そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

どうする海の放射能汚染

2011-11-30 | 原発と再生可能エネルギー

海の放射能汚染はどのようになっているのだろう。放射能を足で追い続けている、NHKのETVであるが「海のホットスポットを追う」を見て、愕然とした。

東京電力は、3月末から低レベルの汚染水を海洋に流すと、周辺関係機関にに通告した。了解を得たのではなく、流すとした通告である。

これを了解したのは、原子力安全保安院である。保安院の発表は「海に流すと、放射能は薄まる。魚介類が取り込むには相当の時間がかかり、更に薄まる」と発表し、東京電力の海洋投棄を容認したのである。

海洋投棄に直ちに、ロシアと韓国が異議を唱えた。周辺国家に何の了解もない、海洋投棄は誰の目にも異常なことである。

低レベルと言われても、量が多ければ何の意味もない。3月末から4月いっぱい投棄された放射能は推定で、セシュウム137で3.6ペタベクレル、ヨウ素131では11ペタベクレル、合計で15ペタベクレルである。よく分からないが、1京5千兆ベクレルだそうである。

原子力保安院が容認した大量の放射能は、彼らの言うように薄まったImg_2468のであろうか? 番組は魚介類の放射能を調査している。

海水濃度は薄まっているかもしれないが、アラメで海水の10倍、更にウニで5倍になっている。実に50倍の生体汚染が生きているのである。保安院の推測に基づく、非科学的な願望は見事に否定された。

東電と原子力安全保安院とは、こうしたもたれ合いの関係でこれまで成り立ってきたのである。東電はないをやっても、『科学的』に裏づけしてもらうことで、何でもやり放題であったのである。

更に、直接の海洋投棄以上に深刻なのが、川からの汚染である。山林は除染などされていない。川水は、更に水洗いなどで”除染”された水も、海に流し込むことで、海底堆積などの汚染が広がっているようなのである。

陸に比べて分かりづらい構図にはなるが、海の汚染も相当深刻である。漁業関係者は、数十年にわたって創業ができない可能性もある。

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現在の地球上の大問題は何か?

2011-11-29 | 政治と金

COP(気候変動枠組)17が、現在南アフリカのダーバンで開催されている。京都議定書の運用について、先進国と途上国が真正面からぶつかっている。枠組み期間が2012年で切れるためである。

途上国は、先進国だけに削減を求めた京都議定書を触りたくはない。先 進国は、その後急速に伸びてきた途上国にも、削減の負担をすべきと、停滞している経済成長を背景に、これまた譲らない。カナダは脱退してしまった。

Img_2472 そもそも、先進国が温情的に持ちかけた1997年には、途上国はこれほど経済成長をしてくるとは思っていなかった。とりわけ石炭に頼る中国は、世界最大のCO2排出国になっている。アメリカは、就任早々のブッシュはいち早く離脱した。経済成長のほうが大切だと主張したのである。

原発にエネルギーの半分を見込んでいた日本は、福島の事故で90年比25%削減は空手形に終わりそうである。すべての主要国に枠組みを課すべきとする日本の主張は、現在のところ受け入れられそうもない。

途上国にとって、極めて有利な枠組みであるが、EUはとりあえず京都議定書の枠組みを守りながら、7年ほどの移行期間を経て主要国すべてに課する案を出してきている。

1997年当時先進国の排泄するCO2は、60%も占めていたが、アメリカが離脱し先進国が削減し、経済成長が停滞する中、枠踏みを課せられ義務を負う国は26%程度になってしまっている。

4分の3が義務を負うことのない枠組みには意味がない。この中に、GDP世界第1位のアメリカと2位になった中国がいるのであるが、無責任極まりない。現在この2国で42%も占めている。

途上国には、先進国が作った現実と言う理屈があるが、アメリカにはそれもない。こうした国家が、日本などに経済制裁とも思われるTPPなどを振りかざす、横暴さは許されるものではない。

安価なものであれば、地球の裏側からでも、大量の燃料を炊いて持ってくると言うのが、TPPである。明らかにTPPという無関税システムは、温暖化対策に逆行するものである。

アメリカはグローバル経済を自負するなら、率先して温暖化対策に取り組むべきである。このままでは、最短でも7年程度の空白期間が生じる。その間にも、CO2はこれらの国が排出し続けるのである。更に、TPPによってこれらは推進されることになる。

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TPP参入後を真剣に考える

2011-11-27 | 政治と金

この国の経済成長は、確かに輸出産業が担ってきた面が少なくない。しかし、発展途上国が力をつけて、対等な権利を要求し始めた現在になっても、それが可能なのだろうか?

