地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

バンコク・パープルラインの無料連絡列車

2017-03-30 01:00:00 | タイの鉄道


 バンコクの中心部からパープルラインへの乗り継ぎは、現状では主にシャトルバスに頼っていますが、朝夕に限って言えば10数台のバスのみでは足りない可能性もあると見込んだためでしょうか、パープルラインと国鉄南本線が交わるバーンソン駅とバーンスー駅のあいだのごく僅かな区間にシャトル列車も運行されています。運行時間は、朝6時30分から9時30分までと、16時30分から20時30分までとなっており、運行間隔は15分間隔のようです (タイ文字で完全には分かりませんが、多分そう書いてある)。そして驚くべきは……シャトル列車に登用されている車種! 英国製の特急DC・スプリンター (ASR形) を、惜しげもなく僅か数分の機織り往復列車に使うとは……!



 しかも今回は、事前に『西船junctionどっと混む』様で詳しく事前学習する余裕もないまま訪れて、いざバーンスー以南で朝練撮り鉄をしていたら突如シャトル列車用のスプリンターが現れましたのでビックリ! 「えーっマジかよ!この時間にはバンコク行きの特急DCは来ないはずだが……」と当初思ったのですが、側面に差されたサボを見て納得。日中はバーンスーからホアラムポーンに回送されて昼寝・整備をするようです。
 それにしてもこの手のシャトル列車には、キハ47のタイ版ともいえるTHN系DCが充当されても良さそうです。しかし、ブルーラインとパープルラインが冷房ギンギンで、シャトルバスも全車冷房車であることを考えますと、間違っても非冷房車によるシャトル列車を走らせるわけには行かないのかも知れません。
 何はともあれ、タイ国鉄が誇る俊足DCを、一時期ヤンゴンを走っていたキハ181の鈍足各停のノリで楽しみたいと思った方は、一刻も早くバンコクを訪問されることをお勧めします☆ これだけが目的の方はいらっしゃらないでしょうが……(^^;)。
 ちなみに、チラ見えしているコマツ製重機は、誰かが意図的に運行を妨害しているものではなく、夜間工事のため線路を閉鎖して日中も置き去りにしているだけです (汗)。おかげで撮影上の立ち位置は絶対に安全ではありましたが……(^^;;)。



600万アクセス御礼・北陸鉄道3740形

2017-03-28 00:16:00 | 懐かし画像


 いつも当ブログをご覧頂き誠にありがとうございます m(_ _)m
 このたび当ブログは600万アクセスの大台に達しました。既に世の中における趣味情報の共有は顔本やツイッターの類に移り、ブログは時代遅れの感が強まりつつある今日この頃ですが、私自身は前二者には面倒臭さを感じてやっておらず、書きっぱなしのブログにある種の安堵感を抱く今日この頃です。大変遺憾ながら、年々多忙の度が強まることにより、更新頻度も「基本的に毎日更新」を保てなくなって久しいですが、それでも一定数の方がこのような個人的趣味活動&思い入れのブログを楽しみにして下さっていることには感謝の念に堪えません。今後も、時間的余裕の許す限りなるべく更新して参りますので、引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。
 そこで記念の懐かし画像としまして、600万にちなんで600V車の手持ちカットの中から、北陸鉄道石川総線の3740形をお手軽スキャンしてみました。



