地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

CMR LINE製・台鉄DR2700を愛でる

2016-05-31 00:00:00 | 模型素人物欲見聞記


 日々様々なモデルが現れてヲタの心と財布を大いに惑わせるN模型の世界では、最近台湾型も台頭し、さらには中国型もぼちぼち現れているところですが、この流れにおいては良くも悪しくも、中国での鉄道模型生産が過去10数年来伸長したことが大きく作用していることは詳論するまでもないことでしょう。そして、鉄コレやマイクロのように、日本型が中国で生産されるのと同様、台湾型も中国で生産されるという動きがあり、その象徴的な製品として、このたび中国の新興メーカーCMR LINEから、台湾の名気動車・DR2700の完成品が発売され、「ぼちぼち」流通するようになりました。
 ただ、この製品を取り巻く動きは複雑怪奇の極み……。CMR LINEからDR2700が発売されるという話は、確か2年前くらいから一部のマニアックな界隈で熱く語られるようになり、私もいつもお世話になっておりますKucing様のルートで購入するべく、早い段階で予約しておりました。ところがKucing様から伺ったところによりますと、とくにプロデュースを担当した台湾側の対応に問題が多いためか、試作段階でのモールドに文句を言っても全然解決しなかったり (その象徴が、やけに高い位置にある前面窓)、作ってみても悉く不良品の嵐で、結局ごく僅かしか流通せず、とりわけKucing様が確保のうえで日本に輸入された分は遅れに遅れたとのこと……。



 というわけで、Kucing様からようやく入荷のご連絡を頂き、ブツを受け取りに伺った際にも「いろいろと問題だらけですがどうします?」と念を押されまくりました (滝汗)。しかし、上記前面窓の問題を除けば、ギンギラギンの東急車輌製ボディの造形が総じてとても美しく、黄色フェイスも良いアクセントになっており、「最悪の場合何とか策を講じ、鉄コレ下回りに改造すれば良いか」と思いまして(最初から装備されている室内灯は点かなくなってしまいますが)、先頭車4両と中間車1両を購入!! 同時に中国国鉄YW22も引き取りまして、Kucing様からいろいろと濃厚すぎるお話を伺うという楽しいひとときを過ごしたのでした。
 帰宅後、余りにも光沢を放つボディに魅了されて、取りあえず走らせてみたところ、モーターの動きそのものは今のところ快調で(4両全車にモーターがあり、それこそ全車単行として雁行させることも可 ^^;)、前照灯と室内灯を煌々とさせながら疾走する姿は本当に惚れ惚れとさせられます……(*^^*)。
 しっかーし!最大の問題は、Kucing様から「必ず崩壊する」と繰り返し念を押されたカプラー……。特許抵触を避けつつTNカプラーのようなギミックにしたいのでしょうが、とにかく連結するのも切り離すのも非常に固く、神経を使います……。しかも、なかなか切り離せないため少々力を入れますと、カプラーが丸ごと根本から引っこ抜けてしまいました……。なるほど、確かに崩壊……(-_-;;メ)。取りあえず、再び奥に差し込むと元通りとなりましたが、いやはや、これは実にオソロシイ……。Kucing様によりますと、最終解決策はTNカプラーに交換することであるものの、相当面倒な作業とのことですので、当面はこのままとして、なるべくそぉ~っと扱うことにしました……。
 もう一つの大問題は、台車廻りのチャイニーズ・クヲリティ……。何とあろうことか、台車の底部がギア廻りから染み出した中華油でビショビショ……(-_-メ)。うっかり触るとベッチョリしてしまいます。たまにOAクリーナー等で拭いてやらなければいけませんし、間違っても他の車両と同じケースには収納できません……。日本等の外国企業のお目付役がいない純然たる自国産では、やはり中国の工業力はこの程度だということを明確に示しているわけで、「こんなんでよくもまぁ中共は《産業昇級[レベルアップ]→世界工業製品市場における覇権確立→日米欧を完全に従属させる中国夢達成!》とか言えたもんだ」と思わざるを得ません。

 まぁ、飾っておく分には、とても美しいです……。まずは、様々な困難を乗り越えて相当レアなブツを輸入のうえお頒け下さったKucing様には心よりお礼申し上げます!
 そして……そのうち鉄支路のDR3100もゲットしたいぞ……と思います。嗚呼、物欲の泥沼! (^^;


 ガラベンが並ぶのみでスッキリした屋根……これもこれで小窓ズラリのギンギラボディに似合いますね……♪ そして妻面の雰囲気 (先頭車の客用デッキ側も同様) も超絶にグッド!



