そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

今回のWTOの教訓

2008-07-31 | 政治と金

今回のWTO交渉から見えてくるものが2つある。一つは、日本政府の2枚舌である。日本政府は二人もの大臣を送りこんだが、重要品目8%を死守すると言っていたが、実は6%で合意をすることになっていたことがばれてしまった。

最初から死守などするつもりがなかったことが、交渉がとん挫したことでばれてしまった。日本国内で主張していたことはなんだったのか、農民たちにはどう言い訳するのか聞きたいところである。

つまり、日本政府は食料の自給率向上も、農業・農村の環境問題も何も考えていなかったのである。

もうひとつが、アメリカが自国の農業への補助金を削ることなく、他国に市場開放を迫ることに、日本をはじめとする世界が平伏していたことが、通用しなくなったことである。インドや55ブラジルは、平然とアメリカにたてついたのである。

世界がアメリカ一極によって動かされていた時代が終焉し、多極化していることがこうした結果を招くことになった。日本政府はまずそのことを認識するべきである。アメリカが、圧倒的な経済 力と軍事力で世界を支配してきた時代が、過去のものになりつつある。

アメリカの顔色を窺いながら、そのおこぼれをいただくことを基調としてきた日本外交を今こそ見直すべきである。インドやブラジルを見習えと言いたい。

さらにもうひとつ加えるなら、ドーハラウンドが始まった7年前と世界の状況は大きく変わっている。中身がなかったものの、洞爺湖サミットで提案された方向性は正しかった。

つまり、食料問題もエネルギー問題も地球温暖化問題も、市場を開放することによって、解決されるというものなど何一つなく、幻であることがだれの目にも明らかになったのである。

今回の決裂を、福田首相をはじめとする要人たちは異口同音に「残念な結果である」とコメントしている。世界の転換点を見ることのできない、情けない連中である。それと、うそつき閣僚を罷免せよ。

WTO交渉は世界をさらに悪化させる動きしかならない。見直しべき時期に差し掛かってきているといえる。

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これでいいのだWTO

2008-07-30 | 政治と金

WTOの多角的交渉(ドーハラウンンド)が決裂した。2001年にドーハで開催されてから、幾度かの経過があり、2008年の妥結を目指していた。

表向きはアメリカと中国、インドそれにブラジルが対決し締結に至らなかったとなっている。アメリカは、ブッシュが引退するばかりか、どうやら民主党政権になることをにらみながらの熱意を欠く交渉だった。

Wto080730農政通の大臣が自殺したり失脚したりして、当時の環境大臣がとりあえず兼任の後を引きずって就任した農政のど素人の若林農水大臣などは、自分が責任を負わなくってホッとしていることだろう。

インドやブラジルは、後進国の代弁をしてるだけである。自国の発展の途に就いたばかりの工業を守り、零細な農業を保護する姿勢を明確に打ち出しただけである。先進国、経済大国への反発である。

日本は、何故これができなかったのか? 世界第2の経済大国(当時は)は、発展を工業製品Wyo の輸出で支えていた。日本車やラジカセをたたき壊すパフォーマンスを見せつけられながらも、エコノミックアニマル日本は黙々と外貨を稼ぎまくっていたのである。

その陰で、日本農業は大きく犠牲を強いられる結果になっていた。都市労働者は賃金が高くなり、農村労働者を吸収していった。土地は極端に上昇し、高い成長率が求められ、米の生産が押さえ込まれ、日本の食料自給率が極端に下がったのは、当然の結果であるといえる。

日本の、目先の利益に飛びつく選択を教訓化したのではあるまいが、今回のドーハラウンドでの、後進国の主張はそうした意味からも、当然のことと言える。

小泉・竹中新自由主義者たちが主張する、「自由貿易が、人々を豊かにさせて幸福をもたらす」というのは、絵に描いた餅である。環境を悪化させ、各国での食料の生産を危うくさせる。工業製品と同様に農業製品(食料)を扱うからである。

