そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

トヨタの赤字を喜べ

2008-12-31 | 政治と金

トヨタが赤字決算の見込みだと発表し、各方面に大きな影響を与えている。トヨタ側の一方的な発表によると、今年度は1500億円赤字見込みということである。アメリカへの輸出が34%も減っているし、この円高による損失もばかにならないということである。

確かに輸出産業にとっては円高は打撃であろう。1円上がると400億円もの損失が生じるということである。しかし、それは輸出に関することであって、加工産業である以上原材料の多くは55 輸入することになる。鉄鋼や石炭などはかなり安くなるはずである。石油は7割も値が下がった。円高のデメリットばかりを言い逃れにする、企業としての身勝手さがここにある。

昨年はトヨタは2兆円超の純利益を出していた。この純利益は企業内に温存しながらも、たった1500億円の赤字を内外に印象付けるのは、下請け企業や派遣社員などを切り捨てる口実の前振りに他ならない。赤字決算を印象付けることで、言い訳が立つというものである。

赤字企業に転落することによる税制面での優遇もばかにならない。こうして考えると、トヨタが一方的にマスコミに垂れ流した、1500億円の赤字も怪しいものである。愛知県が日本で一番失業者が増えたという事実ばかりが先行している。トヨタの思うつぼである。

日本は輸出産業を育成することで外貨を稼ぎ経済発展を遂げてきた。その犠牲になったのが農業である。オーストラリアなどはそのいい例である。日本からの輸入品はほとんどが車である。その見返りに、日本が懸命に鉄鋼や石炭を輸入してもたかが知れている。

貿易赤字がいつまでたっても解消されないオーストラリアは、日本に農産物を輸入するように圧力をかけるのである。ここ2年ほど干ばつのためにその声は小さくなったが、いつ再燃するかわからない。

今回のトヨタの見かけ上の赤字決算は、農業者にとってはありがたいことと思わなければならない。本当は農業者がありがたいのではなく、消費者にとってありがたいのであるが、日本の食料自給率の向上のためにも、自動車産業は実質的に赤字になることを歓迎すべきなのである。マスコミの「大変だ大変だ」という騒ぎに惑わされてはならない。

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イスラエルのやり放題

2008-12-30 | アフリカ

Gazafire_08122929_op_gaza_4_2 イスラエルのガザ地区への空爆が始まって5日を過ぎた。死者は370名にもなった。さらに増えそうである。イスラエルの爆撃は、ほとんど無差別である。医薬 品や食料品などの兵糧攻めのをしておきながら、病院やモスクさらにはもっとも古いとされる、大学まで空爆は及んでいる。

クリスマスの日に、アメリカのライス長官は早速イスラエル政府の行動に理解を示した。ハマスば悪いというのであるが、日本政府も中曽根外務大臣が同様の表現でイスラエルへ理解を示した。

Gazachildfuneralイスラエルはアメリカが開発したばかりの新型バンガー・バースター爆弾(BGU-39)を使用している。アメリカは開発された爆弾の実験場として使用させているのである。

私たちの国はイスラエルがパレスチナ人を無差別に空爆することを支持したの である。私たちが支持しているのと同じである。勢いづいたイスラエルは、予備Gaza_attack_081230役を6800名招集し地上戦をやろうとしている。

中東各国はもちろんのことEU諸国もこぞって反対を表明していGaza081230る。アメリカや日本は話し合い応じないハマスが悪いのだとしているが、ハマスにしても武力攻撃だけを主張しているのではない。話し合いのテーブルが高いだけのことである。

日本のメディアはハマスをイスラム原理主義者と必ず注釈をつけているが、一3_66_122708_israel_320方のイスラエルにはユダヤ原理主義者と注釈をつけて呼ぶ様子はない。イスラ エル側の方がよほど攻撃的である。

イスラエルは、人口的にも地理的条件から考えても、将来に大きな不安を抱いている。“乳と蜜の流れる場所“は、“地と爆弾の降る殺戮の場所”へと変貌している。ユダヤ人たちは何の理想を抱いて、この地に来たのであろうか。第2次世界大戦以後、中東で起きている戦争の全てがイスラエル国家建設が関与し、アメリカがそれを支持する構図になっている。ている。