いつまでも、自動車を売り続けることができなくなってきて、アメリカはもちろんのこと、世界各国に日本の自動車産業の生産拠点は拡がっている。

現実に日本のGDPに占める、輸出産業の比率は25%に過ぎない。韓国に遅れた理論がまかり通っているが、この国はそれが95%にもなっている。比較することすら意味がない。

国内需要が高いことはそれだけ、寛容力が高いことを意味する。TPP参入でそれを下げることが、どのような意味を持つことになるか。

先進国の農業は、農家所得の90%が補助金であるが、日本はわずか15.6%でしかない。関税を上げることで農家補助のレベルを下げるようアメリカ指示されてきた結果である。それが一転、TPPでは関税そのものをなくせと言い出したのである。

TPPに政治生命をかけた、オバマが次期大統領になる確証はない。むしろその可能性は低くなっていると言える。そのオバマと、事前の交渉を重ねても何の意味もない。

TPP参入と強い農業の確立など、農業の現実を知らない政治家や経済学者やドジョウの空論でしかない。

1俵3000円以下のアメリカのお米に、1万4千円程度の日本のお米がかなうはずがない。レベルが全く異なるのである。努力や品質で対抗などの域の問題ではない。まるで原爆を使われた国に、竹やりで抗する戦いを鼓舞した政権のようである。

オバマが医療保険に政治生命をかけなければならないほど、アメリカの医療保険制度の壁はあつい。富裕層には美味しい保険制度を提供したい保険会社は、現行の日本の保険には参入できない。

彼らは医療保険の規制緩和を言い出すことは、火を見るより明らかである。これは日本の医療制度の崩壊につながる。TPPはそのきっかけを、アメリカに提供することになる。

食料と医療を奪われて、人口問題や環境問題が目前に迫っている今世紀、何が最も重要なことであるかを、今一度真剣に考えなければ、日本には廃墟の町が増えるばかりになる。

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野田が寡聞にして知らないISD条項とは

2011-11-26 | 政治と金

予算委員会で自民党の佐藤ゆかり議員の質問で、野田はうっかりと「ISD条項は寡聞にして知らない」答えたのである。TPPが実行された段階で、必ず起きる国家間の行き違いに関することである。

ISD(Investor-State Dispute)条項とは、企業と国家の紛争に関する取り決めである。一見当然のように思えることではあるが、企業側が国家に損害賠償を請求することであるといって良い。訴訟国家アメリカのためのものと言ってよい。

圧倒的なアメリカの国威を背景に、アメリカ企業が相手国を訴えることが断然多い。NAFTAでは、メキシコとカナダが何度も、アメリカ企業の被害に合っている。無理を押し通すアメリカらしい。

例えばアメリカ企業は、廃棄物処理場の建設ができなかった損害を要求して、メキシコ政府から1600万ドルいただいている。オーストラリアはアメリカとのEPA締結に当たって、ISD条項の締結を拒否している。締結させられた韓国では、毒素条項と呼んでいる。

Photo訟は原則非公開であり、上告はできない。企業が被った損害について、受け入れ側の国内法より条約が優先される。企業側にとって、極めて有利な訴訟が起きる可能性が高い。

