地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

哀愁の北京北駅 (2) 東風4型

2005-09-29 19:03:49 | 中国の鉄道


 北京北駅に出入りする列車は全て客車列車または貨物列車ですので、頻度は必ずしも高くないですが、列車が到着するたびに機回しをする光景を眺めることが出来ます。まあ機回し自体は、まだまだ動力集中式が圧倒的な中国国鉄ではどこでも見られるものですが、北京北駅は緑に囲まれたヘロヘロな末端駅ですので、これがまた絶品なのです (^^)。
 特に、北京北駅に出入りする機関車の主力は、「中国版DD51」とでも呼びうるほど量産されて非常に一般的な「東風4型」(但しこの機関車は電気式DLですので、液体式のDD51を例えに用いるのは完全に正しいわけではありません ^^;) ですが、最近はオレンジに塗装変更した車両も多い中、ここではダークグリーン塗装を堅持した車両ばかり! そういうわけで、1990年代前半までの中国国鉄の暗くて冴えない (^^;) 社会主義チックな雰囲気を、駅と機関車の両者が大いに演出していることになります。



 さらにしばらくの間、何か動きがないものかと駅の周りをブラブラしていたところ……「青年文明号」が堂々御登場! (^^)
 この「青年文明号」というのは列車名ではありませんで、中国共産党の下部組織である「中国共産主義青年団」に所属している機関士の中でも、とりわけ模範的な機関士が担当しているDLが掲げているHMです。赤い団旗をあしらったHMは決して趣味が良いわけではありませんが (^^;)、こういうスペシャルなものが来たら「当たりだ」と思わなければやっていられません、こんな国 (笑)。あ、少なくとも模範的存在なので、この手のHM (他には「青年号」「先鋒号」「共青団号」などがあり) をつけた列車であれば、安全運転の信頼度は非常に高いです。また、客車の中に「紅旗列車」「文明列車」などの掲示があれば、その列車は革命的雰囲気、もとい良好なサービスを期待できるでしょう。(ということは、その掲示がなければ、逆の事態……もあり得ます ^_^;)

哀愁の北京北駅 (1) 内モンゴル縦断列車

2005-09-26 23:38:15 | 中国の鉄道


 しばらく中国、しかも鉄道が未開通の地域に出張していたもので、このブログも更新をお休みしておりましたが、新ネタを持って帰って来たこともありまして、ぼちぼち紹介してみたいと思います。その新ネタとは、中国への出入りの際に時間を見つけて訪れた、北京の超Deeeeep鉄スポット・北京北駅の様子です。
 最近はネット上で「中国鉄」という言葉があるように、中国との往来が頻繁になるにつれて中国国鉄への関心が一部の日本の「鉄」の間で高まりつつあるようです。特に、辛うじて残るSLなり、最新型の巨大機関車が牽引するカラフルな長距離列車に関心が向けられる傾向があるような気がしています。しかし、むかし学生の頃に中国貧乏旅行で非冷房・ダークグリーンの如何にも「社会主義チック」なポンコツ車両に乗りまくった、いや、寝台車の切符が常に売り切れで他に選択の余地がないので乗って忍耐せざるを得なかった (-_-;) 私としては、あれほど「乗りたくねぇ~!」と思ったダークグリーンの「人民列車」に、貧乏旅行をするヒマがあった頃の思い出を重ね合わせてしまいまして、その姿を追い求めたくなってしまいます (^^;;)。
 ただ、中国を代表する巨大駅として偉容を誇る北京・北京西の両駅から発着する列車のほとんどは、ここ10年ほどのあっという間にクーラー付きのカラフルな列車になってしまいまして (もちろん、僅かながら非冷房列車の発着もあります)、古き (しかし「良き」かどうかは分からない) 中国国鉄の姿をしのぶという目的は果たせません。ではどこに行けばよいか……ですが、北京からそう離れていない河北・河南・山西・内モンゴルの、間違っても豊かとは言えない地域の人々が出稼ぎなどで北京に来た際に利用する北京南・北京北駅がオススメ。この両駅に来れば、テレビで見かける「中国の猛烈な発展」なんてインチキだ、矛盾だらけだ!と確信できるほど哀愁漂う光景とともに、ダークグリーンで非冷房なぶん運賃が激安な「人民列車」が発着する光景を目の当たりにすることが出来ます。ありふれた北京観光などよりも、こちらの方が余程印象に残ることは間違いないでしょう……(マジで)。
 で、私は以前北京南駅のほうを利用したことがありますので (^^;)、今回は未訪問だった北京北駅を訪れてみました (今回泊まったホテルからすぐだったもので……)。この駅は、最近開業した地下鉄13号線と既存の地下鉄1号線 (環状線) の乗換駅として猛烈な勢いで再開発が進み、如何にもバブリーな雰囲気の人々が行き交う西直門駅のすぐそばにあり (と言いますか、北京北駅はたしか90年代に改称されるまで西直門駅でした)、一見超一等地の最高に使い勝手が良い駅のようにも思えます。しかし、必ずしもそうではないのが中国でありがちなパターンでして (^^;)、北京北駅のある一隅だけは時間が止まったような雰囲気……。古びた駅舎、草深い線路、麻袋を担いだ列車待ちの農民、そして彼らを待ち受ける安食堂……。