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イスラエルは何を学んだのか

2008-12-29 | 政治と金

29_rg_hamas_gaza2_ap__081229イスラエルがガザ地区を空爆した。死者は今のところ300人ほどである。これは1967年、イスラエルがエジプトからガザ地区を略奪して以来、最大の攻撃で29_op_gaza_4_3 ある。中東諸国は大々的なイス  ラエル非難を繰り広げている。

ブッシュの残したものに、6カ月の停戦協定があるがこれが失29_rg_hamas_gaza4_ap__08122902_2効するのが12月 19日だった。ブッシュはファタファしか交渉しないとしている。ファタファの大統領アッバスは、ハ マスに乗っ取られるのを嫌い後継者を決めていない。大統領の任期は1月9日で切れる。ブッシュの任期も残り一月を切っている。

つまりイスラエルは絶妙のタイミングで戦争を仕掛けたのである。和平交渉を最29_rg_hamas_gaza3_rt_5_2 29_rg_hamas_gaza_ap_5大の外交課題に掲げているオバマはこの開戦でなすべもなくなった。交渉のテーブルに、パレスチナ側から出てくる人物がいなくなったのである。

私たちはドイツのナチスがユダヤ人を虐殺する非人道的な行28_ae_palestine1_5為を沢山見てきた。ユダヤ人たちへの同情も多くの人たちが抱き、アウシュビッツなどのユダヤ人収容所で涙を流した。その彼らが、なぜこのような蛮行を行うのか理解できない。自らを抑圧の民族と多くの記憶を刻んできたはずである。

アメリカもイスラエルも交渉の相手としていないハマスの反抗は、徹底されるだろう。第3のインティファーダーを呼び掛けている。イスラエルのユダヤ人たちは歴史から何を学んだのだろう。パレスチナは、正月を迎え出口のない戦闘状態に入ってしまった。

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アフガン事情について

2008-12-26 | イスラエル

今年11月9日の朝日新聞に、ペシャワール会の中村哲医師が「アフガン復興への道」と題した記事が掲載されている。日本でもっとも、アフガニスタンやパキスタン事情に精通されている方Photoである。

中村医師の主張は非常に興味深いものの、内容的には当然の極めて常識的なことである。ペシャワール会のワーカー伊藤和也さんの死を、政府の要人(多分町村官房長官談話と思われる)が「こうしたテロとの戦いのためにもインド洋上での給油は継続しなければならない」と言ったのである。私も耳を疑ったが、現地の絶大な支援を受けながら働く人を救うために、アメリカ艦船に洋上で給油するロジックが全く分からない。中村医師も呆れていた。政治的に利用することへ怒りを隠していない。

アフガニスタンでは、米軍やISAF(国際治安部隊)が暴力の連鎖を拡大している。アフガニスタン政府でさえ、タリバンに和平を申し込んでいる。欧米の主張する「テロ対策」では、元々兵農未分化の地域にいくら空爆を行っても、一般人が殺される事態になるだけである。

そもそもアフガニスタンは農業国で、干ばつ前には穀物をほとんど自給していたそうである。それがかなわないのは水の問題である。水さえあれば決して貧しくない。灌漑用水路の整備や治水工事をしてやれば治安安定となる。これこそ本当の「テロ対策」ではないだろうか。

日本がアメリカ支援を行っていることは、つい最近まで知られなかったようである。親日感情はまだあるものの、このままではいずれ日本も標的にされる日が来るかもしれない。今なら撤退可能である。

日本はアメリカの顔色をうかがうことを止めて、アフガンに生きる人たちにとって何が大切かを見極め軍事に頼らない支援を打ち出すことである、と中村医師は結語している。重い言葉である。

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不況の元凶は戦争でないか

2008-12-25 | イスラエル

ワシントンの防衛シンクタンクの戦略予算評価センター(CSBA)によると、2001年の同時多24_op_helping_peace02_4発 テロ以降今年の6月までのアフガニスタンとイラク侵攻の戦費は、9040億ドル(約81兆6千億 円)になっているという。来年の日本の国家予算とほぼ同額である。因みに、米政府監査院(GAO)は9040億ドルはじき出しているから、そう外れてはいない数字である。

