福岡都市圏の北部で、往年の西鉄電車の主力たちがのんびりと通勤通学輸送にいそしんできた宮地岳線。部分廃止とともに、宮地岳線という呼び慣れた路線名も今日限りとなってしまいました (T_T)。すでに311Fが胴回りに部分廃止さよならラッピングをまとい、お別れムードを盛り上げているようですが、今日はさぞかし多くの人々が別れを惜しんでいるのでしょうか。もともと本数が多く、輸送力は十分にあること、そして関東や関西からは遠く離れていることから、恐らく大きな混乱もなく無事最終列車(日付が変わったあと、津屋崎から去るための臨時回送として運転される列車を客扱いするとは!)も走ることでしょうが、とにかく有終の美を飾って欲しいものです……。
というわけで、恐らく部分廃止と運命をともにするであろう300形と、満開の桜の組み合わせ (@古賀) をレタッチしてみました。今年の桜は開花が早いといわれながらも、ここしばらくの寒さで足踏み気味。果たして今ごろこの桜は見事に咲き誇りながら、釣掛式電車の花道を飾っているのでしょうか……?
いっぽうこちらは313形@津屋崎です。日中のただでさえ空いている列車は、福間・宮地岳で少しずつ客を降ろし、津屋崎に着く頃には2両で5人程度しか乗っていないという有様……。そんな電車がすべり込んだ津屋崎も、海に近いことはそれほど感じられない平々凡々な終着駅で、客がそれぞれに散ったあとは、午後の日だまりの中で駅舎と電車が手持ちぶさたにまどろんでいた……そんな印象があります。
一応、訪れた04年春の時点では廃止反対の看板もあり、たしかに昼間の鶴見線末端部のような客の入りでは大丈夫かなぁ……という気もしたのですが、貝塚口では客も多く、津屋崎まで頻繁運転で頑張っているのだから、まあ大丈夫だろう……地下鉄直通に動き出せばきっと生気を吹き返すに違いない、と思いつつ津屋崎を後にしたのでした。しかし、やはり客が少ない区間は生き残ることが出来ず、津屋崎のこざっぱりとし過ぎた終着駅の風情も永遠に見られなくなるとは……(-_-)。
何はともあれ、結局個人的な宮地岳線との付き合いは福岡出張の際の楽しみというだけに過ぎませんでしたが、電車が2or3両でゴトゴトと走る光景は、小学生の頃から一貫してローカル線の電車を中心に趣味活動をしてきた私にとっては忘れられないものです。戦後60年近く走り続けた古豪たちをねぎらい、そして役目を終えて消え行く路線の無念を思いつつ……長年にわたりご苦労さまでした。