環境や食糧それにエネルギーは7年前とは全く異なる状況にある。今回の決裂は、時代の流れでもあり、後進国が台頭してきて自己主張した結果でもある。これでいいのだ。

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他国を考慮しないWTO

2008-07-29 | 政治と金

日本の農業は保護されているとよく言われる。ほとんど無根拠であるばかりでなく、全く逆の状態である。日本の農業は保護されていないからこそ、自給率が40%を切ってしまっているのだ。

さらに就農者の高齢化は目を覆うばかりである。私は自著「そりゃないよ獣医さん」で、日本の高齢化は均等に起きない農村から起きると言ったが、限界集落の現状と合わせて深刻な状況はさらに進行している。

日本農業が過保護だという声は、さすがに少なくなったが、それとて総論どまりである。消費者は、目の前にある安い農産物を購入する。日本の農産物が安全とは言わないが、少なくとも目の届く範囲で同じ法律や規制下にあることは、ひとまず安心である。

財界からの提言として、日本農業を壊滅的に動いたのがいわゆる「前川レポート」である。日本農業を大規模化せよ、技術革新せよ、農協を改革せよ、農地解放せよと叫んで、結局は海外の安価な農産物を輸入を加速させたのである。

当然である。財界は海外に車などの工業製品を大量に輸出させて、その見返りに農産物を買い入れて、貿易収支のバランスを図ったのである。農業改革は彼らの付け焼刃の論理でしかなかった。

Photo その結果日本は、大幅に関税率を下げ続けたのである。左の表をクリックして見ていただきたい。世界各国の農産物に対する、平均関税率である。日本は最低である。この中には、300%を超すお米が入っての数字である。いかに日本が、海外の農産物に対して、寛容な国家であるかが分かる。

だからこそ、食料の海外依存度が高くなっているのである。日本は、農業に対する補助の在り方については、確かに大きな問題を抱えている。農家と土建屋には金を出すが農産物には、ほとんど金を出さない。

現在WTO(世界貿易機関)の多角的貿易交渉の最中である。各国は、世界の食料を見据えて議論はしていない。自国のことしかどの国も主張しない。国益が最優先される会議である。

先頃の、洞爺湖サミットでは食糧や温暖化は国家のレベルでは解決できないと、話し合ったのではなかったか。WTOの論議は、明らかのこの動きを矛盾する。

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誰でもいいから雇う

2008-07-27 | 市場経済

かつては、企業などが人を雇う時には、筆記試験でふるい落とし面接で人材を評価して決めたものである。当社はあなたを必要としていると、嘘でもいいからおだてに乗せられて雇用されたものである。

今でもそうした企業がないとは思わないが、少なくとも不特定就労が常態の派遣会社にとっては結局は「誰でもいいから」雇用するのである。体力があって仕事が欲しい人物であれば、誰でもいいから雇うことになる。

バブルがはじけた後に、政府は企業の保護育成をすることで景気の浮揚を狙った。結局は、企業の業績は伸び景気は回復した。数字上の問題である。物価が下がった企業業績が上がった、景気は回復した。7年間も好景気が続いた。

この、戦後最大の好景気を庶民は実感していない。賃金が上がらなかったからである。その一方で、やけに儲けた企業と労働者に生じ、それを「格差」と呼んだのである。

企業収益が上がりながらも、労働者に還元しないのを、何故「搾取」と表現せずに、格差と呼ぶのかはわからないが、市場経済主義では当然このようなことが起きる。ここにいる労働者は「誰でもいい」人たちである。

小林多喜二の「蟹工船」が、若者たちに読まれる現状は、まさしく企業が搾取している状況だと いえる。多喜二は、人々の怒りの矛先の持って行き方を示していた。労働者の団結と、企業のSippo搾取を暴くことである。