 今でこそ東急7000系 (下回りは異なりますが) や京王3000系といったオールステンレス車で占められている北陸鉄道は、かつてオリジナル車や名鉄の中古で占められ、車種的にみてそれはそれは複雑怪奇で魅力的な世界でありましたが、このうち名鉄3300形を譲り受けた3770形につきましては以前350万アクセスに際してアップしていますので、今回は名鉄900形を譲り受けた3740形です。名鉄900形といえば、現在の河和線である知多鉄道の目玉車両910形として登場し、名鉄に戦時合併されたのちはロングシート化され、さらには電装解除にまで至りク2330形と改番されたものの、昭和40年に600V用車両として再電装され、間もなく瀬戸線の特急用として君臨するようになったということで、言わば流転と伝説の車両と言えましょう。その瀬戸線が昇圧と栄町乗り入れを果たしたことで廃車となった後は、計4両が北鉄石川総線に移り、転換クロスシートもそのままに石川総線の目玉車両として君臨するようになりましたが、ついに東急7000系に押されて廃車となったのは1990年ということで、製造から59年という長寿を全うしたことになります。
 名鉄の旧型車にぞっこんであった中坊・高坊であった頃、北鉄石川線を訪ねたのは、まさにそんな名鉄の中古である3770・3740形に惹かれてのことでしたが、3770形は車内がニス塗りであったのに対し、3740形はさすが瀬戸線特急用であっただけにペンキが上塗りされ、「何だ、イマイチつまんねーの」ということで二の次気味であったのを思い出します。実際には、3740形も乗ってみれば老朽化が著しく、ギシギシきしみながら激しく揺れるなど、余りにもシブい古武士そのものな戦前形電車の魅力にあふれていましたので、二の次扱いとは何という贅沢な時代でしょうか……(滝汗)。
 なお今回の画像は、たまたまキレイに撮れていたのが3744号車であるという理由で、2枚とも3744の画像となっていますが、下の画像は検査上がり間もない姿で、戸袋窓がHゴム支持に改められています。
 そんな3770・3740形といった名鉄の戦前製中古が走っていた時代も既に遠く去り、今や東急7000系も北鉄入線から四半世紀を軽く超えてしまったとは……時間の流れは本当に早いものです。もしかすると、そろそろ7000系の置き換えも視野に入って来る頃合かとも思われますので、こんな感じでステンレスカー以前のカオスを思い出してみるのも悪くはないでしょう。そこで、こんなタイミングだからこそ、北陸鉄道旧型車の体系的な鉄コレ化を激しく希望します……。この3740形を出せば、自ずと名鉄の900形も鉄コレ化するのは容易ですし♪

バンコク・パープルラインの無料連絡バス

2017-03-27 00:00:00 | アジア諸国の路線バス


 現在バンコクの地下鉄ブルーラインはバーンスーまでの営業となっているため、開業間もないパープルラインの始発駅であるタオプーンは中途半端な存在となっていることは先日の乗車記で記した通りですが、勿論そのような状況が放置されるはずはなく、バーンスー~タオプーン間では無料のシャトルバスが運行されています。そのバーンスー側の乗り場は、地下鉄の出口と国鉄駅の屋台街に挟まれたロータリーの一角にあり、何となく人が集まっているあたりに行ってみますと、そこが一般の路線バスの停留所……というわけで、シャトルバスの乗車位置もここになります。整列乗車を示す表示などは一切なく、バスも全く見当たらないということで、全てはマイペンラ~イ。タオプーンからやって来たシャトルバスがロータリーで回転したのちガバッとドアを開け、下車客がドヤドヤと下りてくるとそこに乗車客が群がり、全員乗ればすぐに発車! どうせ無料ですし、距離的にもすぐですので、整列乗車ではないために座りそびれた客がいるとしても、誰も文句は言わないのでしょう。もっとも、私が乗ったのはちょうど昼過ぎでしたのでガラガラでしたが (笑)。