 点灯状態で走る姿がメッチャ格好良い……(*^^*)。
 畳の上の即席レイアウトで失礼 (^^;

2016京急久里浜まつり開催・三色並び

2016-05-30 00:00:00 | 大手民鉄 (京急)


 昨日は京急久里浜工場にて、毎年恒例のファミリー鉄道フェスタが盛大に開催され、私も昼過ぎからノコノコと出掛けて参りました。正直なところ、家族連れやヲタで猛烈に混み合うこのイベントは、旧1000形が引退した今となっては、些か億劫にも感じられたのですが (しかも季節柄、晴れたらマジで蒸し暑く埃っぽいですし……)、台鉄ラッピングが西武色や北総直通25周年HM編成、それに1800とも並ぶというのは近年稀に見る魅力でもあり、かつ昼過ぎから曇るという予報でしたので、結局参戦することに……(優柔不断 ^^;)。肝心の天気はなかなか曇らず、「あー、これじゃぁ朝イチで来てド順光を撮るべきだったではないか……」とも思ったのですが、幸いにして14時前後から雲がかかりはじめ、フラットな光線でいろいろな角度から撮りまくることが出来ました♪



 あー、それにしても、2100&新1000タイプの顔の3編成が、しかも青黄赤と信号の如き順序で並んでいますと、何とも見映えがしますね……。台鉄編成のゼブラ模様も実にすんなりとキマって絶大な存在感を魅せていますし……(*^^*)。台鉄普通車ラッピングは、公式HPによると今週末 (4日) を以て終了となるようですが、ヲタ心を大いに刺激してくれたこの編成の有終の美の舞台として、この三並びは誠に相応しいものであったと言えましょう。
 しかし、台鉄とのコラボキャンペーンがこのまま終わるわけではなく、次の隠し球が何時どのような塗装を纏って現れるか、大いに注目したいと思います。工場内では2117編成が検査中で、真っ白な状態で置かれていましたが、これが例えばタロコ色になると良いなぁ~……。東武りょうもう200系がプユマ色になるそうですし……。もう何でもありですな (^^;
 とまぁこんな感じで激写したほかは (2000・1800は気が向いたら改めてアップします)、物販コーナーの京急バスブースにて、バスコレの新製品をお一つお買い上げ~。エルガ (しかも最新型はヲタシートが省略されて怒り心頭……) ではなくブルーリボンシティでしたら喜んでお布施させて頂きますよ……っと (^^;)。
 いやはや、とにかく蒸し暑く、帰りの横須賀線ボックスシートではグッタリしてしまいましたが、何はともあれ、今年は展示車両のマニアックなバラエティで勝負!という色彩が強いイベントであったかと存じます。まずはこの場ながら、酷暑の中での企画・運営に当たられた京急関係者の皆様に、心よりお礼申し上げます m(_ _)m

