地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

相鉄JR直通目前 (1) 埼京E233かしわ台に

2019-08-30 20:39:00 | 大手民鉄 (相鉄)


ついに11月末の相鉄・JR直通運転開始まであと100日を切った今日この頃、相鉄12000系が品川に入線したかと思ったら、埼京線E233系も西谷まで入線し、月末にはついに相鉄全線での試運転とかしわ台での留置も始まりました! ネット上でこういった話題を目にするにつけ、なるべく早くE233系7000番台の相州入りを祝いたいものだと思いまして、私も勇躍かしわ台に出掛けて参りました。すると……本当にいたぁぁっ!



線路が繋がり、保安機器も揃えば、どんな車両でも相互乗り入れ可能であることは、これまでの数多の事例から余りにも分かりきったことであり、しかも相鉄には既に完全 (?) JRE準拠のマンケーとマンセンケーが走っていますので、E233系が来ることは不思議でも何でもないはずです。にもかかわらず、何なのでしょう、この言い知れぬ感動は……。それは恐らく、相鉄が本厚木乗り入れをやめて以来、長年貨物や甲種を除けば孤立した状態にあり、車両も独自の進化をとげていたところ、ついに西谷に難工事の末に風穴が空き、埼京線・川越線という遥か彼方の空気をもたらしたという、未だかつてないマジック・仕掛けの為せる技なのかも知れません。そして、かしわ台で隣に並んだのはまさに、相鉄という名のガラパゴス・独自の進化を象徴する7000系をさらにマニアックな風貌にしたモヤ700であるというのも、E233系7000番台のかしわ台入城を最も強烈に印象づけるものと言えましょう。
直通運転開始にあたり、相模大塚あたりでもしかすると撮影会でもあるかも知れませんが、その際にはモヤは並ばないでしょう。また、実際に営業運転が始まりますと、モヤとE233が首尾良く並ぶことは余りないのかも知れません。こういったことを考えるにつけても、この並びはますます強烈で貴重だと思わずにはいられないのでした。モヤ4両を2両2両に分け、10連の先頭と合わせてくれていることもまた、かしわ台の関係者の皆様のご配慮としか思えないのです。

※1枚目の画像は、敷地外から超望遠撮影し、トリミングしています。
※2枚目の画像は、細かい金網越しのため、iPhoneで撮影しています。

485系「華」・ひとり撮影会開催

2019-08-28 13:01:00 | JR発足後の車両


 かつては北海道から九州まで、列島の電化区間を席捲したと言っても良い485系も、残るはジョイフルトレインに改造されたごく僅かな車両のみとなりました。臨時・団臨系をわざわざ撮りに行くわけではない私ではありますが、たまたま撮影出来る機会があれば大変結構なことには変わりありません。しかも、周りに他のヲタが全く不在であれば、なおさら気分は最高です (笑)。



 そんな機会が先日の早朝、突如として到来しました。登山のため高尾6時14分発の松本行きに乗るべく、八王子からちょこっと乗って高尾に着き、3番線からダッシュで跨線橋を渡り2番線に向かったところ、何と留置線には「華」が寝ているではありませんか……。松本行きの発車までは10分以上余裕があり、座席もギリギリ接続の次の列車が着く前で確保してあります。というわけで、個人貸切撮影会に突入し、立ったりしゃがんだり、あっという間に撮り貯めたのですが、山岳撮影用で予めPLフィルターを装着していたため、車体のテカリを最小限に出来たのも何よりでした。
 肝心の登山も、こうして幸先が良かっただけに、素晴らしい山旅となりました♪ カネがらみのくじ運は全くない私ですが、この手のくじ運は我ながら良いもんだ、と思わなくもありません。
 さて、「華」をこうして撮った以上、いずれ「リゾートやまどり」もじっくりと個人撮影会してみたいものです (笑)。

 ※機構的には485系そのものですが、車体は1997年の新造ですので、カテゴリは「JR発足後の車両」とさせて頂きます。

秩父鉄探訪2019春 (9) パレオデキと12系

2019-08-27 12:00:00 | 地方民鉄 (秩父)


 2020年は完全にSLが運休となる秩父鉄道、無難に考えればデキ201と12系を使ってEL客レを運転するものと予想できますが、問題は料金設定。これまでは確か、EL代走の際にはSL急行料金を全額返却し、乗車券のみで利用できたはずです。SLが牽引するわけでもないのに普通列車よりも遅い列車では、電車急行料金をも徴収できないという考え方なのかも知れませんが、何はともあれ気軽に12系客レに乗車可能という点で非常に嬉しい反面、今や貴重な12系に乗るのに料金を払わないのも申し訳ないと思わなくもありません。



