地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

冬空の秩父鉄道 (1) 7802F営業運転開始

2013-12-30 08:00:00 | 地方民鉄 (秩父)


 鉄道界における2013年のビッグニュースを振り返りますと、東急東横線と副都心線の直通運転開始が未だに強い印象に残るところですが (まだ横浜駅に西武6000系が来るという現実が信じられない→東武車は田園都市線で見慣れているのでまだ理解可能な範囲ですが)、そのあおりで東横線から9000系が排除され、玉突きで大井町線からあれほど見慣れた8090・8590系の下ぶくれボディが一気に消えてしまったのは強烈な出来事でした。
 周知の通り、そこで職を失った8090系・8590系は秩父と富山に活路を求め、とりわけ個人的には8590系の日本海側デビューを記念してイベントに参加しフィーバーしてしまったものです。一方の秩父につきましては、昨年末のチョコバナナイベント、そして今年夏の6連イベントに参加することによって、8090→7500系に追われる側の1000系を惜しんだものの、7500系については今や当たり前のようにやって来ることから、熱烈な追っかけの対象からは外れ(甲種輸送をやっていた頃が懐かしい……)、驚異のヘンテコ姿となった7800系についても1編成のみでは何とも撮りづらいことから(平日の影森~三峰口機織りに入れば良いものの、今のところ来るという保証はなし)、偶然やって来たのを撮るにとどまっておりました。



 しかし、2本目がデビューするとさすがに確率が上がるということで……先日の「さいたま鉄道模型フェスタ」の際には、折角久しぶりに埼玉県まで足を踏み入れる以上、久しぶりに秩父の平地区間を訪れてみようと思いまして、冬空のもと他に誰もヲタがいない熊谷以東でカメラを構えていたところ、7802Fが熊谷方面から御登場!!!! まだ運用に入って間もないためか、秩父7000系列の他の車両と同様にドロドロに汚れているということは全くありませんので、冬の青空を車体に映してひときわ美しくアヤシい風貌です♪
 撮影後は駅に戻り、羽生から折り返して来たところを激写!! バックのボロい農業倉庫の残骸とナゾ顔ギンギラステンレスボディの対比もまたいとをかし、といったところでしょうか☆ その後はそのまま乗車し、まだ床もピカピカな状態の車内でくつろぎつつ7800系の初乗車を楽しんだ次第ですが、やはり1M1Tでは2M1Tほどのパワフルな起動ではないな、というのが正直な実感です。どう考えても加速が7000・7500系に比べてトロく、しかもモーターへの負荷が大きいためかサウンドもやや苦しい雰囲気……。どうせ駅間がそこそこ長い単線であることから、高加減速性能まではそれほど期待しない、という割りきりの産物なのだということがよく分かります (汗)。しかしそれは裏を返せば、大いにマニアックな走りを満喫出来るということでもあり……起動から最高速での惰行に至るまで、7000・7500系に乗るよりも全然デンジャラスな走行音を楽しめまくりであることは疑いないでしょう! 富山地鉄17480形の、2Mで豪快に加速のうえ整備状況がイマイチな線路をフッ飛ばすシーンも快感ですが、秩父7800系の1Mによる懸命な走りもまた逸品であり、これらが北陸新幹線でダイレクトに結ばれるのもまた興味深いところです。
 
 というわけで、年内の更新はこのようなマニアックな車両とともに終了とさせて頂きます。皆様良い新年をお迎え下さい。庵主謹白。m(_ _)m

京急600形 (Ⅱ) 非冷房鉄コレをN化する

2013-12-29 10:17:00 | 超へっぽこ模型製作


 今年一年もまもなく終わり。世間的にはいろいろ激しく揺れ動く中、これまでの「失われた20年」とは異なる雰囲気が生まれたとか生まれないとか、いろいろ云々されているところかと存じます。しかし鉄ヲタなヲッサンの視点からみれば、昭和が20年以上前に遠く去ってしまい、来年1月7日はついに昭和終了25周年を迎えてしまう……というわけで、「慣れ親しんだあんな車両が消え、こんな列車も引退が決まった」という嘆きをますます強めた一年であったかと思います。そう、「失われた20年」が終わろうが終わるまいが、これからも「昭和の車両と列車を失い続ける○十年」が延々と続くという、何とも残酷な時間の中を生きて行かなければならないのです (汗)。
 というわけで、そんな激しい空虚に襲われたココロを幾許でも埋める物欲のエサとして、ここ数年来各種の事業者限定鉄コレが年中行事の如く発売されているわけですが、この一年の締めくくりにもそんな「頭の中は永遠に昭和の鉄道少年」な人々を一網打尽にするヲッサンホイホイが大々的に開催されました! そう……港ヨコハマの後背にある庶民の街・上大岡における京急600形鉄コレ発売会です!!
 京急600形 (2代目) といえば、ヲッサン世代の記憶の中で圧倒的に鮮烈に残っているのは、2000形登場前までの快速特急運用姿であり(快特ではありません。快速特急です!)、分散クーラーと集中クーラーが入り乱れた姿で猛然と駆け抜ける姿は、これぞ京急、これぞ快速特急としか言い様がありません。その神々しさたるや、日中のA快速特急運用が到底600形では埋めきれず1000形も多数混じるものであっただけに、その後の2000・2100形時代とは比較にならないものがありました。したがって、超本命は冷房改造姿の姿、そして琴電1070形として転じた後の姿ということになり、非冷房時代の姿は残念ながら私自身の記憶にはないところですが、まぁ600形であればとにかく大歓迎!まずは非冷房時代にお布施をすることで来年以後の大本命の降臨を待つ……ということであります (笑)。

