秋篠宮の長男悠仁の中学校の机の上に、刃がピンクに塗られ多日本の包丁が棒にくくられ置かれていた。元号の転換期に、皇位継承第3位の悠仁への嫌がらせか、何らかのメッセージを含ませたらしいが、犯行意図の詳細は不明である。都会のど真ん中の中学校であるが、工事関係者を装って学校に入って犯行に及んだようである。防犯カメラの一部が切断されていたり、教室の特定などしていたなどから周到に計画されたようである。
驚いたのはそのあとである。僅か3日後の29日に犯人が逮捕されたのである。本人は学校に侵入した事実を認めている。56歳のこの男の素性の詳細は発表されていないが、誤認逮捕でもないようである。
お茶の水周辺なら数万人の人物が常時通るであろう、学校に侵入した男をその中から特定するのである。さらに沿線各地域の街頭や駅などの無数の防犯カメラを解析し降車駅を特定し、住居までたどり着いたのである。
この解析をしたのが、警察のSSBC(捜査支援分析センター)なんと日本語の頭文字をとったこの組織は、2009年に新設された画像収集、解析を専門としたチームである。警視庁が設置している街頭の防犯カメラや、民間のビル、商店、駅の改札にある無数のカメラ映像を収集し解析する組織である。
防犯カメラには犯罪抑止の作用はあるものの、個人がいかなる形であれ特定される時代になったという事実を今回の事件解決に強く感じたのである。この組織は、画像をソートし顔の特徴や体形や動作などから簡単に個人を特定するのである。
犯人が鉄道を使う場面があれば、鉄道会社に照会し、利用時間などから使用された交通系ICカードの利用履歴を調べることもできる。自動車を使っていれば自動車ナンバー自動読取装置(Nシステム)まで解析し行き先を特定することまで可能である。
これらの断片的な情報を1本の線で結ぶリレー方式の捜査を今回警視庁が行ったのである。一般民間人の防犯カメラまで警察は管理下に置くのである。恐ろしい時代になった。都会ではAIの管理下で個人は生きている時代になったのである。