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毒薬には解毒剤が付き物だ。
「結局皆世界を救うことを考えずに、自分や自分の家族を助けようとするんだ」と、妙に格好をつけて自分のやっている事の正当性をとうとうと述べるシグマだが、ソヘを助けたいテスルに神経質そうなシグマに付き合っている暇はない。(なんと取締局の局長もシグマの言いなり。あの元警察官がソヘを逆恨みするように仕向けたのも、このシグマの指示だったことが分かる。)
ソジンことアグネスを連れ出し、解毒剤の処方を確認するテスルは、眠った状態の彼女に解毒剤を打っても効き目はないという事で、時空間を彷徨っているソヘを助けるために自分も同じように時空間に行くこととなる。
2020年に戻った状況で注射をするのが効果があるということらしいのだが、なぜかなかなか2020年にたどり着かない。ソヘの過去だけでなく、交通事故の救助作業中に亡くなった両親。兄弟二人残されるも、一番身近な親戚から詐欺まがいの行為を受け、兄がアルバイトをすることで幼いテスルは勉強を続ける事が出来たのだ。しかし兄が「ここには俺たちが知らない人間がこっそり忍び込んでいる」と言い出した事で、兄を疎ましく思うようになるテスル。
自分が兄にどんな仕打ちをしたのか、ソヘを助け出しに来たはずなのに、自分の辛い過去を思い出す旅をすることになるテスル。
更にいよいよ時空間から抜け出す段になって、2本あった注射の内1本が破損してしまっている事に気づくのだ。ソヘだけに注射を打ち、彼女だけを本来の2020年に戻したテスルの前に現れたのは兄のテソン。。。
「俺は見つからないところにいる」とテソンが言っていたのは、彼も時空間を彷徨っていたからなのだ。
兄のおかげで戻って来た事を喜んでいる場合ではない。
シグマが、「覚えているか?」と自分に問いかけた事から自分とシグマの接点を探そうとするテスルは、発明家らしく最新機器を駆使してシグマの描いた絵を検証。壊滅的なソウルの様子を描いた下に隠された画を見つけた彼は、その絵を自分の小学校のアルバムの中で見た事があるのを思い出すのだ。
自分の通っていた小学校でシグマになる前の彼、同級生だった彼の事を思い出すテスル。
苛めの対象になっていたシグマは、テスルが自分を助けてくれた事から彼に憧れ、更にはテスルがいじめっ子を退治するのに使ったナトリウムと水の化学反応を使い、自分を苛める父親を亡き者にするという小学生とは思えない行動をとっていたのだ・・・「僕が絵に描いた事は本当になるんだ」と未来を預言するような言葉を発していた彼・・・・
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「未来は変えられる」というソヘの言葉を聞きながらも、自分にはそれが出来ないことを悔やむパク社長。ソヘが未来をそして過去を変えられたのは、彼女が直接手を下した事ではないことばかりだ。第三者に手を下された事を阻止すべく行動した事によって、出来事が変わっていったのだが、パク社長の場合は、過去の自分が行ってきた事を後悔しているのだ。自分で自分の行動を変えることは出来ない。過去の自分に近づきすぎればねじれが起こる・・・彼に出来ることは少ないのだ・・・
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テスルの運転手を演じていた、大きな身体のテ・ウォンソク。彼が戦争後の未来を生き抜いていた事が分かる。あれだけの出番では残念だと思っていたのだ。どんな風にして生き延びたのか。
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私は面白く見ているが、韓国のネットでは「ストーリーに蓋然性がない(韓国ネチズン達はこのフレーズが割と好きなようだ)」や「主役の二人の演技を見たいから、とりあえず見続ける」と言うニュアンスの書き込みが目に付く。
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