地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第五ヤンゴン熱鉄記 (20) 近郊客レDF1221

2019-01-11 12:00:00 | ミャンマーの鉄道


 インドネシアに続いてヤンゴンでの御勤務も既にそれなりの時間となられ脂が乗っておられた落花生。様が、このたびついに東京本社への帰朝の辞令を受け取られたとのこと。ヤンゴン訪問時に大いにお世話になりましたことにつきまして、この場ながら改めまして心よりお礼申し上げます m(_ _)m そして、落花生。様の会社はこれからしばらく、皆様もご存知の諸事のため、全社を挙げて激務続きとなりますが (このため、果たして落花生。様の後任人事が充てがわれるのかどうか?)、すでにミャンマーのほとんどの路線を制覇された落花生。様でいらっしゃいますので、多忙を縫って名著『インドネシア鉄道の旅』に続く『ミャンマー鉄道の旅』を刊行されることを今から熱望したく存じます。



 それはさておき、落花生。様のブログを拝見しておりますと、日本の全面支援で行われているヤンゴン環状線改良事業は、客が少ないミンガラドン空港周辺部の一時全面運休や一部区間の暫時単線運行を伴いつつ結構集中的に進められているようで、既に完成した区間のレールは、まるでタイやインドネシアかと思うような見事な高規格路線 (?) となっています。真っ直ぐな重軌条、分厚く盛られたバラスト、その上を滑るように走るキハ38……夢じゃないかと思います。その一方でダニンゴン駅は相変わらずの線路市場。一時的な列車減による混雑の悪化と合わせて、まさに過渡期ですね……。

 というわけで、私自身は一昨年の3月以来足が遠のいてしまっているのですが、とにかくミャンマーは思い立ったが吉日。しかも、現在は当面1年間の予定での観光ビザ免除中です。今後は多くのDCが標準色の赤クリームツートンになって行くでしょうし……皆様、行きたいと思った今がまさに行き時ですぞ!! (まあ私の場合、ヤンゴン環状線の減量ダイヤが終了し、ツートンと日本色の混結がもっと増えてカヲスになったら久し振りに行きたいかな……と)。
 そんな中、騙されたと思って注目しておくと良いと思われるのが、ボロ客車による客レです。電気式DCが大量に入ることで、一気に老朽廃車となるか、地方に転出することが予想されます。一応、罐の方は時速60~70kmくらい軽く出ますが、今のところキハ40系列と同じスジに乗れているのは、そもそも駅間が短く寝たスジになっているからです。これがもし、最低でもカミンズエンジン搭載キハ40系列でなければ乗れないスジになるとしたら……。日本中古DCも良いけど、ボロい客レの金属質な走りもなかなか良いものですぜ、旦那!
 ヤンゴン界隈客レを撮った画像のストックは 膨大にあるのですが、最近は材質の悪いラッピングをベタベタ貼った車両が多いのがどうも良くない。というわけで、美しい白罐とラッピング少なめ編成の組み合わせをお楽しみください。。

第五ヤンゴン熱鉄記 (19) 仙台色日緬友好

2018-11-01 16:16:00 | ミャンマーの鉄道


 些か旧聞に属するかも知れませんが、去る10月からミャンマー政府が日本人観光客の1ヶ月以内のミャンマー訪問に対してビザを免除しています。私が初めて訪問した2013年にはビザ代は30米ドル+手続費だったところ、免除直前には50ドル+手続費というトホホな金額になっていましたので、これは短期の鉄ヲタ訪問にとっては朗報と言えましょう。当面1年間の試行で、1ヶ月以内に出国する航空券を所持していること (→何ヶ所かで陸路入国可であるものの、出国は航空機に限る) という条件はありますが、末永く定着して欲しいものです。



 というわけで、早いもので1年半以上前の撮影となってしまいましたが、5回目のヤンゴン遠征時の画像がまだまだ大量にありますので、少しずつアップして参ります。今回は、先述の目出度い話題にちなみ、日緬友好ステッカーつきの仙台支社色キハ40・48です♪ 就役してからまださほど時間が経っておらず、結構美しい姿の5連……来れば悩殺モノで大フィーバーだったのを思い出します。
 それにしても、そろそろヤンゴン環状線の大改良工事 (日中の減便を伴う) も結構進み、日本製の電気式DCも第一陣が出来る頃合か?と思うのですが、え……まだまだ? 当面は様子見が続くのでしょうか。ともあれ、ヤンゴン近郊のローカル列車が現行通りに日本中古DCとミャンマー・オリジナル客レの二本立てで運行される状態が今後も永く続く保証はないですし、電気式DC導入後もしばらく残るキハ40系列が現行の仙台・東海色を保つという保証はないわけですから、まだの方はお早めにどうぞ〜、といったところでしょうか。

第五ヤンゴン熱鉄記 (18) ロングシート札沼

2018-09-06 23:23:00 | ミャンマーの鉄道


 本日北海道で発生した大地震につきまして、心よりお見舞い申し上げます。
 最近やけに天災が多い日本列島、明日は我が身の備えが大事ですね。



 というわけで、北海道はここしばらくご無沙汰であることから、ヤンゴン環状線の通勤輸送で活躍する元急行用キハ400・480をロングシート化した札沼線キハ40・48編成を貼っておくことにします。ヤンゴンで冷房車だった頃は、どうしようもなく効きが悪いやっちゃな……と苦しめられたいう経験がありますが、非冷房化されてからはその心配もなく、鈍足なくせにグログロとエンジン音が高らかに鳴り響くのは良いものです。