イラク単独には6840億ドルの費用がかかっている。倍以上の年月のベトナム戦争が5180億23_op_commentary_new_12_5_2 ドルであるからこれ上回ったことになる。第2次世界大戦にかかった費用に次ぐものである。ブッシュは一人でこんな大金をどぶに捨てたのである。

世界はサブプライムに端を発した金融恐慌から、世界不況へと進みつつある。多くの学者たちは、この不況の発端となったサブプライム問題にその原因をなすりつけようとしている。

試算された戦費は戦争に直接かかわった金でしかない。実際は、本来なら健全な形で社会の一員になるべき若者を無数に葬り去ったことによる損失や、経済行為の停滞などはこの中に含23_op_commentary_new_20_5まれてはいない。それれを含めると3兆ドルになると、スティグリッツは試算している。

しかしこの間に、ブッシュが無根拠に基づき仕掛けた戦争が大きく影を落としていることは、誰も語ろうとはしない。戦争は非生産的な公共事業である。おまけに極めて非人道的でもある。

この無為の戦争が、経済的にも社会的にもアメリカに大きな負担になったことは否めない事実である。サブプライム問題は、そうした背景を弱者層がいち早く受けただけのことであろう。

投機マネーがまず石油に走ったのも、イラク戦争と直接関係している。イラク人の心情は、サイズ10の靴をブッシュに投げつけた記者を解放せよと、デモがあちおこちで起きていることでもわかる。同じ靴を買い求めるのは、せめてもの庶民の抵抗だろうか。

経済学者は金のことしか語らない。本当はブッシュの引き起こした戦争が、今回の世界不況を直接引き起こしたのではないかと素人なら考えるが、的は外していないだろう。

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オバマのアフガン介入は裏目に出る

2008-12-24 | イスラエル

オバマ次期アメリカ大統領は、イラクからの撤退を表明している。その一方でアフガニスタンの1_241773_1_3  重要性を強調している。現在、アフガニスタンにアメリカ兵は3万人ほど派兵されている。これを倍増するとのことである。

私は生涯のライフワークとして、シルクロードを歩く計画を立てていた。かなりの所を訪れたが、イラン、イラクそしてアフガニスタンはいまだ足を踏み入れていない。様子を見ているうちに、年々情勢が厳しくなってきたのである。

1979年ソビエトの介入でも、多民族国家と山岳民族の特性を生かして、ソビエトを追い出した実績がある。彼らにしてみると大きな自信となって残っている。

とりわけパシュツーン人は、敗北を知らない民族である。タリバンという言葉に騙されて、無用な判断を下すことが多い。彼らは、アフガニスタンとパキスタンに分断された民族なのである。

トライバルエリアは、彼らにとってはパキスタンでもアフガニスタンでもないのである。今ここに、オサマビン・ラディンの息子のサアドビン・ラディンがいるとされている。EUを中心にしたISAFがいくら地上戦を戦っても追い詰めることができない。

韓国へはすでに増派を依頼している。日本のインド洋上でアメリカ艦船に給油する行為が、テロ対策(タリバン掃討)に有効であるはずもない。オバマは、日本政府に別の形での支援を依頼するであろう。その時日本政府が民主党なら、小沢一郎の主張通り国連を通した形になっていたら、日本は地上軍を派兵することになるのではないか。

制空権を持つアメリカは、今年になって何度も誤爆を行っている。とりわけ大勢が集まり空砲を撃つしきたりの結婚式への誤爆が目立っている。11月3日には、カンダハルの結婚式では40人以上が殺害されている。歴史的建造物への空爆による破壊も後を絶たない。22_op_afghan_grave_4

こんな国の支援を支持する民族があるだろうか。オバマによるアフガニスタン介入は結局失敗することになる。ガルフニュースは、アフガニスタンの地は彼らの墓場になると結論している。大国は民族の自立を支援するべきであって、国家権力への武力介入は慎むべきである。

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不況のない産業へ

2008-12-23 | 政治と金

トヨタが今年度末の始業収益8000億円を下方修正し、1500億円の赤字見込みになると発表した。国内売り上げ前年同月比27%減、アメリカ売上は38%とされている。日本経済の象徴的存在であった、トヨタの実質開業以来初の赤字決算は、内外に与えるインパクトは計り知れないものがある。

