地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

常磐線の旅2018夏 (8) EH500一般コキ

2018-11-28 16:14:00 | 貨物列車


 最近、勝田の「ゆう」廃車や、羽越線「きらきらうえつ」の近い将来の廃車が云々され、JT改造車ばかりとなった485系も最早風前の灯火となったことが強く印象づけられる今日この頃。国鉄分割民営化や、それに先立つ東北新幹線の上野開業による東北線特急の壊滅以来、早いもので30年以上が経過し、細々と生き延びた車両にもついに部品供給面を中心として寿命が来たということなのでしょう。そんな485系に代わって、東北線最大のスターは貨物列車となって久しいですが、その主役もED75からEH500へと移行し、仙台近郊区間を除いた普通列車30〜1時間間隔エリアでは、普通列車よりもEH500貨物の方が多いように思えるほどです。



しかし当たり前の話ですが、貨物列車の運転間隔はランダムの極みであり、貨物時刻表を綿密に研究しなければ「来るときは来る、来ないときは来ない」となってしまいます。何も下調べせずに漫然とホームの隅や線路脇に立ち「来ねぇ〜!」とつぶやいても、それは自己責任というものです。とはいえ稀に、ダイヤ乱れで時刻表も全く当てにならない中、遅れていた貨物列車が集中的にやって来て激しく興奮することもあります。私が今年の夏、甥っ子と常磐線(代行バスを含む)を完乗したときがそうでした……。某駅にて「貨物は来れば御の字」程度の心づもりで駅撮りを始めたところ……短時間の内に来るわ来るわのEH500乱れ打ち! その一端は前にアップしたトヨタ号ですが、他にも普通のコキ列車が10分間隔ぐらいで現れ、狂喜乱舞したことは言うまでもありません♪ 帰宅後に貨物時刻表を見たところ、今回訪れた某駅の午後早い時間、貨物列車は基本的に運行されていないため、それらを獲った瞬間ごとにガッツポーズしたことは言うまでもありません。

下吉田駅で保存される富士急クロ2001

2018-11-24 00:07:00 | 保存・園内・特殊車両


 富士五湖界隈を訪れる外国人観光客が激増する中、先月ちょこっと三ツ峠山に登るために河口湖駅に降り立ったところ、今年の正月にはコミュニティバス・タイプの車両で運行されていた河口湖界隈周遊バスが、何と最新鋭のエルガに置き換えられており、しかも朝9時というちょうど観光客が宿をチェックアウトしたばかりの時間ということで、駅前の長蛇の列を飲み込んだ最新鋭エルガが超!満員の状態になっているのを見てビビりました。そんなに河口湖が良いのかオイ……。まぁ、例えばチャイナでは、私が初めて訪れた1990年の頃、レストラン等の壁紙やポスターとして河口湖畔で撮影した富士山と桜の図が非常にもてはやされており、その印象を確認しに来ているのだと思えば全く納得が行くのですが、加えて西洋人やタイ人・インドネシア人・インド人……の数ももの凄く、もう何が何だかです。
 都心から、そんな河口湖へのアプローチとして一番安くてお手頃なのは、京王・富士急を総元締めとした中央高速バスであることは言うまでもありませんが、最近は高速バスも班班客満であるためか、かなりの外国人観光客が中央線〜富士急ルートを利用しており、205系の車内広告も最早日本語の出る幕はなく、英語や漢語しか記されていないものがあるかと思えば、つい先日は、205系改め6000系のHMとして「微信支付」(ウィチャット・ペイの意)と大書されたものまで現れるというカヲスが広がりつつあります。