 

 ただ、今回は事前に「8000個発売・一人12限」という衝撃的な数字が示されたのみならず、大本命の冷房改造姿ではない以上、実際に雲集するヲタがどのような動きをするのか全く読み切れなかったです。12限ということで、何が何でも8000÷12=約666名の中に入らなければ気が済まないというヲタが早朝から猛然とアタックするのか、それとも「一人12個も買うわけねぇ。超余裕じゃん。それに大本命の冷房車じゃないし」と開き直って出足の遅いヲタが多いのか……。もちろん私個人は、早々に整理券をゲットして安心し、早々に入手して他の所用へと移動しようと目論んでいましたので、朝5時台のうちに上大岡に到着するという早めの出陣を心がけた次第ですが(京急鉄コレは朝7時になると暖かい空間に誘導してくれるという有り難いサービスがありますので、総じて疲労感は少ないです♪ とくに厳寒期に延々と凍てつく盆地の日陰に並ばされる京王と比べれば……)、結果的にはやや遅めの出発でも全然問題なかったですね……(汗)。
 限定品鉄コレといえば、昨年の師走は西武401系に京急700形と、凄まじい狂想曲状態が現出したのを未だに強烈な記憶として思い出しますが、今年の師走は東武8000系と京急600形のいずれもすぐには売り切れない……ということで、その原因として、
 (1) C国の人件費高騰でついに2両2800円がスタンダードとなり (交換屋根板代も含むのでしょうが)、鉄コレ本来のお値打ち感が薄れた。しかもN化に際して交換パーツ (こちらも値上げ……) も用意すると、フツーにマイクロの完成品を2割引店で購入するのと変わらなくなってしまう。
 (2) しかも塗装乱れやホコリ巻き込み多数のハズレ製品に当たる度合いが最近増え、国内生産のKATO製品の安くて優秀な出来、あるいはマイクロの多少造形が悪くボテボテ塗り気味ながらもそれなりにキレイな出来映えと比較したとき、どうしても解せないものが残ってしまう。
 (3) そもそも販売した車種構成がヲタの需要と必ずしも合致しない。東武8000系についてはいずれ扱いますのでさておき、京急600形が非冷房だったのは最早遠い昔であり、購入層は必然的にヲッサン・ヲジイサンに限定されてしまう (実際、今回並んでいた人々を眺めていますと、かつてなく高齢化……^^;)。
……こういった問題があるのでしょう。しかし、これでは230・400・500系列の鉄コレが出ないではないか!ということにもなってしまい (発売されたばかりのRMライブラリーを眺め、子供の頃眺めた京急釣掛への激しい思慕が沸々と……)、極めて悩ましい限りであります。
 何はさておき、昨日午後は都内へ向かい会食したため、夜に帰宅後さっそくN化作業 (GMインレタ貼り&半光沢吹きを含む)に勤しんでみました。早起きしたため眠かったのですが、個人的には一刻も早くN化したかったもので……(^^;)。総じて、造形的には毎度の事ながら鉄コレらしく繊細だと思いますが、やはり残念なのは随所に充満するチナ・クヲリティ……。車体といい屋根といい、細かいホコリの巻き込みが少なくなかったですし、特にウンザリしたのが窓パーツ……。サッシを表現するシルバーの印刷がグダグダ気味ですし、何と言っても「アチャー」と参ったのが、壮絶な指紋の嵐……。チナ国の物価高騰の中で低賃金にあえぐ未熟練農民工の怨念がベッタリとこびりついたかのようなしつこい指紋は、OAクリーナーをたっぷり染み込ませた綿棒で丁寧に拭き取ることで大体何とかなりますが、もともとついていた細かい傷までは取り切れないんだよなぁ……。N化作業のかなりの時間が窓拭きに費やされるとは!
 仕上げとして、再び組み上げる直前に同梱の幕ステッカーをプラ板に貼り付けて切り出し、その上端部に透明なゴム系接着剤を塗って、正面窓パーツの上端に貼り付けました。ステッカーに印刷された指示通りに切り出すと、正面窓のかなりの面積をつぶしてしまうことになりますので、こりゃ作り直しですな (汗)。この後は再び無難に組み上げ、GMのPT43を載せ、目出度く6両固定編成 (一時期1本だけ存在したそうで。まぁ個人的には自宅即席レイアウトに6連が最適だからという理由なのですが。車番は別でしょうし ^^;) が完成!! 2枚目の画像はもちろん前後を逆転させたインチキシーンですが、離合の雰囲気を表現したということで……(^^;;)。
 総じて、出来上がってみますと雰囲気は結構あり、この先の冷房車発売や琴電1070形発売への期待がいやが上にも盛り上がりますが、上記のいろいろな問題点に鑑みて、やはりチナ国での生産の今後はよくよく考えて頂きたい……という気分です (100均も最近は国産や東南アジア産が激増しているようですし)。

