体内で働く37兆個もの細胞が擬人化されて、隙間なく体内ではたらく様子がずっと映し出されるのだ。とにかくその目まぐるしさで、身体の中が大きな宇宙であることが視覚情報としてビシビシ伝わってくる。
永野芽郁演じる酸素を運ぶ赤血球はその生真面目な勤勉さで身体のリズムとエネルギーを整え、佐藤健演じる白血球は、体内に入った細菌やウイルスを追い出す為に常にフットワーク軽くファイティングポーズで動き回る。
擬人化されたからこそはっきりと分かる各細胞の働き方とその目的。
可愛らしい見た目と、各細胞の活躍の意味を覚えられるからと親子連れで楽しめる映画かと思いきや、小学校低学年では見る前にちょっとした予習が必要にも思えるし、生活習慣でボロボロになった体内環境の切なさなど小学生には分かるはずもない。可愛さよりも怖さ倍増だ。
『健康に留意しないと・・・』と心の片隅でちょっと不安な大人に響く内容だと思う。抗がん剤の投与場面等、口頭で説明を受けるよりも視覚に訴えるものがあり、その厳しさが良くわかる。