辰巳ジャンプは「ボトムアップ指導法」を実践する数少ない小学生バレーボールチームになります

先週は練習を休みにし、京都まで日本体育協会指導者資格更新研修に日帰りで行ってきました。(写真は京都タワーから見た京都駅)

京都までの日帰り強行研修を組んだ最大の理由は、以前から私の関心事だった池上正先生(京都サンガ)の講演を聴きたかったからでした。研修では池上先生の「子どもたちに考えさせ、子どもたちに決めさせる」という指導方法に大いに共感しました。この研修に参加したもうひとつの目的は、広島県安芸南高校サッカー部監督の畑喜美夫先生の「ボトムアップ指導法」を学ぶことでした。畑先生は、この指導方法で強豪ひしめく高校サッカーの日本一を勝ち取っています。私がわざわざ京都まで足を運んだことは大きな意味があって、この研修受講の結果、辰巳ジャンプの指導方針を大変革することにしました。

まずは写真をご覧ください。

この写真は畑喜美夫先生が指導し、2006年インターハイで日本一なった広島観音高校サッカー部の荷物です。「勝利の神は細部に宿る」という考え方からこうした荷物指導をされている。それも「こうしなさい」とは決して言わない。問いを投げかけ、子どもたちに考えさせ、自ら行動できるように仕向けている。心を整え、人間力を磨き、日常生活全てで強くなる。良い習慣は良い結果をもたらす。このような考えから荷物指導が行われているそうです。

辰巳ジャンプでもさっそく教育実践開始。
今日の新チームの子どもたちの荷物は、私が体育館に行った時に、この写真のような状況でした。

そこでミーティング開始。まずは観音高校の荷物写真を見せる。

私からの問いかけ。
「この写真を見て、感じたことを発表しましょう。」
子どもたちからの意見。
「荷物がきれいにならんでいて、すごいと思いました。」
「私たちの荷物はいつもきたないと思います。」
「こういう荷物の置き方をするチームの方が強いと思います。」
写真を見せただけで、いろいろな気づきが生まれます。

私から、
「どうしてこの写真を見せたんだと思う?」
子どもたち。
「荷物をきれいにするためです。」
「荷物をきれいにできれば、他のチームもビックリすると思います。」
私。
「では、5分間時間を取るから、今自分が感じたことを行動にしてみよう。」
子どもたちは、「はいっ!」と返事をして行動開始。
その後、私が何も指示しなくても、荷物がこの写真のようになりました。

小学生の真っ直ぐな心というのは高校生以上だなと感心しました。

「さて、今は気持ちが切りかわったから荷物がきれいになったんだけど、これを3週間続けることを宿題にします。家でも荷物をきれいにすることを毎日やって、3週間すると習慣になります。楽しみにしているからね。」
保護者の皆さん、家の中までは私に分かりませんので、子どもたちが宿題を忘れているようでしたら、広島観音高校の荷物写真を見せてあげてください。


続いて、「ボトムアップ指導法」へ井上の指導が変わることを理解してもらうためのミーティング開始。
辰巳ジャンプは大人が「ああしろ、こうしろ」という「トップダウンのチーム」から、選手が練習や試合のすべてを考えて決め、私の承認を仰ぐかたちの「ボトムアップのチーム」になることを、いろいろな例え話をまじえなから説明。
「自分達で、今やらなくてはいけない練習を考え、『先生、こういう練習をする必要があるので、こういう球出しをお願いします』と言えるチームにしていこう。」
と投げかけ、意見を聞いてみると、子どもたちの声はこのような感じ。
「たしかに、自分達で練習を考えてやってみる方が面白そうです。」
「その方が私たちは強くなれそうです。」
「私たちで考えて練習すれば、バレーボールのことがもっと分かると思います。」
まとめとして私。
「このボトムアップ指導法は、小学生バレーボールチームではやっているチームを聞いたことがない。これからまずは1年かけて、辰巳ジャンプが実験をしていきます。そして、1、2、3年生で3年間かけて試してみます。日本では見たこともないチームになっていくと思うよ。」

主体的な意識になった子どもたちの行動はさっそく向上しました。自分達で筋トレをしなくてはいけないと決めたので、今までやったことのない「腹筋50回」にも挑戦しました。これまで私から言われてメニューをこなしていたトレーニングへの態度とは明らかに違いました。

「ボトムアップ指導法」
興味をもった指導者の方は、ジャパンライムサイトの「指導者.COM」にリンクしましたので、ご覧ください。
進化するボトムアップ理論

畑喜美夫 NO3~ボトムアップ理論~


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