本シリーズの前回記事でも記しました通り、広島出張の翌日は関西で撮り鉄することにしまして、何のかの言って夜に大阪に着けば良い……ということで在来線を利用して移動したのですが、ただでさえ在来線普通・快速列車利用の旅は時間と体力を要するもの。18きっぷシーズンに人気が集中するのは、なるべく乗り換え回数が少なく、かつ快適な転換クロス車を利用した乗り継ぎパターンになるのは自然な流れと言えましょう。私も、今まで気分は若かったはずなのに、いつの間にか体はオッサンになってしまいまして、中長距離の移動ともなればもっぱら新幹線や特急・首都圏グリーン車のお世話になりっぱなしですので、久々の普通列車の旅も当然転クロ狙いでまったりと行きたい……と思ったのですが、いや待てよ! そういえば広島エリアだけでなく岡山エリアにも、103系が天下の山陽線を激走するという、ある意味で酔狂この上ない運用があったはずだ……ということを思い出しました。とくに、三原16:44発の赤穂線直通・播州赤穂行きは……ぬぉぉぉっ! 運転距離は144.1kmで、所要時間は2時間43分!!(列車番号が岡山で変わるのはちょいと残念) 念のため、山陽線などをはじめとした他の103系の長距離運用を調べてみても、これに次ぐのは竹原発由宇行の125kmということで、大幅に (?) 短くなってしまいます (所要時間はビミョーにこちらの方が長いのですが ^^;)。
そこで、ここは一丁ストレス解消のため、たとえ傍目には過酷なトイレ無しロングシートの旅であっても、103系ファンにとっては強烈に酔狂で快感な乗り鉄旅をやってやろうじゃないか!という、自分でも呆れるほどショーもないファイトがムラムラと湧いてきまして、まずは三原駅で103系・和気発三原行の到着シーンを激写したのち、三原から播州赤穂まで103系で乗り通すことにしたのでした。主君への忠義に燃えて苦節に耐えた赤穂浪士の故事に学び、103系に全身全霊を捧げていざ目指さんかな赤穂へ!! (何と大袈裟な……爆 ^^;;)
但し、とにかく2時間40分以上も用を足すことが出来ないというのは、相当な心理的プレッシャーであることは否めません (^^;)。そこで、蒸し暑い季節にあって非常に酷なことではありましたが、既に呉線で撮り鉄している段階から水分補給は控えめにしまして、三原駅でも念には念を入れて用を足し、いざ覚悟を決めて乗車! (お食事中の方には誠に恐れ入ります。ま、そもそもこんなヘロいブログを見るだけでも、余りの色気の無さにメシも不味くなるでしょうが……。笑)
早速走り始めた103系は、MT55の激しい唸りがスカスカな車内に響き渡ってビシバシ揺れまくり、いきなり気分はノリノリ……と思いきや、何でこういうときに限ってすぐ近くに、新○宗○まがいの奇行と意味不明な独り言を繰り返す○ソ○バ○が乗ってくるのか……まさか電動車車端部のベストスポットを捨てて他に移るわけにも行かないし……というわけで激鬱 (-_-;;;)。ところが幸いなことに、このク○バ○アは尾道で下車しまして、山と海に挟まれた尾道の街並みを103系の車内から存分に楽しむことが出来ました (^O^)。
その後は、たまに福山など主要駅で客を入れ換えながら、103系は駅間の長い複線をガンガン快走!! そして天下の本線らしく堂々とした途中駅全てに丹念に停まります。EF210やEF66が牽引する長大高速コキ列車、それに117系や115系などが大量に行き交う本線にあって、103系は追いつかれまいとして持てる性能を最大限に振り絞りながらひた走るわけですが、その健気な走りは何やら、常磐エメラルド103系の危険すぎる走りを激しく思い出すではありませんか……!(*^O^*)
しかし、考えはまだまだ甘かった! 岡山地区103系普通列車の真骨頂は、むしろ赤穂線にこそあったのでした……。岡山で帰宅客を大量に乗せ、一時的に首都圏や関西の103系と同じような雰囲気になったなぁ~と思っていたものの、東岡山と西大寺でドドッと下車、一気にローカルムードが増した車内と、車窓に流れる夕暮れの美しい田園風景、それに突如線路条件が悪くなって過激にジョイント音と揺れを発しまくる103系サウンドが三位一体となって、これでもか!とばかりに103系ファンのハートを熱く揺さぶりまくります!! \(^O^)/ ぬおぉぉぉ……103系には長年乗ってきたものの、赤穂線のこの走りは初めて体験する強烈な感覚……。本数がガクッと減る長船からはいよいよ夜のとばりも下り始めまして、開け放った窓から流れ込む涼風や山々のシルエット、それに薄暗がりの日生駅前で客を待つ小豆島行きフェリーの姿もいとをかし……。
そんなこんなで、ついに景色が闇の中に消える頃に播州赤穂に到着し、目の前の223系新快速に乗り換えて103系最長距離の旅を締めくくったのですが、乗り続けて疲れを感じるどころか、先へ先へと進むにつれて気分が激しく盛り上がったのは、やはり自分の体の中に染み込んでいる「103系分」が強烈に疼き出すからなのでしょうか。とにかくこの列車、103系を愛する全ての方にお薦めです……が、トイレ問題をはじめとする体調管理はあくまで自己責任で宜しくどうぞ (笑)。
なお、私にこれほどの感動を与えてくれた岡山H12編成ですが、広島・奈良からの転属車 (のどちらか) に置き換えられ、既に廃車になったとか。合掌……。
【お知らせ】 韓国出張のため、次回更新は早くても7月7or8日以後となります。また、7月以降しばらくの間、仕事と撮り鉄活動ともども超多忙となりますので(インドネシア遠征もありますし)、恐らく劇的に更新頻度が下がる見込みです。鉄道趣味業界とは全く接点がない人間が金銭的利益ゼロで酔狂な話題を自由放送しているだけのブログですので、悪しからずご了承下さい。