こうしたことが、今頃になってボロボロ出てくるのは、いかにこれまで検討すらしてこなかったかが分かると言うものである。第一首相の野田すら知らなかった。

TPPは来年の大統領選に不利な現状を打開するために、日本に向けて打ち出したものである。これに乗ることはどこまでもアメリカに隷属することを意味する。

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レベルが低い玄葉の喜び

2011-11-25 | 政治と金

民主党はマニフェストで、対等な日米関係の構築と豪語していた。信じた国民もバカだった111125かもしれないが、騙したほうが圧倒的に悪い。

沖縄で今年一月交通事故で、アメリカの軍属の青年に日本の若者が、交通事故によって殺された。公務中の事故のため、日本には裁判権がない。起訴するにしても、アメリカの同意がいるのである。

日米地位協定は、現代には珍しい治外法権である。支配国が被支配国の法規によって裁かれない制度である。地位協定は、植民地支配の象徴的遺残物である。あのマリキ傀儡政権のイラクですら、アメリカ兵の犯罪は、イラクの国内法で裁くことができる。

今回の事故は、日本は起訴すらできなかったが、アメリカのご厚意で国内法で裁くこPhoto_2とが出来た。と、最年少外相はいたくお喜びである。玄葉の喜びは、政治家としてかなりレベルの低いものと言わざるを得ない。

日本の国内で起きた事件を、日本が自らの国内法で犯罪者を裁く当然のことが日米地位協定で、この国ではできないのである。まずはそのことを、政府の要人として恥じなければならない。国民を守ることすらできないのである。

それとも玄葉の喜びは、普天間で迷惑かける沖縄への詫び状でもあるか。いずれにしても、地位協定の存在そのものが、日本がアメリカの属国であることの証でもある。

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プーチンに平和賞?

2011-11-24 | 政治と金

ロシアの現プーチン首相、あるいは前大統領あるいは次期大統領のプーPhoto チンに対して、中国の民間団体から平和賞が贈られるようである。

”孔子平和賞”と言うものであるが、この賞は昨年投獄中の劉暁波氏にノーベル平和賞が与えられたが、これに対抗して作られた生である。

プーチン氏に与えられえる理由が、「チェチェン戦争を起こしたこと」と言うのには少々驚かされた。チェチェン共和国は、プーチンの武力制圧によって、チェチェン人の半数がすでに国を去っている。

プーチンがチェチェンを制圧して、国家の分裂を防いだのが理由だそうである。しかしそのために、数知れない人が殺害されている。チェチェンの抵抗はテロと言う形で、幾度も凄惨な事件を起こしている。

チェチェン人によるテロに対して、プーチンは容赦のない対応をやっている。テロ実行犯の殺害ばかりでなく、人質の命も平気で犠牲にしている。

そのプーチンが変な形であれ、仮にも平和賞を受賞するのには、些か抵抗感がある。言論弾圧や、ジャーナリストの暗殺についても関与が疑われている。

就任早々核兵器廃絶を訴えて、ノーベル平和賞を受賞したオバマ、今は平気で軍事増強も軍事制圧もやっている。

少なくとも世界の情勢を見ると、オバマもプーチンも平和に寄与しているとは全く思えない。大国には平和の概念はなく、軍事的威圧による非戦闘状態を演出することが、平和であると思い込んでいるのである。

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ギリシャの言い分・不当債務の可能性

2011-11-23 | 政治と金

EU圏が揺れている。発端となったのは、ギリシャの債務問題である。債権過剰の国は、頭文字を取ってPIIGS(ピッグス:ポルトガル・アイルランド・イタリア・ギリシャ・スペイン)と2762080537呼ばれている。

さてそのギリシャであるが、なぜこうまでなったのか。報道は、粉飾決算とルーズな国民性や、公務員の多さばかりを伝えている。

今ギリシャはこれらの多くは、債務を不当債務として返済義務がないと定義付けようとしている。不当債務とは、何か?