ところが現代の若者たちは、その怒りの矛先を、不特定の他人の「誰でもいい」人として、路上で見つけて刃を突き立てる。騒いでもらうことで初めて、居場所のなかった誰でもよかったところから抜けて、自分の居場所を確認するのである。

通り魔事件は、誰でも良かったと発言するのは、自らが誰でもよかったと、社会の評価されたからに他ならない。

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「誰でもいいから」は、誰が言った

2008-07-25 | 政治と金

また通り魔事件があった。今回も派遣社員の男である。社会がこんない騒いでくれるならと、凶器を持って目に止まった人物を刺して殺した。人命を何とも思わない、残忍な事件である。

又々、彼の口から「誰でもいいから、殺したかった」という言葉が出た。怨恨や物取りを犯罪の原因としていた社会が、崩れてきたのである。不特定の人物が、無関係の人を殺すのである。

今年に入って、「誰でもいいから」と、他人を殺したりプラットホームから突き落としたりした事件が、10件近く発生しているらしい。ところで、彼らの発する「誰でもいいから」は、格差社会の底辺に追いやられた彼らが、まず叫んだ言葉ではない。

彼らこそ、雇用者から「誰でもいいから」と、派遣会社から人格も労働者の権利も与えられることもなく、雇われている存在である。

派遣社員で会社を埋めることで、雇用者たちは、最も高くつく人件費と、最も扱いの厄介な 労働者の権利に対して、無関心でいることができる。だから彼らは「誰でもいいから」、とにかく働く人物を派遣してもらう。

雇用関係は、派遣会社と派遣社員との問題である。労働者が、権利を主張したり賃上げを要求するようだと、派遣会社にクレームをつければ事足りる。派遣会社は、新たな人物を持って行けば良い。替わりはいくらでもある。何せ世の中不況である。誰でもいいのである。

格差社会は、貧困を生むだけではない。労働者としての当然の権利だでけでなく、人権や人としての尊厳までも奪うことになる。彼らには、自分の存在意義がなくなるのである。彼らこそ、「誰でもいい」存在となっているのである。

居場所をなくした派遣社員は、社会全体の活力を喪失させる。ひと時、会社の収支を良くするだけである。税収だけでなく、年金や各種社会保険関係の支柱を危うさせ、文化的活動を停滞させる。

通り魔事件を擁護するつもりは毛頭ないが、彼らを追い詰めた小泉・竹中新自由主義は、Sippo企業を税制で優遇させる一方で、労働者に過酷な制度を広く浸潤させた。精神的に、不安定な社会を現出させたのである。企業間の競争が社会を良くするというのである。

凶器を持って、「誰でもいいから」切りつける個人をいくら裁いても、ナイフの形や長さをいくら取り締まっても、監視カメラをいくら増やしても、根本的な問題は解決するとは思えない。

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そりゃダブルスタンダードだろ

2008-07-24 | 政治と金

WTO(世界貿易機構)の多角的貿易交渉が、ジュネーブで始まった。世界各国は、それぞれ異なる風土や地質や歴史を持っている。むしろそれぞれの国が個別のものであって、固有であると言って過言ではない。

ある国に偏る鉱物資源もあるだろうし、気候風土の異なるところから持ってこなければならない農産物もあるだろう。当然そのために起きる価格差が生じる。基本的には、こうした価格差と輸入国の必要性から、世界貿易は語られるべきである。

ところが、WTOはそうした商品としての本質論や、人々の生活の必需品として論じられてはいない。必要性とは無関係に、相互の政治的な力関係や、輸出入のバランスの調整とやり取りで語られる。

こうしたことの犠牲になるのが、食料である。自国の安いのを買わせるために、輸出国は様々な圧力をかける。今回も同じである。長年見てきた構図である。

しかし、時代は大きく変わった。温暖化によって、国の有り様よりも地球環境保全の方が重5要になってきたのである。洞爺湖サミットの主題は何だったのか思い起こしてみるが良い。