他の自動車産業も、軒並み赤字決算か大幅な収益ダウインを見込んでいる。減産と人員削減081220_3 が当然のようになされるであろう。かつては企業が解雇を労働者に言い渡すのは恥とされていた。

小泉・竹中改革は、企業に都合の良い時に解雇できる、雇用関係から浮いた労働者の存在を許すことになった。企業家からモラルが消えたのである。株主に重点が置かれるようになったのである。今回のトヨタの発表で、一般企業がさらに馘首しやすくなった。なにせ100年に一度の不況だから仕方ない。

本当だろうか? 政策の失敗や営業不振の責任を、政治家や起業家が言い訳に使ってはいないだろうか。日本の大企業はかなりの金額を内部留保している。経営が順調な時には、企業側が利益を留保し不況になると労働者を馘首する。企業の社会的責任(CRS)は消えてしまったのか。

不況は2、3次産業の問題である。車を買わなくても人は生きてはいける。食料がなければ生きては行けない。農業には不況ないのである。外部資本や資源に依存するようになった現在の日本農業は、そうした点からも問題があり、不況の影響を受けてはいるが本来は関係ないのである。

長年1次産業、とりわけ農業を切り捨てることで経済発展を遂げてきた日本は、今こそ農業を見直す時である。農村、とりわけ山間地には限界集落がいっぱいある。500近くが程なく崩壊すると言われている。

澱んだ空気のネットカフェで、息も絶え絶えの若者たちが、新鮮な空気と広い空の下で働ける、農業をする絶好のチャンスである。若者よ、失業者たちよ、すぐに切り捨てられる都会を出て、田舎にきて農業に取り組んではくれないだろうか。

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国民をだましていた佐藤栄作

2008-12-22 | 政治と金

非核三原則を掲げて、日本で唯一ノー別平和賞を受賞している佐藤栄作首相が、こともあろう081222_2 に核の報復をアメリカに要請していたことがアメリカの情報開示で分かった。

佐藤首相は、95年一月にアメリカを訪問した際に、前年中国が核実験に成功したことを受けて、アメリカに洋上からなら報復可能でないかと、マクマナラ長官に打診した。長官もこれに応じた。核の報復の要請を行っていたのである。国民の多くは、うすうす気がついてはいた。

アメリカの核の傘を、双方がこの会議で確認しあった。核の傘とは抑止力の範囲で、日本は容認されていたいはずである。アメリカへ中国に対する報復依頼は、抑止力の範囲を大きく逸脱する攻撃的内容になる。佐藤栄作は国民を騙していたのである。

核兵器搭載の艦船の寄港は、日米安保条約でも事前協議の対象になる。その艦船からの核兵器の発射を依頼することは、核の抑止力としての容認から大きく逸脱している。

非核三原則(持たず、作らず、持ち込まず)を内外に主張することで、彼は74年にノーベル平和賞を受賞している。化学賞などでも後ほど否定されることはあっても、彼らの研究は業績として認められるべきであるが、この男の場合には事実に反するのであるから、速やかに遺族か阿倍ボン辺りが返還するべきでないか。ブラックユーモアだと、青島幸夫が表現したがその通りだったことが判明した。

首を曲げて下を見たままボソボソ話す、河村官房長官は「核抑止力を期待しての発言である」とコメントしたものの、密約の事実は消えることない。沖縄返還にしろ、今回の核兵器報復要請にしろ、密約で成り立っている日米安保条約の基本路線は、日本のアメリカ従属である。

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地デジがやっと来た

2008-12-21 | 政治と金

多分、日本で一番遅れて地デジがやってきました。日本の一番隅っこで、平地ではもっとも人口密度の少ないところにやっと地上デジタル波がやってきました。試験電波であるが、信じられPhotoないほどきれいです。都会の連中はこんな綺麗な画面を見ていたのかと、いまさらながら羨ましく思う。

そもそも、NHKがBSを導入する時に「地域間格差を失くし日本の視聴者に差を付けない。将来的にBS一本にする」とか言っていた。BS放送に大いに期待したものである。詳細な事情は知らないが、いつの間にか地上波アナログから抜けずに今日に至っている。

