自民党が公明党にけし立てられて、菅内閣不信任案を出すと意気込んでいる。
菅政権は擁護するほどの品格もなければ信頼感もない、何をやっているのかよく解らない。とにかく、目先のことばかりを唐突に打ち出すばかりである。支持するに値する内容を持っているとは思えない。
さりとてこの時期に、自民党が不信任案を出すのはこれまた浮いた感じである。これは明らかに自民党の問題である。党内で次第に居場所を失いつつある、谷垣総裁が党内外へ存在感を示すために打って出ただけである。
もう一つは、民主党内のゴタゴタをにテコ入れをやろうとする、これもそれほど大きな視点があるわけではない。政界再編などやれる状況にはない。
民主党内の小沢派と言っても、かつての自民党の派閥のような強固な集まりではない。彼らの全員が、離党覚悟で同調しない限り、不信任案は否決される。到底そんなことが起きるとは思えない。
今は小選挙区制である。党内のゴタゴタは即刻離党へと繋がり、公認を受けることが出来ない。このことが根本的な論議すらできない土壌を作っているのである。そんな状況で、野党案に賛成することは相当勇気のいることである。
それでは、菅を降ろして誰が政権を担うかとなると、この対案もない。自民党の中にも明確な政権を担う人物像が見えていない。
世論調査では、80%の人が菅政権の交代を望んでいる。しかしその時期となれば、即刻は僅か10%程度で、50%が震災の整理がついてからと言うものである。
この何代かは、ボッチャマ首相で世襲の典型的な人物であった。嫌なことがあれば、ポイと簡単に政権を投げ出すお方たちであった。
菅直人は明らかに彼らと異なり、自らの手で勝ち取った政権の座である。簡単に投げ出すとは思えない。内閣不信任案が否決されれば、菅直人にとって、格好の延命剤になるであろう。更には脱小沢がさらに進行するであろう。小沢も花火をあげてみただけである。谷垣にとっては逆に致命傷になりかねない。
こんな時期に、それでも不信任案を出すのだろうか。