私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

ワン・セカンド 永遠の24フレーム

2022-06-05 19:35:37 | 映画鑑賞

砂埃の舞う街中。暗い街中でバイクの荷台に括りつけられた映画のフィルムをじっと見つめる一人の中年男性。

文化大革命中の中国では、数か月毎に行われる一夜限りの上映会は、町民が待ち焦がれる地域最大の娯楽だったのだ。フィルムを扱う映写技師は街の人々から羨望のまなざしを向けられ、一晩の上映会は、すべて映写技師の采配で執り行われる。砂漠の中、点在する街を結ぶ交通機関はなく、フィルムは砂漠の中をバイクで運ばれるのだ。

そんなバイクの荷台から一つのフィルム缶を盗み去る子どもとそのフィルム缶を取り戻そうとする中年男性。フィルム缶はフィルムが欲しい子どもとどうしてもそのフィルムで上映される映像を見たい男性の間を行き来し、次の上映会場についた際にはトラブルで砂まみれになってしまう。

映画を見たいという住民たちの熱量が凄い。夜の上映会に向け、昼間から会場の前に集まり、砂まみれになったフィルムを見て落胆の声を上げ、フィルムを洗うという作業に次々と参加しようとする。フィルムが洗われると団扇で風を送り、スクリーン替わりの白い幕がかけられると歓声を上げ、上映前から影絵のように自らの自転車等をその粗末な幕に映し出す。プロパガンダ映画だろう英雄子女に歓声を上げ、劇中歌を一緒に歌い上げる街の人々、映画には興味を示さずフィルムそのものを手に入れようとする両親を亡くした子ども、そして併映されるニュース映画の中のたった1秒を見ようとする中年男性。脱走までしてみようとしたニュース映像には、逮捕された父親の影を拭い去るべく、必死に労働に従事している彼の娘の一瞬の笑顔がある。

砂漠の街の中、映画をめぐってそれぞれの思いが重なる・・・・砂漠の場面が素晴らしく、空の色と一緒に一面の砂漠の色が少しずつ変わっていく様子に息を飲む。

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劇中で上映される映画@英雄子女。原作@巴金という文字が見えた。ウィキペディア先生曰く、小説家だった巴金(バ・ジン)は人民大革命で失脚するも後日内省し人民作家の称号を受けたとの事。


香港(2022年6月上旬)

2022-06-05 18:02:27 | なんということはない日常

ちょっと前の出来事

香港行政長官選挙 中国政府支持の李家超氏当選 統制の強化懸念

得票総数の99%の支持を得て当選との事だが、実際は選挙委員に選ばれた人のみが投票資格があるとの事で人口の0.02%の人だけしか実際の投票行為を行う事が出来ないとの事。

昨日の出来事

天安門事件追悼集会で6人を逮捕 香港警察

天安門事件から33年、香港では今年も追悼集会は開催されず 台湾では人権団体などが追悼集会

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香港が遠い場所にならないようにニュースをチェックしているのだが、このようなニュースばかりをアップしていると逆にどんどん遠い場所になってしまうような気もし、複雑な思いに駆られる。