40年ほど前、北海道に来た時にはNHKだけしか地方では見ることができなかった。「花の生涯」や「おはなはん」の視聴率を公表したところで、元々NHKしか見ることができない広大な地域を抱えている田舎では、強制的に見ることしかできなかった。

やがて、いくつかの民放が進出してきたが、画像は最悪であった。今回地上デジタルの普及でもも結局は同じことが繰り返しである。田舎は効率が悪いことは十分知っている。だからあきらめてしまう。何についても同じである。

十勝、釧路、根室、北見地区の旧北海道5区は、関東平野とほぼ同じ面積である。かつてはここから衆議院議員が5名選出されていた。今は少し面積を広げて、3名になった。一票の重みとやらで、都会に代議士を持って行かれた。関東平野は、100名もの代議士を抱えている。

環境にとっては、何ら変わることないのに人の都合で代議士数=政治的評価は、33倍もの差があるのだ。知床や釧路湿原などの環境を守るためには、並大抵の努力が求められる。

地方への扱いは、地上デジタル波でも同じことが繰り返されている。田舎の人たちが「マンズ、しかたねぇべ」と諦める構図も定着している。

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麻生の責任か

2008-12-19 | 政治と金

Photo_2 日本政府がボロボロである。誰が見ても何もできないこんな政権はほとんど見たことがない。特に、経済対策と言われるものはほとんど有効なものがない。

非正規雇用者の住宅確保にしても、内定取り消しにしても政策と言えるものではない。内定取り消した企業が、この人たちを継続的に雇用できるかどうかの方が問題なのである。

小泉純一郎が、とにかく企業を守り通すことで見せかけの数字をあげて、日本経済は浮上した。そのツケが世界的な金融危機をきっかけに、噴出しているだけである。

特定の階層に限定された豊かさは、一皮むけば労働者を使い捨てにするシステムの上に成り立っていただけである。社会的基盤を持たされない人たちを大量に創りだすことで、モラルもなく人本来の支え合う行為が否定される世の中になったのである。

人を殺す行為を戦争とよぶが、それを正義であるかのように偽り人々をけしかけて、自衛に限る行動しかできない日本軍隊を海外にまで派遣させたのも、小泉である。少なくとも、アメリカはこの戦争を間違った認識で行ったと言ってはいる。反省はしていないが、日本はこの戦争については一言もない。

社会においても、外交政策にあっても、モラルがなく単なる経済効率を基軸に選択された政策の犠牲者が、大量に排泄されているのである。社会保障の様々なシステムを下支えする人たちがいなくなり、社会不安の増大が進行する。

郵政事業の民営化は自民党ですらかなりの反対者がいた。参議院の否決を受けて、衆議院を解散するなどへ理屈にもならないパフォーマンスで得た議席である。その郵政事業は分割されて、これまで健全経営だった内容が怪しくなりつつある。

これらのツケが今顕在化しているのである。100年に一度の出来事なのではない。小泉改革がもたらした新自由主義、小泉・竹中の理念が問われるべきなのである。

そうした意味で、たまたま無能なおボッチャマが総理の座に就いたことも、間が悪かったのである。麻生の責任はそれほど大きくはない。

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地方の方がよっぽどしっかりしている

2008-12-17 | 農業と食

解雇された、非正規雇用された人たちを短期間であるが、地方自治体では何とか雇用しようと動いている。隣の町では、3か月に限って町有林の間伐などの仕事を与えている。大分県でも同様の動きをやろうとしている。

国が景気浮揚策として打ち出した、定額給付金の在り方が問題であり、福祉の充実などや解雇され死後のなくした人たちの救済に向けるべきだと、京都市議会が決議した。

要するに、国の対策は生ぬるく緩慢であって、具体性がないのである。何より、総理が就任早々に「スピード」と言ったことが、なにもなされていない。

解散するつもりであった、就任当時の麻生総理の思惑は見事にかき消されてしまった。雑誌に、就任早々総選挙に打って出るとつもりと書いた文章が、ゴーストライターによるものであった55 にせよ、全く動きが取れなくなっている。

政局よりも政策と言い放ったものの、どちらも取り組めずに右往左往するばかりである。その間にも、世界の経済情勢は急である。予測を上回る速度で、世界は変化している。

この国の政治はそれらのほとんどに対応できずに、自らの政治的終焉の演出に躍起になっている。与野党どちらも大差ない。

非正規雇用者が行くところがないと大騒ぎしているが、そんなことはない。日本の政治が捨てた田舎は、ガラ空きである。仕事ならいくらでもある。食糧生産はこれから成長産業である。田舎にきて農業をやらすような、大転換発想を持つ政治家や政党はないのであろうか?

