パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

新城の薪能

2015年08月23日 09時32分42秒 | 徒然なるままに

上演演目が「羽衣」ということで
少しばかり興味深かった新城市の薪能

古代史とか秦氏関連に「羽衣」伝説が何故か多く扱われていたり
 松本清張の「Dの複合」にも個性的な解釈が紹介されたり
(浦島伝説の間違いかも知れないが)
また、ドイツに旅する前に勉強したNHKのラジオドイツ語のテキストに
「羽衣」が出たりして、なにか縁があるような気がして
文化会館に出かけた
 

「羽衣」が始まるのが18時ごろ
19時から予定は入っていたので、全部を見ることはできなかったが
しっかり楽しめた

始まる時間に着いたと思ったが、舞台で始まったのは
狂言「棒縛」
呑兵衛の太郎冠者と次郎冠者が主人の留守の間に
お酒を飲んでしまうので、主人が知恵を働かせて
二人を縛り上げて安心して出かけたのだが
呑兵衛は呑兵衛で必死、、なんとか飲もうとする
そのやりとりがバカバカしくていい
そして結局飲まれてしまった主人も二人を
コラッと追いかけるだけで終了

こうしたのんびりした話は、
これを作った人の心の余裕を感じてしまうし
これを受け入れておおらかに笑いとばす大衆も
幸せな状況だったのだと感じずに入られない

さて「羽衣」
素人が演じる新城市のお能は本町の方が中心となって
富永神社の祭りと絡めてずっと継承されている
ワキに本町に住む市議会議員が登場
彼の別の面を見ることができたが身長が大きくて
なかなか見栄えは良かった

能が面白いと感じたのは2年前の富永神社で見た時が最初
まず気に入ったのが鼓と笛 この音色が気に入った
笛は静寂を切り裂くような、アドリブのような説明的でない音
鼓は叩く場所を変えるだけで音色の変化が激しい
それに唄、間の手も加わって全体として熱気を帯びたものになる

残念ながらこの「羽衣」をみて、他のお能の演目と
区別がついたかどうかは自分は自信がない
同じように見えてしまう 
それほど見る目がまだ出来ていないということだが
でも感ずることはあった(連想することがあった)
それは 武満徹の音楽のこと

武満徹の緊張感に富んだ独特の音色は
ここから来ているのかもしれない
なんの根拠もなく、そしてなぜか間違いないかのように
思ってしまった 

「能」を次に見るチャンスは富永神社のお祭りの時
楽しみ! 

 

コメント
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