タイ国鉄激変前? (5) 10系風3等客車

2016-05-29 00:00:00 | タイの鉄道


 客室側窓10枚の車両 (洗面所無し?)……BTC1028。



 客室側窓9枚の車両 (洗面所あり)……BTC1350。



 腰回りにグレー帯・黄色は細帯……BTC1206。



 12系のクーラーを流用? 電源荷物車……BFV1024。

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 日本国有鉄道消滅という取り返しの付かない天変地異から来年4月で30年。道理で、電車や気動車も含めて国鉄型車両が加速度に減りつつあるわけで、鉄ヲタ界一般における国鉄型車両飢餓現象はますます深刻になっているように思われます。
 それを象徴するのが、去る4月下旬に運行された大井川鐵道のEL牽引・午前中から夜まで旧型客車乗りっぱなしツアーでしょうか。他のあらゆる脚色を廃し、釣掛サウンドを発する罐が率いる客車列車に純粋に揺られ続けて弁当をつつくというもので、しかも1人1ボックスで相席無し保証付きということですので、かつてワイド・ミニ周遊券や18きっぷで旧客の旅をしたことがあるヲタでしたら誰もが飛びつかざるを得ない内容……。勿論、大井川・津軽鉄道(冬季限定)で旧客は定期的に運転され、JREでも臨時列車で旧客が動員されることもありますが、大井川にせよ津軽にせよ乗車距離は長くなく、JREの場合相席必至ですから (見ず知らずのヲタが4人も1ボックスに詰め込まれる列車に、私は乗りたくない)、今回の大井川の徹底的にヲタ目線に応えた企画は、もう一度でも良いので1ボックスを占拠して長距離客レの旅をしてみたいというあらゆるヲタの願望を叶えるものでしょう。しかし果たせるかな、倍率は凄まじくなり、抽選外れで死屍累々の惨状となったとか……。今後も何度でも催行して下されば、ツアーバス問題以来経営が極度に不安定化している大井川鐵道にとって福音の定番となるでしょうが、ちゃんと頻繁に催行して頂かないと、何度でも乗りたいというヲタの応募殺到を捌き切れず、さらに欲求不満の死屍累々を重ねてしまう恐れがあります。
 そして、諦めた人は台湾の南廻線へ……。しかしその南廻線にしても、いくら風光明媚な中をスハ44風車両で旅することが出来るとは言え、乗車時間は必ずしも長くないため、「もう終わりかよ」という遺憾は残ります。東部・西部幹線で平快車が走っていた頃までが華だったのですが、その当時台湾旧客の魅力を知っていた日本人ヲタは僅少……。一方、そんな台湾の旧客も、いつまで毎日運行を続けるか分かったものではありませんし、たまに団体客がドッと乗ってきて雰囲気が最悪になることもありますから油断できません (私も経験あり……-_-)。
 というわけで、日本の旧客テイストを完璧に共有する客車に長時間乗り、しかも1ボックス占拠という幸福を味わいつつ、日本の本線急行客レを彷彿とさせる時速100km/h前後の高速走行とドッシリとした乗り心地に興奮するとしたら、タイ国鉄の3等車こそナイスな選択であると言えましょう。とくに、東本線の空いている時間帯の列車or区間と、南本線のトンブリー~ランスアン鈍行は超オススメ級ですね……。ランスアン鈍行は、東京~大阪間に匹敵する距離で、朝出発して夕方着くという理想的な列車ですし、少なくともトンブリー→ナコーンパトムでは1ボックス占拠も不可能ではありません (微妙な乗車率ですので他の客が入ってきてアウト!となる可能性もありますが)。また、東本線のバーンプルタルアン鈍行(平日運転)は、チャチュンサーオから先は空いており、とくにパタヤ以南はほとんど誰も乗っていないことで有名です。私も次回の訪泰時にはこれに乗りたいと画策しています……。


那珂川清流鉄道初訪問 (2) 木曽王滝の巡視車

2016-05-28 00:00:00 | 保存・園内・特殊車両


 那珂川の畔の田園地帯にある葬儀場の建物を取り囲むように、周回線路と車両が日々増殖を続ける那珂川清流鉄道。門を入ってまず目に入る千葉モノレールの車両に驚くのも束の間、さらに次から次へといろいろな車両が目に飛び込んでくるのですが、とりわけのっけから驚喜させてくれるのがこちら、懸垂状態のモノレールの下に収納された状態の、木曽王滝森林鉄道の巡視モーターカー (1965年・富士重工製) です♪
 那珂川清流鉄道保存会のHPを拝見していますと、この車両についてはグレー塗装の写真とともに「整備中」とされていますが、ピッカピカな塗装からして、整備が終了してまだ間もないのでしょう。モノレールの下に安置されていれば、雨風をしのげて良好な状態を保てるのでしょうけど、折角走行可能なようにレストアされている以上、是非周回線路に載せて欲しいと思うのは私だけではないでしょう☆



