今回バンコクから泰緬鉄道の現存区間を往復した際には、タイ国鉄の現役罐のうち最古参の部類に属するGE形が牽引した次第ですが、やって来たのは結構派手な新塗装罐であったことから、「嗚呼……やっぱ既に結構塗り替わっているよなぁ。こんな年代モノのデザインの罐が残っているだけでも有り難いと思わなければいかんなぁ」と思ったものでした。しかし、帰路カンチャナブリーにて、大いに一泡食わされるシーンに遭遇……。
暑季の昼間の鈍行旅は、慣れない者には誠に過酷なもので、カンチャナブリーに着いた頃には既にグッタリ。とにかくひたすら淡々と走ってトンブリーに着いて欲しい……ということのみを思っていたのでありました (苦笑)。しかし、ただでさえカンチャナブリー到着時点で45分ほど遅れていたのに加え、結局夕方のナムトク行との交換もカンチャナブリーで行うことになったため、定時とそれほど変わらない時刻で走っているナムトク行の到着を優先させて、結局カンチャナブリー発車は1時間20分遅れ……。そこで、もし体力的に余力があれば、ナムトク行の入線をド順光で撮ってやるところでしたが、とにかく面倒臭いため、車内からボーッと入線を眺めるのみ (ヤル気無ぇ~^^;)。しかし……何と!ナムトク行の牽引機はGE形の旧塗装罐ではないか!! あー、最初から分かっていれば、下りホームで待ち構えたのに……(ツブれ気味な側面をレタッチで破綻を避けつつ明るくするのは苦労しました。-_-)。
ともあれ、自分の列車の罐はハズレ、あちらの列車の罐は当たり、という事実を目の当たりにするにつけ、一体全体このGE形はどれほど旧塗装で残っているのか……?という疑問で脳内がグルグル (汗)。その答えは、翌朝北本線・東北本線の列車を撮影した際に明らかとなりました (2枚目の画像)。何ぁ~んだ、新塗装の方が少ないらしいな……ちぇっ (鬱)。恐らく、今年予定されている新型罐の導入 (インラック政権らしくC国製?) によってGE形に大量廃車が出ることを見越してのことでしょうが、今やクーデタでインラック政権時代の諸々の大規模契約をチャラにする話があるとかないとか (軍は反タークシン派の傾向あり)。というわけで、この旧塗装罐の今後は果たして如何に?
それはさておき、ようやく発車したトンブリー行は、既に夕方にさしかかってしまったため涼風の中を淡々と走ります。もしこれが定時通りで、バンコク付近で涼風を感じるのであれば、怒濤の鈍行旅の心地よい余韻に浸る……という感じではありますが、これほど大幅に遅れると空しい夕風としか思えません (苦笑)。その後ノーンプラドックで南本線に合流すると、今度はクルンテープを夕刻発車して続々と南部諸都市に向かう優等列車との交換待ちラッシュに遭遇してしまい、遅れはますます拡大する一方……(泣)。ナコンパトムを明るい時間に通過するはずが、いつの間にか巨大仏塔がライトアップされて夜空に浮かんでいるという頃合いとなってしまいました。しかしそこまで暗くなりますと、一気に夜汽車モードに突入……! 古き良き客車鈍行の情緒を心の底から味わうひとときは怪我の功名と呼ぶべきかも知れませんが、ようやくトンブリーに着いたのが20時10分頃で、何と約2時間半遅れとなりましたので、さすがにグッタリと疲れました……。トンブリーからナムトクまでは片道200km程度ということで、定刻走っても往復10時間、今回は往復12時間! さすがに鉄ヲタであっても疲れました (滝汗
何はともあれ、こうして敢行した泰緬鉄道=タイ国鉄ナムトク線を行く旅。戦争の記憶はさておき、とにかくタイに殺到する外国人の激増をうけ、すっかり観光列車化し、席取り合戦という平和な戦いが日々繰り返されているという生々しい現実を目の当たりにした次第です。はぁ~、出来ればナムトク行の発車時間を7時半よりも前にして欲しいですね……。そして、本当にナムトク~タンビュザヤ間が復活するのかどうか、全く見当もつかないという結論です (汗)。
ニスではなく明るい茶色のペンキですが、素晴らしい雰囲気です♪
ロングシート化された1949年製客車。まさにオハ41のノリ……!
マッカサン工場製の日本10系客車タイバージョン車内。
こういう夜汽車の雰囲気が本当に恋しい……。