京急600形 (Ⅱ) 鉄コレ年末の陣@上大岡京急百貨店

2013-12-28 05:30:00 | ノンジャンル


5:30 今年も早いもので、年末恒例・京急鉄コレの陣の火蓋が切って落とされることになりました。現在、湘南台から横浜市営地下鉄に乗って上大岡に向かっているところであります (このルートで上大岡入りすること自体、田舎者丸出し ^^;)。事前のネット下馬評では、冷房時代ではないのでツマランという評価が多いように見受けられますが、あれほど事前にネット上で「要らない」といわれた700形が、蓋を開けて見れば阿鼻叫喚の地獄絵図を現出させることになった前例からして (所謂「高度な情報戦」というヤツですな)、全く油断はなりません。まぁ販売個数が多いだけに、早朝に並べば余裕でゲット可能と思われますが、一人12限という鉄コレ限定品販売史上前代未聞の売り方と相俟って、一体どのような動きになるのか、全く以て戦々恐々な気分であります。

5:50 上大岡到着。列はパッと見で50~60名程度で、この時間としては従来の京急&京阪鉄コレの出足の半分か。とりあえず、駅ビルの中で並んでいるため、年末寒波の外気 (しかも強烈な放射冷却) に直接晒されないで済むのは有難い限り。しかも7時過ぎれば暖かいところへ誘導してもらえますし。ま、やっぱり下馬評通りに人気はイマイチで、早朝から来たのはアホだったということになりますが、これもまたヲッサンヲタなりの京急600→琴電1070形への愛の示し方ということです。しっかり買ってあげないと続きも出ませんし……。あ、そう思うこと自体、鉄コレ限定品商法のカモになっていることを意味するわけですが。

6:15過ぎ ようやく (?) 列が改札前で90度曲がり、外へ向かって延び始める。三々五々到着し改札を通る人々にも焦りの雰囲気ゼロ。まぁそもそも、8時に整理券をゲットすれば一旦列は解散しますし。

6:35 7時に7階催事場にご案内、とのアナウンス。しまった、8時に整理券をもらって一旦解散というのは、京津線鉄コレの時の話だったか。前言撤回 (汗)。昨年末も一旦解散だったような気が……。整理券をもらったら駅ビル内の星巴克珈琲でくつろぐつもりだったのですが……。
7:12 7時から催事場への案内が始まり、暖かいところへ。先頭集団が並ばされたところは、鎖で非常に狭いスペースに区切られ、座るのも人をかき分けトイレに出るのも一苦労。こんなことなら、あと40~50分遅れで自宅を出れば良かったです……。会場内は、とりあえず暖かいところに来た安堵もあって、見事なほどの静寂。

8:30 会場内は引き続き静寂マッタリ。試運転のHOゲージ車両がシャーシャー言いながら走る音がやたらと響きわたっています (笑)。1台のエレベーターが上下する度に数名の客が来ていますが、これが9時以降どうなりますやら。

8:55 列が何のかの言ってかなり長くなっていますが、思い出してもみれば、やはり昨年700の時が異常だったのであり、1000形非冷房の頃は朝8時に自宅を出ても余裕だったのを思い出しました。
9:00 段ボールが封切られ、例年と同様濃いグレーと赤のパッケージが露わに。

9:25 先頭集団数十人、座り疲れて立つ人続出。あと約30分の辛抱!

9:43 来客ヲタがかなり浮足立ってあちこちで会話する中、会場アナウンスが始まりました。あと約15分!

9:55 フライングで販売開始、10時2分にゲット! ついでに、まだ持っていなかった京阪600形特急色鉄コレをゲット!