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反射神経が良かったブッシュ

2008-12-16 | アメリカ

13_bushブッシュがバクダッドでの記者会見で、イラクの記者から靴を投げられた。ブッシュは意外と反射神経がよく、2足とも見事にかわした。

ブッシュがかわせたのは、この記者が怒鳴りながら投げつけたからである。一つ目は「これが別れのキッスだ犬野郎メ」で、二つ目が「夫を失った女性、親を亡くした子供たちからの贈り物だ」と言った。靴の勢いもそこそこあったように見える。

イスラムでは靴などの底は最も嫌われる部分である。靴などの底で殴るのは、最大の侮蔑なのである。フセインの銅像をアメリカ軍が倒した時に、子供たちが靴底で叩きつけていたのもそうShoeprotest_081216した意味もある。この記 者の行動は、イラクの人たちの本当の心情であろう。

先ごろ任期を終えようとするブッシュへの質問で、最も悔いの残ることはと聞かれて「イラクの大量破壊兵器の情報が間違っていたことだ」とこともなげ返答していた。その後侵攻したイラク人に対する謝罪も何もない。

そんなことで国家を破壊された人たちはたまったものではない。ブッシュは言った後でもケロッ としていた。このイラク人記者の行動を理解できないイラク人はいないだろう。早速釈放が求められているようだ。

一方強引な憲法解釈で、クエートに5年近く駐在していた日本の自衛隊はやっと撤退する。東京新聞などによると、この間の主な業務は武装したアメリカ兵の輸送だったとのことである。アメリカ軍に良いように使われていたと、自衛隊員が告白している。事実なら憲法違反もいいところである。

このことも含め、アメリカを支援し続けてきた日本は何も検証していない。侵攻の根拠がなかったことを認めているアメリカへの、支援根拠の検証を国民に明らかにしなければならないところである。

今回もなし崩し的な派兵が終わり、派兵の事実だけが残ることになる。次のはもう少しレベルを上げた派兵が行われることになるに違いない。検証しないがやることはやる国家である。

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資本主義の崩壊の兆し

2008-12-15 | 政治と金

アメリカの象徴的な存在であった、いわゆるアメ車を作っていたフォード、ジェネラルモーター、クライスラーの3社(ビッグスリー)が破綻しそうである。アメ車はアメリカ自由主義経済の勝者として、アメリカ社会に君臨し象徴的な存在であった。

今年のサブプライムローン、金融危機からこのビッグスリーが経営的に行き詰まり救済しなければならないとされるが、果たしてそうなのであろうか? 大型車を作り続け時代の転換を読むことがなかったことは否めない事実であろう。燃費の向上やエコカーや電気車の開発に真剣に取り組んでこなかった結果でないか。今月は前月比のほぼ半数の売り上げ台数になっている。

アメリカ政府はビッグスリーを救済するかどうかでかなりもめている。救済するとなると、340兆円になるようである。失業者が360万になるなど深刻な経済危機が起きることが予想されるためである。55

市場経済を優先する資本主義経済では、国家が企業を救済するのは社会体制の根幹にかかわることである。金を出して企業を救済するのは、社会主義的発想である。つまり、アメリカは資本主義を投げ出しているのではないか。しかも救済対象になっているのは、いわゆる勝ち組と言われる会社である。

市場経済の恩恵をたんまり授かって、運営者は数百億円の収入を得ていた。政府の救済要請にジェット機で乗り付け、まるで「シルクハットにタキシードを着て貧民街に金請いに来た」と揶揄されるほどの問題意識の欠如である。

社会主義体制の崩壊は目に見える形で、人々が歓喜の声を上げ祝ったものである。市場経済至上の資本主義経済の破綻はこうした形で、何年か経過して振り返るとあの時だったと思う形になるのでないか。それが2008年の秋なのではないか。

