地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第八ジャカルタ炎鉄録 (32) 都営6168F

2017-09-28 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 昨日は、かの名著『インドネシア鉄道の旅』の著者にして、現在はヤンゴン御赴任という究極の地の利を活かされてどっぷりとミャンマー国鉄にハマっておられる落花生。様 (いずれは『ミャンマー鉄道の旅』も??) が一時帰国されているのを歓迎する宴が、都内某所のインドネシア料理店にて開催されました。年々インドネシアに通う鉄ヲタも増えて盛況の度を増すこの宴、繰り出される話題もいよいよ激濃となり、仕事で疲れたあとの私にはビンタンビールともども強烈過ぎる刺激であり、東南アジアと日本の鉄事情でまさに満腹でございました♪ いつも幹事役を務めて下さるKucing様や落花生。様ほか、御参加の皆様にはどうもお世話になりました!
 そして、このようなタイミングに合わせるかのように……パクアン急行様のブログにて一大慶事の模様が紹介されています。祝!KCJあらため「KCI」(Kereta Commuter Indonesia」発足! 直近の改名の理由としては、ジャカルタの電車路線網がランカスビトゥン (バンテン州) やチカラン (西ジャワ州) にも延びて、ジャボデタベック・エリアからはみ出たことがあるようですが、中長期的にはインドネシア各地のKAI線路を利用した電鉄事業を統括する存在として、親会社KAIに対してより強い発言権・運営権を持つことになるのだとか。



 この結果、インドネシア各地で計画が立案されてはいるものの遅々として進まない近郊電鉄事業に対し、広くKCIのノウハウや経営資源が提供されることになるわけで、それはすなわちジャカルタの中古電車がさらにジャワ島やスマトラ島の各地に転じるというドキドキワクワクな展開を予感させるものでしょう (パクアン急行様によりますと、当初欧州規格の電力設備を予定していた路線が直流1500Vに変更になったりしているようですし♪)。
 すると、既に廃車のうえチカウムの土となって久しい冷房車についても、もしKCI発足がもっと早ければ、日本での廃車時には想像すら出来なかった「インドネシア現地における第二の車生」も有り得たのではないかと思われるわけで……。とりわけ都営6000あたりは廃車間際に一部車両のクーラー載せ替えという相当無駄なことをしていたほどですので、現場サイドではSIVさえ何とか確保されればまだまだ使えると考えていたのかも知れません。まぁ、ここらへんの事情は見果てぬ妄想に過ぎませんが……。

 というわけで、昨年8月の訪問時における「最高級ネタ編成」であった都営6168F (6181F) の画像をアップ致しましょう~。都営6000系がジャカルタに移って以来、変顔スペシャル編成も含めて、身に纏ったカラーリングは果たして幾種類……。しかし、他の形式におけるKCJ色化の流れと都営6000のチカウム送りの流れが同時並行的に進んだものですので、都営6000はKCJ色を纏うことはないだろうと思っておりました。ところがどっこい!確か昨年の1月か2月頃だったでしょうか、最後に残った1編成が突如KCJ色となり、基本的には予備車扱いながらも適度に運用に入ったことから、都営6000にも地味な好意を抱く一部のヲタの間で感動の嵐が吹き荒れたものです。とはいえ、とにかく何時完全離脱するか分からない……。
 そこで、昨年8月に「何とか都営も来てくれよ……」と祈るような気持ちで再訪したところ、ある日はドゥリ・フィーダ運用で、またある日はボゴール~ジャティヌガラ運用で、見事にやって来てくれました☆ パクアン急行様と撮影をご一緒しつつ、遠くにこの顔を見かけた瞬間、「キターッ!」と激しく盛り上がったことは言うまでもありません……。その後6168Fは、昨年の10月下旬に運用から完全に離脱しましたので、営業列車としてこの塗装との組み合わせが見られたのは約8ヶ月間という短い期間で終わりましたが、その間にこうして拝むことが出来て本当に良かったと思っております……。
 
 それにしても、ここに来て都営6000の鉄コレが頻繁に (?) リリースされつつあるわけですが (今度は登場時の正面帯無し姿)、一方で「ワールド鉄コレ」なる企画もスタートしていることから、都営6000のインドネシア時代各色についても激しく期待しても宜しいでしょうか? 最近は狭い部屋での置き場に窮して鉄コレもお腹いっぱい気味で、購入する車種を絞りつつあるところですが (滝汗)、インドネシア各色が発売されれば必ずお布施させて頂く覚悟です (爆)。

去りゆく都営10-000形 (4) 10-300R

2017-09-26 12:00:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 都営10-000形の引退が進む中、ある意味で極めてマニアックな存在であった10-300Rがいち早く全車ひっそりと消えていったのは、ある意味で10-000形全体の地味~な存在感を象徴するエピソードだったのかも知れません。しかし別の角度から見ますと、この編成に対する都営当局者のサバサバした割り切りを見て取ることが出来ます。保安機器の変更に伴って初期編成を廃車にする一方、すぐに廃車とするには勿体なかった一段窓の中間増備車を活用するため、10-300とほぼ同じに見える「走るんです」ボディの先頭車を造ったというのが、この編成の縁起です。とはいえ、このような措置はとにかく過渡的なものに過ぎず、新車大量新造の予算がつけばいつでも見映えの悪い編成は廃車!という方針を立て、まさにそのようになったということなのでしょう。



