時空を超えて Beyond Time and Space

人生の断片から Fragmentary Notes in My Life 
   桑原靖夫のブログ

猫・アムステルダム・リシュリュー

2017年10月18日 | 午後のティールーム

 

Albert Anker(1831-1910)
Little Girl Playing with Cat
Privately owned

アルバート・アンカー
「猫と遊ぶ少女」

 

3題話のようだが、眠気覚ましにBS3を見ていると、画面に猫が大写しで出てきた。例の写真家岩合光昭さんの猫シリーズかと思ったら、アムステルダムの「猫博物館」の光景であった。本ブログでも取り上げた「隠れカトリック教会」のような珍しい映像もあった。「2度目のアムステルダム」という「2度目シリーズ?」の一つだった。時々ブログの記事入力などをしながら、見るともなしに見ている番組だ。かつて訪れたところが出てくることもあるので、その後の現地の変化に驚くこともある。いつの間にか入力を忘れて見ていることがあるので、何か魅力があるらしい。

アムステルダムはこれまでに何度か訪れている。しかし、住んだことはない。(ただ、かつてイギリス・ケンブリッジ滞在中に、招かれてアムステルダム大学で講演したり、最初のノーベル経済学賞受賞者のヤン・ティンバーゲン教授(ちなみに、1969年の同時受賞者はラグナー・フリッシュ教授)を記念して設置された研究所から、オランダ短期研究助成を受けたことがあり、お礼の挨拶に行ったことはある。マウリッツハイス国立美術館は改修中のことが多かったが、ご贔屓の17世紀美術を見るために度々出かけた。今はその後の時の経過の早さにただ驚くばかりだ。

この猫博物館は個人の所蔵品の展示らしく、うっかり見落としていた。というか、そうした博物館があることを知らなかった。猫は嫌いではないのだが、子供の頃、時々アレルギー喘息症状を起こしたことがあったので、距離を置いて付き合っている。この猫博物館にはミケランジェロの猫のデッサンもあるようで、知っていれば訪れたと思うので一寸残念な思いがした。

猫のデッサンといえば、パリ滞在当時、知人のT氏が経営するギャラリーのパリ支店へ出かけたことがあった。その時、ちょうどT氏が壁に無造作に立てかけた猫の作品を見ていたので、一緒に見せてもらった。なんと藤田嗣治の「猫のデッサン」だった。当時は絵画バブルの最中で、「一枚どうですか」と冗談混じりで言われたが、筆者などにはとても手が出ないものだった。しかし、本物の猫ではないので、ゆっくり楽しませてもらった。

猫を描いた画家は非常に多いようだ。マネも猫好きであったらしく、三菱一号館美術館で見たことがある。

このブログでも、あの宰相リシリューが激務の合間に、猫と遊ぶ情景を描いた作品を掲げたこともあった。作者は後代の画家だが、リシュリューは猫好きとの逸話でも伝わっていたのかもしれない。リシュリューという政治家は有名なわりには謎の多い人物で、王に代わってフランスを治めていたと言われる。現代であったら、誰に当たるだろうか。ちょっと思い当たらない。本ブログでも一部は触れたが、改めてその生涯を振り返って見たい興味を惹かれる人物である。








 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヨブとその妻:ラ・トゥール... | トップ | 「開かれた都市」の重みと苦しみ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

午後のティールーム」カテゴリの最新記事