最近中国では中間層の増加に伴い鉄ヲタな人々も増加し始め、そのような人々の「中国型N模型が欲しい!」という需要に応えるかたちで中台合資模型メーカーCMR LINEが出現し、N模型の第一弾として昨年東風4型DLが発売されたことにつきましては既に当ブログでもお伝えした通りです。しかしその後……第二弾として出ると予告された、これぞ最も中国国鉄らしい一品!と呼ぶべき存在であるYZ22客車は、何時まで経っても公式HPでそれらしい進捗を見せず、果たして本当に出るのかどうか気を揉んだものです。ところがついに!去る9月下旬から中国国内で流通し始め、結構売れているとかいないとか。
しかも中国国鉄は今月に入り「高速鉄道車両と既存の緑皮車・国際列車・進蔵25Tを除く全ての客車の塗装を《新緑皮》にする」という衝撃的な発表を行い、緑皮車という存在が何やら急激に中国社会の大いなる関心事となる昨今です。「昔のボロい22系緑皮車しかなかった頃の旅は辛かったけど懐かしいなぁ……」というわけで、最近は各地域で緑皮長距離列車が無くなるたびに御名残乗車ブームが湧き起こっているわけですが、その一方で「90年代半ば以後空調搭載&新アコモで次第に中国国鉄の印象を変えつつあった紅皮車 [25G系]や藍皮車(主に25K・25T系] を塗り替えるのは果たしてどうよ?」という意見もあるようです。そんな中でYZ22を販売開始とは、恐らく偶然とはいえ何ともタイムリーすぎる話ではありませんか!!
そんな中国国鉄YZ22客車、日本への輸入と販売は、いつもお世話になっておりますKucing様が台湾経由で手掛けておられますが、来る今週末の毎年恒例・蒲田鉄道模型イベントにて正式発売のはこびとなりました。しかし個人的には、まさにお世話になっている関係で、昨日一足早くゲットさせて頂きました♪ 何と、私が本邦での一人目の購入者だとか……有り難いことです (勿論、中国の鉄模専門店で既にゲットされた日本人もおられるでしょうが)。
しかもそこに至るまでがドラマチック (笑)。一昨日、と申しますか日付が変わった昨日未明、ブログを開設してから10周年の節目だからといって特に何をするでもなく、布団に潜り込んで寝るモードに入ったところ、そんな静かな一日の終わりが超大ドンデン返しの心臓バクバクなひとときに早変わり! ななな何と!Kucing様からのメールで、CMR LINE製・中国国鉄YZ22客車のN模型を正式に発売する準備が整い、個人的に購入予約していた分を「明日(=29日の昼間)以降引き渡し可能」との連絡が!! うぉぉぉぉ~!!ただでさえかねてから期待していたアイテムを、何とも絶妙なタイミングでゲット出来るということで、ブログ開設10周年を一人でまったりと味わい記念する極上の一品になるとは!! こういう究極のムッツリス○ベな自己満足こそ、当ブログの真骨頂であるのです……(笑)。
というわけで、早速仕事帰りにKucing様のもとを訪れまして、積もり積もった台湾ネタやインドネシアネタで盛り上がりつつ、ドキドキワクワクの検品タ~イム♪ 恐らくコストダウンのためか、簡素な印刷の紙箱と緩衝プラ材のみの包装はやけにチャチに見えますが、その中から出て来たYZ22様はまさに御本尊の輝きとモールド感……。細くスッキリとしたリブ、どう考えてもヲタな設計者による渾身の見映えの屋根、ゴツくて雰囲気たっぷりの車軸発電機、外からは全く見えないのにやけに作り込んであるトイレ、どれだけ乗降時の押しくら饅頭の舞台となったか分からない (爆)ドア周辺の造作、暗い部屋でも夜汽車らしさを演出しまくりな車内灯 (最初から装備)……。あれほどウンザリな記憶ばかりの硬座車・YZ22であるにもかかわらず、「をを!旅の友よ!」という内心の叫びが沸き上がるばかりです……。
もちろん、欲を言えばアコモ改良前の一段窓車の方が個人的により重要ですし、軟臥RW22・硬臥YW22・餐車CA22・行李車XL22がまだまだ揃わないという問題もあり、さらには牽かせる罐も東風4とマイクロの満鉄パシナくらいしかありませんので、当面は地方の慢車小運転という楽しみ方しか出来ないのは否めません。それでも、反日野郎の狼藉などまずなかった80~90年代の中国でツラくとも楽しい鉄道旅を満喫したヲッサンヲタにとっては感動的な一品ということで感無量です。
ちなみに、御値段は4両1セットで17,820円。バラ売りは無いとのことです (メーカーがそういう売り方をしているため)。
(上)泣く子も黙る緑皮YZ22。(下)ニセ紅皮YZ22 (「ニセ」なのは、本来ならば90年代以後に製造された冷房車25G系に塗られるべき塗装が、一部アコモ改良したものの所詮22系は22系!としか言えない車両にも塗られているため)。
妻面の雰囲気もなかなか素晴らしい!
上から車内を見てみますと、テーブル風の突起が窓パーツの一部として再現されています。こ、細かい……。
完成品を開封した状態ではアーノルドカプラーが装着されていますが、どうも連結面の間隔が広すぎるようです。後でぼちぼち、同梱の別カプラーに交換しないと……(滝汗)。