余りにも安直な甘利明の起用である。岸田文雄自民党新総裁は、甘利明を党幹事長に任命した。二階がいなくなるのなら、誰でもいいのであろうが、甘利では余りにも不見識といえる。
甘利と言えば千葉の建築業者から、道路建設の口利きの見返りとして1200万円を受け取ったが、甘利は「記憶が曖昧だ」とか述べて、否定もしていない。誰もが認める贈収賄事件である。ところが、甘利は何も述べることなく突如として特命担当大臣(経済財政政策)を引責辞任したが、とたんに「睡眠障害」になって、国会を半年休んでその後ほぼ一年行方不明になった。突如復帰した時には、頭髪を染めないで現れ、白髪頭で憔悴感を作為し同情をいただく、細やかな演出までしている。
弁護士グループが告訴はしたが、証拠不十分とされている。典型的な贈収賄事件は、典型的な権力に阿る司法判断となって、時効を迎えている。甘利明は時期が来れば説明すると言ってはいたが、今のところ何もない。これからもないだろう。
細田派に阿る岸田の人事である。更に驚きは、麻生太郎を副総理、財務大臣として留任させるとのことである。恫喝に屈したのか。決選投票でそっくり票をいただいた高市早苗は、党の政調会長に置いて安倍晋三のご機嫌を伺った。
河野太郎は、殆ど無役といえる広報本部長を与えられ冷や飯ぐらいである。
安倍麻生に気配りした人事であるが、甘利明を幹事長にすることで、森友問題は党による調査は終わるだろうし、河井案里の1.5億円は闇の中から出ては来ないだろう。犯罪者が犯罪の摘発などするわけないからである。