これからは地域課題の解決は、首長や議会が決めて、住民に理解を求めるというパターンだけではやっていけないだろう。住民が議論して、ある程度議論して、最後は首長や議会が決めるという、新たなパターンでやっていく必要がある。これは議会の役割が減少したというのではなくて、立ち位置が変わってきたということであり、政策決定を地域に議論を委ねれば委ねるほど、議会の役割は、重要になっていくと思う。
これは新城市のかかわり合いの深い松下啓一氏のブログからの一部
住民投票を終えた時点で、この様になっていく(なってほしい)と思われたが
現実はどうか
時間がかかってそのうちには、と楽観的に考えることもできるが
システム上の問題がある
それは市民と議会との情報格差
最近は一般市民でも市議会議員と同じくらいの情報を
インターネット等で得ることができる
しかし、それは明らかにされた情報、公にされた情報
現実には議員は市民の知らない新しい情報、詳しい情報を
いち早く知ることができる
市民が知ることができるのは、議員たちが決めた後のこと
それをあれこれいうことはできるが、ブログの文章にあるように
住民が議論して云々にはならないのが残念ながらの現実
新城市の浅尾議員のブログから時々、市議会議員しか知り得ない
情報を得ることができる(例えば産婦人科開設の計画などがあった)
また別の市会議員からのFBからでもやはり市議会議員しか知り得ない
情報を手にすることができる
公表の是非は今は横において、その彼らしか知り得ない情報のうち
市庁舎がらみでは
まず、実務協議で求める会と市側が合意に至ったという進入路の問題
これはスイッチバックで入ることで進めることになっていたが
8月初旬に行われた市長から議員に対しての説明会で、この方法は公安が了解しない
と伝えられた事実がある(この情報は浅尾議員からのものではないが)
この情報は実務協議会にも傍聴に来なかった議員さんにも伝えられたが
当の当事者の求める会の実務協議会の出席者 太田さんには知らされていなかった
その後太田さんも知ることになり、再度この情報を確認したところ
実は公安(警察)も進入路については大手門方向から入るのが
他の候補案よりも安全であると認識しているようで
検討見直しということになっているらしい
一番肝心な人に情報が伝えられず、議決権を持っているだけ(?)の
議員さんにはまだはっきりしていない情報を拙速に伝える
どうもしっくり来ない
話は変わって、8月27日に市議会議員の全体協議会というものが開催される
ここで何が話されるかといえば、当然の如く庁舎見直しの件であることが予想される
そしてその具体的な内容は
市議会場についての問題(これは浅尾議員のツイッターからの情報)
予想するに市議会場を新庁舎にいれるかどうかを問う事になりそう
この議場の場所については実務協議では具体的に話されていない
求める会は住民投票の中で東庁舎の活用を訴え、当然議場はそのままの
前提でいたのであえて言葉にしなかったかもしれないが、
実務協議で交わされた内容は、
東庁舎の活用はできるだけ市民に負担の無いように
市民の接触の少ない部門を配置するのが望ましいというのが求める会の要望
(当然市議会場は東庁舎と判断している)
その具体的な方法については市の判断に任せる
としたのだが、市側はこの 最後の部分を採り上げて
「市の判断に任せる」だけを認識した旨が合意内容を表記したものにも
感じられる
実務協議で市側からは何の提案もなかったが
今度は市議を前に市議会場の提案はある
そしてその市議というのが、住民投票で3人を除いて
民意とは異なった意見を下した人たち
その人達にまた議場の(多分入る場所)ことを審議させる
この人達の判断が民意と離れていたということを
総括もしないうちに(発表されないうちに)この人達に
判断を仰ぐ
この方法・段取りで本当に良いものか
この方法で市民の合意は本当になされるのか
新城市の将来に対する不安は、
日本各地で見られる人口減少、財政状況から
くるといった漠然としたものと言うより
この様に「結局は数」で推し進めようとする 政治方法にあるのではないか
と、ここまで書いて、朝ごはんで一休み
そのあと中日新聞を読むと駐車場について
進展があった記事に紹介されている
現庁舎と体育館側土地と車で行き来できるような
地下の道路を設ける計画がある
と掲載されていた
実務協議で市側からなぜこうした現実的な案が
その良し悪しは別として出なかったのか
また、市長の言葉として「議場は 東庁舎」と考えている
旨の記事もあった
しかし、疑り深くなってしまっている偏屈な自分は
市長はそのように公言しても
議会(議員)がやはり新庁舎にと希望すれば
それに従うしかないとなりはしないか
と考えてしまう
まして住民投票の活動は市長と市議会議員15人が
同じ立場に立って闘っている
市長は自ら言葉を発しなくても議員さんが
意図を読んで活動してくれる
そんなことになっていないか
現実的なことを言えば、市民は市長・市議を選ぶことしかできない
市民は確定された情報しか得ることができない
一旦選ばれてしまった議員は「議決を守れ」「議会の責任」とは言うが
自分の選挙の際のマニフェスト、公約を変更してもその理由を
説明していないし、それを悪いと思っている節もない
(庁舎見直しについて市議会選の時は求める会側だった人がいる)
そしてどの地方でも見られるように、市議会での行政からの議案についての
可決率はほぼ100%に近い
議員と市長は別々に選ばれて互いに違う立場で
活動すべきなのが、今は議会はチェック機関ではなく追認機関になっている
これは新城市だけではなさそうだが、いざ今回のような問題が起きてしまった場合
その機能としてのあり方に関して疑問が湧いてくる
本当は市議会の存在を感じさせないような
市の運営がなされているのが望ましい
(中国古典の堯のエピソードのように)
市民が日々市議会をチェックしてまともに運営されているかを
確認し続けることは、現在においては残念ながら自衛の作として現実的なものとなるが、
それにしても、なんとかならないな市庁舎の見直し!
もっと普通に、政治的な意図とか戦略など関係なしに
誰もが納得できる方法で、納得できる結論を導く方法はないものだろうか