今年一年もまもなく終わり。世間的にはいろいろ激しく揺れ動く中、これまでの「失われた20年」とは異なる雰囲気が生まれたとか生まれないとか、いろいろ云々されているところかと存じます。しかし鉄ヲタなヲッサンの視点からみれば、昭和が20年以上前に遠く去ってしまい、来年1月7日はついに昭和終了25周年を迎えてしまう……というわけで、「慣れ親しんだあんな車両が消え、こんな列車も引退が決まった」という嘆きをますます強めた一年であったかと思います。そう、「失われた20年」が終わろうが終わるまいが、これからも「昭和の車両と列車を失い続ける○十年」が延々と続くという、何とも残酷な時間の中を生きて行かなければならないのです (汗)。
というわけで、そんな激しい空虚に襲われたココロを幾許でも埋める物欲のエサとして、ここ数年来各種の事業者限定鉄コレが年中行事の如く発売されているわけですが、この一年の締めくくりにもそんな「頭の中は永遠に昭和の鉄道少年」な人々を一網打尽にするヲッサンホイホイが大々的に開催されました! そう……港ヨコハマの後背にある庶民の街・上大岡における京急600形鉄コレ発売会です!!
京急600形 (2代目) といえば、ヲッサン世代の記憶の中で圧倒的に鮮烈に残っているのは、2000形登場前までの快速特急運用姿であり(快特ではありません。快速特急です!)、分散クーラーと集中クーラーが入り乱れた姿で猛然と駆け抜ける姿は、これぞ京急、これぞ快速特急としか言い様がありません。その神々しさたるや、日中のA快速特急運用が到底600形では埋めきれず1000形も多数混じるものであっただけに、その後の2000・2100形時代とは比較にならないものがありました。したがって、超本命は冷房改造姿の姿、そして琴電1070形として転じた後の姿ということになり、非冷房時代の姿は残念ながら私自身の記憶にはないところですが、まぁ600形であればとにかく大歓迎!まずは非冷房時代にお布施をすることで来年以後の大本命の降臨を待つ……ということであります (笑)。
ただ、今回は事前に「8000個発売・一人12限」という衝撃的な数字が示されたのみならず、大本命の冷房改造姿ではない以上、実際に雲集するヲタがどのような動きをするのか全く読み切れなかったです。12限ということで、何が何でも8000÷12=約666名の中に入らなければ気が済まないというヲタが早朝から猛然とアタックするのか、それとも「一人12個も買うわけねぇ。超余裕じゃん。それに大本命の冷房車じゃないし」と開き直って出足の遅いヲタが多いのか……。もちろん私個人は、早々に整理券をゲットして安心し、早々に入手して他の所用へと移動しようと目論んでいましたので、朝5時台のうちに上大岡に到着するという早めの出陣を心がけた次第ですが(京急鉄コレは朝7時になると暖かい空間に誘導してくれるという有り難いサービスがありますので、総じて疲労感は少ないです♪ とくに厳寒期に延々と凍てつく盆地の日陰に並ばされる京王と比べれば……)、結果的にはやや遅めの出発でも全然問題なかったですね……(汗)。
限定品鉄コレといえば、昨年の師走は西武401系に京急700形と、凄まじい狂想曲状態が現出したのを未だに強烈な記憶として思い出しますが、今年の師走は東武8000系と京急600形のいずれもすぐには売り切れない……ということで、その原因として、
(1) C国の人件費高騰でついに2両2800円がスタンダードとなり (交換屋根板代も含むのでしょうが)、鉄コレ本来のお値打ち感が薄れた。しかもN化に際して交換パーツ (こちらも値上げ……) も用意すると、フツーにマイクロの完成品を2割引店で購入するのと変わらなくなってしまう。
(2) しかも塗装乱れやホコリ巻き込み多数のハズレ製品に当たる度合いが最近増え、国内生産のKATO製品の安くて優秀な出来、あるいはマイクロの多少造形が悪くボテボテ塗り気味ながらもそれなりにキレイな出来映えと比較したとき、どうしても解せないものが残ってしまう。
(3) そもそも販売した車種構成がヲタの需要と必ずしも合致しない。東武8000系についてはいずれ扱いますのでさておき、京急600形が非冷房だったのは最早遠い昔であり、購入層は必然的にヲッサン・ヲジイサンに限定されてしまう (実際、今回並んでいた人々を眺めていますと、かつてなく高齢化……^^;)。
……こういった問題があるのでしょう。しかし、これでは230・400・500系列の鉄コレが出ないではないか!ということにもなってしまい (発売されたばかりのRMライブラリーを眺め、子供の頃眺めた京急釣掛への激しい思慕が沸々と……)、極めて悩ましい限りであります。
何はさておき、昨日午後は都内へ向かい会食したため、夜に帰宅後さっそくN化作業 (GMインレタ貼り&半光沢吹きを含む)に勤しんでみました。早起きしたため眠かったのですが、個人的には一刻も早くN化したかったもので……(^^;)。総じて、造形的には毎度の事ながら鉄コレらしく繊細だと思いますが、やはり残念なのは随所に充満するチナ・クヲリティ……。車体といい屋根といい、細かいホコリの巻き込みが少なくなかったですし、特にウンザリしたのが窓パーツ……。サッシを表現するシルバーの印刷がグダグダ気味ですし、何と言っても「アチャー」と参ったのが、壮絶な指紋の嵐……。チナ国の物価高騰の中で低賃金にあえぐ未熟練農民工の怨念がベッタリとこびりついたかのようなしつこい指紋は、OAクリーナーをたっぷり染み込ませた綿棒で丁寧に拭き取ることで大体何とかなりますが、もともとついていた細かい傷までは取り切れないんだよなぁ……。N化作業のかなりの時間が窓拭きに費やされるとは!
仕上げとして、再び組み上げる直前に同梱の幕ステッカーをプラ板に貼り付けて切り出し、その上端部に透明なゴム系接着剤を塗って、正面窓パーツの上端に貼り付けました。ステッカーに印刷された指示通りに切り出すと、正面窓のかなりの面積をつぶしてしまうことになりますので、こりゃ作り直しですな (汗)。この後は再び無難に組み上げ、GMのPT43を載せ、目出度く6両固定編成 (一時期1本だけ存在したそうで。まぁ個人的には自宅即席レイアウトに6連が最適だからという理由なのですが。車番は別でしょうし ^^;) が完成!! 2枚目の画像はもちろん前後を逆転させたインチキシーンですが、離合の雰囲気を表現したということで……(^^;;)。
総じて、出来上がってみますと雰囲気は結構あり、この先の冷房車発売や琴電1070形発売への期待がいやが上にも盛り上がりますが、上記のいろいろな問題点に鑑みて、やはりチナ国での生産の今後はよくよく考えて頂きたい……という気分です (100均も最近は国産や東南アジア産が激増しているようですし)。