昨晩は、今やジャカルタ現地発信の日本語鉄道情報ブログとしてすっかり不動の一大地位を固められた『JABODETABEK COMMUTERS NEWS』の管理人でおられるパクアン急行様の一時ご帰国に合わせ、いつもお世話になっておりますKucing様に幹事の労をとって頂き、都内某所のインドネシア料理店にて鉄な宴が開催されました♪ 毎度のことながら、この場に集う多士済々はどなたも皆東南アジアの鉄道に通じておられ、それこそインドネシアをはじめ各国の鉄道事情やら東横副直に象徴される国内鉄事情の激変やら実に様々な話題が炸裂し、ビンタン・ビールの瓶が次から次へと空に……(笑)。そして私も、ビルマ・タイ訪問時の写真を持参してささやかながらも酒の肴としてお目汚ししつつ、皆様から多大なる刺激と啓発を受けたのでした! Kucing様およびパクアン急行様をはじめ、ご参集の皆様には大変お世話になりました!! m(^^)m
そんな濃厚な宴において、ある意味とてつもない衝撃とともに熱い話題を呼び起こしたのは……他でもないインドネシアにおける鉄道事情の激変! 既にパクアン急行様のブログでも詳しく触れられております通り、来る4月1日からKAI (インドネシア鉄道) 及び子会社KCJ (ジャボデタベック通勤電鉄) ではダイヤ改正を実施するとのことですが、その主な眼目はメトロ6000系の大々的な輸入及び国産電車KFWの正式デビュー等に伴う冷房車の運用増、スルポン=バンテン線電化区間の延長 (パルンパンジャン~マジャ間。しかもパルンパンジャンまでは従来スルポン止の列車の多くが延長運転されて本数激増!) といった点に加え、当初はスルポン=バンテン線とブカシ線の両路線におけるエコノミー電車全廃が予定されていたとか……。しかし、タンゲラン線では順調に実施されたかに見えたエコノミー電車全廃もスルポン&ブカシ線では強い抵抗に遭遇し、とりわけブカシ駅では線路を占拠しての反対集会まで開催されるなど、様々な波乱・混乱が引き起こされています……。
まぁとりあえず、強硬な反対が惹起された結果、スルポン&ブカシ線のエコノミー電車は朝夕のみ各1運用ずつ残ることになったほか、輸送量が破格に多いボゴール線では引き続きエコノミー電車が複数運用されるようです。しかし、KAI・KCJとしては今年夏~秋あたりを目途に (個人的予想ではラマダーン明け輸送終了後に?) ジャワ島内の全てのエコノミー車両を全廃したい意向のようで (客車列車のエコノミーAC化改造ってどの程度進んでるのかよ……と思うにつけ無茶苦茶ではないかと思うのですが)、実際のところ電車新ダイヤでの列車番号は完全に冷房車とエコノミーを区別しなくなっています。
したがって、この夏から秋にでも日本から冷房車が追加で入れば (果たしてどの車両?)、あるいは国産冷房車の追加新造やウワサの冷改Holecの運用入りが実現すれば、KCJとしては強行突破で全列車冷房化を断行しそうですが、絶対に混乱が起きそうだよなぁ……と思うのは私だけではないでしょう。運賃が2,000ルピアと8,500ルピアで全く異なるというのに、エコノミーの客にこれからは毎日8,500ルピア払って冷房車に乗れよというのは極めて残酷な話でありますので、普段は穏やかで従順な表情の庶民の皆様も決して座視することはないでしょう……。しかし、最近ヤケにイケイケドンドンな (?) KAI・KCJが、そのような反対論を最終的に聞き入れるとは到底思えないわけで……。
何はともあれ、最近は折角キレイに塗り直されてますます大活躍の感があった非冷房エコノミーも、間もなく混乱の中で (?) 消えて行く可能性が高い……というわけで、既に約8ヶ月前の撮影となってしまいましたが、昨年夏のジャカルタ訪問記のつづき、日本製2扉鋼製非冷房車をアップしてみましょう。タイ・ビルマで超お腹いっぱい!の鉄活動をして帰ってきた後では、何やら遠い昔に撮影したような気分もするのですが……(^^;)。
この2扉車は、1976年に日本から輸出された現地オリジナルカルダン駆動車第一世代ということで、103系新製冷房車と大体同じ車齢の日本製車両が過酷な自然条件のジャカルタで30数年間走り続けていることの奇跡を感じるとともに、熟成された技術と職人技で造られた日本製品が如何に丈夫で長持ちであるかを思わずにはいられないですね……。日本であればこの世代の車両は続々と廃車に追いやられている昨今ですが (泣)、よりにもよって過酷極まりないボゴール線のラッシュ輸送の第一線に立っている姿を激写するにつけ、大いにアツいものを感じます。
そして個人的には、最近大幅リフレッシュを受ける前、照明がほとんど破損して点灯しないボロボロ車内に長~いベンチ椅子という組み合わせゆえに「ボロ車両大興奮脳内物質」が大量分泌したのも懐かしい思い出です (爆)。初訪問した2009年、ボゴール駅構内で夕涼みがてらミーアヤム(鶏そば)を賞味したのち、真っ暗でボロボロな車内の2扉車に乗ってゴンダンディアまで帰ったものですが、夜のジャカルタ・コタ行エコノミはさすがに空いており、全開のドアと窓から吹き込む夜風と走行音が暗黒の車内に充ち満ちるという惨憺たる光景にむしろ痛快さを感じたという……(^^;)。もちろん、徹底的に整備された現在の美しい姿も大好きですが、とりわけ4両固定編成の全てが1976年製2扉車で構成された編成はまさに奇跡的としか言い様がありません (*^^*)。
ちなみに、既に大部分の駅のホームが高床化されている今日、低床ホーム向きな2扉車のステップは最早過去の遺物に近いわけですが、ステップとホーム面の完全なる不一致が放ったらかしでも「ティダッ!アパアパ」な精神で放ったらかしになっているあたりは逆に痛快ですね (^^;)。とはいえ、とにかくステップ最下段は低い位置ですので、この2扉車のステップに乗って涼む場合には、くれぐれも足を車体の外に出さないことが肝要です。ホーム進入時に足が車体から大幅にハミ出ていますと、ホームに足が当たって極めて危険ですので……(そもそも非冷房エコノミのステップに立ってみようという考えこそ究極の酔狂であり、旧客の時代が遠い過去に去った日本の皆様のあいだでは、他にやってみようという方はほぼ皆無かと存じますが……^_^;)。