昨年9月に訪れた韓国ソウルでの撮り鉄記録もしばらく途絶えてしまいましたが (^^;)、シリーズ名を改めまして、ソウル首都圏で活躍する抵抗制御車・チョッパ制御車の意外と濃いぃ魅力をご覧に入れたく存じます。
まず、何はさておきご紹介するべきは、日本の103系の技術を移転した車両として広く知られる (?)、韓国国鉄 (公社化され、正式名称はKORAIL) の元祖通勤電車・1000系でしょうか。もちろん、103系をモデルにしたとはいえ、所変われば品変わるわけで……国鉄線内は交流電化であるのに対し、乗り入れる地下鉄1号線は直流電化ですので、屋根の上は関連機器が賑々しく、デッドセクションを通過する際には車内の照明も消えます。また、標準軌であることを活かして車体の幅が広く、一瞬「あれっ? これは相鉄新6000系か?」と思うほどです (笑)。また、103系風の田の字窓の車体に301系に近いデザインの正面を持つ初期車 (日本から直輸入されたものと、技術移転をうけて韓国で製造したものの2種類あり)は既に「新造後25年を経た車両は廃車」という方針に従って、ほとんどの車両が引退済みですので (韓国鉄道博物館に現存)、現在走っている1000系、特に先頭車は車体デザインが変更された中期・後期車で占められています。また、車内は大邱地下鉄火災ののち難燃化改造が加えられ、ステンレスの椅子に真っ白な壁など、相当殺風景になりました……。
それでも、台車の雰囲気はそのまんま103系ですし、走行音も「本場103系と比べれば少々静かかな?」という印象がありますが、相当なデンジャラスさです (^O^)。そして……ごく少数ながら、田の字窓の初期車の中でも車齢が若い車両が辛うじて中間車として組み込まれていることがあり (↑の画像)、運良く撮影・乗車できれば宝くじ大当たりモノな気分です!
ただ、韓国国鉄・首都圏電鉄線の最大勢力はすでにVVVF車の5000系へと移行し、1000系の活躍の範囲は狭められつつあるのが実情です。特に、京釜線の首都圏電鉄区間の南端が水原の南・餅店から一気に天安まで延長されて以来、京釜線は5000系の天下とされてしまった模様……(滞在中、九老以南の京釜線で1000系を一度も見かけませんでした T_T)。また、日中は20~30分間隔で1000系が走っていたなぁ……という記憶があった京元線の龍山~清涼里~回基間も、中央線との直通運転開始以来、1000系が走るのはラッシュ時のみ、日中は5000系の交流専用バージョン (?)・6000系の天下となってしまいました。
そこで、1000系に乗ってその走行音を楽しもうと思ったら、京仁線・仁川からソウル中心部を通って京元線・議政府or東豆川or逍遙山に至る《京仁~京元線各駅停車》か、ソウル市内の龍山と京仁線・東仁川の間を走る《京仁急行》に乗ることになりますが、特にオススメなのが京仁急行!! 何故なら……本数が多いだけでなく (朝ラッシュ時は5~6分間隔、日中も10~12分間隔)、1000系の使用比率が高く、運用区間も短いため、結果的に1000系が頻繁に行ったり来たりする格好になるからです。それに何と言っても、100km/h前後で思い切り飛ばしてくれますので、常磐線の103系快速を思い出させるデンジャラスな乗り心地も全開!
但し、スピードがノリノリな分、急行通過駅での撮影はハードです……(^^;)。上の画像は、最近新設された (?) 素砂[ソサ]駅にて。背景も如何にも韓国のありふれた街っぽくて気に入っているのですが、ここを急行が通過するのはほんの一瞬 (汗)。いっぽう下の画像は急行が停まる松内[ソンネ]駅にて。103系サウンドも高らかに、勾配を一気に駆け上がって駅にすべり込んでくるシーンは、迫力満点です……(*^^*)。