堺市長選で、維新の会が負けた。前回は橋下支援した現職に、維新の会が大阪都構想を争点に争った選挙であったが、維新の会が敗北した。地方の首長選では初めての敗北である。
大阪都構想であるが、確かに二重行政としての矛盾をこの国は多く抱えている。そうしたことを、全部大阪をひっくるめることで解決しようというのであるが、大阪の小さな地域の行政が大きな支配下に置かれることになる。二重行政の無駄については、行政官の都合で角突き合わせるからである。問題が全く異なる次元のことを、大きな話として橋下はブチ上げたのである。
大阪都構想は、「負けたらあかん東京に」というフレイズの歌があるが、その程普度のことである。大きくなることばかりを願う地域エゴ思想である。都が行政に直結して地域の都合を聞かない、あるいは聞く場面を設けないシステムになってしまう。
実はこのようなことは地方ですでに起きている。高齢化と過疎化で活力を失って、多くの地方自治体が合併した。しかし、例えば、福祉施設は合併前の数倍の立派な規模になって、外見上は向上し改善されたかに見える。しかし、遠いところに立派なものができても、福祉の本来の在り方から遠のき、疑問の残るところである。
合併することでストロー現象が地方でも起きて、僻地はさらに過疎化するのである。行政は効率が上がった成果を誇るが、弱者が切り捨てられる制度でしかないのである。
ところで、今回の堺市長選挙に共産党と社民党は、現職をこっそり支持していた。特に全国組織のある共産党は、例えば反原発一本でもいいから、国政選挙などでもっと共闘を組み共倒れを防ぐげきはないか。今回の選挙を教訓にしていただきたい。