食料を海外から求めることや、地球の裏側まで運んでまで売りつけることが、どれほど温暖化に貢献することになるのか、WTOでは語られることがない。

レジ袋を減らすことに庶民は躍起になっているが、海外に食料を求めることの方が余程、高炭素社会であることを思い起こすべきである。

片方で、経済の自由化や市場原理を検討しながら、CO2を半減の目標を掲げることはダブルスタンダードである。基本的に双方は矛盾するテーマである。低炭素社会の実現のためには、輸出入は必要最少限にしなければならない。

食料は当然のこと生活必要な製品は、可能な限り自給するか地域内で賄うか、それもかなわぬ時にあっても最短距離の輸送を前提に検討するべきである。

同じくサミットの懸案となった食料問題は、WTOはどのように取り組もうとするのか。食料自給率を上げる努力をしながら、食料の輸入関税を下げる行為もこれに矛盾する。こうなると、トリプルスタンダードになりかねない。

これからの社会にとって、何が重要かWTOには語る理念がない。金銭評価だけで、商品価値を語ることが、現在の温暖化する地球を作り出したことを忘れてはならない。

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オシラク空爆は今も生きている

2008-07-23 | アメリカ

1981年6月7日、イスラエル空軍機は、イラクの核施設オシラクを空爆し破壊した。空爆したのは、半年前にアメリカから購入したF16、8機であった。それまでの、イスラエル空軍機のファントムでは、往復1800キロは飛べなかった。

2バクダッド郊外、オシラクの核施設は当時世界最大のものであった。アメリカと対峙姿勢をとっていた、フランスの援助によるものであった。石油が欲しいフランスと、核技術を持ちたいイラクの思惑が一致していた。

イラクのフセイン大統領は、この原子力発電施設で得た技術で、あるいはこれを隠れ蓑に、核兵器の開発を計画していたとして、イスラエルは空爆に踏み切った。

国連では、明らかな国際法に違反するイスラエルに非難が集中したが、就任したばかりのレーガン政権のアメリカがイスラエルを擁護したために、国連は制裁すらできなかった。結果的に容認したことになる。

イスラエル首相のベギンは、自衛のための当然の行為であったと国民に報告し、熱狂的な支持 を得た。1_2

このときとった、イスラエルの行為はその後、昨年のシリアの核施設(今年になって北朝鮮が作 ったものと発表されている)の空爆へと続く。自衛のためなら、先制攻撃をも許される。

ブッシュがイラクを侵攻したのも同じ思想である。大量破壊兵器があるので、こちらからそれを破壊するというのである。お前のお旦那が、変なものを持っているからと勝手に人のうちには行って、何もかも破壊する。

ここには不条理な力の論理しかない。強いものが弱いものを徹底的に叩く。フセインを擁護するわけではないが、フセインは見せつけられてきた力の論理を、忠実に実行しようとしただけでないのか。

こうした思想は、27年前のオシラク攻撃から延々と続いていることなのである。国家とは何のためにあるのか。

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国際刑事裁判所は機能するか

2008-07-22 | 政治と金

ICC(国際刑事裁判所;International Criminal Court)は7月14日に、スーダン大統領のバシールを訴追した。ICCは、人道的な観点からバシールの行っている大量虐殺に対して、「ダルフールにおける恐るべき犯罪は、国家元首であっても法の下にあること」を示した。

これは画期的なことである。ICCはなじみの薄い組織ではあるが、2002年にハーグに設置された。署名国は139カ国、締約国は107カ国となっている。例によって、アメリカは参加していない。55

クリントン時代には積極的に、前段のローマ規定には参加していたものの、ICCが設置される 直前にブッシュはこれを蹴とばした。なるほど。京都議定書とほとんど同じ流れである。

世はまさにグローバル化の時代である。このグローバル化は、小泉・竹中新自由主義路線では、経済におけるグローバル化ばかりが論じられてきた。強者が弱国を凌駕してもよいとする思想である。市場経済は、世界の流れであり政権は小さくなって、市場にすべてを委ねればよいと言ってきた。

