とろ~りとろけるような夏本番。オッサンには過酷な暑さですが、夏休みを迎えた
ガキお子様にとっては様々な経験を積む絶好の機会と言えましょう。そこで、最近「誕生日プレゼントにKATOラウンドハウスの185系《157系風塗装》が欲しい」などというマニアックな方向性を強めている甥っ子 (こうなったのは誰のせい……?^^;) を、どこかに連れて行ってやりたいというヲタ叔父さん心がもたげて来ます (笑)。ところが、いざ甥っ子の夏休みの予定
(塾なんぞに通い始めているという……私は自分の小学校卒業時まで小学生用の塾なるものが存在するのを全く知らなかった無知蒙昧の民です。汗) と私の平日休みを照らし合わせるとうまく行かない……。それでも、辛うじて先週の1日だけ予定がかみ合ったことから、日帰りで鉄ヲタ的にも社会見学的にも内容てんこ盛りなところに連れて行ってやろうと思いまして、新宿から253系の「日光1号」に乗って東武日光へ。さらに日光市営バスに乗り継いで足尾に向かうことにしました。
詳論するまでもなく足尾の地は、江戸時代以来銅山としての長い歴史を有し、とりわけ近代においては大量採掘・精錬で経済発展を支えたものの、同時に渡良瀬川や周辺の山々に鉱毒の害をもたらし、身を捨てて明治天皇の前で直訴した田中正造翁の故事にも現れる通り、本朝における環境問題の原点でもあります。そして閉山以来約40年、今や銅山自体の観光に加え緑と清流の復活を眼にすることができ、世界遺産登録申請中にふさわしいエコ・ツーリズム空間であると言えましょう。そして銅山観光には濃いぃトロッコあり (改めて詳しくご紹介します)、往復のどちらかにわたらせ渓谷鐵道に乗れば、極めて「鉄い」一日を過ごすことも可能です。
しかし大変恥ずかしながら……個人的には大間々から先は未訪問 (爆汗)。すみません、所詮撮り鉄中心のモグリ野郎です、あたしゃ (^^;;;)。というわけで、かねてから行ってみたかったものの何だかんだで未訪問だった足尾の地に、甥っ子と自分の社会見学を兼ねて初訪問しようという算段だったのであります (笑)。
とはいえ、何故正攻法で桐生から入らないのかと申しますと……小田急線沿線から訪れる場合「日光1号」と日光市営バスの乗り継ぎの方が革命的に速いからです (何と新宿から足尾銅山観光まで3時間!)。もともと足尾の地は栃木県に属しますし (近代以降は群馬県桐生からの足尾線が出来たものの、歴史的には古峰ヶ原周辺の峠道を通って鹿沼・日光と往来する方がラクだったため?)、以前から足尾町営バスとして運転されてきた日光~足尾間の地元民用バスも最近はJTB時刻表のわたらせ渓谷鐵道の部分に正式に記載されるようになり、この日光~足尾バスがどれほどわ鐵~東武周遊ルートの形成に与っているのか確認してみるのも面白かりなんと思ったということもあります。
そこで東武日光駅の改札を出て、バス乗り場を探したものの……ない! (@o@) 当然、中禅寺湖方面や霧降の滝方面に向かう東武バスの乗り場はデカデカと掲示があって即座に分かるのですが……乗り換え時間は僅か数分につき、早急に探し出さないことにはまずい! そこで、通りかかった東武制服組の方に伺ったところ、東武日光駅を出て左側、JR日光駅へ向かう緩い坂道の付け根当たりが乗り場だとのこと……。果たせるかな、東武日光駅側から見ると「駐停車禁止」としか見えない看板の裏側に「足尾行き乗り場」と書いてあるではありませんか……。JTB時刻表に載るようになったものの、とりあえず観光客の利用を全く想定しておらず、主に足尾地区住民だけが知っていれば良いという雰囲気が感じられ、まずはホッと一息つきつつも少々トホホな一幕だったのであります。時間があれば始発点のJR日光駅まで歩いて行った方がマシですな……。
そんなこんなしているうちに、お目当ての足尾行きがトップドア・メトロ窓のリエッセで登場~。山岳地を走るためエンジンが高出力であるらしく、結構雄壮なサウンドに甥っ子が少々ビビっていました (笑)。発車後は清滝界隈までフツーに東武バスと同じ道を走りますが、東武日光市内線の縄張りを荒らさないという紳士協定があるためか、いろは坂への分かれ目から先へ行く客でなければ足尾行の乗車は認められていません。
というわけで、淡々と日光市内を進み、右手にドカーンと男体山を望んだ後は、いよいよ長大な日足トンネルを挟んだ山岳区間へ! とはいえ、古くから足尾で産出された銅を日光清滝界隈の○河電工に運ぶために造られた主要道ですので、狭隘路のきょの字もなく、ただ豪快なエンジン音とともにひたすら前進します。渡良瀬川の流域に入り、次第に民家も現れてきても、フツーに山には緑があり、余り足尾に近づいているという実感は湧きません。
しかし、一旦間藤・足尾本山界隈に寄り道するために、わ鐵に沿って西の方へ入って行きますと……かつて鉱山作業員住宅であった一帯へと入って行き、両側の山々は植生が戻りつつあるとはいえ一時ハゲハゲであったことが露骨に分かります……。精錬所跡が今でも残る足尾本山前で引き返すのですが、途中間藤から先でも並走する廃線跡 (わ鐵発足時に足尾本山まで復活する構想があり、現在でも車内補充券を買うと「足尾本山」も券面に印刷されていますが、免許は失効とか) も含めて、この間藤・足尾本山前往復はある意味でこの路線のハイライトと言えましょう。
その後は足尾~通洞駅周辺に広がる中心地 (?) で客を拾い、バスはいよいよ銅山観光前に到着~! 時刻表では銅山観光前行と受け取れますが、実際には双愛病院行となっています。だから客が次々に乗って来たのですなぁ……(^^;)。下車後速攻でカメラを構えたところ、運転手氏はご親切にも私が撮影するのを一瞬待って発車して下さいました。多謝~!