35年前、食品会社を標的に起きた一連の脅迫事件。誘拐、身代金要求、そして毒物混入騒ぎ。
既に時効になった事件を総括すべく特別チームに配属された新聞記者。時を同じくして父親の遺品の中から事件に使われた脅迫テープを見つける事になるテーラーの男性。
テープを見つけてしまったことで、突然当事者になるテーラーの男性の戸惑いと、今更、昔の事件を蒸し返して何になる?新聞記者としての矜持が何だ・・・という新聞記者の様子。事件に向かう温度差がリアルだ。
ただ、新聞記者も少しずつ事実が明らかになるうちにエンジンがかかってくる。そのあたりもマスコミとしてはリアルな姿なんだろうと思わせる。
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私が社会人になりたてだった時に起きた「グリコ・森永事件」。当初、グリコが標的になっていた時には関西での出来事と思っていたのだが、その後、森永製菓が標的になり、森永の社員が新宿のアルタ前で自社製品を直接売っている姿を見た時は事の大きさを実感した。当時、メーカーが販路を無視して直接販売することに色々意見もあったようだが、私も思わず1000円程度の詰め合わせを購入したりした。更に森永のグループの系列会社は、各種関係会社に森永製菓の商品詰め合わせなどの購入依頼も積極的に行っていて、私の勤務先にも各種つてをたどって購入依頼の用紙が回ってきたりした。
映画はフィクションと判ってはいても、見ながら当時の事を段々と思い出し、なんだか不思議な気持ちにもなる。当時の思い出に引きずられてしまい、この映画の本質的な話をキチンと感じられなかったかもしれない。これは私の個人的な事情によるもので、映画のせいではないのだが・・・・
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キャスティングにとても気を遣っているのが伝わって来た。(当時の証言を行う役で出演していた正司照枝、桜木健一・・・リアルなキャスティングだなと思う・・・)
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