パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

放ったらかしの理由

2022年07月25日 09時05分52秒 | あれこれ考えること

新城市の小中学校の給食室の老化は、なぜ放ったらかしになっていたのか?
を疑問に思ったことがあって、いろんな人に尋ねてみたが
それらの結果より、実感として「これだ!」と思えるようになったものがある

田舎に住んでいると、地域の役目は順番にやってくる
区長さんや地区総代とか生活環境委員とか
一生のうち一回はやらなければならないことが回ってくる
今年度その中の一つが自分に回ってきた
10年ほど前に大きな役わりを終えているので、今度が最後のお役目になりそうだが
その役割というのは、地区のお祭り関係の仕切りだ(単なる連絡係ぽいが)
お祭りといってもみんなが知っていて、盛大に行われるというよりは
昔からの人は知っているが、新しくこの地区に来た人は全く知らないよう祭りで
祭り当日に現地に来る人も僅かだ

その祭りの会場の稲荷さまの本堂は随分昔に建てられており
現在は屋根に木が生えて、雨漏りはするは建物は傾き
出入り口や引き戸の開け締めは相当な力を要する

特に雨漏りは悲惨で、よく降ったあとに出かけると
ビニールシートを敷いた床にはしっかり雨が溜まっている
ビニールシートは雨漏り対策の一つだが、
とにかくどうしようもないほどの状況なのは明らかだ

とりあえず、雨の翌日はビニールシートに溜まった水をかき出しに出かけて
締め切った本堂の空気の入れ替えをしている
だが、実感としてそれらは対処療法に過ぎず、
もう根本から考えねばならない時期にきていると思われる

根本からというのは本堂を改修するのか、解体するのかという問題で
本堂はこのまま放ったらかしにしておいても自分の年は何とか
前年並みにできるかもしれないが、次の年、また次の年にこの役目を担った人は
頭を痛めるだろうことは容易に想像がつく

こうした雨漏り等の問題に、なぜ今まで具体的な対策がされていなかったか?
というのが、今回関連して気づいたことの一つで
たとえ問題が目の前にあったとしても、わずかばかりの(自分の)任期の間に
面倒くさい判断や作業をするのは避けたいと思うのは人に常ではないか
ということだ
とりあえず、任期期間のうちは前年と同じようにできそうと思った担当者は
問題を保留にして、とにかくその年だけをやり終える

給食室の老化を感じている担当者は、真面目に考えればなにか手を打たないと
問題はクリアしないことは分かっている
だが、そのための予算とか手続きとか、、、、諸々の面倒なことは
自分の任期期間に行いたくはない
そんな風に思うのは、その人が横着というより
普通の人間がつい思っていまいそうなことだ

稲荷様の本堂の老化を問題にしなかったのも
給食室の老化に手を付けなかったのも
どうやら夏休みの宿題を最後の最後まで残しておくことが多い
人間ゆえの、どうしようもない傾向のような気もする

人間は真面目な人ばかりがいると円滑に回っていきそうだが
どういう訳か、ある一定数はそうでない人が存在する
何年か前に出版された「働かないアリには理由がある」
という変なタイトルの本があったが
みんながみんな同時期に真面目に行動を起こすことは
実は持続可能な種族保存にはふさわしくない
と言ったような内容だったと記憶している

世の中はこうして気づいた人が貧乏くじをひいて
何かを進めていくしか手はないのかもしれない

コメント
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