 とはいえ、そんな外国人観光客が、たとえJAPAN RAIL PASSの特権で大月まで「かいじ」に乗ってくるとしても、重いキャリーケースを引きずって乗り換えるのは面倒なことでもあります。そこでJREは、来年3月のダイヤ改正における中央東線特急のE353系化に合わせて「かいじ」も12連で運行し、東京方3連は大月で切り離して河口湖行きとして運転するとか何とか……。E259の6連でも席が埋まり、幕張E257で極悪5連化されたホリ快も凄まじく混み合う(河口湖の時点で立ち客あり、富士吉田発車時に自由席のデッキや通路が完全パンク)以上、毎日確実に3連が数本直通するのは大きな変化であると言えそうです。もっともそれすらも、あっという間に焼け石に水になりそうなほど、さらに河口湖界隈への外国人観光客は激増しそうな勢いですが……。
 しかしそうなると、従来の富士急線内特急の立場って一体……という気もしますが、これはこれで、サロを連結した大月行きE233と連絡させれば悪い選択ではない、ということになりましょうか。
 というわけで、誠に変貌著しい富士急界隈ではありますが、先代フジサン特急を長く務めたパノラマエクスプレスアルプス165系改め2000系が走っていた頃は、とりわけ平日の乗車率が寂寥そのものであったことを思い出すにつけ、隔世の感があります……。そして今や、忠霊塔に殺到する外国人観光客が多数行き交う下吉田駅の一角に、ピカピカな状態に塗り替えられたばかりのクロが安置され、変わりゆく富士急を日々眺めています。去る10月の時点ではとても美しかったですが、今後次第に塗装が劣化するでしょうから、撮るなら今のうちです。

中共高級幹部用客車「専運車」の肖像

2018-11-22 00:00:00 | 中国の鉄道


 しばらく発行が途絶えていた『中国鉄道時刻表』、この年末に最新号が出て、お台場ヲタ祭りや神保町書泉などで発売されるはこびとなったようです。本家チャイナで紙の時刻表の出版が途絶え、日本側でも完全ボランティア体制によるデータ打ち込みが、絶えざるダイヤ改正(とりわけ高速鉄道の相次ぐ延伸)で振り回されていると思われる中、一定のところで区切りを付けて改めて紙データに置き換え、史料としての価値をつけることには敬意を表したいと思います。私自身は、習近平新時代のチャイナの特色ある社会主義が全盛ないま訪れようとしても、不愉快な話の連続になるでしょうから、誌面を見て最近の変化を想像するにとどめますが。
 それはさておき、京急の藍色普通車、東武のプユマ、しな鉄の自強電車……といった感じで、台鉄風の塗装が日本の鉄ヲタ界を賑わせている昨今ですが、そもそも今年は日中平和友好条約締結40周年であり、日中の首脳往来も華々しく行われた中にあって、日本の鉄道界も鉄道趣味界も、台湾分裂主義者に加担し続けることがあって良いのでしょうか?! 《一つの中国》という、中華民族の神聖不可侵な大義に即して言えば、台鉄などは所詮台湾鉄道管理局であって、さらにその上の組織として祖国天朝大中華 w の交通部や鉄路総公司があるはずです(鉄道部は、「中国高速鉄道の父」たる張曙光部長が死刑判決を受けるなど度重なる汚職もあって w、鉄路総公司に格下げ改組済み)。実際、祖国天朝大中華で発行される鉄道路線図には必ず台湾省の鉄道も記載されており、中華民族の正しい立場を表明し続けているはず。
 したがって、中国を中心とした全世界人民の団結と進歩と友誼を愛するすべての日本人民も、まずは台鉄の上位組織である中国交通部と誼を通じるべきで、そのうえで大陸地区の様々な路線・地方鉄道・地下鉄・都市近郊鉄道と積極的に友好提携を結び、鉄道事業者としての経験や技術を交流し合うべきなのであります。そうであってこそ、世界レベルで中華の暖かさをもたらしインフラ大建設を行う「一帯一路」の枠組みに日本企業・日本人民も大いに参加し、その中でこそ日本も真正にして多大なる利益を得られるはずなのであります。米帝や台湾分裂主義者に騙されるようなことがあってはなりません……(キリッ)。