1927年にロシアの、アレクサンドロ・ザックは次の3点が揃った時に”不当債務”と定義され、返済義務はないとしている。

すなわち、①国民の承認がなかったこと ②その融資が国民にとって不利益になったいること ③それらのことを貸し手が知っていた場合、である。

今世紀になって、不当債務との定義を恐れながらも、同様に先進国は処理した例がある。イラクである。融資各国は、アメリカに習いフセイン後のイラクに対して、返済金額の削減をすることで応じたのである。

不当債務を訴えている国家もある。南米のエクアドルである。IMFを通じての債務の多くの返済を、拒否したのである。融資が、アメリカ企業の参入を前提にして行われ、投資後のインフラも富裕層を豊かにし、格差を生じさせた。その債務を、国民の税金で支払う必要はないとしたのである。

ギリシャもあまり変わりない現実が分かってきている。粉飾決算が問題視されているが、内外の債券価格差を巧みに取り入れた手法で、帳尻を合わせたのである。

これに協力したのが、ゴールドマンサックス社である。この会社が得た報酬は、数百万ドルと推定されている。粉飾が発覚するまで、債務局長をしていたのが、ゴールドマンサックス社の職員であることが分かっている。

ドイツは、武器の購入を前提に債権を発行させている。フランスに至っては、フリゲート艦4、潜水艦6隻など、合計30億ユーロの武器を売りつけている。オリンピック施設も、税金で支払う羽目になっているのである。

いずれも、ギリシャにそんな金があるはずはない。ギリシャの債券発Eu行を促した国々にも責任はある。国民は知らなかった。

エクアドルは、債務監査委員会を立ち上げ、負債の詳細を検討してた。その結果、70%は不当債務と判断した。

国民が、医療や福祉や輸送など生活に困難をきたしている。したがって不当債務は支払う義務はないとしているのである。

ギリシャも、債務監査委員会を立ち上げようとしているが、反対勢力や踏み倒されると困る国々の圧力で、困難な状況にある。

報道は、ギリシャは税金を支払わないとか、働かないとか、公務員が多すぎるなどと瑣末な内容を伝えているが、食い物にされた国家を更に叩く姿勢は許されるべきではない。

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険しいエジプトの民主化の道

2011-11-21 | 政治と金

アメリカ同時多発テロから、10年目の今年中東は民主化の風が吹き荒れた。アメリカは、イラクに民主主義を輸出するとか言った手前、歓迎する振りを見せていた。

Egypt_01中東の民主化で最も比重を持つのが、エジプトである。GDPや人口さらには位置的にも重要であるが、なんと言ってもイスラエルとの関係において、エジプトの動向は大きな意味を持つ。

そのエジプトが、市民による民主主義を目指し、ムバラクを倒したのであるが、何せ若者たちである。武器はインターネットである。統一性のなEgypt03い若者集団であることに変わりない。

ここにきて、これまで押さえつけられていた、イスラム主義者が台頭して きた。中核になっているのが「ムスリブ同胞団」である。支持者は、1500万人とも言われている。ともかく、ひとつのまとまった統一性のある、団体が政治集団として登場してきたのである。

Egypt_02政変の主流であった若者たちが目指す「市民国家」と、政教分離で抑圧されてきたムスリブ同胞団が目指す「イスラム国家」とが、大きく対立する構図になった。

軍部による暫定政権が、ムバラク政権の一部を取り込んでいると、連日若者たちのデモが続いているが、数十名の死者を出している。

さらには、アルカイダを支持する集団も頭角を現してきたのである。国内10%程度のキリスト教、コプト教の教会などが放火破壊され人も殺されている。

しかしいずれにしても、これらの混乱は親アメリカの政治団体が登場するとは考え難い。イスラエルを抱き込み、アメリカは民主化されたその時どう動くか見ものである。

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根拠を示せないTPP推進論者たち

2011-11-19 | 政治と金

18日のNHKの、「徹底討論 TPPどうなる日本」を聞いた。TPP推進側から、政府から古川元久国家戦略大臣、山口荘外務副大臣、推進派から田中仁、反対派から鈴木宣弘、榊原英資のメンバーであった。

推進側に偏った人事といえる。討論の中身は実にお粗末であった。反対派の二人の質問に、正面から答えられた内容はなかったといえる。

古川は「参加しなければならない」「前進しなければならない」といわば、精神論のような内容である。具体的な問題や、説明の矛盾を疲れると「交渉すればよい」「これからの問題」などと答えるだけである。交渉ごとであるから、手の内を見せないようにしているのだと、結局まともな回答はなかった。

