地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ソウル電車漫遊録 (1) 京仁急行万歳!

2008-01-23 12:08:44 | 韓国の鉄道


 昨年9月に訪れた韓国ソウルでの撮り鉄記録もしばらく途絶えてしまいましたが (^^;)、シリーズ名を改めまして、ソウル首都圏で活躍する抵抗制御車・チョッパ制御車の意外と濃いぃ魅力をご覧に入れたく存じます。
 まず、何はさておきご紹介するべきは、日本の103系の技術を移転した車両として広く知られる (?)、韓国国鉄 (公社化され、正式名称はKORAIL) の元祖通勤電車・1000系でしょうか。もちろん、103系をモデルにしたとはいえ、所変われば品変わるわけで……国鉄線内は交流電化であるのに対し、乗り入れる地下鉄1号線は直流電化ですので、屋根の上は関連機器が賑々しく、デッドセクションを通過する際には車内の照明も消えます。また、標準軌であることを活かして車体の幅が広く、一瞬「あれっ? これは相鉄新6000系か?」と思うほどです (笑)。また、103系風の田の字窓の車体に301系に近いデザインの正面を持つ初期車 (日本から直輸入されたものと、技術移転をうけて韓国で製造したものの2種類あり)は既に「新造後25年を経た車両は廃車」という方針に従って、ほとんどの車両が引退済みですので (韓国鉄道博物館に現存)、現在走っている1000系、特に先頭車は車体デザインが変更された中期・後期車で占められています。また、車内は大邱地下鉄火災ののち難燃化改造が加えられ、ステンレスの椅子に真っ白な壁など、相当殺風景になりました……。
 それでも、台車の雰囲気はそのまんま103系ですし、走行音も「本場103系と比べれば少々静かかな?」という印象がありますが、相当なデンジャラスさです (^O^)。そして……ごく少数ながら、田の字窓の初期車の中でも車齢が若い車両が辛うじて中間車として組み込まれていることがあり (↑の画像)、運良く撮影・乗車できれば宝くじ大当たりモノな気分です!



 ただ、韓国国鉄・首都圏電鉄線の最大勢力はすでにVVVF車の5000系へと移行し、1000系の活躍の範囲は狭められつつあるのが実情です。特に、京釜線の首都圏電鉄区間の南端が水原の南・餅店から一気に天安まで延長されて以来、京釜線は5000系の天下とされてしまった模様……(滞在中、九老以南の京釜線で1000系を一度も見かけませんでした T_T)。また、日中は20~30分間隔で1000系が走っていたなぁ……という記憶があった京元線の龍山~清涼里~回基間も、中央線との直通運転開始以来、1000系が走るのはラッシュ時のみ、日中は5000系の交流専用バージョン (?)・6000系の天下となってしまいました。
 そこで、1000系に乗ってその走行音を楽しもうと思ったら、京仁線・仁川からソウル中心部を通って京元線・議政府or東豆川or逍遙山に至る《京仁~京元線各駅停車》か、ソウル市内の龍山と京仁線・東仁川の間を走る《京仁急行》に乗ることになりますが、特にオススメなのが京仁急行!! 何故なら……本数が多いだけでなく (朝ラッシュ時は5~6分間隔、日中も10~12分間隔)、1000系の使用比率が高く、運用区間も短いため、結果的に1000系が頻繁に行ったり来たりする格好になるからです。それに何と言っても、100km/h前後で思い切り飛ばしてくれますので、常磐線の103系快速を思い出させるデンジャラスな乗り心地も全開! 
 但し、スピードがノリノリな分、急行通過駅での撮影はハードです……(^^;)。上の画像は、最近新設された (?) 素砂[ソサ]駅にて。背景も如何にも韓国のありふれた街っぽくて気に入っているのですが、ここを急行が通過するのはほんの一瞬 (汗)。いっぽう下の画像は急行が停まる松内[ソンネ]駅にて。103系サウンドも高らかに、勾配を一気に駆け上がって駅にすべり込んでくるシーンは、迫力満点です……(*^^*)。

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5 コメント

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Unknown (MAKIKYU)
2008-01-24 11:43:34
こんにちは。