 そこで、一つの考え方として、この秋以後EL急行料金を設定することになった大井川鐵道に倣って、秩父鉄道でも電車急行並みの料金を取るのはありだと考えます。12系にしても、既に大量廃車から長い時間が経ち、部品が次第に減っているでしょうから、困難さの度合いが上がりつつあるメンテナンスを着実にやって頂くためにも、料金を取って頂ければと思うわけです。
 まぁいずれにしても、SL運転時と比べれば、観光客の利用が減ってしまうことは否めませんが、その代わりにゆったりとした長距離列車旅気分を都心の至近で気軽に味わえる存在として、来年は秩父のEL急行に着目したいと思います。(運転されればの話ですが)


日本の夏・中央線の夏 (下) 高尾発長野行

2019-08-26 12:00:00 | 国鉄型車両


 ただでさえ週末や行楽シーズンには混み合う中央線の特急が全車指定席になって以来、一見すると211系化でロングシートに当たるかも知れず、「使えない」存在になったかに思える普通列車の利用価値がにわかに上がったような気がするのは私だけでしょうか。とりわけ、天気予報と相談しながら直前の思いつきで登山・ハイキングに出かける場合、特急の指定を早い段階で確保しておくのはリスクがあります。勿論、早くから予約しておいて当日好天に恵まれれば、スピーディーな移動と素晴らしい眺めで気分は最高ですが、逆にロクでもない天気に当たってしまった場合、恨み言を内心連ねながら歩かなければならないという最悪の事態となります。そのフラストレーションを低減するのであれば、特急に座れず時間もかかるという不利益を理解した上で、気軽に普通列車で移動するのは精神衛生上良いのも確かです。デカいザックを持参していると、実はロングシートの方が便利ですし、特急にデカいザックを持ち込むとパンピーの皆様にウザがられるという問題もあります。



 というわけで、もともと特急不在な早朝6時14分に高尾を出る松本行き鈍行を、セミクロスだろうがロングだろうが従前にも増して愛用せずにはいられないのですが (八王子6時35分発は、甲斐大和や塩山でのバス連絡が良いこともあって、下手をすると登山者で激しく混むからキライ。笑)、その他にも最近は気のせいか、豊田〜高尾から松本まで通しで走る鈍行が増えているような気がします。単に運用上の都合で、甲府や小淵沢で切らずそのまま直通させているだけかも知れませんが。
 そして極めつけは、確か去年か一昨年のダイヤ改正で復活した高尾発長野行き! 去る8月上旬に奥高尾をハイキングして下山した際にも、ちょうどたまたま長野行きがやって来まして、結構興奮しました (^^;)。しかしながら、この日は見事にロングシートの2000番台が充当されており、まぁ余程の「長距離鈍行乗り通しヲタ」でなければ、さほど乗り通す意味を見いだせないのは私だけではないでしょう。かつての、18きっぱー&登山者御用達・新宿発長野行きと比べれば、名門列車らしさは足下にも及ばないのです (新宿駅で2〜3時間以上前からアルプスの広場で待機したのも懐かしい話です)。
 むしろ、最近は青春18切符旅指南書でしばしば言及されることですが、必ず座り続けつつ退屈も回避するためには、むしろ途中の駅で駅の外に出て、コンビニなりメシ屋なりでブレイクするのが良いと思われます。例えば中央線であれば、甲府でほうとう、上諏訪・下諏訪・広丘ではハルピンラーメン、塩尻・松本では駅そばに舌鼓を打つのがオススメです。

宮城乗物縦断 (10) 阿武急8100系@仙台

2019-08-25 12:00:00 | 地方民鉄 (東北)


 奥州街道を歩いて仙台という節目に着き、昔の仙台城下町の中心にあたる芭蕉の辻にある奥州街道の碑を撫でて感慨に耽ったあとは、打ち上げで駅前商店街の牛タン屋に入って口福の限りを感じ、後は新幹線に乗って帰るだけ……? 否、せっかく夕方の仙台駅は列車の出入りが頻繁である以上、指定席を確保した新幹線の時間が来るまで、駅撮りに興じなければなりません (笑)。



 その中でも、やはり圧倒的にレア感と存在感がある存在は、阿武急8100系ということになりますので、手ぐすね引いて「さて何番線に来るのやら……」と電光掲示に注目していたのですが、えええ……行き止まり式なのはさておいて、構造物の真下で暗い3番線発着とは……。それでも、HMが装着されていることもあり、このような機会を活かさないわけには行きません。手ブレ補正の力も借りて、何とかここまで撮れたのは、最近のデジカメの恩恵と言うべきでしょう。
 それにしても、扉の位置は違えども、かつての急行型電車の面影を何となく伝える車両が、東北の都・仙台から消えるのも間もなくです。その前にこうして記録できたのは、奥州街道・東北本線の古今を振り返る上で有意義なことでした。