 そんな北京北駅を発着する主な列車は、途中北京に寄り道しながら内モンゴルを縦断する2往復の列車 (ハイラル~包頭快速[中国での「快速」は、最高速度が遅い特急のこと]、及び通遼~フフホト急行) です。どちらも、さすがに「かつての中国国鉄といえばコレ」というほどの勢力を誇った悪名高きボロ客車・22系 (ソ連からの技術供与を受けて1950年代末から90年代頭まで延々と大量生産されたコルゲートつき客車) ではなく、90年代以後の車両である25系客車になっていますが、とにかくクーラーがなく、ダークグリーンがどうしようもない哀感を誘います。朝方、北京北駅に寄り道したフフホト行急行の発車シーンを駅の北側の踏切付近 (と言うか……別に遮断機や踏み板などはなく、常に人が線路を跨いで往来しているからそこが踏切、というだけの場所 ^^;。ちなみに、中国国鉄では線路に人が入り放題です ^^;;;) から撮影してみましたが、バックの高層ビルや団地、それに地下鉄13号線の高架と比べると、国鉄の線路の周りだけこんもりとした木々や雑草、それに散乱するゴミ (爆) に囲まれて、とてもここが首都の玄関口の一つとは思えないものがあります (^^;)。決して草深い留置線に停車しているのではありません……。
 というわけで、中国の激しい所得格差の産物であるDeepなスポットに行くのが怖いという方には決してオススメしませんが、生の中国を見ながら昔ながらのダークグリーン「人民列車」の雰囲気を知りたいという方には是非おすすめです。一番手っ取り早いのは、一日一往復ここから発車している万里の長城方面行き鈍行 (この列車は観光列車ですので気軽に乗れると思います) を利用することでしょうか。しかしこの列車、国慶節連休対策で、客車を他の路線の臨時列車に振り向けるため、「上級機関の指示により当分運休」などという掲示が……(そのとばっちりで予定していた撮影が1本フイに -_-メ)。こういうこともよくある国ですので、そのつもりで……。

箱根登山1500V区間の愉しみ (3) ロマンスカー

2005-09-09 20:27:00 | 大手民鉄 (小田急)


 箱根登山3線レールといえば、一番の花形である小田急ロマンスカーの存在も忘れるわけには行きませんね。特にロマンスカーは50000形の登場・10000形の廃車・千代田線直通車の新造計画……などなど大変動期に突入していますので、特にこの先どうなるか分からない7000・10000・20000形の記録は早目早目の方が良いかも知れませんね。普段は余りにも当たり前過ぎて、ロマンスカーをほとんど撮ったことがない (^^;) 私も、この訪問時は折角なので申し訳程度ですが記録に励みました。
 まあ、たまに通勤・帰宅時に利用している立場として個人的に申しますと、7000・10000形はただでさえ座り心地が余りよろしくない上に (特にデッキの目の前の席を指定されたときはシートピッチが狭すぎて膝が壁に当たり、痛くて最悪)、うっかり5号車を指定されようものなら、禁煙車=5号車と喫煙車=6号車の間にデッキがなく、あろうことか幌を挟んだ自動ドア2枚で仕切られているに過ぎないため、人が通るたびにドアが開いてドドッと濃厚な煙が乱入し、恐怖の受動喫煙地獄責めに苦しまなければなりません (特急料金返せ……!)。そういうわけで、こんなにサービスに問題がある車両は出来るだけ早めに引退願いたいところなのですが (→こういう問題もあるだけに、長野電鉄への引越はいっそう大歓迎)、やはり一番フォトジェネックなのは3100形で確立された展望席を持つこれらの車両なんですよね……(^^;;;;)。
 ※ちなみに最近は、タッチパネル式自販機で煙から一番遠い展望席を簡単に指定できるため、煙責めに苦しむ機会は格段に減りました。

