昔のように職員の住所一覧表が職員にすら配布されなくなった。個人情報の公開はできないということらしい。開業してすぐに役場に農家地図を貰いに行った。広い北海道では地図に農家名が添付されたのを自治体が製作している。部外者などが仕事などに利用したり、町民にとっても意味があることだと思う。これまでは町民ならあるいは職業上の理由さえも申し出ると、安い金額で大きな農家地図が手に入っれることができた。
電話帳にも登録しない人たちがい増えている。先ごろも愛知の知人の電話を知るのに大変手間がかかった。仕事も何もやっていないので、公開する必要がなかったというのである。
昔の職員名簿には、わざわざ電話帳に(呼)をつけて電話番号すらあった。自宅にないから近所の人に呼び出してもらったのである。その後固定電話はほぼ全世帯にいきわたった。固定電話の普及を背景に、電話や住所を調べたりするのにも役に立ったものである。
今回のアメリカ大統領選挙の事前予測は、ほとんどのメディアが固定電話での聞き取りであった。日本はアメリカよりも携帯電話の普及が進んでいるらしく、固定電話の比率は格段に低くなっているとのことである。固定電話を持たないのは、圧倒的に貧困層が多く電話の聞き取り調査だけでは、恣意的に特定の層を欠くと言われても仕方ない。事前予測にそれが大きく関係したのではないかと言われている。
そういえば、日本の政党支持率などので論調査は固定電話だけで行われている。私も一度コンピューター調査と言われた(電話の向こうで機械的な声がそう説明していた)、調査を受けたことがある。ゆっくり説明するが元に戻れないし、決められた内容の番号しか選択できないし、指定された番号を押すだけである。NHKの調査ではいつも2千件ほどの調査で、回収率は60%程度である。そして今月は5%も安倍政権の支持率が上がったと結果報告されている。嘘は平気でつくし核兵器使用禁止条約には反対するし、パリ協定の批准はボイコットするしTPPは強行採決するし、どうして支持されるのかわからないが、不思議な現象である。
かつて物価指数に、ほとんど使用されなくなった練炭や薪や簾の値段が1980年代まで入っていて、問題になったことがある。見直しによってかなり変わったことがある。
アメリカ大統領選挙の固定電話による世論調査は実態とかけ離れていると、早くから主張していた木村太郎や田中宇などは今引っ張り凧である。それでも圧倒的に少数派であったことに変わりはない。クリントンを圧倒的なメディアが世論調査を背景に当選を予測していた。
今月の安倍政権の支持率が、55%(NHK調査)とのことであるが、選挙時の得票率は35%程度でしかない。35%でも過半数の議席が得られるのは現行のシステムであり、このことに問題はなくはないが、政権支持率とのかい離は20%もある。世論調査結果を見て付和雷同型、寄らば大樹の陰型の人心は大きくなびくことになる。固定電話の支持率は大政党に有利に働く。
世論調査の方法を固定電話に頼ると、特定の層を外すことになる。イギリスのEU離脱も、固定電話で行われた事前調査に対する投票行動に背いたと言われている。世論調査が意図的に働くこともある。世論調査を固定電話に頼る時代ではなくなったのではないか。