国益に沿わないことはやらないとの発言も抽象的である。無関税システムそのものが、食糧生産を落とし医療や食の現状を低下させ、地方を疲弊させる。このことだけでも、TPP参加は十分国益に反する。

野田首相が「すべての品目・サービスを対象にする」と言ったとか、言わなかったとかは、極めて重要な問題であるにも拘らず、政府側の二人には何の回答もなかった。

アメリカ従属主義者の田中仁にいたっては、アメリカとの交渉は早く取り組まなければ、それこそ大変になると早期の参加こそ重要論を繰り返す。

日本の農業は危機的状況にあるため、保護することすら問題のような言い回しであるが、鈴木氏のこれまでの農業政策の結果である、との主張に反論はできない。そうした政策の延長になる、無関税条約の導入はさらに問題を大きくすると、鈴木氏は指摘する。

TPP推進派の人たちが何度も主張した交渉力についても抽象的でしかなく、最終場面で司会者が「与党内ですら割れている状況で強力な交渉ができるのか?」の質問に、古川は口を閉ざした。

そうしたことを背景に、野田は玉虫色の協議姿勢をAPECに持っていったが、いい加減な姿勢であると無視される始末である。はっきりしてから来いと言うわけである。

全国町村会が3度にわたって、TPP参加反対を打ち出している。44の府県議会も、「反対」あるいは「慎重」に取り組むよう決議している。

早い話が、前のめりに交渉に取り組もうとしているのは、政府だけではないか。

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反旗を翻す自治体

2011-11-18 | 政治と金

今回の震災が起きた直後、正確には4月初めに環境庁から、日本各地に自治体にがれき受け入れについての要請のメールが、協力依頼の形で打診された。当初は、国難といえるような事態に処理不能ながれき処理への、人道的依頼であった。

政府の要請を受けて、6月には全国から574の自治体や廃棄物処理組合などから受け入れ容認の回答があった。この時点では、放射性物質についてのことは、まったく触れていない。

7月になると、政府与党を中心になって野党をも取り込む形で、がれき処理の法案の作成が始まった。この法案は、がれき処理法と呼ばれているが、8月末に全党一致で可決された。

その直前には、放射性物質は100ベクレル以上とされていたのであるが、突如として8000ベクレル以上が、放射性廃棄物と”法的”基準とされた。

つまり、8000ベクレル以下は放射性でないから、がれき受け入れを表明した自治体は、法的には受け入れざるを得ないということになった。

さらに政府は、10万ベクレルまでは埋却方法を上手くやれば、一般廃棄物になる。さらには、ある一定の厚さのコンクリートで覆えば、10万ベ111118_syukuクレル以上であっても、処理しても良いと言い出した。

こうした政府の手の内を最初は明かさずに、お人よしの田舎の自治体に、放射性がれきの受け入れを認めさせようとする、卑怯ともいえる手法に、多くの住民から異論が出てきた。

私たちも、この町で「がれき拒否の会」を結成して、町へ受け入れ拒否を申し出たが、お上を信用する役場は全く対応策すら考えていなかった。

しかしここにきて、受け入れ表明をしていた自治体などは54と、僅か9.4%になった。90%以上が拒否したのである。

政府の、人道的対応に負うようとした国民への裏切りが、かえってがれき処理の道を遠くしたといえる。これまで何度も見てきた構図でもある。

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アメリカの政策転換は上手くいくのか

2011-11-17 | 政治と金

オバマ大統領はオーストラリアの議会で、今後太平洋側・東南アジアに重点を置く外交に切り替えると演説Obaba_in_australia_2した。10年間手を焼いてきた、アフガン・イラクから撤退して、今度はのさばってきた中国を押え込もうというのである。

2500人の海兵隊を、オーストラリアに常駐させるとのことである。経済発展を背景に、中国は軍事力を伸ばしてきた。とりわけこれまで手薄だった海軍力を増強し、南沙諸島の領有権を主張し、周辺6か国を威圧している。