【おしらせ】いつも当ブログをお楽しみ頂いている方には大変申し訳ないのですが、これから海外出張 (鉄分はゼロの可能性大) を挟んで多忙が続きますので、しばらく更新をお休みさせて頂きます。m(_ _)m 早ければ26~27日頃から再開の予定です。


165系アルプスさんの201系諏訪花火臨

2005-09-08 16:36:37 | 頂き物画像


 昨日のぱれっとさん画像に続き、今日は165系アルプスさんの夏の思い出画像をご紹介します~。先日諏訪湖で行われた新作花火大会の観客を運ぶために動員された201系が茅野以東の山間部を快走しているシーンとのことです。
 201系の諏訪湖花火臨といえば毎年夏の中央東線の風物詩ですが、この列車は9月に入ってから行われた新作花火大会というイレギュラーな企画に合わせてあるため、真夏では見られない (?) ソバの花との組み合わせが非常に貴重ですね! 
 特に中央線は、近いうちにE233系 (?) の登場がウワサされており、数年以内に201系を淘汰する予定であると言われていますので、201系とソバの花の組み合わせはなおさら記録性が高いと思われます。HNの通り、昔から中央線に通い詰めておられる165系アルプスさんのご本領発揮!という感じですね (^^
 個人的には、201系はブラックフェイスがお好みでないため全く撮ったことがないのですが (^^;)、最近は中央快速を利用するたびに103系譲りの戸袋窓つき2段窓車体の味わいにハッとさせられます (^^)。電機子チョッパ (でしたっけ?) 独特の作動音も何とも言えませんし……。そういうわけで、201系すら惜しまなければならない世の中になったのか……という感慨が湧いて来ます。あ、でも、高尾~大月間では乗りたくないです。折角の絶景を眺めるのにロングシートは不向きですし、特に冬は寒いので……(^^;;)。

ぱれっとさんの中欧撮り鉄 (1) ベルニナ線

2005-09-07 22:26:33 | 頂き物画像


 箱根登山がらみでスイス・ベルニナ線のHMが登場した……ということで、本物のスイス・レーティシェ鉄道ベルニナ線の画像をご紹介します~。いつもネット上でお世話になっている「ぱれっと」さんがこの夏スイス~チェコと鉄三昧旅行を楽しまれた際の一コマとして撮影されたものです。(HMに注目!)
 世界中からの観光客を集める「氷河急行」で有名な路線だけに、如何にも高山チックな背後の景色にまず圧倒されるのですが (一定の年齢以上の方でしたら、アルプスの少○ハイジそのものだな~と思われるかも知れません ^^;)、やはり我々「鉄」にとっては車両が一番メインですね (んなわけない ^^;)。一見、日本とスイスでは車両のデザインセンスが大きく異なるのですが、最近の日本の鉄道車両は味気ないデザインのものが多いだけに、やはりこういう左右対称・貫通扉付きの正面というのは良いものですね……(*^^*)。そして、屋根の抵抗器や短い車体を見ていますと、なるほど箱根登山のルーツだな、これは……!という気分になって来ます。電動車2両の後ろにトレーラーが沢山つながっているあたりは、余程電動車の出力が大きいのか、それとも箱根登山に比べれば勾配が緩いのか……?



 いっぽう、ベルニナ線にはELもあるようです。パノラマ構造の氷河急行客車を大量に連結して走るのはこちらの役目でしょうか。客車列車メインの時代が終わって久しい日本から見ますと、こういうPC天国というのはうらやましいの一言なのですが、やはり個人的には上の画像の電車にホレました (笑)。しかも、氷河急行のパノラマ客車でなければ特別料金は不要で、全席自由席の空いている列車から絶景を楽しめるそうです (すごい……)。