しかし、環境問題に見るように、すでに経済大国だけでは世界を論ずることができなくなってきている。これこそグローバル化の中で論じなければならない。

さらに、法秩序、あるいは人道的な観点からもグローバル化が論じられなければならなくなっている。今回の、ICCのバシールの訴追はそのいい例である。

ICCに参加していないのは、中国やロシアも同じである。日本はアメリカの顔色を窺いながら、署名国とはなっていない。どこかで見た構図である。

今こそ非経済原則に基づく、グローバル化が求められる時代となったことを認識するべきである。

ところで、ICCはブッシュを訴追しないのだろうか。この国家元首の犯した罪はバジールを超えるものがあると思うのだが・・・

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金剛山射殺事件に見る北の姿勢

2008-07-21 | 朝鮮半島

北朝鮮の観光地、金剛山で女性が射殺された。射殺された女性がなぜ、禁止地域に早朝入ったのかわからないし、銃弾の音だけ銃痕があり威嚇したとする北の証言と異なる。

080721 韓国側の調査依頼にも、全く応じる気配がない。この国には、自らが決めたことを検証するシステムがないのである。北の調査拒否は、2004年の金剛山観光地区に関する協定書にも違反する。

これによって、北は観光を停止したようであるが、金正日には国民を思う気もなければ、判断能力もないことが分かる。喉から手が出たいほど欲しい外貨が激減する意味を理解しないでいるようだ。それに先ごろ、メンツを前提にしたのであろう、韓国のトウモロコシの援助を断ってもいる。

北朝鮮の為政者は、国民生活や経済活動の重要性などお構いなしなのである。彼らは、十分な状況にあり飢えることがない。困るのは、一般国民である。これが社会主義だろうか。為政者 Photo_2 は、国民を代表した声を代弁しているとは思えない。

6者会議で、北朝鮮は日本の拉致問題に取り組むと口約束をしたが、どのよな取り組むかは全く示されていない。拉致問題で日本の望むのは、北朝鮮国内での日本人の手による捜査だと思われる。

North_korea_has_finally_moved_ahead 今回の、金剛山射殺事件は拉致問題に教訓を与えてくれている。こんな目の前に起きたことですら、同胞の再調査すらしようとしないのである。日本の拉致事件の捜査を、この国が他国に委ねることなど絶対ないだろう。

拉致問題の進展に関する具体的な日本の評価がない。具体的な結果を評価するのか、姿勢だけでも進展と言われかねないのははっきりしている。金剛山事件はそうしたことを暗示している事件である。

その一方で、北朝鮮は6者協議の内容を、着々と思い通りの運んでいる。小事には目を向けずとも、大きなところで利を得られれば国体は安泰である。アメリカの翻意がなせる結果と言える。

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中東の”核”と紛争

2008-07-20 | 政治と金

イスラエルは核兵器を所有しているか? この問いは、ほとんど愚問と言ってよい。イスラエルは、建国直後にソビエトが核実験に成功したことを、衝撃を持って受けとめた。

以来、イスラエルの核所有は国家的な願望となり、最高機密とされ今日に至っている。アメリカが、大きな後ろ盾になっていたことが、所有を認めないことで隠蔽されているだけである。

現在イスラエルは、核弾頭を20発ほど所有しているとされている。彼らが最も恐れたのは、フセインが湾岸戦争のとばっちりで、スカッドを撃ち込まれた時である。弾道距離ほど精度がなかったことが幸いしたのだろう。

昨年、イスラエル空軍機がシリアの砂漠の中の四角い施設を破壊した。空爆したイスラエルもされたシリアも、事実を認めていない。北朝鮮の技術提供による、核施設であったことは今年公表された。

イランの核開発を強力に後押ししたのは、フランスである。パーレビー国王が、要請したものである。その後、フランスの裏切りはヒズボラによる、中東各地でのフランス人テロ事件として数多く発生している。イランの報復である。

