アメリカ大統領選挙も熱気を帯びてきた。1月3日、アイオワ州での民主、共和両党の党員集会の結果を見る。民主党はオバマ上院議員、共和党はハッカビー前アーカンソー州知事がトップとなった。序盤ということはあるが、3ヶ月ほど前の下馬評とは大きく異なる結果だ。選挙は水物。キャッチフレーズとしては「経験」Experienceよりも「変化」Changeの方が、’フレッシュ’に響くことも確かだが。「改革」の評価は、ご存知の通り。
共和党については、これから図抜けた有力候補のいないこともあって、いくつもの波乱がありそう。共和党候補はこちら側から見ていても誰もいまひとつ精彩がない。民主党は、エドワーズ上院議員を含めて、文字通り三つ巴の状態。誰が残っても不思議ではない。ただ、一時はかなり抜けていたヒラリー・クリントンには大きな衝撃だろう。やはりアメリカは若い国ではある。
年末から年始にかけてのアメリカの友人からのメールやカードからは、ブッシュ大統領のレームダック状態は今が最悪、ブッシュが辞めれば後は良くなるという切羽詰った感じが伝わってくる。その気持ちは分からないわけではない。しかし、ブッシュがホワイトハウスを去ったからといって、アメリカの基盤がそう大きく変わるとも思えない。ブッシュを選んだのも彼ら国民なのだから。
気になるのは新大統領が決まった後の日本である。オバマ、クリントン両候補の選挙メッセージ*を見ても、この国についての論及はまったくない。完全に忘れられたような存在感のなさである。
新体制が動き出せば、それなりの対応は生まれるのだろうが。オバマ候補のハワイ州ホノルル生まれ、父はケニア人、母親はカンザス生まれの白人という家族的背景も一寸予想がつかない。クリントン候補のメッセージには、国連などの国際機関の働きに加えて、インド、オーストラリア、日本、アメリカの同盟でテロリズム、地球環境、エネルギー問題などへの対応に触れているが、内容はない。さすがに覇権を争う中国との協力はできないらしく、インドへの強い期待が述べられている。
忘れられてしまった国といえば、新年、苦しい時の神頼み。福田総理も小沢代表も伊勢神宮詣でだった。 こちらも基盤は変わっていない。
*
References:
Barack Obama. "Renewing American Leadership." Foreign Affairs. July/August 2008.
Hillary rodham Clinton. "Security and Opportunity for the Twenty-first Century." Foreign Affairsl November/December 2007.
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