オバマの狙いは、経済成長が著しい東アジアで存在感を示したいのである。これまでの中東重視のアメリカ政策からすると、大きな転換である。

それにしてもこの政策転換は成功するのであろうか? 中国に怯えている、フィリッピンやベトナムや台湾を手なずける作戦ではあるが、資源もなく市場性も小さな国々である。軍事的意味もほとんどない。アメリカの思惑は満たされないだろう。

オバマの東アジアへのシフトの一つが、TPPである。周辺諸国を取り込むことで、国内の雇用問題を好転させたいのである。

しかしかつてのように、世界中どこでもアメリカの威光が及んでいなければ、納得できなかった時代とは様変わりした感がある。その威光を東アジアでは、発揮できると読んだのだろう。

圧倒的な軍事力を背景にして、支配しようとするオバマであるが、就任当時の格調高かった演説も薄れた。核兵器廃絶を唱えてノーベル平和賞を受賞したが、これも今ではパロディーのように思えてならない。

軍事力を持たないアメリカは存在しないことを、今回のオーストラリアへの海兵隊常駐は語っている。

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直ちに影響がでません

2011-11-16 | 政治と金

ついにアメリカはミューヨークの、ウォールストリートの若者たちのデモに対して暴力的な鎮001圧にかかった。我々は99%であるとする、金融社会のもたらした格差社会への不満から始まった、アメリカにしては珍しいデモである。

アメリカ全土の飛び火して、一時は99か所で何らかの示威行為がなされていた。

格差社会の象徴的なデモであるが、何しろ組織されていない行動である。それだけPhoto
強いとも言えるし、本質的な問題がここにあるともいえる。

全土でデモ行為などが消えてゆく中にあって、ニューヨークは営々と続けられていた。彼らの拠点となっている公園を警察官が14日に急襲して、80名ほどを逮捕したのである。

アメリカは、雇用不安と格差に喘ぐ人たちをアフガン・イラク侵攻で大量に生み出した。戦争に勢いがある間は、見えなかった問題がオバマになって噴出してきた。

チェンジを掲げたオバマであったが、今は遠い昔話のように思えてならない。再選を目指すには、とりわけ雇用問題を解決しなければならない。それを、輸出産業に期待して唐突に乗ったのが、太平洋を取り巻く四小国が結んでいた条約である。TPPである。

これまた唐突にこれに従いますと、閣内協議もなく所信声明をしたのが、菅直人である。国内問題と自らの延命として打ち出されたのに、他国の首相がおどおどして乗ったのである。これは普天間の詫び状でもある。

国内問題を、国力を背景に威圧的に打ち出されたTPP問題を、いとも簡単に受け入れることは、全く理不尽な話である。TPPは経済問題ではなく、国際的な政治問題、外交問題である。

従って、個々の品目について討論するのは単なる、ポーズでしかない。基本的には、全品目の関税の撤廃が原則である。

それとも多少の延命策を打ち出し、『直ちに影響があるレベルではありません』とでも言い出すのであろうか?

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軽くあしらわれるドジョウ首相

2011-11-15 | 政治と金

やっぱりと言うべきか、思った以上に日本はアメリカにとって、扱いやすいIn国なのであろう。12日のハワイでの首脳会談で、野田首相は「すべての物品、サービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる」と、発言したとアメリカが発表した。

これに対して首相は、「全品目といったことはない」と反論した。これを受けて、ホワイトハウスのスポークスマンは、前言を覆さないと発表した。日本は、アメリカの思惑に乗った感がある。

今日(15日)の予算委員会で、そんなことは言っていないと首相は、自民党の質問に反論した。しかし、アメリカに訂正は要求しないとのことである。これにはもう少し裏があるのか? いや、多分このままであろう。

事実上アメリカの発表を容認したことになる。同日開催されたTPP会議にも、折角協議に入ると国内で発表したにもかかわらず、声もかけてもらえなかった。この会議上で協議参加を述べるつもりだったようだが、出鼻をくじかれた。