イラン・イラク戦争では、アメリカは双方に武器援助を行っていた。サウジアラビアのように、手なづけられなかった、中東の大国を疲弊させるためである。アメリカは、イランに加担すると見せて、イラクに生物兵器の給与を行ったことはよく知られていることである。

イランは狡猾に動いている。フセインのように、単独で示威行為はやらない。イランには、ロシアと中国それにカスピ海沿岸諸国が付いている。

ロシアも、イランをアメリカ対策に大いに活用している。核兵器の所有までロシアは認めるかどうかはわからないが、「持つぞ持つぞ」言ってくれているだけで十分アメリカは反応してくれる。

アフガニスタンに、次期アメリカ大統領候補の二人が入った。アフガニスタンの情勢は、9.11以降最悪である。タリバンが復活してきた。ソビエトの侵略時には、西側は大いにタリバンを利用したことも忘れてはならない。

タリバンが隠れ蓑に使っているパキスタンは、政情不安を抱えながらも核保有を公表している国である。

要するに中東諸国は、核にしろ石油にしろ欧米に翻弄されてきたのである。日本はあまりにも忘れ易く、地理的に遠いためにほとんどこうした簡単な事実さえ知らずに、石油を買い続けているのである。

彼らに何が必要か冷静に考えるべきでないか。洋上でアメリカ艦船に給油すると解決することなど何もない。

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温暖化を無視するハッテン国家

2008-07-18 | 政治と金

洞爺湖サミットは、事前の最大のテーマであった「地球温暖化対策」は、絵空事に終わっと言える。G8の中では、最後まで渋っていたアメリカは、インドや中国が反発するのを望んでいたのでないかと思われる。こいつらのために、数値目標が出せなかったと言っているからである。

400px34th_g8_summit_member_20080707最も現実的な提案となるはずであった、2020年の中期目標すら提言できなかった。福田首相が、ブッシュに配慮したのであろう。温暖化対策は、エネルギー問題や食慮問題に比べると、「理念」の中に封じ込まれた感がある。

MEM(主要排出国)が、かつては世界を席巻していた経済大国だけではない。インドや中国やブラジルなどを無視して、温暖化は論ずることができなかったのである。

それでは、石油や穀物を買い漁り価格高騰の主因となってい る、投機マネー対策が打ち出せたのかとなると、何もない。投機マネーは市場原理の中、やりたい放題である。

アフリカ諸国をたくさん招いてはいたが、中東は一国も参加していない。アフリカでは、最も問題となっている、治安問題にはほとんど触れることもなく援助の話ばかりである。

サミットは、2001年のイタリアから遠隔地で開かれるようになった。国家間の対話がしだいに薄らいできた。

経済活動のグローバル化が、サミットの主題だったと思われるが、次第に抵抗が大きくなってきている。皮肉なことに、グローバル化反対のした連中が、環境問題のグローバル化の問題提起をしている。問題提起は、大国はやることがない。多くのNGOが主体となって、小さな会議を周辺で開かれていたが、提案としてはこちらの方がよっぽど中身があった。

要するに、今回G8の実行内容は国連に任せるとしたことから窺えるように、サミットはその使命を終えたといえる。先進国だけでは、問題提言も解決もできないのである。

だからと言ってサルコジの提案のように、サミット国を増やしても論議が余計複雑になるだけである。サミットは大国が、大国であることの自己満足会議になりつつある。

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いまだ消えぬ公共事業依存地方の現状

2008-07-17 | 政治と金

人口が減少し農業が衰退する地方にあっては、公共事業はありがたいものである。何せ頭をさっげるだけで、湯水のごとくのお金が降りてくるのである。

公共事業は、地方の要請があって橋を造ります、農地改良をやりますということになる。今まで私が見てきた事業で、確かにそうしたものがないでもないが、ほとんどの事業はこんなものではない。

