勤務先が入居しているビルにAED(自動体外式除細動器)が設置されたため、訓練と説明会が実施された。他のフロアに入っている会社の人達との合同説明会に勤務先から一人参加。
倒れている人の周りの安全確認を行い(危なかったら躊躇せずに動かしていいとの事)、両肩をたたいて反応が無い事を確認し、周囲に119番通報とAEDを持ってきてもらう事を依頼、呼吸が無い事を確認したら胸骨圧迫を開始するのだと説明を受ける。
AEDが届いたら胸骨圧迫をやりながらAEDを設置する。
ビルに設置されるAEDは最新式ということで、蓋を開けると電源がオンするタイプらしく、自動音声に従って使い捨てパッドを右胸と左わき腹に装着し、自動電気ショックを待つということだったが、シートを貼っている間も胸骨圧迫は続けた方がいいということだった。
胸骨圧迫はかなりな力が必要ということで、人形を倒れた人に見立てた練習では、人形の胸がパカパカと大きな音を立てる必要があるということだった。
が、これが相当の力が必要だった。
若い男性や壮年の男性はパカパカと押していることがはっきりと分かる音がしていた。
二十代、三十代の女性も全身の力を入れて押せる人はキチンとパカパカとはっきりを押せている事が分かった。
ただ、私は人形の胸が沈む事もなく、パカパカとした音も立てる事が出来なかった。自分の年齢を感じる瞬間だった・・・
説明してくれる人も音がキチンと立てられる人には、「そうです。その調子!」と激励し、「もう少し力を入れて」等とアドバイスをされていたが、私には「力が必要ですよね」と音がしない私を励ますような声かけをしてくれた。
一通り人形相手の胸骨圧迫の練習が終わった後、質疑応答タイムになる。
倒れている人を動かすのは・・・と躊躇するという質問には、
「人が倒れている場合に動かしてはいけない場合は1%にも満たないと言われているので、危ない場所で蘇生するのではなく、安全な場所に移してから胸骨圧迫を始めてください」と説明を受ける。さらに「専門家でも動かしていいかどうか判断するのはとても難しいそうです。皆さんの場合は、まず胸骨圧迫をすることで、救急車が来るまでの時間なんとか血液の循環を促して酸素不足にならないようにする事が一番大事だと考えてください」との事だった。
男性からの、女性の衣服を脱がして胸骨圧迫をするのは・・・というやはり躊躇の感じられる質問には、「助ける事が大前提なので」という事で気にせずに胸骨圧迫をしてほしいという説明とともに、「周りの人をぜひ巻き込んでください。胸骨圧迫は男性でも1分間やり続けるのは大変です。なるべくたくさんの人に手伝っていただく必要があるし、沢山の人が周りにいらっしゃれば、気恥ずかしい思いをすることも少なくなると思います。特に男性の方が一人で助けようとした時に勘違いされることを心配されるケースもあると思います。そういう時はやはり他の方に大きな声で助けを求めることも大事ですし、回りに人がいないケースでもなるべく大声で人が倒れているから助けて欲しいと、緊急事態であることを周りにアピールする事がとても大事になってきます。」との事だった。
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力もなく胸骨圧迫では役に立てないかもしれないが、声を出してほかの人に助けを求める事なら出来そうだ。