以前は多数派勢力であったこの形式も、今では次々とVVVF車が導入される事によって逆に希少な存在となり、日本でも首都圏では103系が消滅してしまった事もありますので、最近はこの車両がやってくると嬉しく感じてしまうのは同感です。

京仁線方面は複々線化されており、各駅停車と急行の緩急結合(山手線と京浜東北線快速の様なモノで、首都圏私鉄やJR西の様に綿密な接続が組まれている訳ではありませんが…)を利用する事で、この車両の捕獲率が上がる事も注目点ですね。

また初期車両の先頭車が絶滅してしまった事は惜しいですが、それでも1枚目の写真の様に、車体形状が異なる車両が組み込まれた雑然とした編成も、日本の103系にN40工事施工車が組み込まれている姿を思わせるものがあり(韓国ではただの編成組み換えですが…)、これもなかなか面白いですね。

あとこの形式も難燃化改造と共に座席が随分硬くなり(某メーカーアルミ車の直角座席並?)、この点はかつての103系を思わせる内装と比較すると、面白みに欠ける気もしますが、それでもソウルメトロ所属車両のステンレス座席(1000系でもこの座席ですね)よりはまだ程度が良いかと思っています。
(それとも最近はKORAIL所属車でもステンレス座席が出てきているのでしょうか?)
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Unknown (おっとっと)
2008-01-25 18:36:07
>MAKIKYUさま
 こんばんは、コメントどうもありがとうございます。
 韓国・首都圏電鉄の1000形、たとえ運用がある京仁・京元線系統でも、来ないときはとことん現れず、数本続けて5000系という事態もあります (共通運用だと思われますので、単純に運が悪いだけかも知れませんが……)。
 その点、逍遙山~仁川間を延々と走る各駅停車は、そこそこ1000系が入っていても狙いにくく、距離がそれほど長くない京仁急行がいっそう狙い目になりますね。
 田の字窓の初期車を組み込んだ編成は、ソウル地下鉄1号線の編成を含め、多くてもせいぜい10~15本前後といったところでしょうか。本当に希少価値になってしまい……全車廃車も時間の問題だと思いますので、1枚目を撮影できたのは本当に幸運でした。まあ、これからは中期・後期車オンリーの編成も廃車が進むでしょうから、田の字窓が連結されていようがいまいが「1000系は来れば乗る・撮る」ことが大事になるでしょう。
 ちなみに、国鉄1000系の難燃化改造は基本的にソウルメトロ所属車と同じで、全ての椅子がステンレスに改められています。それでも、日立Aトレインの椅子よりははるかに座り心地が良く、ソウル駅から東豆川まで乗り通しても疲れませんので、まあ仕方がないか……と思っています。
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Unknown (Enfield)
2017-04-20 04:43:49
こんにちは。私は韓国に居住する韓国人です。この間、上記形態の電車は、2017年 3月29日を起点にすべて運行を停止しました。非常に残念なニュースですね。 しかし、最後期生産された1x72戦車は、いくつかの地方の専用シャトル列車で置換されて使用される予定であります。

https://www.youtube.com/watch?v=wGrDuwr9-bY
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Unknown (おっとっと)
2017-04-23 15:57:30
>Enfield님
 안녕핫힙까、한국에서의 코멘트 감사함니다!
 KORAILの中期抵抗車、ついに製造25年の期限に達してソウル首都圏からは引退ですか……。ソウル首都圏の電車でも一大勢力を構成していた車両だけに本当に残念ですが、その分だけ韓国と日本のKORAILファンの間に大きな印象を残した電車だったと思います。
 1x72編成は地方のシャトル用ですか! 後期抵抗車も同様に地方用として転用されるのでしょうか?! ソウル首都圏電鉄では路線の長さゆえ、最近は1000系も滅多に来なかったものと思われますが、地方の短い区間で往復する運用に入れば、その分だけ遭遇しやすいものと思われます。ですので、個人的には地方への転用に大賛成ですね! 撮りやすい路線・運用であれば、久しぶりに韓国を訪れて是非乗車と撮影を楽しんでみたいところです。
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Unknown (おっとっと)
2017-04-23 16:02:11
↓このレスのうち「하」が「핫」になってしまい실례했습니다 (^^;)
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