「こんな事業があるから、地域の皆さんで要請するように」と何やら文章が降りてくる。どこから来るのかわからない。ほとんどは、地方自治体の議員さんか、農協の理事さんが署名を持って印鑑をもらいに歩く。

何か地域に、事業という名を借りたお金がが降りてくるのだから、ほとんどの人は反対などしない。事業にかかわる人以外も、署名する。AさんがするのだからとBさんも署名する。

国家に潤沢な資金があり、環境に包容力があるある間はそれも容認される要素はあったで080625 あろう。そうしたものもらい、お上依存の事業は、結局は地域の健全な産業の育成を阻害する結果になる。

公共事業は、全国一律で規格が決められている。とりわけ農業に関係するものは、亜熱帯の沖縄でも亜寒帯の北海道でも、同じ基準で行われる。地域の特殊性も、事業の独自性もない。

地域の風土に合った産業や、農業は培われない。そのいい例が、北海道の冷涼地帯での酪農である。たとえば、道東の根室地方でも、集約的な農業形態が事業の対象になり、国の推薦形態になる。

その結果、府県の都市近郊型酪農と何ら変わらない、穀物依存型農業が根室地方の酪農形態になる。根室の乳牛から搾られた牛乳のほとんどは、閉そくされた牛舎で外に出ることがない乳牛から搾られている。輸入穀物依存の酪農は、海外の動静で大騒ぎとなる。

公共事業は、基本価格の底上げをする。例えばトラクターであるが、事業で購入すると業者の設定した定価の1千万円するものでも、直接お金を出すと700万円以下で買える。その差額は、業者が儲け国民が負担する。

こうして地域にお金が降りる。農業予算で、土建屋などの業者が潤うことになる。これは、角栄の作った構造的な問題である。日本はその負担を、次世代に残すことになるのである。

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これ以上川をいじらないで

2008-07-15 | 政治と金

北海道の河川は、落差が少ないためにゆったりと流れ、蛇行を繰り返す河川が多い。根室台地の、北を流れる標津川も例外ではない。

標津川の河口近くは、武佐川などが合流して広大な湿原を形成していました。ここを、国営の草地に帰る事業が行われ、500ヘクタールもの湿原を、草地らしきものに変えました。らしきも071211_18triming のとは、到底草地にはならない地下水位の高い地域だからです。明渠、暗渠を縦横に張り巡らしても、牧草ははえることなく今年放棄してしまいました。

さらに、河川は蛇行部分をショートカットしてしまい、河畔林を伐採して、河川環境は極端に悪化してしまいました。周辺には、先人の遺跡が無数にあるところを見ると、この辺りがいかに豊かな山の幸や川の幸、海の幸に恵まれていたかが伺えます。

それを破壊したのが、開発局の河川周辺の開発です。それを今度は、地球にやさしそうな言葉で「蛇行復元」工事をやろうとしているのです。周辺河川の蛇行は、もともと40キロほどあったと推定されますが、復元するところは、わすが200メートルほどです。

この、200メートルほどのために50億円も投じようとしています。開発局の作った、「官製事業」がなぜ修正されなければならないのか、全く反省もなく新たな官製事業として、税金が投入されようとしているのです。

長年この河川を見続けてきた、先輩たちが立ち上がりました。一軒づつ歩いて署名活動をしました。この過疎地で、3000名を超す人たちが署名してくれました。しかも、事業を説明し署名を依頼すると、ほとんどの人が快諾してくれたと聞きました。

今この国は、何が必要なのか開発局は何もわかっていない。相も変わらず、土木事業振興が地域を守ると思っているらしい。官僚発想による土木振興事業はいらない。開発局は不要の組織である。

もう、河川をいじくりまわすことはやめてほしい。ほっておけば、河川は100年もすれば、環境はかなり復元されるであろう。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/104783.php

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テロ特措法は機能しているか?

