「あいつは生きている」という匿名の電話を受けて、幼い頃育った山間の釣具店に向かい火事に巻き込まれたサオンを救ったのは自分が育った養護施設から失踪した友人たちを探していた医師のサンウ。
サオンは自分の孫のレベルに達しないと断罪した祖父の選択により世の中から抹殺され、今のサオンは孫の替わりに選ばれて他人の人生を歩んでいたのだ。
ただ、祖父が最後の処理を確認しなかった事により、自分の人生をサオンに奪われたと思った本当のサオンは、満を持して自分の替わりに全てを手に入れたサオンに復讐をすべくヒジュに近づいていたのだ。
これだけの事が祖父の一存だけで進んだとも思えないが、母である大学教授は実の息子に下された事を納得しておらず、父である偽の息子であるサオンの逆七光りを利用したい大統領候補者の父はもう実の息子の事などあまり気にも留めていない様子。隠す側が一枚岩ではないため、ぼろが出るのも時間の問題のように思える。
****
ヒジュは今まで自分を庇ってくれたサオンを今度は自分がサポートする番と決意し、結婚3年目にしてやっと夫婦らしい姿になるものの、亡き者にされた本当のサオンの暴走は止まらない。更に本当のサオンをコントロールしようとする共犯者も満を持して直接行使に出てくる。大統領室報道官であるサオンを公私にわたってサポートし、当初から妙にアップが多かったパク・ドジェ行政官。(かなりたくさんのフラグが立っていた・・・)
世の中から抹殺されたサオンにたった一人の肉親である双子の兄を殺された彼は、偽物であるサオンを仇と思い、何年も計画を立てていたのだ。
偽物サオンのショックも分かるが、自分が狙っていたのが偽物だと分かった時のパク・ドジェ行政官のショックも良くわかる。怒りをぶつける場所がそこでしかなかったというのが彼の哀しい運命だ。
******
全ての始まりを作ったサオンの祖父亡き後、偽の息子の逆七光りにすがる父親に鉄槌を下すべきなんだろうが、この父親は正直鉄槌を受ける資格もないような腰抜けだ。ヒジュの母の再婚相手である新聞社社長も息子が殺されながらも、それまで自分が出したお金と子どもの命を天秤にかけて偽のサオンの元にヒジュを差し出したのだ。
正直、世の中の矢面に立つのは親世代の彼だだと思うのだが、本当のサオンが連れ去ったヒジュを助けるべく、身分を詐称していたとあかして、表に出るのは大統領室報道官のサオンだ。
報道官自らが自分のスキャンダルのきっかけを作ってしまうとは・・何とも切なくあり得ない展開。
*******
ヒジュを演じているチェ・スビンは、大晦日のMBC演技大賞のMCの予定だったが、飛行機事故の為、授賞式は行われず。