日本国内が賛否両論に分かれる基盤の弱いままの参加(協議)について、アメリカもTPP参加国も、揺さぶりをかけてきたのである。

貿易の保護主義といわれる関税であるが、それぞれの国が長い歴史の中で培ってきたものがある。各国でその大きさや効率に差があるのは当然であり、それには意味のあることである。

風土によって作られた、文化や習慣や言語や宗教や民族性や食や社会体制などである。関税の代償は論じられることはあってしかるべきであるが、完全撤廃は強者に有利になるだけである。

関税の撤廃によって、強者や都会の制度が幅を利かすことになる。もう一度、これから地球にとってもっとも大切なことはないかを考え直すべき地点から、曖昧な言い回しで乗り切ろうとする姑息なことはやめて、TPPの持つ意味を根本から論議するべきである。

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イランの核開発は本当か?

2011-11-14 | 政治と金

イランが核開発をやっていると、国際原子力委員会(IAEA)が11月8日に発表した。この時期のPhoto_2発表がどうもきな臭い感じがする。アメリカとイスラエルが、以前から主張していた内容そのままである。

イランはアメリカと、IAEAのでっち上げだと反論し事実無根と反論している。事務局長が、アメリカ寄りの天野之弥になってから、中東の不信感は増大している。

これに似た構図は以前にあった。イラクのフセインが、フランスから導入した原子力発電所をバクダッドの郊外に建設し始めたのである。敵国の核開発に敏感に反応したのが、イスラエルである。

この原子力発電所を、イスラエルは空爆して破壊したのである。「オシラクオプション」と呼ばれたこの作戦は見事に成功した。もちろん道義上も国際法にも反する行為であるが、国家の方針である。

いま、中東最大の軍事力を誇るイランを、イスラエルが本気になって空爆しかねない状況といえる。イランの攻撃は、パレスチナやヨルダンなどの支援を断ち切る意味で、イスラエルにとって意味があることである。

不条理であっても、国家のためならこの程度のことは平気で行われる。事実関係などお構いなしである。アメリカのアフガン、イラク侵攻が良い例である。実に、国益とは怖ろしい得体のしれないものである。

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北極のオゾンホールを考える

2011-11-13 | 政治と金

1980年代に南極でオゾン層の破壊が確認された。これ受けて、1987年モントリオール議定書で、フロンの使用が禁止された。南極には大陸が01あり、成層圏を-80度以下にするため、南極に特定された現象と、当時 は認識されていた。

昨年北極のオゾン層が破壊されているとの報告を受け、9カ国の共同作業で調査が行われた。今年3月になってそれが発表されたのである。(クリックすると大きくなります)

最大で80%も破壊されているとのことである。オゾン層の破壊は、ひとえに先進国の開発の賜物である。地球温暖化も同じである。

環境破壊の被害を受けるのは、あらゆる国家と地域で差別がなく受けることになる。アマゾンの森林を守れと言うと、ブラジルの人たちは、「500年前はヨーロッパは森林に覆われていた。われわれが同様に今森林伐採をする権利がある」と、反論する。

武力あるいは経済力の勝るものが、途上国の資源を収奪することで成し遂げてきた繁栄である。自らの力だけで、先進国と言われるカテゴリーに入った国家はない。

21世紀になって、途上国も経済発展を遂げてきている。いずれ人件費も、先進国に追いつくことであろう。すでに先進国と言われる国々の凋落が始まっている。

地球環境の破壊や野生動物の絶滅などはそうした、いわば人類の欲望で作られたものである。利潤を求た活動をした結果でもある。

国益などと称する、欲望活動が存分に行えるようにするのが、無関税システムである。21世紀の人類がやらなければならないことは、人間の勝手気ままな欲望を推進するのではなく、地球環境を最優先するべきなのである。

安ければ地球の裏からでも、熱帯雨林破壊などお構いなく、安価なものを買い付けることは、慎まなければならないのである。TPPはそうした人類が取り組まなければならないことに対峙するシステムなのである。

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羅臼港

春誓い羅臼港