2008-07-14 | イスラエル

自民党が執念を見せた、「テロ特措法」。いったん参議院で否決されても、一月ほどして復活した「テロ特措法」である。インド洋上で、アメリカの艦船に給油すると、アフガニスタンのテロが減るという理屈で、強硬な姿勢を貫いたのであるが、現実はどうなっているか。

Ninetroopskilled071308 アフガニスタンの首都カブールでは、7月8日にこれまで最大の自爆テロが起きている。40人以上が死亡し、120人の負傷者が出ている。パキスタン国境付近で13日に、9人ものアメリカ兵がタリバンの犠牲になっている。

851人が死亡した赤いモスク事件から一年経ったパキスタンでは、サミダレ的に連続爆破が起こり、数十人が死亡した模様である。自民党の主張するように、洋上給油を行ってなってもテロは一向に減らない。

忘れ易い日本人は、もうすっかり遠くのことだと思っていると思うが、これらの国では毎日のようにテロが起き死亡者が出ているのである。私たちの国は、このテロの関わっているのである。それも、アメリカ側に付くことで、この内戦あるいは戦争にかかわっているのである。

テロ特措法の、お題目はインチキである。テロを減らすためのものではなく、アメリカを支援するAcd0709210506004n1ためのものである。野党も含めて、過激になるアフガニスタン情勢に無関心になっていないか。

アフガニスタンは、タリバンが息を吹き返している。彼らの主張や戦いが正しいというのではなく、自らの国家の有り様を他国の人たちが寄ってたかって、武力で国家そのものを壊しにかかっている。

イランは、ミサイルを発射して自ら威力を誇示している。イラク情勢は一向に変わることない。サミットには、中東諸国は一国も出席していない。こうしたこととの関係は不明であるが、武力が更なる新たな武力を生みだすことは、はっきりしている。

武力には、世界を再編する力がない。武力には、人々を納得させる力などない。武力には、人々を幸せにする力などない。武力は、新たな武力を生むだけである。

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バイオ燃料は「地球にやさしい」か?

2008-07-12 | 再生可能エネルギー

マレーシアの首相が、農地でのバイオ燃料生産転換を停止するよう、イスラム途上国会議で要請した。世界的な食糧高騰が、途上国の農地を燃料生産に転嫁するために、さらに食糧高騰 5 に拍車がかかるということである。

その典型が、インドネシアのパームオイル生産である。フランスなどの、ジーゼル燃料の原料になるため、この数年で広大な熱帯雨林が伐採されている。森で暮らす人たちが、住処を失いさまよっている。

2 ジーゼルエンジンが稼動するその局所を捉えると、確かに「地球にやさしい」燃料であり、動力のように見える。そのために、インドネシアの熱帯雨林が伐採され、河川が汚染されていく現状を無視してはならない。先進国が、貧国の環境に金を出すことで、パームオイルを生産しているのである。

政府は、無活用地として業者に伐採許可を与えている。外貨が稼げるから解らなくもない。それも、どうやら一部のようにみえ、多くの所が無許可で伐採されているようである。現在は、増産に次ぐ増産である。

パーム生産農場は、プランテーションと呼ばれるような、きわめて大型農場である。今回の、洞爺湖サミットは、バイオ燃料生産を推進している一方で、食料安全保障も盛り込まれている。

バイオ燃料は、競合しないことが大前提であるが、「健康のためなら命も惜しくない」論になりかねない。温暖会対策として、フラン6_2スの原子力発電重視も類似の論理である。

先進国が、金銭的に途上国を支配する関係は、今回のサミットの途上国の主張に符合する。市場経済に重きを置いた、グローバリズムは同じことを繰り返すばかりである。先進国の張ってのために、途上国が金をもらって溜飲を下げる図式は、同じことになる。

バイオ燃料は、先進国の懐と空気にやさしいが、発展途上国にとってはやさしくない。

環境に重きを置いた、グローバリズムこそ必要でないか。国益を見据えながらの、グローバリズムは、再び世界を南の国に恵みを与え、発展する北の国を生みだすばかりである。

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