 というわけで、バーンスー駅を発車したバスは、ちょこっと高架道路に乗ったのちすぐに下道に入り、ひとしきり雑居ビルが建て込む中を走ってすぐにタオプーン駅に到着! その間、僅か5~6分といったところでしょうか。いすゞ製の冷房バスで全車揃ったシャトルバスはクーラーがキンキンに効いて非常に快適ですので、もっと乗っていたかった気にもなりますが、まぁ仕方なく下車しまして、やたらとコンクリートをふんだんに使った真新しい駅のエスカレーターへと吸い込まれて行きました。(タイはセメントを豊富に産出する国[昨年度世界15位。日本は10位]ということもあって、都市鉄道の新駅はどれも巨大なコンクリートの城の様相を呈しています。ちなみに、パープルラインの駅は一部の駅を除いて基本的に構造が酷似しており、今後開通するレッドライン [=在来線平行線] の駅もこんな感じになるのだろうかと想像しました)。
 そして、シャトルバスの拠点はタオプーン駅脇の駐車スペースとなっており、10数両のいすゞ冷房車が (エルガよりも全然こっちのデザインの方が好き……^^;) シャトルバス専用ステッカーを貼られて任に当たっています。バンコク都市鉄道のロゴマークや、英語によるシャトルバス表示などから、タイ語が分からない外国人でも迷わず利用出来るのは有り難い限り。なお、大部分の車両は側面にデカい広告ラッピングが貼られていますが、パープルラインを一往復したのちバーンスー駅前でちょこっと撮りバスしたところ、二台続けて広告無し車がやって来ましたのでラッキー! ……と思ったら、二台目の撮影時にトゥクトゥクの類いが画面に乱入して激しく鬱……。

第八ジャカルタ炎鉄録 (20) 東急8604F

2017-03-25 13:20:00 | インドネシアの鉄道


 しばらく東急とインドネシアに関する話題から遠ざかってしまいましたが、その間にもいろいろ新たな情報がありました。
 まず特筆すべきは、東急2020系の登場という一大ニュースでしょうが、田都にまとめて3編成が投入され、その後も続々と増備予定であると予告されている中 (先日の日経新聞によりますと、東急グループの連結決算は09年度をどん底として以来、グループ各社のイニシアチブを認めて経営に敏捷性が増した結果急速に回復中だそうで、今度こそJAL問題のような大事件に伴う新車計画の大変更はないものと予想されます)、8500系の今後の身の振り方にも大きな注目が集まることでしょう。とりわけ、既にVVVF中古車輸入に走り、そろそろ中古車輸入禁止云々の情報と合わせて新車購入へと移行しそうな気配のKCJが、今さら東急8500系を丸ごと購入するのかどうか気になるところですが、少なくとも部品の大量買い付けによって現在ジャカルタで生き残っている編成がどれだけチカウム送りにならずに済むか……と思うと、大いに期待したいところではあります。



 いっぽう、かねてから日イ間で協議が進められていたという、ジャカルタ~スラバヤ間の在来線高速化の話は、どうやら日本との全面協力が正式に決まりそうだとか……。またすんでのところの大どんでん返しでC国にマスタープランが流れて御破算ということのないよう切に願いたいところです。それをやらかしたら、日本国内の対インドネシア感情は相当悪くなってしまうと心配でなりません。そして、バンドゥンへの高速鉄道よりもこちらの方が必要性が高いプロジェクトかと考えますので、一旦正式に決まった暁には着実な事業化を強く期待したいものです。
 そして、当面の注目点として……4月ダイヤ改正の情報キター!! 詳しくはパクアン急行様のブログをご覧頂ければと存じますが、スルポン=バンテン線のランカスビトゥン電化開業!! タンジュンプリオク線の本格営業!! 
 ……う~む、過去数年間ジャカルタの鉄道シーンをウォッチし続けて、とりあえずこれらが最後の大きなヤマ場だと思っておりましたので (空港鉄道ではないのか……?と ^^;)、誠に感無量であります♪ 勿論、その裏では客車鈍行が消滅するわけですが、まぁ既に何度もお名残乗車をしましたし、むしろ当面は1時間間隔前後で走るランカス行電車が今後どれほど増発されるのか、そしてチテラスの峠越えで205系がどれほどアツい走りを魅せるのかに関心があります (東急車は多分入線しないと思われるのが残念ですが……)。あ、東急車は、タンジュンプリオクに割と小まめに入線する可能性がありますね。タンジュンプリオク運用に固定されると思われるKFWの調子次第ですが……。
 というわけで、そんな歴史的節目を前にして、とりあえず去る8月に撮影した東急8604Fの画像を貼っておきますが、それにしても天気が悪い……。本当に乾季かよこれ……(-_-;)。