第五ヤンゴン熱鉄記 (17) 栄光の (?) 1/2レ

2018-07-29 00:00:00 | ミャンマーの鉄道


 先日のパクアン急行様を囲む宴では、インドネシアで新たに豪華客車を連結した「アルゴ・ブロモ・アングレック」が、1レ・2レに相応しい風格を取り戻したということで大いに注目の的となりました。如何せんブロモ・アングレック専用の下ぶくれボディ客車は、INKA最新客車と比べれば大いに見劣りするのは否めないところでしたので、なおさら、ということでもあります。
 そう、いやしくも鉄ヲタたる者、それぞれの国を代表する1レ・2レたる者、それに相応しい風格を保って欲しいものだと切に願うものです。既に1レ・2レが消えてしまった日本では、のぞみ1・2号の1A・2Aがその栄光を代表している……のでしょうか? しおかぜ・しらさぎ・スーパーあずさ・スーパー北斗、それぞれに1D・2Dや1M・2Mを名乗っていますが、重みは如何ほどに……?



 目を外に向けてみますと、1レ・2レが如何にもそれらしい座にあるのは、ロシア・シベリア鉄道のロシア号でしょうか (個人的には、ウラジオ〜モスクワ間鈍行の901・902レに憧れたものですが。爆)。北朝鮮の1レ・2レは平壌〜恵山間の運行ということで、金日成が抗日パルチザンとして白頭山麓に立てこもったという伝説にちなんでいます。中国の1レ・2レ(現在はT1・T2)は北京〜長沙間の運行ということで、毛沢東の出身地にちなんでいるわけですが、まぁ中朝両国は革命的に勝手にやって欲しいところです。今や中国のT1・T2は高速鉄道や他の同様の特快クラスの列車の中に完全に埋没し、特異なところがあるとすれば「紅色列車」の牌子を車内に飾っていることでしょうか (乗務員は全員優秀な共産党員で、サービスも中国国鉄の中では極上、ということ。他にも特快クラスはだいたい「紅色列車」「共青団号」だったりしますが)。
 台湾の場合、むかしはキョ光11次、台東発台北経由高雄行きというハードコアな列車がありましたが、今やキョ光は500番台の列車番号を与えられる急行列車的存在に転落……。自強101次は台中発高雄行き、プユマ111次は南港発潮州行き……という感じですが、まぁ速いですけど昔のキョ光号のようなシブい重みはないですわな。総じて台鉄には、列車番号への思い入れというものは余りなさそうです。台湾はある意味で日本よりも合理主義的な国ですし。
 東南アジアの場合、タイやインドネシア、そしてベトナムは代表的な特急に1・2を付けるという、スタンダードな選択をしているようです (ベトナムはSE1/2)。タイの1レ・2レはバンコクとチェンマイを結ぶ「ナコンピン号」で、今や中国製最新ステンレス車を使用しています。いっぽうミャンマーの場合、1レ・2レは決して速くなく、編成的にも他の速い列車と比べて見劣りするようです。ミャンマーの場合そのココロは、植民地行政 (そして独立後の行政)に必要な文書を運ぶ列車=Mailだからなのでしょう。
 というわけで、さらに細かく各国それぞれの1レ・2レを考察していると、それ自体が各国の近現代史そのものであるということが分かります (笑)。しかしまぁ、混合列車としてここまで濃いぃ風貌の1レ・2レは、世界広しといえどもミャンマーの他にあるのでしょうか?

第五ヤンゴン熱鉄記 (16) 緑青の新中華

2018-07-26 06:00:00 | ミャンマーの鉄道


 一昨日のパクアン急行様を囲むタイ料理の宴では、当然のように話題がミャンマーにも及んだのですが、「ヤンゴン環状線の電気式DC投入は将来の完全電化に向けたプレゼントなのだろうけど、如何にも取って付けたような案件で、しかも第三軌条でなければ建築限界の低さからしてムリだろう。フィリピン国鉄がINKAから購入するPP通勤客レ、あれは結構良い感じではないか。でも日本のメーカーや鉄道会社はEMU・DMUに集中し過ぎて、海外の動力集中式車両の細かいニーズに対応出来ないんだよなぁ……。そこで中国中車が東南アジアでも大きな存在感を見せるのは、口惜しいけれど当然だ」というぼやきも共有されたのでありました。



 一方、昨日の日経新聞によりますと、2011年の民政移行後のミャンマー投資ブームは、諸制度の整備が発展途上であることに加えてラカイン州の問題などもあって当面下火になってきたようで (私が初訪問した2013年頃のグラフの傾きがやっぱり凄い)、思ったほど中間層が生まれていない中、雨後の筍のように現れた航空会社のいくつかが運航を停止したほか、鳴り物入りで建設が決まったハンタワディ空港も今年に入って無期延期とか……。ヤンゴン環状線の電気式DC投入経験をもとに、バゴー及びハンタワディ空港への近郊輸送にも電気式DC を投入することになるのかとワクテカ予想していた私の見方は甘かったようです。ま、世の中何事も一進一退ですな……。
 というわけで、そんなミャンマーのインフラ整備は、1〜2年前に思ったよりもまったりとした速度で進むことになりそうですが、何事もとりわけ日中のつばぜり合いとなる中、こと罐に関しては中国の独壇場となるのでしょうか? 少しずつ増える緑+青のChinese Trainの画像を眺めていると、そんなことを思ったりします。画像は、マンダレー最速急行に続いてChinese Trainが投入されたピィ急行です。