 そこで例えば東急であれば、最新の緑椅子サハの新造にあたり、潰した6ドア車の台枠やドアを再利用していると思われます。しかし10-300の最新増備車の場合、10-000形の先頭車としての台枠・下回りと、10-300の先頭車としての台枠・下回りでは、吊す機器の配置が全く異なるとドシロートなりに思われるわけで、多分流用していないものと思われます (溶かして再利用することはあり得るかも知れませんが)。
 「走るんです」ボディを造っても速攻で (?) 廃車になった事例としては、東急5000系6扉車の記録に勝るものはないでしょうが、これは安いサハに過ぎず、台枠も再利用していると思われますので、何となく分からないでもない措置です。しかし、金のかかる先頭車が事故でもないのに僅かな年数で廃車となったという事例は寡聞であり、強いて言えば富山地鉄クハ90のようなバッタモノ珍車や、鉄道郵便の登場により呆気なく用途を失ったクモユ143、あるいはお試し的要素が強すぎた常磐線の二階建てクハ415のような特殊な車両ばかり思い出します。一定数が製造されてそれなりの存在感を誇り、それにもかかわらず全車あっけなく廃車!という新記録は、今後もしばらく都営10-300Rが保持し続けることでしょう……。
 そんな都営10-300Rの過渡期の功績を篤く称えるとともに、鉄コレとしての発売を強く期待するものです……。「結局はそれが言いたいのかよ!」とのお叱りを受けそうですが、まぁそういうことです (^^;)。かつて京浜東北線の103系において、ATC化に伴い高運冷房クハ103が集中的に投入されたものの、中間車はことごとく非冷房のボロ……という編成が大量に走っていたのを未だに生々しく記憶している世代として、この手の編成にはどうしてもジワジワと反応してしまうのです (笑)。

墨東東武散歩2017夏 (3) 東急5000系

2017-09-24 00:00:00 | 大手民鉄 (東急)


 最近全ての車両が4扉化された東急5000系。これで、4・5・8号車の位置に並んだ際、座席が少なく座り心地も極悪な車両が来なくなったと思うと、本当に清々とした気分になります。大体そもそも、自社がデベロッパーとして高級住宅街を売り込む傍ら、あんな四等車を投入するというのは、顧客との信義に反しているとしか思えず、代替新造車は座り心地がイマイチながらもそれなりの車内デザインとなっているのは、せめてもの償いでもあるのでしょうか。



 そんなタイミングに、KATOが5000系の模型化をぶつけて来ましたので、あらびっくりという感じです。既に5050系やヒカリエが出ていましたので、5000系の発売もある意味で分かり切っておりましたが……。でもって、走るんですはキライじゃ、とか何とか言いながらも、早速予約してしまいました……(;^_^A。思い出してもみれば、5001Fの登場から早いもので15年。これもまた田都や東武の風景の一部分となっていることは否めませんし、KATOの東急5000系列は実車よりも見栄えが宜しいという特長もありますので……。
 もっとも、何故10連で売るのかという文句がタラタラと……。
 あと、青ガエル編成も出るのでしょうなぁ~、多分。えぇ、もちろん買いますとも……(ヤケクソ?!)。


美濃路歩き鉄 (1) 名鉄御嵩6000系

2017-09-22 12:00:00 | 都市民鉄 (中京圏)


 これまでしばらく、恐らく不評な連載として「木曽路歩き鉄」をお送りして参りましたが、既に中山道歩き醒ヶ井駅に到達しております。そこで今後は、美濃国横断中に遭遇出来た車両の日常風景をちまちまとアップして参ります。
 中山道は大井宿 (恵那駅周辺) を出発しますと、やがて街の西外れ、中央高速が迫って来たあたりで踏切を渡り、下諏訪以来寄り添ってきた中央線とついにおさらばして「十三峠」と呼ばれる果てしないアップダウンの繰り返しに入ります。十三峠が終わったところに大湫 (おおくて) 宿が現れ、さらに「琵琶峠」を越えてしばらく進むと細久手 (ほそくて) 宿、その後は「御殿場」の激しいアップダウンなどなど……とにかく人口密度が低い里山の縦断が続き、うっかりリタイヤ出来ないという緊張を強いられます (コミバスを利用出来るところも1日に3~4本ですし)。それだけに、約30kmの寂しい山道を抜けて御嵩に出て来ると、「生きて帰って来た!」感はハンパなものではありません (笑)。
 そして、御嵩に着くということは、名鉄エリアにも歩いてたどり着いたということを意味しています☆ そこで、終点の御嵩からちょこっと西に歩いた御嵩口の界隈にて、大いなる喜びを以て6000系ワンマン車を激写しました♪ 



