鈴木亮平演じる救命救急医の喜多見が率いるMER(モバイル・エマージェンシー・ルーム)チームの物語の劇場版。
鈴木亮平の座長感がドラマの時以上に熱く燃え上がっているのが分かる。患者への声掛けは優しく、しかしメスを持つ手には一つの狂いもなく、手術中の医療用語の一つに一つにも感情が入りこみ・・・とにかくどの場面からも熱くメラメラとした情熱が伝わってくるのだ。
都知事肝いりの最新医療機器とオペ室を搭載した大型車両で事故現場に駆け付けるプロフェッショナルチームの成功を見た厚生労働大臣は、手柄の横取りを狙って「危険を冒しては、救えない命がある」と、TOKYO MERにはない冷静さで勝負するYOKOHAMA MERを立ち上げる。
非常に安易で姑息な「二匹目のどじょう作戦」。あまりにもわかりやすい展開にちょっと驚く。
しかしこの映画を観る多くの人は、「死者は... ゼロです!」という最後の言葉に予定調和を感じながらも、鈴木亮平演じる救命救急医の喜多見が率いるMERの良心と信念を見せるドラマにエンタメとしての楽しさを見出していたはず。この位の予定調和は織り込み済みのはずだ。勿論、ビルの火災シーンは映画館のスクリーンで見るに値するか?などと突っ込みを入れる必要はない。ビルの火よりも熱いMERの良心と信念の炎を信じて楽しく見る映画だから・・・