思い出に残る名講義・
コラムの書き方、K「講師」の授業内容
1、≪中学生への作文授業≫
K講師、いきなり生徒たちに向かって
ある人が「ドアをバタンと閉めて出て行った」
これを基にして作文を書きなさい。
・生徒たちはそんなの分かるわけないでしょう。
・そんなこと雲をかむよような話でしょう、どうしてよいか分かりません。
・先生、無理無理・・・何が何だかさっぱり分からない、出来ません。
・生徒たちは先生にすごい剣幕で・・・・・、詰めやったと言う。
「講師は、この口答えや、動作をあらかじめ予想して・・・、出題した)
講師は、生徒たちに向かって親切丁寧に
次の3点を諭すようにこんこんと解いていった。
講師の講義内容
ヒント
1、風が吹いてきてバタンと閉まったかも知れない。
2、建物が古く、建て付けが悪かったかも知れない。
3、出て行った人の心に、葛藤があったのかもしれない
これこそが『想像の翼を広げ・・・想像力をグイと伸ばして考えるんです。
すると思わぬ方向にペンが進んで、あっという間に原稿用紙1枚くらいは書けるものです。文章は書き始めが分かると、スラスラ書けるものです。
想像力ヒント
◎ 物の見方・・・ 一方向からでなく、右側から左から、ある時は底から観察する。
◎ 1点集中・・・ 方向が定まったなら中心的なものを深く見つめ直す。
◎ 想像力を広げる・・・そして翼を広げ四方八方に見方を拡げる。
これ等のことを話し終えたら生徒の眼が輝いて鉛筆が走り出したと言う。
これは考え方の基本になるヒントとモノの見方について「中学生の作文の時間の一コマであったそうです。
************************************
2、小学生の作文講義
次ぎに、小学校の作文の講義したことについて話された。
◎「朝起きてから朝食までのことを書きなさい」
A生徒「朝6,30分に起き、トイレに行きました。それから洗面所で顔を洗い
歯磨きしました。学生服に着替えてからご飯を食べました」
B生徒「朝起きました。顔を洗いました。歯を磨きました。ご飯を食べました」
T講師は「朝起きてからの一連の動作が書けています。これでは作文として味も素っ気もありません」と言って次のことを指導したと言う。
窓から見える校庭の欅の木があります。これを例にしてお話します。
【欅の木には幹があり、そこから枝を四方八方に巡らしています。勢よいの良い枝、枯れた枝、今年伸びたばかりの枝もあるでしょう。そして枝の先にはたくさんの色とりどりの葉っぱ赤、黄、緑や中には虫食いの葉っぱがあります。そこには毛虫もいるかもしれません。幹の皮も随分違い根元と梢では大分差があります。・・・・・】
これらを加味「しながら想像力を膨らます、「朝起きて~朝食までを綴る」と、ボリュウムのある文章が書けますと、教えたそうです。
皆さんの文章も立派な文章です。しかしあまりにも薄ペッタリの内容です。欅の木の様にもう少し、『枝の曲がり具合、葉っぱの色や光の具合、幹の太さや色』を付けて下さい。すると、文章の内容が生き生きして勢いが出て来て、読んでいる人に感動を与えるでしょう。
:***************************************
3、 推 敲
出来上がった原稿を直ちに手直し、推敲しようとしてもそれは無理です。今考えたことが頭の中に残像していて新しい考えは浮かびません。しばらく机の引出しに仕舞置いて下さい。1週間か10日くらい経った後にその原稿を取り出して最初に1回だけ通し読みます。その次に読むときは極力削っていくことです。無駄な部分をどんどん削り取ることです。
4、ちょっと一言
現代はすべてがパソコン時代です。
作文(ことばの森)をパソコンを駆使して行われる時代です。しかしまだまだ人間の思考に頼って行われることが多いです。
10年ひと昔と言いますが、区主催の文章の書き方を聴講した時、先生は講義は人を引き付ける上手な授業を思い出したので綴ってみました。
本棚から取り出した、古ぼけたノート、なるほど、なるほどと感心しながら読み直した。
これからは、未来を詠み解くことは無理だから、むかしの日記でも紐解いてみることとしよう。
K講師と言う方は、朝日新聞のコラム欄を担当していた。 (縄文人)
openしてます。