 御嵩駅は、宿場の街に何とか電車を突っ込ませるべく1面1線という非常に狭いレイアウトとなっていますが、その代わりに御嵩口駅は貨物の集散機能を担っていたようで、貨物ホームの残骸や草ボーボーの線路用地が放置されている中、スカーレットな6000系がゆっくりと入線して来る光景は、まさに侘び寂び以外の何者でもありません……。いっぽう、直線の田んぼゾーン (2枚目) では、結構凄まじく加速しておりビビリます (笑)。
 それにしても、地図をじっくり眺めてみますと、名鉄広見線の末端ワンマン区間は、事実上「御嵩町内路線」としか言い様のない路線なのですね……。朝夕こそそこそこ通勤通学客はいるでしょうが、日中は30分間隔で来るのが御の字といえるほど車内はスカスカ、沿線はのんびり田園……という風情です。新可児駅に犬山方面から入ってくる複線ですら、草が生え気味の木製枕木線路ということで、名鉄の広見線に対する熱意が感じられない中、廃止を免れて電車運転に戻った新可児~御嵩間も、少子化と人口減の御時世では、果たしていつどうなるか分かりません。御嵩町では危機感はもちろんあり、亜炭採掘の歴史にひっかけたB級グルメ「みたけとんちゃん」(ホルモン焼) も売り出して電車の集客も図っているようですが、果たして……? そんな、あれこれ去来する思いを抱きつつ、伏見宿の東で八百津線の廃線跡を横切り、美濃太田に向けてひたすら歩いたのでした。

第八ジャカルタ炎鉄録 (31) 東急8604順光

2017-09-20 22:51:00 | インドネシアの鉄道


 昨晩は、ジャカルタにおける日本中古冷房車時代草創期を語る上では欠かせない名サイト『JABOTABEK RAIL NEWS』の管理人でおられ、現在は英語ブログ『Tokyo Railway Labylinth』を主宰しておられるYopie様のお声がけで、都内某所のタイ料理店にて、日本の鉄道ビジネスのある意味における黒幕でおられるU様・I様とご一緒する激濃な小宴が開催されました。その余りにも機微に立ち入ったトークの内容を記すと問題が大きすぎますので差し控えますが、結論はと申しますと、鉄道事業にしても何にしても、技術面での国際的角逐がますます激化する中、日本の競争力の源泉は過去も未来も「誠意と信用」に他ならず、これに加えてつまらないしがらみの打破がなされれば何ら問題なし!ということであります (何のこっちゃ)。また、幼い子供への鉄教育の鍵は、「趣味の無理強いは絶対ダメ!父親や叔父さんが勝手に盛り上がっているのを見せて感化させる」に限るということで議論の一致をみました。また、タイ・バンコクのエアポートリンクは終わっている、という点では、一同の深い溜息を誘発した次第です (滝汗)。
 何はともあれ、たまにはビアシンとトムヤムクンというのは良いですね! 幹事のYopie様及びU様・I様には心よりお礼申し上げます!



 何はともあれ、そんな宴の記念画像としては、やはりジャカルタ……ということで、昨年8月の訪問時にごく僅かな時間のみ恵まれたド順光の中で姿を現した東急8604F・8連時代の画像をアップしておきます。パクアン急行様のブログによりますと、8604Fは最近10連化されたと思ったら、すぐに新8007Fの先頭車をムリヤリ突っ込んで12連化され、ついに営業運転に入ったとのことですので、既に8連KCJ色時代は歴史の中の貴重なシーンとなっております。
 そしてパクアン急行様ご自身につきましても、新たな転機を迎えられることになり、パクアン急行様のご尽力もあってジャカルタで鉄活動出来ている者としては大変嬉しく思うところです。
 さらに、ジャカルタの鉄道シーン全体を眺め回しても、ここに来て様々な変化が次々に押し寄せているようです。現地使用正面幕の続々普及、チカラン電化開業、そして空港連絡特急ARS系の完成試運転……! (パクアン急行様によりますと、側面は出来の悪い東武6050系との評……まさにそんな感じですが。それに加えて相鉄現行色とインドネシアらしいイマイチ微妙すぎるデザインの顔の組み合わせなどなど、完成直後にして既に余りにも田舎臭い風貌の車両の出現に悩殺されております ^^;) 
 というわけで、今年の8月はお休みしたジャカルタ遠征、来年は再び敢行か?と思い始めているのですが、その時点でも東急8003・8604Fの12連がちゃんと運用に入っていることを祈念せずにはいられません。
 あとそうえいば、富技社はワールド鉄コレなる分野に手を染めるそうですが、勿論今後は都営6000系や東急8000系列のラインナップの一環として、ジャカルタ各色を製品化して頂けるのですよね……?? 財布の破綻は覚悟の上です (キリッ!)。