 ふぅ、心にもないたわごとを模範解答っぽく綴るのも疲れるものですが、実際問題、日本を訪問する、あるいは在日のチャイニーズの中でも鉄分多めな人々は、日台鉄道交流に基づく塗装や宣伝ポスターを、このような発想で眺めているに違いありません。まぁ個人的には、そもそも「一帯一路」なんてブラックな高利貸しも同然ですし、最早日本とチャイナの関係は交流よりも競争という相に入ってしまっていると思うのですが。
 そうは言っても、せめて僅かでも、どこかの鉄道会社がチャイナの鉄道事業者と友好協力関係にあり、その成果をヲタに向けても盛んに発信しても良いはずです。あるいは今後、「安くてもウリナラロテムよりは壊れない」中国中車から車両を買う鉄道会社もあるかも知れませんから、そういうところから交流が生じることもあり得るでしょう。実際、むかし東京駅は北京駅と交流協定を結んだはずですし、そういえばE2系がCRH2になったという経緯も踏まえれば、JREは積極的に中国鉄路総公司と提携し、チャイナ観光客を東北各地に呼び込む一方、車両に緑皮塗装を塗るなりラッピングするなりして、鉄道の旅の魅力を宣伝しても良いはず。少なくともチャイナには、日本の国鉄特急色を彷彿とさせる東風4Dが一部の鉄路局で活躍していますし……(笑)。
 もっともそんな動きには、東京駅で低い柵を隔てたJRCは思いっきり煙たがりそうですし、もし東海道線のE231・233に緑皮ラッピングを貼り、たまたま沼津行きに充当されようものなら、熱海駅で運転打ち切りの脅しをかけて来るかも知れません……(^^;)。まぁ、JREだけで完結する列車でやった方が良いでしょうな、これは……。
 何はともあれ、難しい話はさておき、単に自分自身の妄想N模型だけでなく、東京でリアル緑皮塗装を見てみたいという、それだけの話です (^^;;)。
 そんなたわごとを並べつつ、今は中国鉄道博物館の屋内に収蔵されてしまった、中共高級幹部専用客車「専運車」の未アップ画像を貼っておきます。これらを撮影した2006年には、まだ高速鉄道は開通しておらず、在来線列車がどんどん華やかさを競っていた時代ですので、まさかこの後習近平時代になり、高速鉄道を除く客車は原則として緑皮になるとは夢想だにしなかったものです。
 1枚目の画像はリブ付きの古い車両で、東ドイツ製かチャイナ製のいずれかのはずですが、もし1960年代以後の製造でしたら、中ソ冷戦になってしまっている折も折、ソ連に車内の秘密を知られないようにするため、チャイナ製であったのかも知れません。いっぽう2枚目はリブの無いスッキリしたスタイルの25系客車の一環とみることが出来、1970年代末以後90年代までの間に製造されたものと推測されますが、細かい分散クーラーがなかなか萌え要素となっています。いずれの車両も3軸ボギー台車の堂々たるものですが、120km/h以上の速度には対応していないため、2000年代半ばまでに離脱してしまったのは勿体ない話です。もっとも、そうであったからこそ、2006年の夏に中国鉄道博物館前の屋外に放置されているところを撮影出来たのでした。
 なお、毛沢東専用客車は、後に中国鉄道博物館内に写された車両の画像をネットで見てみますと、カムフラージュのため硬臥車 (YW) と表記されています。当時はそんなことにも気付かず、定員が妻面に記されていない軟臥車を見かけて「これ毛沢東専用?」などと想像を巡らせていたのでした……(笑)。

313系3000番台を撮る@身延線甲府口

2018-11-20 12:00:00 | JR発足後の車両


 先月末、KATOの313系3000番台が発売され、JRCのローカル電化区間を股にかける麗しの2連を机上で楽しんでウットリしたと思ったら、最近の新製品予定では東海道名古屋口優等列車用6連の5000番台キターッ! また、元セントラルライナー用8000番台もキターッ!! 後者は数年前にも発売されているはずですが、当時は313系について、優れているとは思えども趣味的な魅力までは感じていなかった私ですので、結局購入には至っていなかったのでした。しかしその後、中山道を完歩する中で、塩尻から醒ヶ井に至るまでの思い出とともに313系が神格化された結果、これはもう買わずにはいられないのでした (笑)。



