面白い本の(自分の)定義は、もう一度読んでみようと思わせるものとしている
だが面白いと感じるのは年齢によって違う
昨日読み終えた面白い本は、もっと若い時なら面白いと感じなかっただろう
途中ワクワクしながら、読み終えたらいつかもう一度読み返そう
付箋を付けておけば良かった と実感したのが
「江戸の憲法構想」日本近代史のイフ 関良基著
イメージ的には議会政治は明治維新によって達成されたと思われているが
実は江戸時代にも庶民も参加しうる議会制度を考えた人たちが何人もいたことが記されている
ただし、幕府側の提案する議会は幕府の重鎮や徳川家を中心としたものなので
武力に依る倒幕を掲げた長州の連中には評判が悪く、結果的には採用されず
内戦となった戊辰戦争を引き起こすことになった
もし、内戦がなく議会制度が達成されていたら、その後の国家神道や軍国主義的な
広がりはなかったかもしれないとしている
一万円札の渋沢栄一は徳川慶喜に抜擢された人物だとなにかの本で読んだ
彼は「論語と算盤」というものを残し、朱子学の要素を大事にした思想の持ち主だったが
書名は有名だがその影響はあまりなかったようだ
明治時代に一気に庶民の教養や知識が拡大したとイメージ的にはあるが
江戸時代の寺子屋は一人ひとりの個性を伸ばす教育がなされたとあり
思い込みのような江戸時代の理解は間違いと実感した
この本は最初は江戸時代にも憲法についての様々な試みがあったことを
紹介しているが、途中からはそこから離れて一種の文明論とか認識論とか
司馬遼太郎・丸山眞男へ批判までも挿入されている
つまりはいくつもの要素が混在し、読んだばかりの今は頭の中が整理されていない
何かが頭に定着するにはもう少し時間がかかると思われる
ただ、印象に残っているは面白い本だということ
個人的には、こう言う本が日本でそれなりに売れて、読まれるならば
日本の世の中はもう少し良いものになるような気がしている
毎年エクセルを使ってPCに残している「今年読んだ本」の評価
この本の評価は優としている
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