行為と私は思うが、どの国の法律が適用されるというのであろうか?贈収賄はそれはFIFAの内規の問題ではないのか?
早くも、次回のモスクワ大会への経済制裁の一部であると、プーチンが次々回のカタールと共に異議を唱えている。
清廉なスポーツ大会が金にまみれていることは、あってはならないことである。世界のフアンを失望させるばかりと言える。更にこれが、国家間の取引材料に使われるようでは、FIFAの運営者たちは強く反省するべきである。
世界の警察官を自認するアメリカではあるが、政治力学の匂いが漂うキナ臭い事件である。これではフアンも離れてゆくことになる。
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瀬島龍三が死んだ

2007-09-04 | FIFA

01_11 瀬島龍三が死んだ。95歳だった。しばらく見ないのですっかり失念していた。戦前戦後を通じてのの最後の大物黒幕である。本当の昭和史を語る時、彼の存在と影響力を知らずに説明はできない。

瀬島龍三は戦前は軍隊の中枢にいて、戦後は経済大国日本の中核となった商社の中枢にいた。思想的に無貞節でありながら存在感を失うことのなかった、まったく奇妙な人物であった。戦前は大本営の参謀でありながら、国粋主義者としての理念が乏しく、シベリヤ抑留で簡単に転向を見せ、戦後はエコノミックアニマルにその人脈を駆使して転身して、金もうけに奔走するのである。

瀬島龍三は、A級戦犯でありながら戦後見事に政界に復活した岸信介の狡猾さを、はるかに凌ぐ存在であった。昭和天皇の絶大な信用を得ながら、政界への影響は臨時行政調査会などで中曽根内閣で頂点に達し、小渕恵三内閣までまで影響力を持ち続けていた。

伊藤忠商事に、シベリヤ抑留から帰るとすぐに入社し転身した。彼は、自らの人脈を駆使し戦後補償を強引に引き出し、その受け皿を伊藤忠商事にさせ、膨大な利権を得てその後の地歩を築くことになるのである。

彼の人生は、物語としては非常に面白いのであるが、瀬島龍三や児玉誉士夫や小佐野賢二たちのような陰の存在が、自民党や政界を牛耳って、隠然とした影響力を持っていたことが、この国の民主主義の健全な発展を阻害してきたと言える。

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羅臼港

春誓い羅臼港