 う~ん……カワイイ過ぎる♪♪ 私は自分ではクルマを運転しないのですが、こんな自家用車だったら欲しいなぁぁ~と思います (笑)。こういうノリの車両、個人的にはミャンマーのLRBEで思う存分体感したものですが、そもそも日本国内の軽便シーンでも当たり前のように多数存在していたわけで、もっと早く、森林鉄道や軽便鉄道が華やかなりし時代に趣味活動していれば、私のヲタ人生ももっと変わったものになっていたのかも知れません (^^;
 それはさておき、大体この車両が置かれている位置に「ここからの見学は入館料必要」という看板が立っていますので、作業をしている方に声をかけると事務室まで案内して下さいます。そこで発行された入館券は何と……「八溝温泉から那珂川清流鉄道ゆき」と記されたB型硬券! しかもフォントは伝統の切符フォント! (と呼ぶのか? ^^;) 何とも地味に粋すぎる演出に感動しつつ、関係者の方から大まかな説明を伺い、いよいよさらに奥に進みますと……そこには衝撃の鼻血モノな展開が待っていたのでした……(つづく)。

能勢電1500系引退 (1) HM姿1501F

2016-05-27 00:00:00 | 都市民鉄 (近畿以西)


 摂津国の山懐へと分け入って行く能勢電は、長年来車両面や資本面で阪急と密接な関係にありますが、とりわけ1980年代に阪急2100系改め1500系を導入し、やはり阪急のお古である小型車を一掃して以来 (1990年代まで残った610系は小型車か、それとも中型車か……? 阪急的には、幅が広いので中型車という位置づけだったようですが)、急速にベッドタウンとしての開発が進む阪急の一支線的雰囲気を増して来ました。さらに阪急2000系改め1700系の導入、塗装面でのマルーンツートンやフルーツ牛乳から阪急マルーン単色への変更により、シロート目には阪急と見分けが付かなくなって今日に至っています。そう思うのはヨソ者関東人だからかも知れませんが……(^^;)。
 しかし、そんな能勢電の1980年代の変革に大いなる功績を残し、阪急時代は21年、能勢電に移ってからは33年、計54年にわたって走ってきた1500系も、寄る年波には勝てず……。親会社阪急における1000系の増備→5100系の玉突きという流れを受けて、4連は今月29日限り、2連は来月限りで引退することとなりました。



 もっとも、阪急2100系改め能勢電1500系は、阪急2000系の宝塚線用低出力・追加バージョンであり、2000系をもらい受けた1700系は依然として全車現役ですので、1500系の引退によって今すぐ阪急2000系の系譜が能勢電で途絶えることを意味するわけではありません。とはいえ、1500系といえば山下以遠で用いられる青白ツートンや緑レトロの2連の印象が強く、4連のうち最後まで残った1501Fに掲げられたHMもなかなか魅力的であることから、「これは久しぶりに能勢電を訪れなければ……」と思いまして、先週京都に出張したついでに足を伸ばして参りました。
 しかも、今回の訪問はメッチャ幸運でした……☆ 数日前に公式HPを見てみたところ、訪問当日の1501Fは朝ラッシュ時に走るのみということで、「2連が撮れれば……まいっか (-_-;)」と割り切っていたのですが、梅田から川西能勢口に着いてみたら何とびっくり! 運用変更があったようで、目の前にHMも凜々しい1501Fが停車しているではありませんか!! というわけで、当然のように電動車に陣取り、小田急沿線民にとってはまるで小田急2600形のサウンドを彷彿とさせるようなモーター音 (しかも山登りモードで豪快♪) に酔いしれたのでした……。
 ドシロートから見れば、こうして車齢50年を突破して引退して行く車両と、阪急の本線をバンバン飛ばしている車両の区別はなかなかつけ難く、何故こんなにキレイな車両が引退するの?という気分になると同時に、10数年から20年走れば良いとされた車両 (当時なりの「走るんです」的発想か?) が何だかんだで半世紀走ってしまったことからして、昭和30年代の車両製造技術とその後の保守技術の高さに驚くばかりです。しかし、走行音やCP音はさすがに、首都圏から既に消えて久しい初期カルダン駆動車と同じものであることから、「嗚呼……やっぱりかなり草臥れていたのか。お疲れ様でした……」という思いが脳裏をよぎったのでした。