10:15 会場を後にして3階改札前、そして2階スタバまで来たところ、屋外の横断歩道に続くデッキまでスゲー行列! 昨年の7階とぐろ巻き長蛇が他の売り場の妨害になったことの反省によるのでしょうが、先を見通せないヘンなところに並ばせられるよりも、早めに並んだのは良かったかな、と。肝心の出来ですが、やっぱ早くキタイからは撤退しろ!と思う窓周りですな……。何はともあれ、祭り参加の皆様お疲れ様でした。


阪急京都冬至の頃 (2) 嵐山線の6300系

2013-12-27 00:00:00 | 都市民鉄 (近畿以西)


 何故か思いもかけず西山天王山駅開業記念HMを撮影出来てしまった先日の京都出張ついで鉄。しかし当初は、別に珍奇なものは全く追い求めず、ただ単に去る10月の出張ついで鉄で嵐山線6300系を満足に撮影出来なかった遺憾から、まずは久しぶりに嵐山線を1往復してみようと思ったに過ぎません。冬至間際の雨が降る朝につき非常に暗く、全然シャッタースピードを稼げず、ゆえに猛スピードで飛ばす本線系の列車を(他の路線も含めて)撮影出来ないという問題もありますので……(汗)。



 というわけで、途中超定番の上桂で駅撮りしつつ、6300系の優雅極まりない走行音、そして嵐山線用にリファインされた優雅極まりない車内アコモデーションを満喫した次第です♪ 周囲の風景は冬枯れに篠づく雨で暗い雰囲気であるにもかかわらず、画面全体からは落ち着いた気品が漂って来るのは、さすが貴婦人6300系! 中腹から上は雲がかかる西山に、やがてうっすら薄日が差し込むという微妙この上ない空気感を、濃いオリーブ色のデラックスなシートにもたれながら眺め、まったり・しみじみと京の冬を満喫した次第です。秋はあれほどワンサカと人が殺到していた京都駅前や京都市内も、今は紅葉も過ぎて師走の多忙に誰もが追われる中、すっかり閑散とした雰囲気が漂っていますが、そんな季節だからこそ敢えて独り、パチリパチリと撮り鉄して昭和の名車を愛でるのもまた楽しからずや。

西武3扉車めぐり2013 (3) 黄色3000系

2013-12-26 00:00:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 現存する西武3扉車を撮り貯めた記録をアップするのであれば、まずは現在最もタマ数が多い標準黄色塗装の3000系から始めるのが無難ではないか?という声が聞こえて来るかも知れません。しかし遺憾ながら、生まれたときからの西武との馴染みの薄さのためか、これまで池袋・新宿線双方にほど近いところで仕事をしたついでに撮影しても、思い通りに黄色3000系をド順光で撮影出来た機会はほとんどなく……HDを掘り返してみたところ、夕刻に新宿線で撮影したこれ1枚だけでした (猛汗)。新宿線の3000系8連は3本ということで、これはこれで超ラッキーであるのかも知れません。しかしそういえば、池袋線の電車という印象が長らく強かった3000系も、3003Fのこの秋の廃車により、実は池袋線でも計3本しかないという……。



 というわけで、もっと効率良く撮影出来そうなところはないのか……とりわけ今や絶滅危惧種になりつつあるかも知れない田の字&幕2000系と一緒に集中して狙えるところはないのか……と思い、甥っ子との西武探険とは別に訪ねてみたのが国分寺線。とはいえ、ここに回すために6連化された3000系も大して多くないものと心得ておりますので、基本は幕2000系狙い、そして3000系は日中運用に入っていれば万々歳、という程度の覚悟で訪れたのですが、うほっ♪期待通りに来てくれました♪♪ 田の字2000系も大好きですが、西武通勤車と言えば3扉だろ……というヲッサン臭い偏見にまみれた者としては眼福の光景です。
 ただ、国分寺線の運用も……最近は本川越まで延々と (?) 直通する列車も増えたため、一旦本川越行になってしまいますと当分帰って来ず、撮影効率上宜しくないという問題が……(あ、この国分寺線本川越延長運転のために必要な編成を確保するという目的で6連化されたのでしたっけ? ^^;←無知でスミマセン)。そして、時折新2000系の6連もヌッと姿を現すというあたり、数年ぶりに訪れた国分寺線の変化に驚くばかりでした (新2000系、勿論音は絶品ですが、顔がイマイチ……)。
 今後、3扉車を優先的に消して行くという方針のもと、3000系が果たして全車解体になるのか否か分かりませんが、出来れば短編成化改造のうえ地方に転じて生き延びて欲しいものです (そもそも短編成化をするには床下機器も含めた大改造が必要なのかも知れず、コスト面で折り合わなさそうですが……)。