ヤンゴンの路線バス再編と日中韓大戦争

2017-03-24 00:00:00 | アジア諸国の路線バス


 阪急&京都市営。異国でもしっくりくる (?) 組み合わせ。



 阪急&箱根登山。これはまさにミャンマーならでは、異次元の遭遇。



 激増しまくる中国・宇通客車を横目に都営キュービック。



 ウリナラ・エアロエースは既に主力の座を日本車から奪った状態?

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 去る1月中旬、ヤンゴン地域の路線バス運営に関する一大革命的変化が断行され、行政側の管理組織として設立されたYATA (Yangon Area Transportation Authority) の監督のもと、従来の輸送組合「マタタ」が全廃され、複数の運行会社に再編、そして200数十にのぼる路線数も一悶着の末に約70系統に整理されました。その結果、あらゆる路線バスが正面に「マタタ」やBRTといった表示ではなく「YBS」と大書したステッカーを貼り、系統番号もいっそう大きく見やすくなったほか (一部のバスではアラビア数字も……全部併記にして頂きたいものですが)、正面・側面にはYATAのロゴと具体的な主要停留所名が掲示されるようになりました (全てビルマ文字で小さく書かれているため、ヨソ者にはハードルが高すぎるのですが。汗)。また、従来は何処にあるのかさっぱり分からなかった停留所ポールが共通デザインで完全に整備され、通過する系統が全て表示されるようになりました (これもビルマ文字ですが)。というわけで、総じてバンコクやハノイに範をとったと思われるYBSの発足は、当面系統数の減少や乗り換えの増加などいろいろな問題もあるようですが、定着・改良されて行けば相当使い勝手も向上するのではないかと考えます。とりわけ今後は、英語併記のルートマップの市販と、バス車体・バス停における英語表記の拡大を激しく望みたいものです。まぁ「外国人はタクシーに乗るもんだ」という前提があるのかも知れませんが……(汗)。
 そんなYBS、発足にあたり左ハンドルの中国・ウリナラ中古が大量に用意され、ミャンマー国旗に近似の色もまぶしくズラリと大量に居並ぶ光景が現地メディアにも掲載されたことから、「これは一気に日本車黄金時代は終わるな……」と危惧したものです。しかし実際にはバスの数が膨大であることから、新塗装左ハンドル中古の投入も完全に日本車を追いやるというほどではなく、一応今回の訪問時にはまだまだ日本車も見られました♪ とはいえ、ウリナラ・エアロエースの中古が足りない分は、中国、とりわけ河南省あたりから大量に譲り受けた車両が続々と営業運転に入りつつあり (今年に入ってから猛烈な勢いで増えているとか)、言わば日中韓三国大戦争がヤンゴンの地で繰り広げられている状態です。しかも、右ハンドルの日本勢は必敗を運命づけられているという……(-_-;)。
 というわけで、ヤンゴン滞在の最後には、2013年の初訪問時にも千本ノック状態で激闘したスーレーパヤー前での撮りバスを少々楽しんで (?……正午近くでク○暑い!) みたのですが、YBSステッカーとともに最後の活躍モードに入った日本中古車の入り乱れっぷりを取り急ぎご覧頂ければ幸いです。今回セレクトした画像だけ見ますと、「日本車はまだまだ多い」という印象を抱かれるかも知れませんが、今や市内中心部でやって来るのは圧倒的に中韓勢で、これを撮るのにも結構待たされたのは否めない事実です。
 あ、そういえば……2013年に撮った画像も全然アップしていないではないですか……(滝汗。見たい方いらっしゃいます?)。
 あと、同じ左ハンドルでも、台湾の中古が入ってこないのは不思議かつ遺憾な話です……(ディーラーが不在なのか?)。


 正面側撮りそびれたヨォォォォ~~!!(号泣)。