 というわけで、つい先月撮影したばかりの313系3000番台を貼っておきます。中山道を歩き終えたあと、今度は甲州街道を歩いておりまして、善光寺下で身延線をくぐるついでに駅に寄ってみたところ、ちょうど鰍沢口行きが来たという次第です。
 それにしても、現在身延線に平行して自動車道が建設されつつありますが、これが完成すれば甲府から静岡まであっという間ですし、あるいはリニアが完成すれば甲府近辺から名古屋まで30分もかからないでしょう。そうなると、特急ふじかわの役割はせいぜい身延山参詣列車という位置づけでしかなくなるでしょうし、身延線(とりわけ峡谷部)の存在感も飯田線と同じく、完全なローカル線へと転落して行くのでしょう。165系の4〜5連による急行や、6連の旧国鈍行が走っていたことを思えば、栄枯盛衰の極みと言えそうです。
 ちなみに、313系5000・8000番台の模型は、TOMIXからも最近出たではないか、とのご意見もありましょう。とはいえ、トミーテックは鉄コレで散々お布施しているところですし、何と言っても、忙しいのに車番を貼るのが面倒……。いずれKATOからも出ると分かっていれば待つというものです。

京釜線土砂降り鉄 (4) 客車セマウル龍罐

2018-11-19 12:00:00 | 韓国の鉄道


 最近は怪社の重役方と雑談していても、ちょこっと韓国という言葉が出て来るだけで、どうしても「あの国、本当に条約と司法のズレを是正する措置が出来るのか?」とか、「今の政権のやり方はどうみても、北の核つき統一という思惑通りに動いていて怪しい」という話になってしまうのはやむを得ないところでしょう。韓国の新聞の日本語版を見ていても、確信犯で北マンセー!なハン○ョレはさておき、伝統大手紙の文面も、その中に現れる読者コメントも、どう見ても足許がふらついています。まぁイルボンとしては、国際司法裁判所提訴を韓国が拒否するとき、果たして合理的な説明ができるのか、ある意味で手ぐすね引いて待っているわけですが……(合理的な説明が出来ずに条約を遵守できないということは、条約破棄に等しい行為ですから。ゆくゆくは、世界中の国際法の教科書に載るような、最高に興味深い事例にもなるでしょう)。



 そんなウリナラを取り巻く風雲は、1636年に清に攻め込まれた丙子胡乱や、1894年の日清戦争の前後を彷彿とさせるような、まさに土砂降りの風雲。せっかく様々な国の技術を採り入れて独自の百花繚乱状態になった鉄道シーンも、この先どうなってしまうのか……。救いをもたらす龍が現れて、暗雲を切り裂いて陰陽合わさる青天を取り戻してくれるのでしょうか? とてもそうは思えないのもまた、下手な韓流ドラマとは比較にならないスリルではあります。
 というわけで、龍をあしらった装飾罐に牽引された、長項線直通・客車セマウルの画像をアップしてみましょう。
 天安から分かれて黄海沿いに群山に至る長項線は、他の幹線と異なり未だに非電化ですので、かつてはPPセマウルの中間車と全く同じデザインの客車がソウルから直通していましたが、いずれ高規格な西海線が並行して開業し、準高速列車も導入されるようですので、長項線の存在価値が下がることは明らかです。そこで「果たして長項線用ステンレス・セマウルの後継車は登場するのだろうか? 長項線だけはステンレス・セマウルをしぶとく使い続けるということであればアツいな……」と期待していたのですが、今回訪れてガックリ。電源車を除いて、やっぱりITXセマウルと同じデザインの客車となってしまったようで……。もっとも、ムグンファの新型リミット客車と一体何処が違うのか、という車体ですが。座席がムグンファよりもまし、ということなのでしょう。また、電源車が旧セマウルそのものであるのは、ささやかな喜びと言えそうです。