明らかにアメリカ金融経済は破綻し、より一層明確な形で実体経済の象徴的存在として、ビッグスリーの破産が起きるのではないだろうか。

オバマは、ビッグスリーを救うポーズを見せながらも、結局は救済に走らないものと思われる。金をつぎ込んでも、いずれこれら3社は破産することになるからである。

資本主義経済は、地方や一般国民に健康で平和的な生活を保証し、人権を守らなければなければ、社会不安と平和が保障されないことに気が付くであろう。そして後日歴史はアメリカ資本主義の転換点だと、2008年を振りかることになる歴史的瞬間にいるのではないか。

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田母神の怖ろしさ

2008-12-14 | 政治と金

田母神前航空幕僚長の身勝手な言い分を掲載した、「週刊現代」が店頭から消える勢いだそうである。また、彼の意見を支持する日本人の声もかなり高いことも事実である。

田母神の文章は、中国侵略を中心に誤解と強引な解釈によって成り立っている。事実誤認から導き出された結論が、日本は侵略していないとする身勝手な内容である。誰も自国を悪者にはしたくはない。そうした国民の意識につきこんだ、日本は侵略国家でない理論である。

この男の主張がかなり自衛隊内部で広がりをもっていることも今回確認された。反米右翼と言われる、国粋主義者の台頭である。皇国史観を脅かされるのを嫌っているのではないか。

田母神の主張は、かなりある面では閉塞感のある日本外交の本質をついている。主張の中には、アメリカ依存からの脱却を強く主張している。自衛隊の武器調達が、アメリカ軍事産業に牛耳られている実態も告発している。

だから核武装してでも日本は独立せよというのである。抑止力を言っているのであろう。決して使うことがないというのであろう。武器は殺傷能力が高いほど抑止力がある。それならば、アメリカがいちばん平和であるはずである。

アメリカは、第2次世界大戦以後世界で起きる紛争のすべて気関与している。抑止力は恫喝にしかなっていない。核については何よりも、その存在そのもの非人道性を日本は、世界に訴える立場にある。

アメリカ従属の閉塞した日本外交を打開したいなら、アメリカに追従する政策をひとつづつ見直すことが基本である。

こうした田母神の言い分が変な形とはいえ支持をうける日本の現状にこそ問題がる。日本国憲法を評価してこなかった連中の台頭である。日本は怖ろしい方向へ向かっているのではないか。

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ガンジーに学べ

2008-12-11 | 教育勅語

小学生時代に初めて読んだ伝記本が、「ガンジー伝」であった。子供心にも感動した。NHK教育テレビの「知るを楽しむ」の、今月はガンジーである。毎週火曜日夜10時25分からやっていGhandi る。4回放送である。2回終わった。再放送が同日の朝5時5分から行われる。

ガンジーの同時代の政治家として、スターリンとヒトラ ーがいる。あるいは東条英機もこの括りかもしれない。暴力が席巻する時代にあって、ガンジーは人民に訴える方法として自らが行動することで、人々を動かした特異な政治家である。

イギリスが統制品としていた塩を、私たちで作ろうと300キロの道を歩いて海に向かった。次第に人々の共感が大きくなり、長い長い行列になった。いわゆる塩の行進である。無数の人が加わることで、政府は投獄できなくなった。

イスラムとヒンズーが諍いを起こすと、断食を行って中止を訴えた次第に痩せてゆく自分を見せつけることで、争いを鎮めたのである。

インドはガンジーの、非暴力・不服従から何を学んだのだろう。ムンバイのテロ事件は悲しい事Art_terrorist_mumbai_081201件である。多くの若者が命を投げ出すテロは悲しい限りである。英国からの独立後、パキスタンとインドは際限ない抗争を続けている。

ムンバイの事件の背景は複雑なものがあり、単純にパキスタン側の問題ではないだろうと思われる。誰かを悪者にするのではなく、相互の非のなかにこそ未来がある。他者を許すことで相互の信頼が成立する。60年前には、そうした理念のもとに英国から独立を勝ち取ったのではないだろうか。

今こそ、ガンジーの非暴力・不服従の精神が生かされなければならない時代である。NHKのこの番組にはテキストも用意されている。時間のある方は、番組を見ていただきたいものである。4回番組が終われば、DVDにまとめるつもりでいる。

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