ムドクが下働きとして松林に採用された事で、再び自由に会う事が出来るようになった二人だが、気持ちを確認しようとするウクの言葉を無視するでもなく、しかしさりげなく拒否するような雰囲気を作るムドク。
ソフトな拒否は徹底的な拒絶よりもショックが大きいようで、急に修行に身が入らなくなるウク。師匠としては、そしてウクしか頼る人間がいないムドクにとっては、彼が修行に興味を持たなくなることは大問題だ。
ウクと対で持っている玉を世子に預け、「ウクが格上の術士10人を相手に一度も勝てなかったら、この玉を差し出します」と世子に対して賭けを持ち掛けるムドク。世子に術士への賞金を用意させて、最終的に世子が手に入れられるのは玉だけ・・・という世子にとってはなんの得もないような提案だが、世子もムドクの妙な魅力のとりこになっている一人。あっさりとムドクの提案を受け入れるのだ。
一日一人とガチ対決で、自然なスタイルでウクの実力向上を目指すムドクの計画は着々と進んでいく。
ムドクの計画が着々と進むと同時に、チン家に復讐をしたいチン・ムの計画も着々と進んでいる。
長女を探すという事に執着する腹違いの姉の心をコントロールすることに成功しつつある彼。長女を探しているはずの彼女の夫もチン・ムの息がかかった人間。
一番の黒幕と思われる王妃自身も、元をただせば一人の巫女(巫女はムダンと呼ぶと思っていたのだが、彼女はタンゴルと呼ばれていた。全羅道地方の世襲ムダンはそのように呼ばれるようだ・・・)。魂を入れ替えて宮廷に乗り込み、チン・ムと手を組んで復讐を企てているのだ。彼女が氷の石からそのクローンとも呼べるような香り玉をいくつも作成。それをもって魂の入れ替えという怪しい術を操っているのだ。
魂を入れ替えた者がたどり着き先が人間の気を吸うという暴走を目の当たりにしたユルは、ウクにその危うさを遠回りに指摘するも、ウクの気持ちは変わらない。
しかし、薬菓を届けに宮廷に行ったついでに星座盤を見学しようと調子に乗った事から危ない橋を渡る事になってしまうウクとムドク。
チン・ムによって、内官の姿をした魂入れ替え人間に襲われることになってしまったムドク・・・危機一髪だ。